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プロフィール
コメント数 186
性別 男性
ホームページ http://vanitas.cocolog-nifty.com/blog/
自己紹介 半年レビュー書き込みがないまま放置でした。忙しかった。でも映画は見てたんです。だから、ぼちぼち再開します。

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1.  山椒大夫 《ネタバレ》 
圧巻の映像美。それに尽きる。映像が語る物語の厚さ。特に厨子王が山椒大夫のもとを脱走してからの重厚な展開は、もう文字通り息をもつかせぬ展開だ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-10-11 00:55:19)
2.  さらば、わが愛/覇王別姫 《ネタバレ》 
はるか昔に録画したテレビ放送のビデオで鑑賞。 最初に見たときはそれほど感動しなかった。レスリー・チャンの美しさが嘘っぽく見えて、それで物語に入っていけなかった。 でも、二度目は、何故か違和感なく引き込まれた。同性愛的愛情を抱いていることや現実世界で逃げ場がないことで、舞台の上という虚構の世界でしか幸せを見出せない男が、現実の過酷な動乱の中にいやおうなく巻き込まれる悲劇。ひたすら美しいレスリーの舞台姿が逆に嘘くさくていいのだ。うその世界の中にしか幸せがないのだから。二度目で気がつきました。 コン・リーが派手に登場して、そういう破天荒な振る舞いをするキャラクターなのかと思ったら、結婚してからは意外と常識的な女になってしまったのが、不満といえば不満。でも、コン・リーも、苦労してやつれた姿ですら美しかったから、まあ、いいか。 
[地上波(邦画)] 8点(2007-09-09 20:40:51)
3.  座頭市鉄火旅 《ネタバレ》 
座頭市というと、たいていは三隅研次監督で語られることが多いけど、実は一番多く監督しているのがこの安田公義だ。その意味では、シリーズを支えているのはこの人といっていい。安田の堅実な仕事ぶりが堪能できる。東野英治郎の刀鍛冶がいい味出してるね。これこそ『折れた杖』ってタイトルを充てたいところ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-07-17 23:22:19)
4.  座頭市血煙り街道
娯楽路線の座頭市としては、一番面白い作品がこれだね。みんないい仕事している。 座頭市は、子供が出てくると、ホント面白い。同じ三隅で『血笑旅』とかもよかった。勝新の89年のリメイクや、シリーズの最後から二番目の『折れた杖』のようなえぐさが勝ってる作品においてすら、子供が出てくると座頭市の表情が緩むところがたまらない。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-07-17 23:16:52)
5.  座頭市牢破り 《ネタバレ》 
監督は社会派山本薩夫。で、当然の結果として、これはかなり変な座頭市だね。鈴木瑞穂演じる大原秋穂という侍が、百姓たちに、いかにすれば効率よく収穫があげられるかを説き、団結して横暴なヤクザたちに非暴力で立ち向かうことの重要性を説く。まるで左翼思想の煽動かとも思ってしまうようなやり取り。彼の思想は、理屈で説得できないものは斬るしかないという市の発送とは正反対。でも、市はその大原に惹かれていく。しかし、その非暴力思想の大原が、最終的に市の剣さばきに救われる。だからと言って、この映画は、市が正しく、大原の理想論が誤りなのだ、という単純な線引きをしない。それは全てのキャラクターにおいてもそう。善玉と悪玉の区別が容易に行かない世界。評価も分かれると思う。特に、三国連太郎のヤクザのキャラは特に後半描きこみが足りないかなとも思う。でも、私は、これ、結構好きだった。断定を避け、判断を観客に委ねるようなこの姿勢が、ある意味潔いのだ。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-07-07 23:52:04)
6.  座頭市の歌が聞える 《ネタバレ》 
田中徳三は堅実な職人だけど、それほど映像美の人という印象はない。だけど今作は美しい映像満載だった。撮影の宮川一夫の影響が大きいのだろう。今作の特徴は影。ふすまに、障子に映る影。影で演出が完成している。それが、最後のシルエットでの大立ち回りの伏線になっているのだな。その美しさ。天池茂の再登場は、確かに第一作ほどのインパクトはないものの、やはりこの人がいると違うなあと実感してしまう。浜村純の琵琶法師もいいキャラだ。座頭市シリーズは、毎回、とにかく立ち回りの美しさに感心してしまう。こんな美しい殺陣を見せるシリーズは、他にないね。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-07-02 23:58:19)
7.  座頭市二段斬り 《ネタバレ》 
鬼才井上昭の座頭市デビューだ! って喜び方をするのは私だけかしらん。この人を評価する人をあまり聞いたことがないのだけど、私は大映の末期の遅れてきた才人だと思っている。長らく三隅研次や森一生、市川崑らのもとで助監督として下積みを積んで、ちょうどこのあたりに一本立ちしたのではないかと思う。ほとんどデビュー作に近いのに、あきれるほど大胆な映像を撮る。表情をえぐり取るようなアップ、真上にカメラを据えるかと思うと、極端にローアングルのショットもある。そして何より、テンポがいい。 座頭市の居合斬りは、たいていの監督はカメラをフィクスして、長まわしで撮っているのだけど、この監督は手持ちカメラで市を追いかける。この迫力。それだけで満足。 もう一つ付け加えるとすれば、三木のり平。いい味出してますなあ。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-07-01 22:24:20)
8.  座頭市逆手斬り 《ネタバレ》 
