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プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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41.  さがす 《ネタバレ》 
監督と言えば当然、かの問題作『岬の兄妹』しか観たコトなかったのですケド、アレはま~極度に強烈な映画でしたので、そのパーソナリティとゆーのは(1作観ただけでも)ビンビンに伝わってきましたのですよね。すなわち、社会の暗部や人間が秘める闇、だとかいったごくダークなモノを、ソレこそ取り繕うコトも無くダークでネガティブなままにフルスイングで叩きつけてくるかの様な…と言いますか。でも、その中にも実はごく善なる人間性も描き込もうとはしてる…のカモ…と(仄か乍らに)感じ取れたのも確かなのであって、だから今作、個人的にはかなり期待してたのですね(特にその後者の方に)。そして、まずはその期待した側面に関しても今作は実に好い出来だった…とは、とにかく最初に何より伝えておきたいのです(その面、かなり奥ゆかしいのも確かですケドも)。監督のファンならたぶん必見!というヤツかと思いますね。  ただ、意外なコトに本作は(前述どおりの種々の人間性の描き込みもしっかりとされてゆく中で)全体としてはハード系ヒューマンドラマとゆーよりはかなり純然たるサスペンスとして仕上げられているのでして、そしてその面の出来がまた実に意外なまでに頗る高かった…と言えるのですね。なので、お話の内容についてはレビューで言えるコトが(実は)あまりないのです(=ダマって観て!としか)。と言っても、犯罪当事者の計画が(当初から)ごく精密に考え抜かれていた…というヤツではなくて、その実行過程には行き当たりばったりや偶然も大いに孕むのですが、それでいて終盤の展開運びは明快で鮮やか、かつ抜群のキレの好さを誇っており、率直にとても素晴らしかったです。シンプルに事件ものが好き!という方にも大いにオススメですね(近年の邦画では屈指というレベルで)。
[映画館(邦画)] 8点(2022-02-03 22:48:57)(良:1票)
42.  最強のふたり 《ネタバレ》 
かつて観たときは正直(意外なホドに)ハマらなかったのですが、理由は単純にドリスのキャラが個人的にハマらなかった、というコトなのですね。明け透けで雑で「乱暴」なトコロが彼の良さなのは重々承知なのですが、それでもあーいう筋骨隆々の黒人さんがあの感じだと正直ちょっと怖いなあ…とゆーのが率直な感想なのですよね。ただ今回観直して、やはり名作の誉れ高いだけはある優れたヒューマンドラマだとは感じました。シナリオの出来も上々ですし、主演ふたりの演技も(よく見ると)どちらも隅々まで行き届いてましたですね。  とは言え、やはり少しハマり切らなかった…とゆーのが、ゆーて本作のシナリオは前述どおりの高水準ですがどちらかと言えば「手堅い」という方のごくオーソドックスなモノだった様にも感じられた…のがひとつ。そしてもうひとつ、ソレとも大いに関わるトコロだと思いますが、ごく一般的な日本人の私とゆーのはこのふたりの状況が如何に衝撃的なコトなのか(という本作の最大のコンセプト)を、結局は十分に正確には理解できていない…というコトにも(少しだけ)感じられるのですね(コレは『ドライビングMissデイジー』を観た時とかにも感じたコトではあります)。今後も更なる勉強が必要…というコトかも知れないですかね。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-12-19 15:17:51)
43.  サマー・オブ・84 《ネタバレ》 
