1. じゃりン子チエ
《ネタバレ》 直ぐに切れる。怒ってばかりで、娘には呼び捨てで呼ばれるし、ろくに仕事もせず、博打きりしてるどうしようもない駄目な大人の代表の様なテツだけどそんなテツが大好きです。自分に正直に生きているし、思い切り駄目な男のアホ全開な所も全て愛しく思えてしまう。娘のチエが内緒で母親に会っていると知ってからの父親としての刹那さ、チエの事が好きで好きで堪らない態度、三人で仲良く遊園地に遊びに行く事となり、その遊んでる時のテツの嬉しそうな顔といい、この作品は人間の喜怒哀楽をとても解りやすく描いている所が大好きです。出てくる人物も個性的な人間きりで楽しめる。自分の大好きな猫が他の猫に金玉を1つ取られ、泣くお好み焼きの親父も大好きです。アントニオの息子の仕返しに手を出さずに耐えた小鉄のかっこ良さは人間並のかっこ良さである。猫だろうが人間と同じで義理と人情を大切にする描かれ方もこの映画の良いところです。大好きな男はつらいよの寅さんを思わせる四ッ谷赤坂麹町、チャラチャラ流れるお茶の水のシーンまで出てくるし、とにかくこの映画大好きです。 [DVD(邦画)] 9点(2017-01-24 21:05:18) |
2. 将軍家光の乱心 激突
う~ん?キャスティングは良い。特に緒形拳はかっこ良いし、千葉真一も流石はアクションスターである。松方弘樹に関してはまずまずだけど、緒形拳と千葉真一ほどではない。時代劇ならではのアクションシーンも満載で楽しめるけど物足りない。全体的に切れが無いと言うか?もっともっと漲るパワーが欲しい。やはり監督の力量なのかな?これだけ良いキャスティングなのになあ!それなりに楽しめたから一応は6点!合格点だけどそれ以上のものとなると欠ける気がする。 [DVD(邦画)] 6点(2012-01-10 21:47:10) |
3. ジンジャーとフレッド
《ネタバレ》 「ジンジャーとフレッド」このタイトルだけで観たい。そう思わずにはいられなくなり、借りてきた。ここ数年、以前は苦手だった。いや、苦手というよりは単なる喰わず嫌いであったミュージカル映画というものが今ではすっかり好きになった原因を私に作ってくれた二人、ジンジャー・ロジャースとフレッド・アステアへのフェリーニ監督からのオマージュ、そして、長年、私の作品を見つづけてくれているフェリーニ映画ファンへのご褒美と言える作品って感じの映画である。フェリーニ映画の中で数々の名演と印象的な姿を見せてくれているジュリエッタ・マシーナとマルチェロ・マストロヤンニの二人が憧れのミュージカルスター、ジンジャー・ロジャースとフレッド・アステアになりきって、踊る。勇気を振り絞り、踊る。よくぞ踊ってくれた。例え、ポロボロでも構わない。年老いてしまった二人だが、年齢なんて関係ない。どんなに年老いても好きなものに対する愛情、情熱は変わらずに生き続けているというものが二人の姿から見えてきて、それだけでも観て良かった。心からそう思う。フェリーニ監督らしくテレビの裏側をサーカスの如く、見せながら皮肉たっぷりに描いている。人生の厳しさと儚さ、年老いていく者の寂しさ、色んな意味でフェリーにという人は人間の持っている一面を包み隠さずに描く監督であることがこの映画を見れば解る。とにかくこれまたフェリーに監督によるフェリーに監督らしいそんな映画になっている。最後にもう一度だけ言わせて下さい。ジュリエッタ・マシーナとマルチェロ・マストロヤンニの二人に「よくぞ踊ってくれた」ジンジャー・ロジャースもフレッド・アステアも天国で二人の踊る姿を観て喜んでくれていたと思います。 [ビデオ(字幕)] 8点(2010-07-09 20:35:16)(良:1票) |
4. 終電車
なるほどね。そういう終わり方か!洒落た終わり方を見せてくれる。そういう意味では良いのたがフランス映画なのに、フランス映画ぽさが全然感じられない。カトリーヌ・ドヌーブの相変わらずの美しさとトリュフォーの足フェチぶりには毎度ながら感心させられる。後半は楽しめたけれど、前半がかなり退屈です。トータルで考えると6点てことで、けしてつまらなくはなかったけどちょっと物足りない感じがしました。 [DVD(字幕)] 6点(2010-06-12 10:48:38) |
5. 少林寺