名匠森一生のシリーズ2度目の登板。でもそれより何より、本作は藤山寛美の魅力に尽きるかな。でも、後半、出番がなくなってしまって、これは残念。というか、やくざの息子なんて設定になってるのだから、市の最後の立ち回りにももう少し絡めたのではないかな、と思ってしまう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-01 22:19:54)
9.  座頭市地獄旅 《ネタバレ》 
三隅研次再々登板。やはりうまい。テンポが抜群にいい。加えて、名匠伊藤大輔のツボを押さえた脚本もさることながら、成田三樹夫のひねりのきいた敵役ぶりもたまらない。いい仲間になりそうで、しかし、結果的に剣を交えることになってしまうという展開は、第一作目の天知茂を思い起こさせる。こういう展開は、きっと三隅研次のお手のものなんだね。 賭場の場面は、またその手でだましてるの?と突っ込みたくなったけど、実はそのあとの場面の伏線にもなっていたんだね。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-07-01 22:17:25)
10.  座頭市喧嘩旅
安田公義監督って大映の監督の中でも語るのが難しい人だ。可もなく不可もなく。平均点の人。でもこういう人の仕事がシリーズを支えてきたのは言うまでもない。本作も座頭市シリーズのクリアすべき水準は保っているんじゃないだろうか。敵役が弱いといえば弱いけど。藤村志保もヒロインとしてはめそめそしていて弱いかな、とも思う。でも、ラストの、出入りの両家を的に舞わしての立ちまわりはなかなか見応えがあった。 
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-01 22:14:50)
11.  座頭市血笑旅
赤子を連れての座頭市の珍道中。この趣向が、シリーズのほかの作品にはない味を添えているね。三隅監督だと、細部まで目が行き届いた安定感が群を抜いている。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-07-01 22:10:32)
12.  座頭市あばれ凧
そんなに悪くないと思うな。平均点。前作に続いての登板、池広一夫は何となく劇画チックだけど、活劇としては非常にテンポがある。まずまずかな。 
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-01 22:08:18)
13.  座頭市千両首 《ネタバレ》 
撮影の宮川一夫は何がすごいって、予告編で名前がクレジットされるのだね。他のキャメラマンではありえないことです。ただこの作品、評価はわかれるだろうな。個人的には、やはり宮川のカメラは、監督としてクレジットしてもいいくらいの抜群の安定感を示しているし、好きなのだけど、わざわざ国定忠治を持ってきてまで(シリーズ2度目の登場)話を大袈裟にしなくてもよかったのになあ、とも思う。島田正吾と勝新の競演が見られたのはよかったけど。 
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-01 22:06:48)
14.  座頭市兇状旅 《ネタバレ》 
下の方も書いておられましたが、予告編には万里昌代演じるおたねさんが高田美和に、「私にも昔、あんたみたいに純粋な頃があったっけ」というようなせりふを語るシーンが確かに含まれています。そして、それが本編に含まれていたなら、絶対物語の展開がもっと自然になるはず。すごく残念。おたねさんが、あんなふうに市を裏切るというのも(本当に裏切っているのかはわからないけれど)、はじめてみたときはすごくショックだった。でも、私は、これは、おたねさんというキャラに愛着があるので贔屓目なのかもしれないけど、そんなに悪くないと思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-18 22:58:40)
15.  座頭市物語
名匠三隅研次の技。敵役の天知茂の渋さ。そして何より、勝新太郎の謙虚な演技(勝新なのに!)。あ、忘れてはならないのは伊福部昭の荘重な音楽。ひたすら至芸を楽しむのみ! 
[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-06-17 14:54:48)
16.  座頭市(2003) 《ネタバレ》 
最初に見たのは、アイルランドの映画館でした。いや、こう書くとなんか自慢話みたいな感じがしますが、普通に観光旅行で時間潰しに立ち寄っただけの話です。館内は意外と閑散としていました。まあ、こんなものなんだろうな、って感じもしました。私を日本人と見るや、チャンバラが好きで黒澤が好きだとかいうスペインから来たという役者志望の男がいろいろ話し掛けてきて、ちょっとうざったかったです。で、何がいいたいのかっていうと、そのチャンバラ好きを自称する彼が、映画が始まると、やたらと悲鳴に近い叫び声をあげてたんですね。いや、その反応の素直さに、かえって感動しました。確かに、これは、今までのどんなチャンバラ映画とも異なるものでしょう。もっといえば、座頭市という名前すらふさわしいのかどうかとすら思います。勝新太郎が演じ続け、築き上げていったキャラクターとはあまりに違いすぎる。しかし、北野がこの映画でやっている、自分自身の本来の路線と娯楽性とで、どうやったらおりあいがつけられるのかという実験は、成功しているのは間違いないです。 
[地上波(邦画)] 8点(2007-06-05 23:15:49)
17.  讃歌
これは凄い。エロティシズムの極地を追求しているようで、そんな言葉を使ってしまうのがためらわれるくらい一途で純粋な思いが全編を支配している。不思議な映画だ。もっと広く知られていい映画だと思う。新藤兼人作品で一番好きかも。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-12-26 08:48:19)
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