ホラー(スリラー)的演出が少ないながらも割としっかりつくられてはいるものの、全体的には大半が青春映画、それも非常に好くある例えば『スタンド・バイ・ミー』的なヤツなのですね。重ねて、青春映画としてもスリラーとしてもかなりしっかり丁寧につくられてはいるのですケド、これも重ねて取っ掛かりやメインの部分は非常に在り来りなお話ですし、だから犯人が判明するまでの展開は(個人的には)ソレ自体では映画レベルではないかなあ(=パワー不足)とも思えました。序盤は若干なんか妙に色々と分かり難い…てのもあった様に思えますし。  加えて、このラストですよ。個人的には(やっぱ)全体としてスリラーの雰囲気を意外にも強めに出していた…なのでソコら辺は結構綿密に考えてのプランだとも思うのです(=在り来りなお話に、ラストぐらいは恐怖と驚きを…とでもゆーか)。でも、コレもやはりソコと青春映画としての質感はどーしても整合しない、とも思いますし、そもそもかな~り意味不明・無理筋じゃなかったすかコレ?(色々と)だから私には結局このラストは、単なる只の「蛇足」にも思われましたですね。  でも一点、もし「ヤツ」がこの後このまま誰にも知られない・見つからない様な方法で「自殺」したのならば、コレはかなり強烈な主人公に対する「復讐」だなあ…とも思うのです。やっぱ一番怖いのは「人間の壊れたヤツ」なのであって、ソイツが(自分への怨念だけは確かなモノとして)生きてるのかも死んでるのかも分からない、いつかまた自分の人生の中に現れるかも知れない…てのは中々に地獄だなあ、と。とは言え、コレもひとつ私にとっては確からしく思われるのは、こーいう快楽殺人者なんて類の方々てのは、そんな方法で復讐する為であっても絶対に自殺なんかしねーだろうなあ…と言うコトなんですよね。だから結局この私の妄想はコレも多分完全なる「蛇足」かと思われます(=素直に一点引いときます)。
[インターネット(字幕)] 4点(2021-12-16 23:32:56)
44.  最後の決闘裁判 《ネタバレ》 
同一の一連のエピソードを3人の異なる視点から語ってゆく…とゆーのは、確かに『羅生門』或いは(そのエピソードが本質的には男女の三角関係だという点では)『去年マリエンバートで』なんかにも構成としては酷似してると言えるでしょう。ただ、今作は上映時間の大半に渡って繰り広げられるその3つの「主張」に関して、映像的にはソコに決定的な矛盾があるワケでもなく(例えばル・グリがマルグリットに乱暴を働いたのが事実か否か、という部分とかが争点になるワケではなく)、あくまで各章で実際に観せるエピソードの取捨選択によるニュアンスの差異(と、映される映像自体の若干の物理的差異)に依って鑑賞者に与える3人の印象とゆーのが移り変わっていく、という意味での心理的サスペンスという感じではあったですかね(=ミステリー的なトリックが重厚・複雑、というよりはずっとシンプルなヤツ)。  だから同じ話を3回観せられるワケなのですが、映画自体の諸々のクオリティが非常に高度なのもあって、その部分は間延びしてるというコトもなくずっとハラハラと観入ってゆけましたね。そして、肝心なラストの決闘で誰が勝つのか(=誰が勝つ「べき」なお話なのか)という点にまたハラハラ感を残す為にか、結局3人ともに何らか「瑕」がある、とも言えなくもない様なお話で、最後まで中々にムズムズもしたのですよ。男2人はワリと単純なクズなのですケド、まあ微妙ですがマルグリットにも完全に「後ろめたさ」が無かったかとゆーと…(彼女も根本的には全く悪くないのですが、ゆーてル・グリの「主張」のある部分1割程度は真実に見えなくもない…というレベルかとは思いますが)  とは言えその意味では、やはり時代的なコトもあって非常に「抑圧された女性」という存在であるマルグリットに関して一番「丸く収まる」この結末は、納得感やホッとする感の観点からは非常に無難なハッピー・エンドだったとも思います。そして重ねて、映画自体の質は歴史ものとしてもサスペンスとしても、かつ部分的に挿入される壮絶なアクション面にしても極めて高レベルだったと言って好いでしょう。普通に傑作の部類だと思いますね(流石リドリー・スコット、また次回作が観たくなってしまいますね)。
[映画館(字幕)] 8点(2021-10-17 17:44:23)
45.  サマーフィルムにのって 《ネタバレ》 
