Menu
 > レビュワー
 > Yuki2Invy さん
Yuki2Invyさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567
投稿日付順1234567
変更日付順1234567
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  少林寺 《ネタバレ》 
冒頭に日本の少林寺拳法を紹介するような描写が入ってるのは、実際にエキストラとして日本から高段者を大勢連れて来てたからだそーで、好い宣伝になったでしょうね。しかし、ゆーてジェット・リーさんも含めて中国側の主要キャラもほぼほぼガチの拳法家だそーで、チョコチョコ入る実際の武術の動き・型をやるシーンは、そのクオリティと言いヴァリエーションの物珍しさと言い、かなりユニークな観る価値を擁していたとも思われるのですよね(まあゆーて所々に多少、正に「花拳繍腿」みたいな「その動き無駄でしょ?(どういうシチュエーションで使うワザなの?)」的なヤツも在ったかとは思いますが)。また特に、ジェット・リーさん自身も(相当に若く見えましたが)シンプルに中々なモンでしたよね(⇒躰もバッキバキだし)。その時点で既に、見逃すのは惜しいという作品にも思えますかね。  ストーリーは、唐王朝創成期の史実エピソードを下敷きに置いている…とのコトらしいですケド、そのワリにも全体的にごく好い加減で正直どーでも好いって感じかも知れません(⇒まあゆーて取り立てて酷いのは、件の犬のエピソード位…かとも思いますが、別にそれを挽回できる様な好いエピソードも無かったし)。あと、アクションに関しても、少林寺vs極悪非道の王将軍軍団!とゆうコトで他対他の大騒ぎがハイライトになってくるワケですが、その辺は(まあ仕方無いとは思いますが)振付けの質的にも雑なトコロもあるな~とは思いましたかね。ただ、今作は明確に主人公としてジェット・リーさんが居てそのクオリティは(重ねて)高かったコト、他対他と一対一が(まずまずのクオリティで)両方観れるとゆーのも寧ろ悪くないと思われたコト、加えて、師父役のおじ様が(この人もモノホンの武術家だそーですが)何か凄く好い~雰囲気・佇まいだったコト(⇒技量と人格のどちらも高そうな、正に「師匠」みたいな)も踏まえて、ちょっと加点してこの評価としておきます。お暇なら是非。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-06-30 11:44:37)《新規》
22.  灼熱の魂 《ネタバレ》 
元々、小説でも『人間の証明』は大好きで、で映画でも『飢餓海峡』とか『砂の器』とかってやっぱ凄く面白く観れるのですよね。こーいうのってとにかく「動機」の部分に対する体重の乗り方が(娯楽サスペンスとは)比較にならないってゆーか、だからこそ最後まで=この謎は解かずば今日は眠れない!みたいに成れるのだと思うのですよ。その意味では今作も、まず起こった「事象」そのモノってのが既にド級に(歴史的・政治的に)衝撃的!てヤツだとは思うのです、が、前述のその部分の勘所もまた決して外していない、これ以上無い程にソコにも体重の乗ったヒューマン・サスペンスだったとは思うのですよね⇒即ち、母は何故、あの様な奇妙な遺言を残して、あの様に奇妙に死んでいったのか、という。正直、途中からは完全に観入ってしまってましたよね。  だから、私にとっては(まずは)今作はサスペンスである…のですケドも(⇒それをワザワザ明言したのは、一方で今作って十二分に優れた社会派もの・歴史ものだとも思えるからなのですケドね)そーするとどーしたって、結末も含めて全体的に余りにも「無理筋」ではないかな…と思われてしまったってのが、結論的には少~し、ワタシ的に(再び明確に)許容範囲外だったという痛恨事なのですね。。観る前から、戯曲の映画化だとは把握しては居たのですケド、なんつーか然も在りなん…としか言えない…ですし、すると更には、それに依って(今度は)サスペンスのみならず、前述の社会派的な映画の価値すら少なからず毀損されてしまってる気すらするのですよ。もう少し、もう少しダケ、ソコって何とかならんかったんか…と。。(⇒個人的には特に、ニハドが「洗脳された」ってナンやねん!と。。)  結論、個人的には、非常に評価の難しい作品…だとしか言い様が無いのですが、それでも最初に述べたとおり、この手のサスペンスとしての「ヒトの中にある謎」の部分の展開&結末の部分に関しては非常にしっかりと「筋が通っていた」と思えたコト、加えて、重ね重ね事象は衝撃的ながら、全編で非常に落ち着いた抑制的でハイソな演出+それが醸し出す雰囲気と、また映像のハイソぶりも実に見事だったと思えたコトを踏まえて、かなり迷いつつもこれ位の評価にしておこうかと思います。サスペンスとして、端的なラストの「衝撃度」みたいなモノに関しては、確かに最高レベルで高度だって映画だとは思いますね。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-06-08 22:46:04)
