1. ザ・マジックアワー
一つ一つのネタとしては、最初に佐藤浩市と西田敏行が出会うシーンのセッションが最高におもしろかった。ただ、この形式のコメディーの最大の楽しみでもある伏線の解消具合は、「ラジオの時間」や「みんなのいえ」のほうがうまくできてたと思うので、ちょっと低めの採点。 [映画館(邦画)] 7点(2008-08-03 23:26:57) |
2. 殺人狂時代(1967)
おもしろい。全編通して人をくったテンションを維持する脚本と演出。ファンキーなオープニングアニメともども、今見ても十分に楽しめる快作である。あるいみ観客をコケにしてるともいえなくはないが…ここまでドンデンがえされつづけると、まぁ兜を脱ぐのもしょうがない気がしてくる。 [DVD(邦画)] 8点(2008-05-23 20:39:42) |
3. サヨナラ COLOR
「さよならからはじまることもあるんだよ。」っていいせりふかもしれない。僕はどちらかというと「さよならからはじまることしかない」というかんじなのだが。たまに、人間はいろんな人を看取るために生きているのではないかと思う。この映画も、死んだ人が送られ、残った人が力を得て歩き出す。残った人もいずれは送られる。そんな流れを静謐に描いている。二人の浜辺のシーンとか、病室で影絵をするシーンとかは、映画的にもよくできているシーンだと思う。あとは、原田知世がすてきだ。みんなが捨てたガラス破片を通過することでぬくもりのある光を燈すランプが生まれる。おそらく、この世の中を守っているのは、みんなが見捨てたものだけを見つづける視線なのだろう。そういう視線がなければ、世界は簡単に極端な暴走までいってしまう。人が捨てたものを見る(by宮本常一)。だからこの映画もみんながみるものにしか興味を示さない人にとってはナンセンスに移るに違いない。 [DVD(邦画)] 7点(2007-02-17 22:33:28)(良:1票) |
4. サハラ 死の砂漠を脱出せよ
普通。余りにも普通すぎ。予想以上に普通。ある意味拍手。 [DVD(字幕)] 5点(2006-11-18 17:16:25) |
5. THE 有頂天ホテル
饒舌な味わいの良質な喜劇。抜群にまとまったシナリオの展開は、まさに至芸。良質なコメディほど、内容よりも後味が残るという良い例。濃密で楽しい時間を過ごすならワインも良いがこの映画もお勧めです。「The wow-chouten Hotel」に泊まってみたい! [映画館(字幕)] 9点(2006-01-18 01:13:50) |
6. サマータイムマシン・ブルース
うひゃひゃ。正直おもろい。確かに心に訴えかけてくるドラマ的な普遍性はない。しかし、ここまで徹底的に練り上げられたシナリオは、ある意味神々しい。人は、誰かがなにを話してるかよりも、誰かが徹底的に何かをやりぬくことに対して敬意を抱くものだ。だから僕も尊敬します。ご多分にもれず。撮影の舞台となっている四国の美しさもポイント高いし、題名のセンスにもちょっと惹かれるし、基本的に全面降伏です。 [映画館(字幕)] 9点(2005-10-25 01:07:34) |
7. 秋刀魚の味(1962)
画面枠自体の静けさと、画面の中のにぎやかさの対比が全てである。いろんな人が指摘するように、ストーリー的には『晩春』とかとほとんど変わんない。印象に残ったのは、長男夫妻のシーン(佐田啓二と岡田まり子)。フレームから人がでていくのを待ったく気にせず、フィックスのまま写しつづけるカメラ。岡田のぶどうの食べ方。小津は目がいい。長男夫妻のアパートが『秋日和』の原節子・司葉子親子のアパートと『お早う』の佐田啓二(売れない翻訳家)のやつとまったく一緒なのが面白い。妻に似ているママのいる(岸田今日子)バーで軍艦マーチにあわせて敬礼する姿が、小津の兵隊への暖かい気持ちを示していると見えた。戦争讃美とかではなく、一緒に騒いだ仲間への敬礼ではないか。軍隊は現代で言えば男子校とか大学みたいな意義も持っていたのだと気づかされる。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-09-21 16:18:43) |
8. さよなら、クロ
《ネタバレ》 撮影で使われている松本深志高校出身の後輩に勧められて見ました。こういう校舎で勉強するってうらやましいなぁ。そんなことはさておき、最大の見所はなんといっても妻夫木聡の七三分けではないだろうか。やたら雰囲気出ている。一方、ストーリーはいたって普通の展開だが、伊藤歩演じる雪子の友人の死を背負って生きていく姿がいい。人は誰かを見送るという形で生きていくわけで、見送った死者をどうやったら弔えるのかという問題は、(何も人間だけでなくクロでもそうだが)だれもが考える必要のある問題のはずだ。その意味で、この映画の問いかけはとても共感できるし、ラストの田んぼの間を走る農業道路(地味!)のシーンがなぜか絵になっているという不思議さもおもしろく、一見の価値はあると思う。 6点(2004-06-17 21:30:20) |