これ見よがしに「その辺にフツーに居そうな子」を集めたな、とゆーか、登場人物には総じて非常に身近なリアリティを第一には感じました(でも主演のコは元アイドルなのですね…)。ただ、本作は青春映画とは言っても全体的にはだいぶんコメディ寄りで、ソコを何とかするためとゆーかキャラクターの中身自体はかなり漫画チックとでも言うか、ごくコミカルに振ったキャラが大半を占めています(その意味では、中身はそんなにリアルでもないカモ、とも)。当然、少し重くなるシーンや色恋沙汰も含まれてはゆきますが、まずはどこまでも明るく楽しく(笑い通しで)観てゆけるという作品ではありますですね。  しかし、主演の伊藤万理華ちゃん演じる映画好き女子に関しては、ここには更に一段高度なリアリティというか、実に普遍的で切実な青春の物語を見て取れました。その意味では、彼女が志すのが映画監督という、それこそ確固たる「自我」の無ければ務まらない(ハズの)仕事だった、とゆーのは重要なポイント・アイデアだと思われます。この物語はシンプルな、人間が自分が何者であるかを見出す、という青春のお話だと思います。その観点からすると前述どおり、主人公に(少し人とは違っていながらも)実に明確な方向性・目的意識といった確かなアイデンティティがあるという点でのキャラ設定、そしてそれを具現化する彼女の演技も含めてかなり優れた表現だったと思いますし、テーマ性と物語(主人公のお話と主人公の「撮っている」お話、という二重構造の)を見事に整合させたラストの展開も中々好く出来ていたと思いました(ほんの少しだけは暑っ苦しい気もしますケドも)。うーん、これも爽やかで心地好いですね!良作です。
[映画館(邦画)] 7点(2021-08-30 22:34:39)(良:1票)
46.  さんかく窓の外側は夜 《ネタバレ》 
第一に、ひと目見た印象としては恐らくホラーな(=ホラーに仕上げるのが一番手っ取り早いという)お話なのですけど、全くそうはなってないとゆーか、怖がらせよう・ビビらせようっていう描写のキレとかはほぼほぼ皆無なのですよね。全体的にも(多少気持ち悪い部分はあれども)非常に地味です。まずココが、全体に濃厚に漂う退屈さの元凶になっている…という感じっすね。  もう一つ、主要登場人物の3人はいずれも暗い過去と禍々しい能力を兼ね備える特殊な方々で、三角はともかく他の2人は途中までは人格的にも相当に異常者である風をも醸して居るのですが、最後まで観ると3人ともが実は実に平凡な…とゆーか寧ろごく真っ当な(ヌルっちい)キャラ揃いなのですよね。こちらもある種キレが無いとゆーか、なんかこの手の「特殊能力者だけど温厚・善人」つーのは寧ろ少女マンガとかでよく見るよーな気もするなあ、とも言いますか。  そして終盤は、ソコら辺に輪を掛けて更に更に異常に生温い展開で終わってゆくのですが、そこまで観てモ・シ・ヤと思い、グーグル先生に訊いてみたトコロそれこそ一撃必殺!「さんかく窓の外側は夜」て入力したらサジェストに「BL」てイの一番に出るじゃねーですか(つーか原作者も女性だし、掲載誌もド直球なソッチ系のヤツじゃねーですか)。結論、私は完全にこの映画の客ではありませんでした。でも劇中、そんなにそーいう描写が目立ってた訳でもなくって、だからソッチ系の人にもフツーに期待外れだったんちゃうかな、とも思ったりなんかもして…
[DVD(邦画)] 3点(2021-08-26 19:48:27)
47.  残穢 -住んではいけない部屋- 《ネタバレ》 
うーん、そこそこ面白いよーな、そーでもないよーな…  とりあえず、普通のホラーとゆーよりは、9割がたがミステリー・謎解きの方に寄っているという作品で、その謎・呪いの根源を丹念に追っていく過程は(ミステリーとしては)そこそこ面白く観れるのは確かかと思う。ただ、その部分にしても中盤~終盤はやや単調で、少し盛り上がりに欠ける様に思うのもまた確か。そして、ほぼミステリーに寄っているという意味では、本作において純粋なホラーの側面とゆーのはもはや邪魔なのではないか、とすら感じるのですね。オーラスとかは正直、完全なる蛇足もイイ所だと思いました。まあ、あーでもしないと(あとはお祓いのシーンで終わるとかしか)オチが付けられない、という風に思えるのも更にまた確かですが。  橋本愛は美少女だし、竹内結子の翳の有る色っぽさも素晴らしかったし、本質的には彼女らの涼し気な風情を見事に活かした奥ゆかしい和ホラー(チック・ミステリー)だと思うのです。が重ねて、それなら(如何にもな)ホラー描写は思い切ってオミットしてしまっても好かったのではないか、などとも思いますですね(尺はちょっと短くなるでしょーケド)。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-08-22 22:39:06)
