1. サイコ(1960)
《ネタバレ》 これは素晴らしい。ホント昔の傑作って感じ。 やはり私たち観客は主人公に感情移入しやすくなるのが当然だが、主人公の不安を表す描写がまあうまいもんだから、どんどんこっちまで不安になってきます。 逃げ出した後不意に社長と目が合ってしまい、以降は妄想の中で嫌なイメージ(持ち逃げがバレたかのような月曜の朝の会話)を自ら作り上げてしまいます。 また、気付けばどんどん雨が強まり視界が悪くなり、先が見えなくなっていきます。まさに先の見えない不安を背負っている今の主人公の気持ちを表している描写ですよね。 極めつけはあの警察官w あいつまじうぜーw いちいちついてきやがって、見てるこっちまで焦ったりイライラしたり笑。 後ろめたい気持ちを持ってる人間は些細な事でもすごく敏感になりますよね。 ホテルに着いてからは、誰がなぜ主人公を殺したのか?が見所になっていきますが、ノーマンのお母さんは何者?実は保安官が悪者では?それどころか大ドンデン返しでサムかライラが何かの仕掛け人?なんて色々予想を巡らせながら見進める事ができ楽しかったです。 殺人の場面で、犯人がほんの一瞬だけ長い髪で女に見える、という描写が観客に「犯人は女性?」とイメージを植えつけるのもうまいなって思いました。 最終的には、真実を精神科医が完璧にセリフで説明してくれましたが、あれがいかがなものかと思いましたね。 少しの映像とか描写だけで、あれはそういうことか?って匂わせるくらいの方が観客が主体的に考えを巡らす形になってよかったのではと思います。むしろ真実の70%前後しか描写を出さずに、あとは観客が色々憶測を呼ぶとかもありかと。 てか現在(2014年)では、イカれた事をする奴の事を「サイコ野郎」なんて言ったりしますけど、そんな言葉が定着したのもこの映画の影響が強いんじゃないですかねえ。 あとは、ラストシーンでニヤつくノーマンとミイラ姿の母親がオーバーラップするシーンは、その映像のうまさに背筋が震えました。 [映画館(字幕)] 10点(2014-03-09 00:15:28)(良:1票) |
2. さや侍
《ネタバレ》 まず最初の3人の刺客のシーンはいらんかったですね。てか何で頭ピストルで撃たれて死なんの?その後の刺客たちもストーリーには関係ないただの外野だし。あと、いちいち前の描写を説明的なセリフで登場人物たちに言わせるのも邪魔。分かってっから!って感じで逆にダルいです。 芸に関しては、クスクス笑えるものはまあ2~3個あったけど、よくよく考えたら爆笑するのがあったらダメですよね。若君が途中で笑ったら無罪放免になっちゃうわけですから。でも野見さん主演って事でおっさん劇場的な笑いを期待しすぎたからほとんどの芸はキツかった。(まあ笑いたいだけだったら最初からおっさん劇場を見ればいいだけか) そして、確かに予想できなかった野見勘十郎の行動。DVDだったので何回か見返しましたが、この行動の前後の野見さんの演技がマジでうまい。偶然の副産物かも知れないけど、表情だけで複雑な気持ちが絶妙に表現された顔をしよるんですよ。初見時はア然として見てただけだったけど、2回目以降はこの野見さんの表情でウルっときますもん。 そんな衝撃シーンから更に意外な展開へ。意味ありげに立っていた托鉢僧に勘十郎が託した遺言。途中で歌になる流れにやはり初見時はア然なのですが、2回目以降は竹原さんの歌声が心に沁みてすごくいいんです。まさか松本映画で本当に泣くとは思いませんでした。その後の墓場での「首が~戻った」もそこそこウっとくるのですが、そのままエンドロールになって普通に終わったわと思ったら、最後また一ひねりあって、これはいらんやろと思ったけど、実は!!このシーンの自転車の人にちゃっかりある仕掛けがされてるんです。(これは見終わった後ネットで発見しました) てか松ちゃんは娘ができたってのもあって、ここまであからさまに「親子愛」を主題としたとは今思えばビックリですね。そういや「ライフイズビューティフル」を満点にしてたし。遺言の手紙も松ちゃんが書いたみたいだけど、モロ自分の娘への内容じゃん。「俺の娘に生まれて来てありがとう」てな心境なんですね。 ただ、ライムスターの宇多丸さんが言ってたけど、「普通に退屈な映画になっちゃったじゃん」とはなかなか納得できるもの。 まあ結論、映画の出来3点、竹原さんの歌声13点って事で、間の8点ですかね笑。確かにあそこは感動して泣きましたし。映画の内容よりも歌の良さだけで点数あげるのもどうかと思いますが笑。 [DVD(邦画)] 8点(2012-06-06 22:40:48) |
3. サウンド・オブ・ミュージック
《ネタバレ》 あまりに有名なこの作品ですが、僕は今回ミュージカルということ以外あらすじも全く知らない状態で鑑賞しました。結論からいうと、平均点通りの大傑作です。期待を裏切りませんでした。この監督は左右対称にこだわってるようですね。建物だけでなく、子供たちの踊りまで左右対称でした。そして、普通の会話からいきなり歌いだすあの流れも全く違和感がない。二部構成になってるのも驚きでした。自然の中で歌うだけの明るい話だと勝手に思ってたんで、ラブストーリーと戦争が中心の二部には最後ハラハラさせられましたが、ご都合主義じゃないハッピーエンドでとても爽快でした。「罪を犯してしまいました…」の脚本は唸らせるなー!!とニヤニヤしてしまいました。その後のラストシーンの風景がまた綺麗なんだ。この作品は、3時間近くあるとは思えない程、長さを感じさせません。テンポがいいからでしょう。文句なしの満点ですね。好きな映画が一つ増えて嬉しい限りです。 [DVD(字幕)] 10点(2007-12-25 01:22:18) |
4. サイダーハウス・ルール
《ネタバレ》 無理矢理いいところを上げるとすれば、ずっと僕の仕事は医者じゃないって言ってきたホーマーがローズ父娘の一件で「僕は医者だ」って言い放った時は、おおーと思いましたね。あと心臓は悪いとラーチ先生が嘘をついたのはホーマーに孤児院を出ていって欲しくなかったからってのも、泣けるやないかと唸りました。「生きるなら人の役に立て」みたいなニュアンスの台詞も好きです。でもこの映画の一番嫌いなところは、あのキャンディですか?派手な女がいたじゃないですか。あいつがめっちゃ腹立つんですよ。まずウォリーとの望まない妊娠という事実があるわけだし、ウォリーが戦争に行ったら行ったで「私が寂しがりなの知ってるくせに」って言いつつホーマーと浮気。でウォリーが帰ってきたらホーマーとはバイバイ。これじゃただの軽い女じゃないですか。それでいて「女心は複雑なのよ」って…。わがままほざくな!とムカついてしまいました。こんだけ批判したけど、もう一回見てもいいかなぁ笑。そう思わせるような作品ではあります。(2007-05-07追記)ということでもう一回見てみました。そしたらなかなか心にしみるストーリーでした。さすがに二回も見ると映画に対して思い入れがわいてくるというか、ファジーやラーチ先生が死んだ時は泣きそうになりました。3点アップします。規則はここで働いてる俺たちが決めるんだ。 [地上波(字幕)] 8点(2007-04-26 12:13:49) |
5. 猿の惑星
今見ると特殊メイクとかがちゃちい!てかコメディだと思ってたのに、メッセージはけっこうシリアスですねえ。ラストは大オチで好きです。 [DVD(字幕)] 5点(2005-10-29 01:02:42) |