《ネタバレ》 私事ではありますが、近頃、年齢のせいかよく解らないけど頭が気になり始め、髪の毛も薄くなりつつあって気になる。気になる。でもね、この映画を見てあのハゲたおっさん達が頑張る姿、強きハゲ達の姿、ストーリーそのものはそんなにも面白くもないけど、何しろ皆、かっこ良く、そして、美しい姿の前にハゲが何なんだ?怖くなんかないぞ!俺も将来、素晴らしいハゲ親父になることを夢見て、頑張って行こうと思うようになりました。それだけでもこの映画を見て良かったと思う。今まで少林寺映画って「三十六棒」しか見たことがなく、恥ずかしながらこの一番有名な「少林寺」映画を見て、頭が薄かろうが、頭に変な印、あれはひょっして?BCGか何かの注射の跡か?があろうが、だから何なんだ?世界中のハゲ頭の人達に勇気を与えること間違いなしの映画として、忘れられない映画になりそうです。最後にリー・リンチェイが後のジェット・リーになるのか!へえ!てことは私もいずれ、万が一ハゲになっても挫けず長生きすれば、生まれ変わることが出来るのか?まあ、色んな意味で希望が湧いてきたぞ!ハッハッハッハッ! [DVD(字幕)] 7点(2009-09-28 22:57:03)(良:1票) |
6. 小説吉田学校
《ネタバレ》 よくぞこれだけのメンバーを集めながらも全くもって一人たりとも疎かに描くことなく政治の表と裏の醜い部分、当事者にしか理解出来ないであろう苦悩、跡目問題など様々な要素をスリリングに描いて見せているのには感心させられた。何より主演、吉田茂を演じてる森繁久彌の圧倒的な存在感と凄み、そして、吉田内角を支える男達、中でも小沢栄太郎はここでも素晴らしい演技力で吉田茂というこの一人の男と共に吉田茂を総理の椅子から引きずり降ろそうとする連中との戦い、吉田茂を内角総理大臣の座から降ろそうと企む三木長吉演じる若山冨三郎もこれまた凄い迫力!名優の名優達による男と男の壮絶なる戦いの中で父吉田茂を思う娘役の夏目雅子の存在も忘れることは出来ない。父親に対する想いの果てを語る時の夏目雅子という女優の眼の美しさ、それを片隅でそっと見ている時の父親吉田茂(森繁久彌)の眼には娘にだけは解って欲しい(欲しかった。)というようなものが感じられ、父と娘、血が繋がっているからこそ政治家である以上に親子としての深い愛が伝わるシーンでもある。見る前は何だかとても堅苦しいイメージしかなく、退屈そうな感じしかなかったのだが、ずしりと重たくそれでいて、見応えある大作になっていて政治映画としていうより一本の映画として十分楽しむことが出来た。それにしても森繁久彌の吉田茂は凄い。まるで本物の吉田茂が乗り移っているようだ。 [DVD(邦画)] 8点(2009-04-21 21:53:38)(良:1票) |
7. ジャズ大名
何ともハチャメチャで陽気で相変わらず岡本喜八監督の描く人間たちはおかしな奴が多い。時代劇とジャズとは普通では考えられないようなその発想の面白さ、デタラメなこの面白さこそこの映画の一番の見所ではないかと思うぐらい本当に作品としてはデタラメではあるが、作品全体に見られるエネルギー、あの外国人達の何とも下手くそなジャズの演奏が何だか可笑しい。殿山泰司の変てこな坊さんも笑える。何も考えずに肩の力を抜いて楽しんでもらいたいという岡本喜八監督の思いが伝わる作品になってます。欲を言えば時代劇にしては殺気というものが少し足りなく思えるものの、それでも今の時代劇よりはずっと良い。少なくとも最近のNHKの大河ドラマよりはマシだと思います。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-05-25 11:56:12) |
8. 時代屋の女房
これはもう、イニシャルKさんのおっしゃる通りの映画で、個人的にはこの作品の夏目雅子が一番好きですし、これこそ彼女の残した作品の中でもナンバーワンだと思います。話そのものよりも、とにかく夏目雅子という女優を語る上でこの作品を語らずして他のものを先に語るなんてことは私には出来ません。ラストの傘を差してる時のあの笑顔は絶対に忘れることなど出来ない。もっと長く生きていたらと思うと本当に残念です。あんな女優さんは二度と出てこないだろう! [ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-17 14:15:15)(良:1票) |
9. 仕立て屋の恋
アメリカ映画にはないこの雰囲気が物凄く好きです。わずか80分という短い時間があっという間に終わってしまったと思えるぐらい面白かったです。あの女優さん、作品の中では最後は嫌な奴だなあと本来なら思える筈が何故か憎めない。私好みの女性だからかもしれません。それにしてもラストは本当に切ない終わり方!フランス映画ならではの終わり方!サスペンス映画としても見所満載で何度も観たくなる不思議な作品です。マイケル・ナイマンの音楽も凄く好きです。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-07-10 22:53:39)(良:1票) |