48.  サイコ4<TVM> 《ネタバレ》 
ノーマン・ベイツ最終章。「母殺し」をテーマにしたラジオ番組にノーマンがコンタクトしてくるという建付けで、主にノーマンと母の人物像とその関係性を描いてゆく作品だが、『2』『3』とは別の世界線上のお話というコトのようである(ノーマンがほぼ完治して退院し、更には結婚までしているというやや驚きの設定)。  初めて生きているときの様子が描かれる母ノーマをオリヴィア・ハッセーが熱演しているが、彼女のキャラクターの中身自体は、このお話の根本の元ネタ、エド・ゲインのエピソードに酷似したものであって正直あまり新鮮味は無いし、肝心の母殺しのシーンにも見るべき独創的な仕掛けというホドのモノは無い。その他、母を殺した後の第一・第二の殺人なども描かれるがそれも大したもんでもないかと思う。更にそもそも、この意外なハッピー・エンドにはそれこそ賛否両論があるだろうし、ラストの大騒ぎも個人的にはハッキリ蛇足だと思う。その意味ではやはりテレビ映画かな、という程度のクオリティにも感じられる。  ただ、コレこそがアンソニー・パーキンス自身のノーマン・ベイツの解釈なのだろう、というのは大いに伝わってくる。今作まで観たうえで改めて『1』『2』を観直すコトで新たな発見がある、という可能性は否定できないし、その意味では今作を観る価値も多々あると言えるのかも知れないとも思う。シリーズのファンなら、観て損は無い。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-08-10 00:59:06)
49.  サイコ3/怨霊の囁き 《ネタバレ》 
うーん、全体としては(ある意味待望の)「ノーマンが母を克服する話」なのですよ。だから、その部分だけに絞って筋を追う分には別にそこまで酷くもない様な気もします。パーキンスの演技自体にもかなり力が入っていますし(ラストとか特に)。  しかし、それ以外の部分がちょっと「チープ」過ぎます。まず、モーリーンが自殺しようとする場面で母親に化けたノーマンが聖母に見えた、つーのはギャグですか?あと、メインの筋書きが非常に単純でボリューム不足だからしょーがないのでしょうケド、場繋ぎとしてその他に盛り込まれる殺人がどれもテキトーな上に数が多すぎます。『1』と『2』は同じサイコ・スリラーでも、もう少し風格とゆーのを保っていたと思うのですが、今作はソレを自らB級のモノに堕としてしまっていると感じるのですね。  もう一つ、これは前述のB級スリラーになっちゃってるというコトにも関係しますが、結局ノーマン(パーキンス)はホラーモンスターには為り得ない、というコトだとも思うのですよ。『1』も『2』も(実際には彼は狂ってるのだケド)それがどっちなのかが定かでない、というキャラクターだったからパーキンスでも成立してたというコトであって、彼を主役にB級スリラーを撮ろう、とゆーのがそもそも筋違いな様にも感じます。だから一層、メインの筋に注力した真剣なヒューマンドラマ・サスペンスとして組み立てるべき話だったのだろう、と思いますね(パーキンスの演技力もその方が活きるでしょうし)。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-08-10 00:58:48)
50.  サイコ2 《ネタバレ》 
かなり入り組んだ複雑なシナリオだが、色々と微に入り細を穿って組み立てられており、完成度としては確実に合格点を大きく越えていると言えるだろう。少しだけ無理繰り・取って付け感が在るとしたらラストの「真の母親」の箇所かと思うが、その女をノーマンが即座に手に掛けるオーラスはもはや哀愁すらも感じさせる優れたバッド・エンドだと思う。  一方で、シナリオの当初は正気を保とうと苦悩するノーマンを主人公として描いてゆきながら、徐々にメアリーの方に主人公の役割をシフトしてゆくアイデア(=ノーマンが正気なのかどうかは逆に定かではなくなってゆく)、そしてそれを可能にするメアリーのキャラ設定と実際の展開運びまでが非常に秀逸で的確だったとも感じるのですね。加えて、実際のノーマンとメアリーの演技自体もまずまず以上に好い出来で、結論、名作である『1』の名に恥じぬ優れた続編、と言ってよいかと思われます。アマプラに出て来ていますが、これは『1』のファンなら必見かと。是非。
