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プロフィール
コメント数 519
性別 男性
自己紹介 60代のおっさん

好きな言葉

期待はあらゆる苦悩のもと(シェークスピア)

人間には不幸か、貧乏か、病気が必要だ。でないと人間はすぐに思いあがる(ツルゲーネフ)

座右の銘にするのはどっちだ

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1.  最強のふたり 《ネタバレ》 
テレビで放送される身障者を扱った番組で時々感じるのは、製作者側である健常者の視点からの遠慮や気遣いだ。弱者への思いやりと言えるのかも知れないが、本音を押さえた上辺だけの偽善の行為とも感じられる。義務感だけで、あるいは善人としての満足感を得るためにやっている、と見えてしまう。そんな私からすると、映画ではあるものの、しかもコメディーではあるが、この主人公の言動は衝撃的だった。身障者への気遣いがない。相手のハンデをそのまま露骨に言葉にする。自分が良いと思ったことはそのまま相手に勧める。例えて言うなら、そう、自分と身障者の違いを、あたかも、年齢や性別や人種の違いと同列に扱っているのだ。「お前は若いからそう思うのも仕方が無い」というような感じで「お前は全身麻痺だからそう思うのも仕方が無い」とあっさり言うような感覚。相手の状況はそのまま受け入れるが、言うべきことは遠慮なく言う。良かれと思うことはとことん勧める。おそらく、本来、人が対等に付き合うとはこうあるべきなのだろう。何よりすごいのはこれが実話ということだ。それゆえ、感動が半端ではない。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2015-11-15 21:56:02)(良:1票)
2.  The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 《ネタバレ》 
アウンサンスーチー女史と軍事独裁政権との壮絶な戦いと、それを支えた家族の物語である。話がそれるが、2011年のノーベル平和賞は中国の人権活動家劉暁波である。中国政府の露骨な妨害と脅しに屈しなかったノルウェー政府とノーベル賞委員会の勇気に比べ、日頃人権を叫ぶ欧米諸国の対応が何と頼りなかったことか。世界の文化人、特に映画人は何をしているのかと思っていた。そして、この作品である。ミシェル・ヨーが映画化を計画したのが2007年、当然ミャンマーでの撮影は不可能で、タイでの撮影となったらしい。最後のクレジットで身の危険を顧みず多くのミャンマーの人々が協力してくれたことがわかる。特にリュック・ベッソンよ、見直した。最初は制作を依頼されたが、自ら監督を希望したとか。先輩チャップリンも拍手しているよ。「ガンジー」に匹敵する感動と、「独裁者」に迫る感銘を受ける。少し、ほめすぎかな。
[映画館(字幕)] 10点(2012-07-23 22:01:29)
3.  猿の惑星:創世記(ジェネシス) 《ネタバレ》 
猿の惑星シリーズがヒットした要因は、奇抜な発想やストーリーの良さなどが挙げられるが、何といっても人間社会への警告的なメッセージが観る者に響いたことによると思われる。人間の傲慢さ、利己主義、闘争的本能などを皮肉を込めて批判している点が、娯楽的な面と相まって、ヒットした大きな要因である。その点、この作品には、その良き伝統が引き継がれていない。と言うか、弱い。猿の知能が人間並みになった謎解きと、後半の派手なアクションに終始しているので、観終わって感じるのは、シリーズの示唆に富んだ深い余韻ではなく、なーるほどという納得感になっている点が痛い。とは言え、評価すべき点がない訳ではない。それは、こうしたシリーズ物の新しい方向性を示した点である。アイデア次第では、完結しているようなシリーズでも、続編を作ることができる事を証明した点は、賞賛に値する。単なるリメイクではなく、こうした別の形のリスペクトは、シリーズのファンとしても嬉しいものだ。
