1. 34丁目の奇跡(1994)
リメイク版の存在意義っていうのは、旧作に対する思い入れを今の時代背景や技術で再現したいという製作者側の気持ちもあるだろうけど、観客にしてみれば、オリジナルを知らない人にとってオリジナル版にも目を向けさせる窓口という意味があると思う。私もこれについて言えばオリジナルを知らないひとりだから、素直にこれを見てサンタを信じていた幼い頃を思い出して、現実にサンタがいようがいまいが、いつまでも心の中に確かにサンタがいるって思い出せる。サンタクロースの持つ暖かいテイストに溢れていて心に残り、時たまこの映画を思い出したくなる。現代社会のシニカルさもありながら心に残る優しい映画に仕上げてくれたおかげで、その後にオリジナル版があると知ってすごく見たくなった。オリジナル作品への窓口としてはかなり高いレベルだと思う。だけど残念なことに、近所には旧作の方は置いてないのでまだ見ることはできないんだけど・・・ちなみに私はこれを夏に見ます。クリスマスシーズンは貸し出し中になっちゃうっていうのもあるけど、暑がりなんで雪の降る街や北極の風景を見ているだけで涼しい気分になれるんです。 8点(2004-07-19 11:50:20)(良:1票) |
2. 散歩する惑星
《ネタバレ》 コレはもう完全に「やられた!」って感じです。なーんにもないような「やおい」映画の姿をとりながら、意味不明の出来事が映画の最初から続けざまに、しかしセンセーショナルさは全くなく、ワンシーンワンカットのほとんど動かないカメラワークが見る側を傍観者の感覚にさせる。それはまるで蛇口からぽたぽた落ちる水滴が桶を満たしていくように、ユルユルに迫る様々な出来事に力なく笑いながら、傍観者として画面を何となしに眺めているうちに・・・桶から水が静かに溢れた時・・・「この映画には何かある!」と感じた時、ただのやおい映画は、スクリーンではなく頭の中で激しくとぐろを巻いて動き始める。一見意味のないあらゆる出来事やセリフの全てに意味があるような気がしてその答えを見つけ出すのに必死になるだろう。そして「答え」が見つかった時・・・それが終わりではない。見るたびに違う解釈が生まれそうになるのでますます混乱しそうになってくる。ちなみに私はこの映画をキリスト教における「最後の審判」だと思ったがどうだろう。死者が蘇り、生ある者は逃げ惑うが逃れることはできない。永遠に終わらない渋滞、運びきれない荷物を抱え空港を牛歩する人々の頭上を轟音が空しく駆け抜ける様は、誰もが逃れられない審判の時を示しているようで、その後に続く「兄さんの時代が来るよ」というセリフが、声をあげず苦難に耐えた神の僕への救いにも聞こえる。だが映画は「正解」を示してはいない。もっと深い答えがあるのかもしれないと、ゆる~い声で「ボンボヤ~~ジ」と送り出され、脳内思考の旅が始まってしまう。期待していたのとは違う部分でこれ以上ない面白さを体験させてもらった。「何かある!」と感じたら、見終わった後またDVDを再生してみるといい。冒頭のシーンのセリフがとても意味ありげに聞こえる。ただこの映画を見た人がみんな「何かある!」と感じられる訳ではないだろう。見る人を選ぶ映画だ。ちなみに私はクリスチャンではないので、最後の審判について誤解している部分があるかもしれないことを追記する。 9点(2004-07-04 07:37:08)(良:2票) |
3. サイン
話が進むのと反比例にしぼんでゆくスケール。最後は家族みんな無事でよかったねって、それだけ???宇宙人相手にそういうテーマってウソくさいから全然感動しない。それまでは「メルギブはハズレがない」と思っていたが、この映画と「インビンシブル(製作)」を見て以来「メルギブに気をつけろ!」になっちまった・・・故ジョン・キャンディじゃないんだからさあ←それは「おじさんに気をつけろ!」 3点(2004-06-08 00:34:10) |
4. サラマンダー
マシュー・マコノヒーと私が大好きなクリスチャン・ベールを使って、これはないんじゃないか?クリスチャンの役どころは彼らしいと言えばらしいんだけど、頑固なくせに時にヘタレに見えてしまうのは演出がまずかったんだろう。マシューなんて最初マシューだと気付かなかったし、っつーかマシューでなきゃいけない理由が分からない。それにマシューの役ってどうも今の世界を考えると、まさにイラクに「攻め入った」アメリカそのものって感じで、ドラゴンにやられるのがアメリカではなくヨーロッパだし、崩壊後のヨーロッパをアメリカが支配しようとしているようにすら思えて「ついにハリウッドもここまで来てしまったか」と暗澹たる気持ちになって、ベール好きにもかかわらず途中で見るのやめようかと何度も思った。後半に風向きが変わるのが救いだけどね。それに、個人的にはコレ、パニック映画に分類して欲しくない気がする。パニック映画というのは見る側が目の前で起こる出来事を自分のことのように感じ、「こんな時私はどうするだろう?と思わせる映画こそパニックの傑作だと思う。責めて自分の身に迫るだけのものが欲しい。だが設定が近未来、しかもドラゴンという完全に伝説の世界を持ち出してしまったことで、まさに「コップの中の嵐」を見ているようで奇妙な違和感があった。いろんなところで消化不良は否めない。 マシューの役は定番すぎるけどやっぱブルース・ウィリスにやって欲しかったなあ・・・でもマシューと気付かないほどの役作りは買う。 3点(2004-06-06 21:27:47) |
5. ザ・コア
映画なんだから所詮絵空事、嘘と出鱈目の塊。学会発表じゃないんだから、科学的な辻褄合わせなんてどうでもいい。そんなのより果てしないイマジネーションとスピリットが見たいってのが私の娯楽映画観だけど、そんなわけでID4やアルマゲは高得点の私も、これはちょっとねえ・・・なおそまつ君な出来。ところで、この映画のテーマって何なんでしょうね?アメリカ万歳じゃないよなあ。どっちかっつーと「アメリカはバカだった」ってことですかねえ? 事の真相は、バカボンのパパレベルのことをマジ顔でやってるようなそんなもん。 「西からお日様が昇って東に沈んだ、さあ大変!バカボンがお日様を元に戻しに行ったけど、実はお日様を西から昇らせちゃったのはバカボンのパパでした」・・・そんな感じだもん。これでいいのだ?良くないってば。 3点(2004-06-04 20:03:48) |