[DVD(字幕)] 7点(2021-08-10 00:58:24)
51.  ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷 《ネタバレ》 
『呪怨』というホラーは、元々は超・低予算作品だし、かつ根幹的なコンセプトも「足を踏み入れた者が皆死ぬ呪いの家」という非常にシンプルなものではある、のだケド、ホラーとしてはやはりこれも非常に特徴的な側面を持つ作品でもあった、と思ってますです。それは第一に伽椰子と俊雄という実にユニークで禍々しいお化け(あとそのお化けを思いっ切り「見せて」ゆくという演出方針も)と、もう一つが時系列の入替えを含んだ(ホラーとしては異例なまでに)複雑に入り組んだシナリオ構成、という点であるかと思うのです。  ただその意味でゆーと、数あるシリーズ作品・リメイク(リブート)はやっぱし大体この2つは要素として取り込もうとトライしてるのだケドも、特に後者、ややこしい切り貼りシナリオとゆーのを採用したヤツが面白く出来てた試しがねえ、とも感じてるのですよ。アレはね、いっちゃん最初のオリジナルが奇跡的に超絶に出来が好かったから成立してるだけのモンなのであって、中途半端に真似できるよーなヤツでは全くねーのですわ。そもそもオリジナルを撮った清水崇本人ですら、それに続く劇場版もほぼ同じ感じでつくったケドも驚くほどに全くモノに成ってなかった、という代物なのですからさ。  今作も正にドンピシャでその感じ、とゆーか…作品自体は製作費もある程度掛かっていて、まずショック描写はだいぶん気色の悪いまずまずの質だし、かつそれが非常にチョコチョコと豊富に入り続けるのでそこら辺はB級よろしくケチってる感じも全くせず、決して全然見ドコロが無いという完全なポンコツとは言えないかと思います。しかし、ここまでお話が散発的でホラー的にも脈絡が無いとなると…どだい90分の映画に4つも話が入ってますからね。オムニバス的、と言うことも出来るのかも知れませんが、オムニバスとゆーのは4つ話が入ってるなら彩りとゆーのを考慮するモンじゃねーですか。今作の4つの話っちゅうのは率直にどれもほぼ同じ話で、そもそもそれらが只パッチワークで繋がってて只ノンベンダラリと流れてゆくだけで実はトリックもナンにも無い、とゆーのでは、結論、まるで何処にも盛り上がりとゆーのが見い出せないのですよ。ここまで来るとこれはもうキチンと統合された一本の映画とも言えないのではないか、とすら思いますね。  メイン主人公の(化粧っ気無い)女刑事さんの少し病的な感じがホラー的に好さそうだったのとか、リン・シェイがまた中々イイ感じのイカレ婆を演じてたのとか、ちょっと以上に好きな箇所もあったので(あと実はワリと少しだけ期待もしてたので)こんな初歩的な躓きで終わってしまったのには個人的にはかなりガッカリしてます。無念。。
[インターネット(字幕)] 3点(2021-08-07 00:10:25)
52.  サイコ・ゴアマン 《ネタバレ》 
サイコ「ゴア」マンを名乗るだけあって、序盤からかなりグロいゴア描写がふんだんに盛り込まれており、主役が子供なのにこれはイイの?(倫理的に)と思ったりもしましたですね(中盤にはゴアマンが裏切者を大量殺戮する様子をミミちゃんが大喜びで見つめてたりするシーンもありましてですね)。ただ、ゴア描写もよく見ると結構チープですし、その他描写も総じて安上がり、特にしこたま登場する着ぐるみ宇宙人共の質感は最近の日本の特撮番組レベル(かチョイ下くらい)で、本質的には(やりたいのは)単純にコメディ、という作品でしょーかね(それも率直にかなりシュール・変テコな方のヤツ)。  ただ、私はフィーリングがドンピシャだったので相当に笑いました(でも映画館で観ましたが、皆さん笑い転げてる箇所も多々ありましたよ)。傍若無人極まりないミミちゃんは(実際は)12歳らしいのですが、この歳ながら実に可愛げの無い小憎たらしい顔つきで(どこぞの環境運動家ぽい)非常に前途有望?かと思います。もう一人、極めて情けないオヤジのキャラがちょっと欧米の映画では観たこと無いよーなレベルにも感じられ、個人的にはとても面白かったです。総じて「人間」側が人格的に破綻気味のイカレ連中であるのに対し、肝心のゴアマンは(彼も悪人の範疇ではあるのでしょーが)むしろマトモにも見えて、どちらかとゆーとツッコミ役にさせられていたのも中々興味深かったすね。結論、そこそこユニークな作品でもありますし、笑えますし、観る価値は十二分にあるかと。
