1. サスペクト・ゼロ
やっぱりベン・キングズレーって、ベン・キングズレーなだけのことはあるんですよね。「マトリックス」に出たからと言ってまだ1人で客を呼べるほどではないキャリー・アン・モスに、特に人気が出たという話も聞かないアーロン・エッカート、ほとんど誰も覚えていない「シャドウ・オブ・ザ・バンパイア」のE・エリアス・マーハイジ監督、これだけ地味な組み合わせでありながら日本で劇場公開されるからにはそれだけの理由があると思って良いと思います。いわゆるベタベタなサイコ・ホラーを一歩踏み越えて、きちんと捻りを効かせたプロットは見事。あまりにもきちんとしすぎていてツッコミ甲斐の無い作品ですが、こういう緻密なお仕事を最近あまり目にしてなかったので大変嬉しかったです。わたしは映画版の「羊たちの沈黙」をそれほど高く評価していませんが、その原作の精神をかなり色濃く受け継いだ内容になっていると思います。2回観て来ましたが、時間が作れればもう1回観たいな。恐さはないですが、知性と品格はあります。一歩間違えば「ギフト」とか、あのへんに納まりかねない内容ですが、差をつけたのはやっぱりベン・キングズレーの名演技だったと思います。役者一人でこうも違うものかと感動しました。あとやっぱり作りが非常に緻密で丁寧です。映像的には特に目新しい物ではないですが、やるべきことをきっちりやり、真剣に丁寧に愛情を持って作られた映画だと思うので、わたしは大好きです。 【追記】おじさま激憤ですね(笑)このぐらい意見の分かれる物の方がわたしは好きなのかも?と納得してしまいました。ノレなかったらアウトですよね。前半タルいし。2回観ないと良さがわからない作品って結局ダメなんだと思います。 10点(2005-02-12 00:35:56)(良:1票) |
2. 13デイズ
わたしにとって、何故「アポロ13」がケビン・コスナー主演で作られなかったかはものすごい謎である。まあロン・ハワードだからトム・ハンクスっていう組み合わせなんだろうけど、年齢的にも外見的にも、役選びのスタンスから考えても、あの役はトム・ハンクスよりぜんぜんケビン・コスナーの方が向いている。なのに何故か「アポロ13」が作られた95年、ケビン・コスナーはうっかり「ウォーター・ワールド」なんかに出てしまった。たぶん彼なりに悔しかったんじゃないかと思うし、アメリカ近代史に残る英雄の役がやっぱりやりたい。そこでひねり出されたのが「13デイズ」だったんじゃないのかな、と。残念ながらこの話の主役はやっぱりジョン・F・ケネディとロバート・ケネディだと誰だって思うだろうし、ケビン・コスナーの演じたケニー・オドネル役は地味な割りに不自然に浮いている。なんでケビン・コスナーがJFKじゃないのかというと、あまりにも顔が似てない上に9年前にジム・ギャリソンをやっててそりゃマズいだろう。結果、どうもあれですね。なんかスターかくし芸大会みたいになっちゃいました。ボブ・ケネディが似すぎてるのもアダになったというか。いい話なんですよ。いい話だし、大事な話。戦争はどうやって起こるか?または防げるか?という外交史上に残る大事件なんですけど、それやったJFKが翌年消されちゃダメじゃん。わたしはこういう話がとっても好きなので「おぉ」とか喜びながら見てましたけど、映画としては残念ながらかなりダメだろうな、と思います。これは主役をJFKにしないと。マクナマラ国防長官役のディラン・ベイカーは素晴らしかったですが。あと「○○日」というタイトルにはヘビメロが多いので、ケビン・コスナー主演ということもあってわたしは長年この映画をベタベタの恋愛モノかと思い込んでおりましたことを正直に告白しておきます。「キューバ危機」とかそういうタイトルにしてくれれば劇場で見れたのにな。でもこれたぶん劇場で見るには地味過ぎですけど。遺憾ながら大好きなのに5点。あと字幕ですがフルシチョフがずっと「首相」扱いされてたのがとってもイヤでした。戸田さん、ウソはいけないよ(怒) 5点(2004-11-21 04:57:37) |
3. サンゲリア
