1. さよなら子供たち
ルイ・マルの自伝的作品だそうで・・・。やるせないですね、これは。ナチ映画は色々ありますが、これは、かなり私的にはキツかったです。少年たちのささやかな楽しみのある日常が一転する、その描写が、なんというかもの凄く切れ味鋭い刃物でいきなりバッサリ切られたみたいな(そんな経験もちろんないけど)感じで・・・。厳しい印象ばかりだった校長が、その厳しさ故に、自分の信念に基づいた行動を暴かれるという皮肉。去り際にボネが振り返るシーンは、涙も出ません。、、、あぁ、どんな言葉も薄っぺらくしか思えない。ルイ・マルがこれを撮るために監督業に就いたというのも納得の作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2014-02-16 01:04:13) |
2. サヴァイヴィング ライフ 夢は第二の人生
シュヴァンクマイエルの新作、ってことで、つい見に行ってしまいました。まぁ、一言で言えば、徹頭徹尾「妄想劇場」。すごいなぁ、ここまで描いちゃうなんて。ちょっと露悪的な感じさえする。ま、これまでも十分露悪的だったけど・・・。なんつーか、これはちょっと「タガ」が外れたみたいな、垂れ流し的な感じがしたというか。天才というのは、照れがないんだよねぇ。凡才あるいは秀才くらいまでだと、ここまで描くのは躊躇して、照れが加味され、却って見る者にとっては恥かしさ倍増みたいなものが出来上がって逆効果なんだけど、天才はそういうものが全くないところが天才と称される所以なんだなぁ、というどーでもよいことを本作を見ながらボーッと考えてしまった。何の参考にもならないレビューで恐縮なんですが、まあ、書き様がないんです、レビューっぽいものを。少なくとも凡才の私には。今後、素晴らしいレビューが登場するのを乞うご期待、ということで。一見の価値はある作品だとは思います、ハイ。 [映画館(字幕)] 6点(2012-01-10 22:35:04) |
3. サラの鍵
《ネタバレ》 有名人の批評があちこちで出回っている本作。まー、そーですね、「鍵」には2つの意味があるとか、ジャーナリストに赤の他人の人生に土足で踏み込む権利があるのか、いやそれでもジャーナリストは書いちゃう人種なんだ、とか、そういうことは名批評にお任せして、私はもっと下世話なというか、低次元なことが色々気になった映画でした。まず、本作の監督。なんと、あの「美しい妹」の人じゃないの。あっちは私にはさっぱり意味不明だったんだけれども、こちらは、「おぉ、、、」と唸ってしまった。実に端的に描写がなされており、かつ時間処理も上手い。悲惨な歴史を描いているのに、エンタメを忘れていない。しかも、この監督は、女優を美しく撮ることを心得た人だ。これは「美しい妹」でも感じたけど、本作のクリスティン・スコット・トーマスは、ポスターなんかより、ゼンゼン美しい。・・・そして、ジュリアの夫の容赦ない本音。これを、ハッキリ台詞で言わせているところが、すげぇ、、、と思ってしまった。「俺はどうしても子どもが欲しくない」って、これ、なかなか書けませんよ、脚本に。孫が生まれても良いくらいの自分に今さら子どもなんて、、、という、ものすごーく真っ当な感覚を、直球ど真ん中で表現する潔さ。・・・そしてそして、何よりも、ジュリアが真相を追わざるを得なくなった心理。確かに最初はジャーナリスト(という言葉が私は嫌いだが)魂に動かされていたのかも知れないが、そんなのは入口に過ぎなかったんじゃ? 自分が住むかもしれないアパートが惨劇の舞台だったかもと直感したら、ジャーナリストでなくても探るでしょうよ、真相を。それが人間の好奇心ってものじゃない? 原作での描写は分からないけれど、本作を見る限り、ジュリアはジャーナリストとしてというよりは、途中からは極当たり前の一人の人間として真相を探っていたように見えた。そしてそれがむしろ自然でリアリティを感じる。たとえ真相がどんなものであれ、それを知りたいと思うのは、別にジャーナリストの特権じゃありませんよ、と、沢木耕太郎には言いたいなぁ。ま、ジュリアの職業が編集者だからなんだけれども。職業の設定が違うものだったら、どーだというのか。・・・と、ウダウダ書き連ねても凡人の私の場合1円にもならないので、この辺で止めておくけれど、本作は実に良い映画です。2度見、3度見にも耐え得る貴重な作品と言えましょう。 [映画館(字幕)] 9点(2012-01-10 22:15:26) |
4. サン・ルイ・レイの橋
え、、、・・・で? というのがエンドクレジットが出た瞬間の感想。仏教でいえば禅問答みたいなもんでしょうか。どーでもいいやん、ということを延々やってます。疲れました。異端審問ってのはとってつけた感じ。しかし、豪華な衣装に豪華な美術、極め付きに豪華な出演陣と、えらいカネのかけようで、これはスポンサーが道楽で作った映画なのねー、きっと、と思いたい。 [DVD(字幕)] 4点(2010-12-20 22:40:24) |
5. サマーストーリー
《ネタバレ》 映画を見て「号泣」したのって、久しぶりです。悲恋モノのストーリーはありがちなのに、なんでこんなに泣けるのか・・・。でも映画の中で、イモジェン演じるミーガンはほとんど涙を見せてないんですね。基本的に「笑顔」なんです、実に魅力的な。ま、私はイモジェン好きなんで、贔屓目なのかも知れませんが、やっぱり可愛いぃ。フランクも一応真剣だったみたいだし、でも、すれ違う所がやっぱり運命なんでしょうなぁ(すれ違ってなくても結ばれたとは思えないケド)。そして妊娠、出産で、死。あー、展開としてはサイアクのベタなんですけれども、白けずに、ここまで泣けるベタな悲恋映画はそうはないでしょう。・・・つーか、これ、むしろ若い頃見たら白けてたんだろうな。40過ぎて、愛しても愛されても「どうにもならないことってあるんだ」と身にしみていると、この映画の持つどうしようもなさに共感してしまうんじゃないかしらん。恋愛って、試練ですよねぇ、ホントに、、、(しみじみ)。 [DVD(字幕)] 8点(2010-12-13 22:27:19) |