[映画館(字幕)] 7点(2021-08-05 22:57:22)
53.  THE PROMISE/君への誓い 《ネタバレ》 
特に、日本においては決して知名度が高いとは言えない歴史上の事件を、かなりシリアスかつ真摯に冷徹に描いた作品、というだけで、とりあえず観ておく価値は間違いなく非常に高い作品だと言える(もちろん、娯楽映画として観れる類いの作品ではない、ということは前提として)。全体的にオスマン帝国政府・軍に対する批判的な製作姿勢が大いに見て取れるものの、例えばエムレのエピソードに代表される様に決してバランス感覚を著しく欠く、という訳でもないと思う。また、主役3人の三角関係的恋愛模様をシナリオに持ち込んだことも、あくまでこの要素は添え物に留められている、という点からしても個人的には決して悪くない工夫だと思えた(こーいうのがあると、登場人物が一層「人間」に見えてくる、というか)。  ただ、本作の意義は重々認めつつも一点だけ指摘したいのは、本作が主に描いているのはとある「結果」であり、より重要なのは「原因」だということだ。何故このような事態に陥ってしまったのか、というのは、本作を観ただけではちょっと分かり辛い、というのが正直なトコロで、その辺の事情、アルメニア人とトルコ人の宗教的差異であるとか、アルメニア人勢力・ロシア・トルコの三つ巴の関係性とそれに第一次大戦が及ぼした影響、といったことは別途自分で調べないといけない。ソコを上手いコト作中に描き込めたのであれば、よりバランス感覚に優れてかつ深い映画になった、と言えるのではないだろうか。
[DVD(字幕)] 8点(2021-06-24 23:41:26)
54.  ザ・ファブル 殺さない殺し屋 《ネタバレ》 
う~ん、お話の内容は相当に酷い、というかメチャクチャですね(前作にも増して)。とにかく、堤真一一味に関しては何から何までサッパリ意味・意図とゆーのが通じません。ギャグ要素込みの単なるアクション(スリラーというホドでもねーワケで)を何故にこんなややこしく支離滅裂にしてしまったのでしょーか(こーなる位ならもっとシンプルで陳腐につくればいーじゃないですか)。  他方、ド初っ端のカーアクションにせよ、中盤の団地(足場)での盛大な戦闘シーンなんかにしても、邦画としては一級に派手だし率直に相当以上に面白く観れましたのですよ。だから尚更、もっと単純一直線な話にして(それなら尺も90分くらいにしちゃって)そのアクションだけを思いっ切り際立たせる、という方が絶対に正解なよーにも思うのですよね。何ですかね、コロナ禍真っ只中の製作でちょっとやりたいコトと予算的なコトのバランスが崩れちゃった、とか、平手友梨奈を必要以上に目立たせる為にシナリオが歪んじゃった、とか、そーいう「大人の事情」とゆーのがそこはかとなく感じ取れる、という風にすら思われます。  まあでも、平手友梨奈自体は確かに凄く可愛かったですし、それも量産型な可愛さでもなくユニークで個性的なパッと目を引く魅力が在った、とも思うのですよね(確かにこのコで一本映画撮りたくなっちゃう、的な)。ただ、本作品での平手さんの引き立て方とゆーのは、お世辞にも巧かったとは思いませんです。前述どおりストーリーはパッパラパーですし、その意味でのハイライトたるラストのアクションシーン(地雷)は(ココだけは)これもかなり意味不明という代物でした(やっぱり、コレだってもっとシンプルにすりゃいーじゃない!てな感じで)。  コレもコロナの弊害、なのでしょーか。巣籠もりで打ち合わせばっかり時間長くなって、みんな考え過ぎた(煮詰まり過ぎた)、という感じなのかも知れません。
[映画館(邦画)] 4点(2021-06-20 13:07:14)
55.  猿楽町で会いましょう 《ネタバレ》 