ジャケについていた「ゾンビ映画の最高傑作」の謳い文句に釣られて鑑賞。謳い文句ってあくまでも自己申告の世界だってことをすっかり忘れていた。ロメロのゾンビにはすっかりメロメロなわたしだが、これはちょっと真剣になりすぎていてシャレになってない。遊びがない。ちゃんと恐いがゾンビに期待するものからは微妙にズレている。この緊張感、大真面目なホラーぶり、タイトな恐さというのは実はある種のホラー映画には絶対不可欠なものなのだけど、モノがゾンビだけにどうしてもどこかにほんわか和めるムードを期待してしまう。よって期待負け。普通にホラー映画として考えればちゃんとそれなりに恐いんだけど、だったら一応孤島モノなんだから「ドクター・モローの島」や「ザ・チャイルド」あたりのギリギリの絶望感まで持って行ってもらいたかった。伏線の張り方からオチまでの持って行き方は上手い。頑張っているけどやっぱりみんな英語がものすごく訛っている。ひょっとしたらここがケチのつき始めなのかも。 5点(2004-09-23 01:42:39) |
4. ザ・コア
あらゆる点で「アルマゲドン」と対極をなす作品なのに着地点は同じ辺り、というのが笑える。このメンバーに地球が救えるわけなかろう、と思っていたら案の定かなりやばかった。でも地球内部の特撮のキッチュさといい、メンバーにほどよく釣り合った妙ちきりんなバランスの良さではある。もうひとつ突き抜けたB級感が出し切れなかったところがむしろ惜しいぐらい。掴みは良かったんだけどお尻がついて行っていなかった。仙人を通り超した浮浪者風のデルロイ・リンドーとか、髪の毛フサフサのスタンリー・トゥッチとか、あいかわらずとってつけたみたいなヒラリー・スワンクの女装など、コスプレを楽しむというのも一つの鑑賞方法かと思う。アーロン・エッカードはアクションスターの素質ありと見たが、トーマス・ジェーンと見分けがつかなくなるのも時間の問題であろう。少なくともジェフ・ブリッジスとカート・ラッセルの区別がつかない私にとっては、ちょっとした試練になりそうである。 5点(2004-01-24 01:51:25) |
5. ザ・セル
《ネタバレ》 映画って映像だけ素晴らしくても駄目なんだ・・・と心の底から納得した映画。映像だけはイヤってほどいいんだけど、ストーリーが全然追いついてない。というか、ない。人間の心の中に入るという着想はものすごく新しかったし、技術的にはまさにそれができる時代になったんだ、ということも喜ばしいことではあるのだが、入って行った先に期待を裏切ってくれるものがほとんどなかった。というかオズの魔法使い。しかもあれだけ苦労して人の心の中に入り込んでさんざん辛い目に遭わされたわりに、監禁された女の子の救出にはほとんど何の役にも立っていない。要するに無駄骨。つまり人の心の中に入っちゃうのは、物語を目新しくするためだけに用意された仕掛けってこと。せっかくだからその斬新な手法で事件を解決してもらいたかったですが、これって典型的な企画倒れじゃないんでしょうか。ただし映像だけは鳥肌が立つほど素晴らしかったので点数甘め。一見の価値はあると思います。それだけですけど。 6点(2004-01-20 23:17:52)(良:1票) |
6. サイゴン
「プラトーン」で一躍世界の脚光を浴びたウィレム・デフォーのオスカーノミネ後第一作と考えれば、再びベトナムで活躍する正義と苦悩のデフォーが見たいぞ、という世の中の期待は充分に満たした作品と言える。純然たるB級サスペンス+異国情緒の香りづけは当時の一つの流行りでもあり、「プラトーン」で憤死したエリアス軍曹のもう一つの活躍という以外ほとんど見るべきものもないのだが、あ~エリアス軍曹元気でやってるじゃん。という妙な救いが感じられてファンにはけっこう嬉しい作品。やはり85年の「ホワイト・ナイツ」でプチブレイクしたグレゴリー・ハインズとのカップリングというのも、いかにも季節モノ企画モノという開き直りが感じられてむしろ清々しくさえ思える。終戦直後のサイゴンで起きる軍幹部絡みの殺人事件を探る捜査官と、現地でボランティア活動に励む美しすぎるヨーロッパ人尼僧との恋、安っぽい仕掛け満載の究極のB級サスペンス。ヘタな重厚感や大作フレーバーをまぶさなかったという点で、個人的には非常に高く評価したい。 7点(2004-01-17 11:43:10) |
