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1.  真田幸村の謀略 《ネタバレ》 
錦之介さんが老けメイクでおぞましく演じていた家康が実に「悪い奴」でGJ!公開当時は「家康の首が50メートル飛ぶ!」という扇情的な宣伝がなされていたように覚えています。大阪冬・夏の陣での幸村や真田忍軍の活躍を描いており、史実でも家康の本陣まであと僅かまで攻め込んだ真田幸村軍が「実は家康の首を取った」というストーリーです。家康は影武者を多用したことでも知られていて小説では隆慶一郎さんの「影武者徳川家康」という傑作もあります。映画としては何ともテンポがゆるく、合戦シーンもチープな印象が強く、ラストに折角家康の首を飛ばすときにもカタルシスや爽快感に欠けるという感じがします。松方さんと秋野暢子のロマンスも不要といえば不要でしょう。それでも錦之助さんの存在感の大きさと松方幸村の健気さを愛したいと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2005-04-17 12:04:47)
2.  催眠 《ネタバレ》 
「CURE」のようなサイコ・サスペンスだと思い、稲垣吾郎主演ということもあってある意味なめて観ていたら、最後にいきなりホラーに豹変して驚きましたぜ。ただのイカレてしまった心に闇を持ったトラウマ電波姉ちゃんがいつの間にやら無人の警察署で暴れまくり、天井から直下降して襲い掛かってくる(菅野美穂本人ワイヤー装着吹き替え無し)のには逆に感心してしまいました。天晴れと言ってよいと思います。これも菅野美穂であればこそ説得力があると言うもので、他の女優さんではいささか無理が大きすぎるように感じます。カンノ映画がもっと観たいと思わせてくれた一本でした。
[DVD(字幕)] 7点(2005-04-17 11:27:14)
3.  サラマンダー
※ネタバレ警報。食物連鎖の頂点に君臨していた人類が、ロンドンの地下鉄工事現場から蘇った高熱火炎を吐く翼を持つ龍によって単なる「食糧」になってしまう。近代文明も都市も増殖しつづけるドラゴンの群れの前に崩壊し、生き残った人類は郊外の砦に地下深い避難壕を掘って息を潜めるように暮らしている。この世界での子供たちのお祈りは「起きているときは常に両目で空を見張ります。寝ているときは片目で空を見張ります。もし空に龍が見えたら一目散に砦に向かって走ります」である。ドラゴンの造形もなかなか宜しいし、砦を襲う雄ドラゴンの戦い方もなかなかクレバーで好感が持てる。(窓などの隙間に口を突っ込み高熱火炎で内部にいるものを一気に焼き尽くす)ただドラゴンに対する人間サイドのドラマや戦い方に今一つアレッ?な部分が目立った。特にドラゴンスレイヤー(龍殺し)マシュー・マコノヒー君が率いる植民地(アメリカのこと)からドラゴン退治にやってきた義勇軍が、出だしの華々しさ…戦車(英国製チャレンジャー)を先頭に砂塵を舞い上げて行軍してくる装甲車や戦闘車両、バイクやトラックの車列、低空を旋回する軍用ヘリコプター(残念ながら戦闘ヘリではなく輸送ヘリ)…しかしちょっと待って欲しい。ドラゴンの脅威が全世界を席巻しているときには各国の軍隊が束になってかかってもドラゴンに蹴散らされ、米軍に至っては核兵器まで使用しながら敗れたというのに、アメリカ中西部の片田舎の義勇軍がドラゴン退治のオーソリティーというのは少し無理がないだろうか。そしてヘリを利用した精鋭中の精鋭であるドラゴン捕獲部隊「エンジェル」たち、君たちの戦法はどう考えてもおかしいぞ。