どーみても恋愛映画にしか見えませんが、率直にここまで来るともはやそーとも言い切れない、というレベルですね(コレを恋愛映画だとは、私は認めたくないのです)。ここに描かれるのは愛だ恋だといった人間性のごく善なる側面では更々なくて、徹頭徹尾がその負の側面の方なのです。シンプルな愚かしさに始まり、狡猾・打算・不誠実、そして猜疑…ここまでネガティブな映画、それも一見そうは見えない様な「皮を被った」作品というのは、個人的には随分と久し振りな気がします。  とにかく、本当に碌でもないヤツしか出てこないのです。男の方も正直言って最初からあんまり印象は好くないのですが、ラストまで観ると彼には逆に同情の念すら覚えます(=女の方がヒドすぎて)。まあ、あくまで女性を信じようとした彼の人の好さを「未熟」だと糾弾してよいものなのかどーかは、率直に微妙なトコロでしょう。ただ個人的には、人を信じるのはそれこそ個人の自由だと思いますが、大人ならばそのリスクに対する回避策・自分が傷つかない術、とゆーのは常に用意しておくべきだと思います(仕事においても、プライベートにおいても、それは常識かと)。大人は基本的に、オールベットなどしないものです(自分で書いててなんか浮気の言い訳に見えてきましたケド)。  まあそんなのはどーでもよくて、とにかく問題は女のコの方ですべ。なんつーか、どーしよーもないですね。なんも考えてませんし、困ったら泣くか媚びを売るかすればどーにかなるとしか思ってなさそう、とでも言いますか。とにかく彼女は、自分がその時欲しいモノを相手がすぐに与えてくれるか、でしか他人を見ていない様に思われます。それは相互関係、高度な意味での(大人が必要とする)人間関係ではない、とすら思います。本作のラストには、彼女は影もカタチもありません。それこそが監督の「答え」なのではないか、と感じました(すなわち、彼女の居場所とゆーのはこの世の何処にも、他の誰の人生の何処にも、無いという意味かと)。若い日本の女優さんにしては珍しく脱いで頑張ってますが、後半はそれが全く嬉しくもなかった、とゆーのが、彼女に対する(私の)嫌悪感を物語っているよーにも思います。  映画としての完成度は、かなり高い作品だと思います。とは言え、こーいう(ただネガティブな)お話を映画として描くことにどこまでの意味を見出すか、というのも、ひとつ確実に議論の在るトコロではあるでしょう。少なくとも、映画から何らかのポジティブさを得たいと常々思っている人、或いはそーとまでは言わなくても、現時点でそーでもない映画を観れるだけのメンタル的な準備が整っていない人、には向かない作品だと思います。個人的にはこの見応えの、ある面での「素晴らしさ(ユニークさ)」を念入りに勘案して、正直嫌いな部類の映画ですがこのような評価とさせていただきたい、と思います。
[映画館(邦画)] 7点(2021-06-16 21:47:03)
56.  残酷!女刑罰史 《ネタバレ》 
1970年というギリ60's?な年代もあって、残虐にせよエロにせよ描写自体の質は率直にそこまで大したもんでもない(それでも拷問描写はそれなりにハイレベルな陰惨さで、当時観客にもたらした衝撃の大きさとゆーのは十分に推量されるケド)。ただ、むしろお話の内容の方が相当に高レベルな残虐というか胸糞というか、無辜の市民を私利私欲、あるいは為政者の面子の為に惨たらしく拷問→虐殺していくという内容にはあまり類を見ないレベルでムカムカさせられた。が、意外とこの見るに堪えなさ・忌々しさが、当然の如くのシリアスさも相まって高度な見応えとゆーのに繋がっていたというか、マサカこんなのにこんなに引き込まれて最後まで観れてしまうとは思いませんでしたすね。主演陣に地味にちゃんとした人を起用していて、演技面でアクセントがつくれていたのも大きいのでしょうね。重ねて、意外と決して悪くない(ネガティブ方面に見応え有る)映画になってます。
[DVD(字幕)] 6点(2021-06-01 22:01:12)
57.  サムライ(1967) 《ネタバレ》 