7. 39 刑法第三十九条
これはなかなかの拾いモノでしたね。鈴木京香ってどうしても好きになれない女優さんですが、この映画では頑張っているなあと思いました。堤真一は劇団系の人だけあってやっぱり上手いです。テーマは重いですがちゃんとミステリにもなっていますし、あまり邦画は得意な方ではないのですが、やはり森田芳光だけあってカット割りなど垢抜けた印象がありました。特に際立った印象というほどのものはないのですが、観た後で「あ~ちょっと面白いものを観たな」と思いました。今のところ見返してみたいというほどでもないのですが、たまたまTVなどで見かけたら最後まで観てしまうかも?という感じではあります。 7点(2003-12-29 12:56:19) |
8. ザ・コンテンダー
ジョアン・アレンは妙なリアリティをかもし出してましたが。ただでさえ台詞の多くなりがちな法廷劇で、あまりにも台詞に依存しすぎて膨大なスクリプトだけが右の耳から入って来てそのまま左の耳から出て行ってしまい、何が言いたいんだか全然わからなくなってしまいました。ラジオドラマじゃないんだから、もうちょっと映像的に何かあっても良かったんじゃないかと思います。単調なシーンの連続で、カット割りにも工夫もへったくれもなく、「さあ眠れ」「どうだ眠れ」と説得に遭っているような脅迫めいたものを感じました。後で考えるとシナリオ自体は決して悪くないようにも思えるので、これは演出に問題があったのではないでしょうか。 5点(2003-12-29 12:20:07) |
9. さらば冬のかもめ
「佳作」という言葉がまさにマッチする作品。人生の楽しみを何も知らないまま、つまらない罪で貴重な年齢を刑務所で過ごさなければならなくなってしまった若者を、護送する2人の水兵が、命令違反と知りながらこっそり人生の楽しみをほんの少しだけ教えてあげようとする物語。寒々しい風景と、人情味あふれる2人の水兵の優しさが対照的と言えるのかも知れない。やるせない話の中にも観る人の心にかけがえのない何かを残す、ニューシネマの傑作の1つと言えるだろう。護送される若者役を演じたランディ・クエイドは、数年後「ミッドナイト・エクスプレス」でも服役中のアメリカ人役を演じていて、どうも私の中では永遠の囚人みたいなイメージがある。実際「ショーシャンクの空に」が映画化されると聞いて真っ先にレッド役として思い浮かべたのはこの人。ジャック・ニコルソンはこの作品でニューシネマのアンチ・ヒーローから人情溢れる頼れる兄貴への第一歩を踏み出した。脚本ロバート・タウン、主演ジャック・ニコルソンのこの組み合わせは翌年「チャイナタウン」を生み出すことになる。比較的地味な扱いを受けているこの作品だが、ニコルソンのキャリアの中では非常に重要な作品と言えるはず。 9点(2003-12-21 03:29:28) |
10. サウンド・オブ・ミュージック
このぐらいになると、もう何が良いんだかよくわからなくなって来ますね。子供の頃、眠いのを無理やり起こされて何かと思ったら「今日はテレビで良い映画があるから見なさい」とか親に命令されて観た記憶があります。近所の名画座でかかった時には、何故か自発的に観に行った覚えがあります。気がついたらサントラ盤まで持っているので、自分としてはかなり気に入った作品だったのでしょう。今、観てもたぶんそれなりに面白いだろうと思います。あまりにも当たり前すぎて、この映画を自分が本当はどう思っているのかよくわからなくなってしまいました。それぐらい、いつも身近にあって、わざわざ観たいと思うことも最近は少なくなってきています。これってもう、空気とか水に近い存在かも知れません。この家族の生き方がどうとか、マリアの魅力がどうとか、あれこれ言う気にもならないし、何も思わないんです。ただ、そこにある映画、という感じです。実は全曲、原語で歌えます。私にとって、かなり特殊な存在の映画という気がします。 8点(2003-12-18 01:49:33) |