[DVD(字幕)] 7点(2012-04-25 22:14:05)(良:2票)
4.  ザ・ローリング・ストーンズ/シャイン・ア・ライト 《ネタバレ》 
あ、それからもうひとつだけ。どんな傑作でも、完璧という作品はそうあるものではないので、気になる点は必ずある。この映画でも二つほど気になる事があった。まず、キースのお腹。やはり出ている。もう歳だから仕方がない。でも、出ている。気になってずっとお腹ばかり見ていた。映画を観る前に、ある人の批評で指摘されていたことではあったが、現実を目の当たりにすると、やはり気になる。自分も出ているので、キースを批判する訳にもいかないのが、複雑な心境だ。そして、もうひとつがミックの顔のしわだ。アップで口を大きく開けると、ものすごい数のしわが画面にはっきりと映る。ティラノサウルスが口をあけたような感じだ。これも、もう歳だから仕方がないが、やはり気になる。それなら、目をつむって、音楽だけ聴いていればいいのではないか、と言う人がいるかもしれない。たしかにそのとおりだ。それなら、気にならない。しかし、想像してみたまえ。わざわざ映画館に出かけて、席に座り、目をつむっている間抜けな自分の姿を。
[映画館(字幕)] 10点(2012-04-22 22:53:45)
5.  さらば愛しき女よ 《ネタバレ》 
ロバート・ミッチャムがマーロウと違うのは目だな。あんなにたれ目ではない。私は本物のマーロウを見ていないが、と言うか、実物はいないから、つまり、小説を読んだ印象との比較という表現が正しいのか。とにかく、目は違っている。強いて言えば、お腹と体つきも違う。歳もかな。それに比べると、シャーロット・ランブリングはそっくりだ。もっとも、当然ベルマも見ていない。本題に戻ろう。原作との違いはあるものの、これは渋い名作の一つと言えるだろう。唐突な印象のあるオープニングからの展開も、主人公の記憶をたどるという手法がじわじわと後に生きてくる。廃退した都市で起きた事件とそれに関わる人間を、静かに距離を置きながらたどっていくうちに、見るものは、閉塞感しかない何ともやりきれない状況と一時現実を忘れさせてくれるスター選手の活躍に熱中する主人公達の台詞などに、今の自分を重ねることができるようになる。ディマジオのエピソード挿入は成功している。努力が報われない警官のやるせない表現なんかも原作を上回っている。もう映画館で観てから30年以上も経つのに、印象が色あせない。むしろ、主人公の年齢に近づくにつれ、あのけだるさと心地よい疲れが理解できてくる。名作である。邦題も最高だ。でも、やっぱりマーロウはあんなにたれ目ではない。
[映画館(字幕)] 10点(2008-04-05 23:12:29)(笑:1票)
6.  猿の惑星・征服
かなり不確かな情報で、今さら確認できないが、当初はシリーズ化でストーリーが安易になり、猿が多くの職業に就き、警察、警備員、看護婦、スチュワーデス、高校生などになるエピソードが入っていたらしい。当然、ホームドラマではないので、ボツになって、予定されてた題名も変えられてしまったとの事。当初の題名は何かって?「猿の惑星・制服」
[地上波(字幕)] 7点(2007-11-23 00:05:03)(笑:2票)
7.  SAYURI
ハリウッドの戦争ものでは、ドイツ兵やロシア兵も平気で英語をしゃべっている。日本兵ですら。日本を舞台にした作品でも、結局はアメリカの映画である。それにしては、芸者の世界をよく描いている。原作がしっかりしているからか。日本の文化であっても、庶民には遠い世界であり、同じ日本人でも、あの進駐軍と同じ目でしか見れないのかもしれない。私自身もほとんど知識がないのが正直なところではある。なるほど、こういう独特の文化があるんだな、と、中国人が演じるアメリカ映画で感心している日本人がいる。
[DVD(字幕)] 9点(2006-07-18 23:06:17)
8.  ザ・ハリケーン(1999) 《ネタバレ》 