ノワールとしても、お話自体は非常にシンプル、かつ派手な展開も無く率直にかなり地味ですし、件のラストについても雰囲気自体は十分に好く醸されていますが、何故そーしなければならなかったのか、と言われれば若干疑問は残る、とも言えます。その意味では、お話自体の方よりは別のトコロに観るべきモノが在る映画だと思いますね。  それは言わずもがな、主演のドロンに決まっているのです。美しいですね。無機質な美しさと、冷たさ。血が通っているとは到底思われないほどに温かさ・生活感が排除されたその様はまるでターミネーターの様ですが(T-1000の方)その顔面が更に芸術品の様に美しいと。ハードボイルド極まりなくも前述どおり地味、というお話の内容も、ドロンの醸し出す雰囲気には好くマッチしていた、とも思います。もう一つ、ドロンの部屋がこれまた素晴らしかったですね。これも生活感無く、またあの壁の塗り方はなんなのでしょうか。あんな陰鬱な部屋に住んでいたら、常人ならすぐ精神を病んでしまいそうだ、とでも言いますか。  そしてドロン両手に華な女優2人の美しさも出色でした(これだからフランス映画は止められない)。ここまで主演陣の見映えが美しいと、全体の雰囲気も勝手に文芸的なまでに成ってゆくかの様な。たびたび観返している作品ですが、この雰囲気は個人的にはとても好みですね。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-29 13:23:11)(良:1票)
58.  最後のギャング 《ネタバレ》 
あるギャングの転落を描く映画としては、筋書き自体は非常にシンプル、かつ全体的に少しばかり駆け足というか効率的というか。かなりコンパクトな尺も相まって、終盤までの見応えは率直に「軽め」な作品だと感じていた。が、圧巻はラスト付近のエドワード・G・ロビンソンの諸々の演技の重厚さである。ああ、映画を観るのが「人間」であり続けるなら、この演技が在る限り本作もまた永遠不滅であろうなあ、とすら。(そこまでも決してそんなに悪くもないケド)このラストの見応えだけで、私は今日も満足。
[DVD(字幕)] 8点(2021-05-25 00:39:12)(良:1票)
59.  ザ・スイッチ 《ネタバレ》 
中々に鼻につく感じでイチャつくカップル(2ペア)を電光石火で血祭りに上げるオープニング・シークエンスは実に古典的なスラッシャー・ホラーの様相を呈してますが、そこから主人公のイケてない女子と殺人鬼が邂逅し、件の「入替り」が発生する、それ以降はワリと最後までこのテーマとしては正に王道なドタバタ・コメディ風ホラーが続いてゆきます。この部分はコメディ描写も随所でまずまずクオリティ高いですし、話の運び方&ポイントとなるアイデアの出来もまあまあで、その意味では今作、ショック描写の出来映えメインで勝負してるジャンル・ホラーと言うよりは間違い無く、監督の前作『ハッピー・デス・デイ』に類する上質な脚本を擁するA級ホラーだと言ってよいでしょう。  ただし、この映画はコメディ&ドタバタパートがスッキリ終わって目出度くジ・エンド…とはなりませぬ。その部分、最初と最後であくまでホラーらしくしっかりスラッシャーしてくれてるのも、個人的にはとても好印象ですね。入替り×2人の俳優さんはその部分の演技も結構頑張ってくれてるし、総じて標準以上なA級クオリティであることも含め、十分に良作かと。評点は少しだけ甘めかとも思いますが、オススメなのはホントです。
[映画館(字幕)] 7点(2021-04-09 23:51:25)
60.  残酷で異常 《ネタバレ》 
ループものですが、スリラーとしては描写にはショッキングさというのはあまり無くて、純粋にストーリー部分のアイデアで勝負している、という感じです。何が起こったのか、に引き続き、それはどうしてそうなってしまったのか、を明らかにしていくシークエンスはコンパクトながら中々巧みな運び方(+トリッキーな映像表現)で、思った以上に面白く観れました。そこからのクライマックスはある種のヒューマニズム万歳!的な終わらせ方で、こちらもまずまず気持ち好く観終われます。大筋の部分とそこのアイデアについては文句無しに合格点以上かと。個人的に欲を言えば、もう少しあちらの「世界」の設定に深みがあればというトコロ、でしょうかね。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-03-25 20:58:48)
040.24%
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