11. ザ・ペーパー
タイトでスピーディな群集劇、ってちょっとあり得ないような気がするけど、珍しく大成功している例がこれ。地味豪華なメンバーでスリリングにスピーディに、圧倒的なテンポの良さで一気に見せてしまった手腕はさすがロン・ハワード。この人は現代のハリウッドにおいて、小粒な秀作からビッグバジェットまで何でもこなせる稀有な存在。ある意味映画バカなんだけど、たまにはこういう作品も見せてくれるのがファンには嬉しいところ。明日の朝刊のトップ記事をめぐって、ここまでスピード感あふれるサスペンスに仕立ててしまったあたり、目のつけどころがさすがです。何気なく退屈しのぎに手にしたタイトルでしたが、かなりハマッてしまいました。秀作です。 9点(2003-12-18 01:09:55) |
12. 最終絶叫計画
このミもフタも芸もヒネリもなーんにもない、とにかく徹底したおバカさ加減が妙にピッタリ来てしまった私って本当に救いようのない完璧なバカなんだワ・・・と皆さんの酷評を読んでて真剣に嬉しくなってしまいました。なんというか、この映画にわざわざお金を払って、先行上映に1時間も前から並んでしまった自分って世界一情けない存在のような気がしました。しかも先着30名に配られたTシャツをもらって狂喜し、ぼーっと突っ立っている仕込のスクリーマーくんにはっぱをかけました。なんというんですか、私は常に、やるなら徹底的に!をモットーとしていますので、おバカもここまでやれば潔いかなあと。でも観ている間じゅう、この人たち映画好きやなー。とかなり感動しながら観ていました。正直なところ、いわゆる芸のあるヒネリの効いたパロディは私にはよくわからないのです。このぐらいベタベタにやってもらえると、私のような人間にもよくわかります。私は自分の名前すらたまに忘れてしまうほど物忘れが激しいので、このぐらいハッキリとパロッてもらわないと出典が思い出せないのです。この映画では3つぐらい、はっきり出典が思い出せました。嬉しかったです。 8点(2003-12-17 01:56:27)(良:1票) |
13. 猿の惑星
私はこの映画が好きだ。好きだから正しいことは言えない。惚れてメロメロになっている男の欠点なんか見えるワケがないように、私にこの映画の欠点を見つけることなんて不可能だ。だから10点だ。多くの映画と同じようにこの映画にも欠点はいっぱいあるだろうし、不満に思う人もいるだろう。そのへんも、男と同じだ。違っているのは、私がこの映画を初めて観てから30年以上経っているはずなのに、私のこの映画に対する想いはちっとも冷めていないこと。そしてこの映画が私にある日突然心変わりを告げたりしないこと、それだけだ。かくして私と「猿の惑星」の相思相愛は続く。世の中では極めて珍しい、非常に幸せな未来永劫のハッピーエンドである。やれやれ。 10点(2003-12-14 17:49:48)(笑:1票) (良:3票) |
14. ザ・フライ2/二世誕生
何を間違えたのか、この映画が地上波で放映されるという日に限って、皿いっぱいニラレバを作って食べ始めてしまった。半分ほど食べてテレビをつけたら、画面では犬がギトギトの肉の塊に変貌していた。やめればいいのにそのまま観ていたら、ニラレバが一口も食べられなくなってしまった。結論としては、ニラレバを食いながら鑑賞するには最も適さない作品である。 2点(2003-12-09 00:34:13)(笑:1票) |
15. ザ・ウォッチャー
おバカ映画と割り切って楽しめば、かなり通好みのするおバカさではある。いくらなんでもジェームス・スペイダーとマリサ・トメイが爆発をバックにダイビングするなんて普通あんまり考えませんよね。キアヌの変質者ブリも気合が入ってるんだか入ってないんだか微妙に笑っていいセンだと思う。あまり真剣にサイコホラーみたいなのを期待するとコケます。笑うが花。 7点(2003-12-07 14:43:31) |
16. サイモン・バーチ