けっこう良い話だ、というか辛い話でもある。ボブ・ディランの歌は確かに聴いたことがあるし、無実のボクサーを救えというメッセージに共感を覚えた記憶はある。ただ、作品を観る限りでは、スーパースターのセンセーショナルな歌とはいえ、地道な事実の積み重ねと粘り強い活動にはかなわないんだな。主人公の閉ざされた心が、カナダ人たちにより少しづつ開かれていく課程は良く表現されていたが、やはり、なぜ彼らがそこまでするのかが今ひとつ伝わらなかった。ロッド・スタイガーの迫力にはさすがの悪刑事も平伏すしかないな。あのでかい顔と体が、さしずめ葵の紋所になったみたいだ。
[DVD(字幕)] 8点(2006-04-30 22:49:33)
9.  残菊物語(1939)
映画という芸術に対するひとつの回答があるような作品です。ひとつは、やはり構図ですね。例えば絵画における構図を思い浮かべると良いのかもしれない。名画が名画として成立しているのは画家が描き出す構図空間の見事さによります。映画でも同じです。主役、脇役、背景をどのように配置するかで全てが決まってしまう。そして、もうひとつが空間と観客の一体感です。例えば舞台演劇における役者と観客の一体感が良い例です。舞台では、常に観客が現実に起こっている状況の目撃者になっています。これを映画で実現するには長まわし以外にありません。空間が移動し役者が現実の時間と同時進行で動く状況が続けば、観客は今起こっている目撃者としての立場から、見事に中に入っていけるわけです。というわけで、すごい作品です。音声が聞き取りづらい点があったが、親切に字幕入りだった。って、英語の字幕じゃわかんないだろう。
[映画館(字幕)] 10点(2005-12-04 22:32:42)(良:2票)
10.  座頭市(2003)
所々、やや控えめなギャグが入っているけど、雰囲気を壊さない程度に笑える。最後のダンスはサービスだから、途中、色々感じた複雑な気分を立て直すには結構効果があります。悪人の正体がばれていく過程はなかなかだが、いかんせん市が強すぎる。やられる気がしないから、ハラハラもしない。淡々と斬っていくけどやたら血は飛んでる。その感覚を狙っていたのかもね。危うくやられそうになり「俺がやられたら終わっちゃうよ、あぶねえ、あぶねえ。」みたいなシーン期待したんだけどな。
[地上波(字幕)] 7点(2005-11-07 18:27:26)
11.  三十三間堂・通し矢物語
う~ん、やっぱり田中絹代にします。すみません五十鈴さん。私は何を言っているんだろう?長谷川一夫がかっこいいなあ。徐々に明らかになる人間関係と勝負の時を迎える盛り上がり。展開が絶妙です。後を引かないでさらっと終わるラスト。しかし鮮烈な印象。丁寧な描写が光る名作だ。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-09-19 00:37:58)
12.  サイダーハウス・ルール
自分の境遇や運命を受け入れるか、それを打破するべく挑戦するか。時として悩むことなのだが、男と女の違いと、自分が生まれるまでの状況は、どうしようもないルールなんだろうな。人生がスタートして、その後は自分の意思で切り開いていくしかないんだが、社会におけるルールを無視することもできない。うそは使いようによっては役に立つし、いつかは打ち明けるべきものというものでもない。孤児院の子供達の姿に感動した。
8点(2005-03-12 17:34:17)(良:1票)
13.  サイン
どの分野でもファンというのは身勝手で、勝手に期待して意に沿わない結果だと裏切られたと主張する。そりゃあ、ラストの心地よい衝撃の味は忘れられないだろうが、この監督の作品の見所は、他の所にあると思うのだが。家族の不幸により精神的に傷ついていた聖職者の立ち直る物語として観ました。誰にでも、ある意思により導かれたと思うような出来事が1回や2回はあるはず。人生には、見落としている色々なサインがあるのかもしれない。
8点(2005-02-03 00:28:01)
