1. 居酒屋兆治
大原麗子、ピッタリはまってましたねえ。なんて綺麗なんだろう。ため息が出るほどだった。身を亡ぼしていくほどの切ない気持ち…炎で焼き尽くすような女の情念。崇高ささえ感じてしまった。これもまた人間のなにか普遍的なものを求める誠実な感情なのだろうか。だからこそ見ていて共感できるのだろうか…。彼女の変わらず揺るぎない苦しみの一点が、この映画全体をしっかり支えていました。兆治もまた彼女を求め続けていたはずで、今ある日常からの脱出をどこかで夢見ていたはずで、だからわれわれも見ていて悲しいのですよね。人の夢…高校球児だったころの兆治の夢、カラオケと芝居に狂うへんな男の夢…、どこか遠くへ行きたいですね。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-06-11 15:39:26) |