6. サルバドールの朝
《ネタバレ》 「英雄サルバドール」を描きたかったんだろうけど、見事、ハズレました、、、という作品。冒頭に「勇気ある青年」(だったと思う)という字幕が入ったので、そのつもりで見ていたのだが、おしまいまで来てしまって、「はれ?」という感じ・・・。もしや大事な部分を見落としたか? と思い、もう一度見直したけれど、やっぱり彼について描かれているのは、体制反対運動の資金のため、悪銭貯まる銀行を強盗して、待ち伏せていた警官たちと銃撃戦を巻き起こし、挙句、警官を撃って自分も負傷し警官は死亡、それが故にムショ送りとなり、不当裁判の末死刑となった、ということであった。これらの中のどこに「勇気ある」といわれる要素があるのか? 正直、分からない。銀行強盗のこと? 体制に異を唱え闘った、ってこと? こうして事実を淡々と描くのであれば、冒頭のクレジットは不要だし、冒頭のクレジットを強調したいのならこの描き方はないでしょーよ。彼は不当に死刑に処され、本人も家族も哀しみの極みに突き落とされた、ってことなのかも知らんが、銃撃戦で逝った警官だって、その家族も、哀しみの度合いは同じだと思うんだけど。なーんかストレスたまる作品。 [DVD(字幕)] 4点(2009-02-16 14:16:42) |
7. さすらいの航海
《ネタバレ》 夜中にふと見たBSで、つい見てしまいました。最後まで見ると朝になっちゃいそうだったので、途中から録画し・・・。まあ、内容的には散漫な印象は否めません。妻子があるのに海に飛び込んじゃう男とか、心中してしまう若い男女とか、海に投げ込まれちゃう船員とか、他にも悲劇がテンコ盛りなのに、妙にサラッとしていました。この作品は一応、ハッピーエンドを迎えますが、史実では、その後は悲惨な運命が待っていた人々も多いようで、やはり生きるというのは過酷だな、めでたしめでたしなんてないんだよな、と感じさせられた一品でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-01-21 11:11:43) |
8. ザ・チャイルド(1976)
冒頭、ニュース映像(?)らしきものが延々流れます。「え? これナニ?」と戸惑うことしばし、その後、ゆるゆると戦慄の話が展開されていきます。離れ小島、子供、人殺しゲーム、妊婦・・・、とオカルト要素は十分。画面の雰囲気がまた、ザラついた感じで、怖さを増幅させています。話が進むに従って、心拍数も上がる!! そして・・・、救いのないエンディング。もう、本当にとことん救いがない。でも、オカルト映画のラストは、こうでなくっちゃ! 後味の極めて悪い映画なんですが、オカルト映画としてはこのエンディングで正解だと思います。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-09-25 17:13:19) |
9. さよなら、クロ
犬好きとしては、終始とても賢そうなワンコの姿を拝めただけでも結構満足。冷静に内容を考えると物足りないとも思うが、これが実話をベースにしていることを考えると「映画みたいな実話」があったんだ・・・、という感慨で補える。自分の愛犬と名前が同じなのも大きいかも知れないけど、「さよなら」よりむしろ「ありがと、クロ」と言いたい気持ちになりました。 [映画館(邦画)] 7点(2007-09-05 12:01:13) |
10. サイレントヒル
ゲームは「4」のみプレイ済みなので、「サイレントヒル」の世界観は知っているせいか、この映画を見ていても「ああ、これこれ、これがサイレントヒルの真骨頂なんだよねー」とどこか客観的になってしまい、ゼンゼン怖さを楽しめなかった。あの世界観はよく再現できていると思ったが、ストーリー的にはかなりお粗末な感じ。後半の教会内での凄惨なシーンは??? ここまでくるとかなり引き気味。ラストもどう解釈すれば良いのかイマイチ分からない。ゲームのようにラストがいくつか用意されている、なんてのもアリだったのかも。これ見たら、ゲームの1~3までをプレイしたくなってしまい、中古ソフト店に買いに行ってしまった・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2007-08-08 13:49:25) |
11. 39 刑法第三十九条
当時は堤真一が好きで、公開直後に劇場に飛んで行って見た。途中、隣の隣に座る高校生(?)ギャルのケータイが何度も鳴り、挙句そのギャルは電話に出た! 隣席の友人が堪り兼ねて「電源切ってください!」と小声で注意・・・、というハプニングを差し引いても、見終わった後、配給元会社に「カネ返せ~」と電話の一本も入れてやりたくなる気分。もう、本当に、私は森田芳光という監督がダメ・・・。あの意味のない演出の数々、特にどの映画でも“ボソボソ喋り”を俳優陣に強いる意図は何? スクリーンの中で、堤真一も鈴木京香も“死んで”いた。ストーリーもイマイチ。見終わった後、徒労感と疲労感だけが残った映画でした。 [映画館(邦画)] 0点(2007-06-20 11:57:31) |