ずばり、テーマは「家族」の再構築。両親から愛されなかったサイモンが、いかにして自分の居場所を見つけ、自分の家族を選んで行くかが、サイモン・バーチの小さな体と短い命というオブラートに包んで語られる。アシュレイ・ジャッド演じるシングルマザーとその息子の家庭には父親が欠けており、サイモンには実体としての親がない。その3人が血よりも濃い絆を持つことで、アービングは「家族」という集合体にまつわる様々な神話を解体しようとしているのではないだろうか。いわゆる薄命モノであり、人生の意味を問いかける典型的なお涙頂戴映画の体裁を取りながらも、ここに提示された「家族ってナニよ?」という問いかけは長く心の中にひっかかり続けることになる。予告編の上映中にすすり泣きが聞こえた珍しいほど泣ける映画だが、それだけではない気がする。 8点(2003-11-30 14:19:08) |
17. 最後の誘惑
《ネタバレ》 キリスト教の熱心な信者でない立場から見れば、非常に忠実に聖書を描いたキチンとした映画なのだが、宗教心の強い人には冒涜と映るのも当然だろう。ユダとイエスの関係ははっきりホモっぽいし、この作品を正しく評価できるキリスト教徒がいたら是非一度会ってみたいと真剣に思う。ただし決してキリスト教に対して批判的な内容ではなく、むしろ苦悩した果てに敢えて誘惑に打ち勝つイエスの崇高な姿を描いているので、ハタから見ればそれほど目クジラを立てるほどのものでもないような気がする。デフォーのイエスは相変わらず痛い個性が際立っているが、惜しげもなく裸体をさらしてくれてファンには嬉しいサービス。ジョン・ルーリー、デビッド・ボウイなど、ウィレム・デフォー&フレンズ、といったメンバーなのも楽しい。2週間で撮ったと言われているわりにはキチンと丁寧に作られていると思う。ちゃんと「おぉーっ!」というオチもついているし、観ておいて決して損はない作品。 9点(2003-11-29 18:27:37) |
18. ザ・プレイヤー
映画界の裏側ってどんな感じかな?と素朴に楽しむには良いのではないかと。サスペンスとしては今イチですが、豪華な顔ぶれとあちこちにどっさり隠れているカメオ出演者たちの「ウォーリーを探せ!」的な楽しみ方はできる作品。あまり小難しく考えず、雰囲気一発で楽しむのがお勧め。結果、可もなく不可もなし。劇中劇のおバカさ加減が楽しい。 6点(2003-11-29 17:17:51) |
19. ザ・エージェント
観ていて楽しいし突き進む爽快感がある。トム・クルーズの暗い個性が際立つ作品。ほんわか系のレネー・ゼルヴィガーもその息子も存在感たっぷりだし、結局これが代表作になったままのキューバ・グッディングJr.もとりあえずこの時は良かった。頑張った者にはご褒美があるというメルヘンチックな展開ではあるが、それを真っ向から謳っている以上このストーリーに文句をつける者はいないであろう。 ただし邦題の「ザ・エージェント」は「ズィ・エージェント」であるべきである。 7点(2003-11-22 23:02:21) |
20. サイダーハウス・ルール
《ネタバレ》 ジョン・アーヴィング節炸裂!のウィーンでクマな映画なのかと思ったら、実にこなれた良い話でした。要するに必要悪としての堕胎をテーマにした話なんだけど、もしかして堕胎されていたかも知れない孤児がいかにして堕胎を必要悪と認めて行くか、その過程をわりと淡々と、押しつけがましくなく素直に描いていて好感が持てますね。娘を妊娠させていて恥じない、ミスター無教養代表みたいなデルロイ・リンドーが非常にインパクトありました。あくまでも無表情に、目の前で起きている出来事を受け止めている主人公のトビー・マグワイヤも実に上手な役者さんだと思います。アヘン中毒の聖人、物語のカギとなっているミスター必要悪代表のマイケル・ケインといい、上手い役者をこれだけ集めて、暑苦しくも、居丈高でもなく強いメッセージをきちんと伝えた、こういう作品がもっと出て来てくれると面白いですね。こなれた映画、この一言に尽きます。 9点(2003-11-22 20:04:05)(良:1票) |