その作戦とはヘリがドラゴンを発見するとエンジェルの一人が囮となって飛び降り、それを追いかけるドラゴンの背後から残る二人が飛び出し、ワイヤーネット弾を発射し、ドラゴンを地上に落として地上の部隊がとどめをさすというものだ。映画の中では作戦は成功するが、エンジェルの囮役は地上に激突、追尾役の一人はドラゴンに食べられてしまう。二人の犠牲でドラゴン一匹という交換比率がどうなのか分らないが、颯爽と登場したエンジェルがあっさり一人になってしまうのは余りにお間抜けだ。一度きりしか使えないのでは余りに非効率だ。第一、ドラゴンの制空権下にあってヘリコプターがどうして生き延びられるのだろうか。ドラゴンは囮などに構わずヘリを襲うはずだと思う。ヘリを恐れるようでは地上を制圧することなど出来るはずがない。この後もっと間抜けな戦いが展開される。「俺たちは200頭以上の龍を殺した」という精強無比なドラゴンスレイヤー・マシュー君率いる最強義勇軍が、砦で新兵を補充した後、敵の繁殖の要である1匹しかいない雄ドラゴン退治へとロンドンに向かう途中のこと。後少しでロンドン市内というところで道を瓦礫がふさいでいて、頼もしい戦車を戦闘に車列は立ち往生してしまう。と、そこに上空から雄ドラゴンが襲いかかり、狭い道で一列になって車間距離をとらずに固まっていたドラゴンスレイヤー機甲軍団は戦車や装甲車をはじめ全車両とともに高熱火炎に焼き尽くされてしまう!!マシュー君ほか数名を残して「全滅」である。武器や重火器も全て炎の中である。戦車も一発の砲弾を発射することなく炎の中だ。そして「ドラゴンの復讐を避けるためにロンドンに手を出してはならない」と言っていたクリスチャン・ベイル君の言葉通り、砦はドラゴンに襲われ多くの仲間が焼き殺されてしまう。おい、指揮官のマシュー君、軍隊の運用で「偵察・斥候」は基本中の基本じゃないのか。ヘリコプターを何の為に随行させているのだ。オートバイだってあるじゃないか。進撃路の確保確認もしないで前進するなよ! おまけに最後は戦斧と弓矢を(いきなり肉弾戦に持ち込もうとするつもりか)持ったマシュー君とライフル1丁のベイル君、ヘリのパイロットでピストルを持ったイザベラ君の3人でロンドンに地下から侵入。ベイル君は矢じりに爆薬を仕掛けた特殊な対ドラゴン用の矢を逃げ回る途中で落とすは、なんとも勇敢で無謀なマシュー君は割とあっさりドラゴンに食べられてしまうは、イザベラは足手まといだは…おいおい。落とした必殺兵器「矢」をイザベラが見つけて、回収し、ベイル君が目の前で大きな口を開けた雄ドラゴンに射込んで勝利を収めるのだが、ロンドン上空にはまだ数千のドラゴンが舞っているはずでは。ドラゴン亭主を殺された妻ドラゴンたちの逆襲は映画では描かれることはなく、二人は無事脱出、ラストシーンとなる。ドラゴンもキャラクターも状況設定も実にいいテイストを持っているのに、ディテールが今一つ甘いと感じられた。既存の生態系の崩壊という恐怖と閉塞感をモチーフにして、種(ドラゴン)と種(人類ホモ・サピエンスをはじめとするドラゴン以外の生物)の存亡をかけた究極の戦いという、未だ観たこともない斬新な究極のドラゴン映画(カンフー映画ではない)になり得たのではないかという期待が感じられただけに、何とももどかしくて、マイナス2点。しかし文句をいいつつも結構お気に入り。特に砦の子供たちに主人公たちが見せるお芝居のシーンは最高。内容は「スターウォーズ 帝国の逆襲」のクラウドシティで、ルークとヴェーダがライトセーバーで戦うシーンの再現。「スーハースーハーアイアイムユアファーザースーハー」子供たち一斉に「キャー」このシーンだけでも価値がある。
8点(2003-05-31 18:42:23)(笑:1票)
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