14.  最後の猿の惑星
発展的な終わり方は、後味はいいです。映画史に残るシリーズを上手くまとめた感じ。この邦題は、すっかり馴染んでいるんだけど、内容的には第2作のものという気がしている。変えるなら「猿の惑星最終回」でしょう。バートン監督のは「猿の惑星番外編」か。
7点(2004-11-18 18:42:30)
15.  サラリーマン忠臣蔵
日本人は、忠臣蔵が好きだから、ストーリー展開はすんなり受け入れられるでしょう。まあ、当時のサラリーマンの生活も、実際はともかく、納得できる感じです。あだ討ちをどんな設定にするのか、興味がもてました。これで、続を観ない人はいないでしょう。東宝の豪華キャストがみんなサラリーマンというのも見所か。
6点(2004-10-24 22:11:39)
16.  猿の惑星
本編鑑賞後だったが、劇場で偶然観た予告編が、最後のシーンをしっかり紹介して完全なネタバレだった。しかし、考えてみると、決して最後のオチに頼っている作品ではない。当時は「最後は誰にも話さないで下さい」みたいな、せこい紹介ではなく、雑誌なんかにも堂々と「何と・・に戻っていたのだった」という調子で紹介されていたと記憶している。確かに、本作はラストを知っていても十分堪能でき、特に、猿の出現シーンや猿社会の構図、言葉を失っているテイラーの苛立ちなど、見所は十分ある。そんなことより、今でも密かに私が思っていることだが、あのラスト、海の向こうの島国には、日本語を話す小柄な猿がいたに違いない。にやけた赤い顔して、猿酒ばかり飲んでるような。
9点(2004-10-07 20:06:18)
17.  サイコ(1960)
シャワーの最中に、ナイフでメッタ刺しにされるという設定は、裸で逃げ場がないと言う無防備この上ない状態なだけに、考えただけでゾッとします。痛さを伴った恐怖を感じるという点では抜きんでている場面でしょうね。「被害者」ジャネット・リーさんを紹介する時は必ず枕詞になるほどインパクト抜群のシーンです。本人である彼女がしばらくシャワーを使えなかったという話は説得力があります。何の前触れもなく、理由もなく突然襲われるという事も恐怖を増長させているようです。ちなみに、私は、夜中にシャンプーしていて、人の気配を感じて、ふと振り返ったりはしません。
9点(2004-10-06 19:19:07)
18.  三大怪獣地球最大の決戦
キングギドラの出現は衝撃的でしたね。怪獣としては秀逸でした。手がなくて頭が三つ。しかも羽があり、金色に輝く。地球の3怪獣との対決にしたのが惜しまれる。限界だったのかもしれない。怪獣をいっぱい出して、安っぽくなったと感じたのは正直な気持ちです。ゴジラもラドンもモスラも、単独で活躍した名作があるのに、キングギドラだけが無いのが悔やまれる。ドゴラなんかもあるのになあ。
8点(2004-09-25 22:23:47)
19.  ザ・コア
美人ではないが(失礼)カッコ良いヒラリー・スワンクのシャトルの操縦や、「鳥」を思わせる不気味な雰囲気の前半は、期待を抱かせます。特に、鳥に過剰反応する私は、生きたまま壁や窓にぶつけているのではと、気分が悪くなったほど。きっと、日本野鳥の会から抗議を受けたに違いない、などと考えていたら、集中力も途切れがちに。「海底軍艦」と「妖星ゴラス」を観ている気分になるのを、必死にこらえ、これはアメリカ映画だぞと心に言い聞かせて、やっと「アルマゲドン」に持ってきたが、この辺が限界だった。
6点(2004-06-21 19:05:01)
20.  さよならゲーム
役者は揃っているのだが、もう一つ盛り上がりに欠ける印象です。野球に対するアメリカ人の気持ちや、頂点であるメジャーを支えているマイナーリーグの雰囲気も出ていて、恋愛も絡んでいるのに、基本テーマが薄いのかなあ。監督さん、映画までマイナーなままじゃなくても良かったのに。
6点(2004-06-06 16:28:43)
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