23.  地獄の血みどろマッスルビルダー<OV> 《ネタバレ》 
自主製作で15年掛けて2009年に完成…とゆーコトで、それでも俳優を使った主要部分の撮影は90年代中盤~2000年代初頭までで終わった⇒そこから延々編集等してた…て事情のよーです。画質が超・荒いコトを脇に置けば、確かに登場人物の感じ(ファッションとか)的にも90年代っぽい質感ではありますし、ホラー的にもそれこそ、まず全体として『死霊のはらわた』に非常に似通ってて、後は『死霊のしたたり』『ブレインデッド』とかこの頃のドイツの(キ○ガイ)連中、とかの質感にもかなり近いモノ・描写の似ているトコロを感じ取れますかね。加えて自主製作ってコトで、個人的には『鉄男』みたいな味わいもまま高度に感じられたかと思います。  重ねて、ホラーとしては90年代スプラッタのごくコッテコテなヤツ…を志向してる作品だと思うのですが、まず最初にあくまでB級としては、全く全然好く出来ている・完成度の高いジャンルホラーだと思いましたよね。モチロン「B級として」ってコトで画質をはじめそこら中の「安っぽさ」には目を瞑るとしても、構成や全体のテンポ・スプラッタの分量+過激さ・(コミカルに振った)オチの付け方、なんかからは、先に述べた完成度や纏まりに加えて監督の「信念・美学」といったモノまでごくしっかりと感じ取れたと言いますかね。やはり何より「こう撮りたくて=こーいうのが好きだから」こう撮っている、とゆーのが実にヴィヴィッドに伝わって来る、そのコト自体が大きくまず一つ、そしてそれに(個人的に結構に)共感できてしまう…とゆーのが二つ目として、それ自体はある意味「(B級)映画鑑賞」とかって次元に無い別の行為の齎す快感ではなかったか、と思ってしまいました。最近だとそれこそ『JUNK HEAD』を観た時に得た感動にも非常に近いな…と。  再度、ホラー好きにならば全力でオススメ出来る作品だと思いますので、お暇なら是非。プラス、私の観た完全版(2012年に監督が微修正を施したバージョン)のレンタルDVDだとオマケで監督のインタビューが収録されてるのですが、この短い10分強の内容がま~た非常に面白かったのですよね。こちらも是非、併せてご覧いただければと思います(正直、ココで1点アップしてます)。
[DVD(邦画)] 7点(2024-03-01 14:27:51)
24.  少女は卒業しない 《ネタバレ》 
前半は雰囲気というか、いつもの学校よりも尚ちょっと明るい様な気もするけれど、一方でやはり淡くて、そもそも少し密度自体が昨日までとは異なる様な空気の中で…というのが、実に卒業式って感じだなあ、と思いました。その分、最終的に4つに収束してゆくというお話そのものの方は、4人個々が抱えるモノの具体的なトコロが見え始めるのも含めて中盤以降に動き出す…という感じでもありますかね。全体を通してもごくまろやかなテンポで、後半は特にそのまろさが個々のシーンの演出としても効いていた…という感じもあります。その意味では、書いたとおりごく淡い空気感で始まったワリにも、それら個々のドラマというのは思いの外結構ハッキリとしたモノだったな、と言いますか、思ったよりその勘所が明快に分り易いモノだったな、という感覚もあります(特に、河合優実ちゃんのお話は、率直に意外なまでに重いモノでもあったし)。私としては実は、中井友望ちゃんのお話位のささやかな方が好きだったりもしますね(この4つの中でも一番好みではあります)。  上で書いたコトともやや被りますけど、今作の4つのお話(4人の女の子)というのは、比較的チャンと決着をつけて卒業してゆくコトが出来た…というコトだとは思ったのです、があくまで個人的には、大概ってそれが出来ずに卒業してゆくモノだから…というコトだと思ったりもしますよね(⇒端的に、一つ位はソッチの方の話でも…と)。まあ、負け続けた・逃げ続けた者の単なる戯言だと思って頂いても一向に構わんのですけれど、結局、何だかんだ「やり残した」コトというのが人生で最も愛おしい(或いは、それがそう成ってゆくコトこそが人生の妙味だ)な~んて、最近はとみに好く考えたりもします。
[DVD(邦画)] 7点(2024-01-21 15:34:07)
25.  死霊のはらわた ライジング 《ネタバレ》 
うーん、やっぱ最近は全世界的に、スプラッタを名乗るならコレ位やんなきゃモ~話になんない…みたいな感じになって来てますよね(好いのやら悪いのやら)。シリーズ?としては2013年のリメイクもかなりキレキレにグログロ・激イタでしたが、今作も終盤は比較的にも相当なるキレ味を誇ってました。その終わらせ方=でっかい異形のラスボスがゴージャスに出て来るコト+血糊の大盤振舞い(洪水ぶり)の辺りがかなり満足度高かったコトもあり、結果的にはこの評価としております。重ね重ね、こーいう「力技」で、かつシンプルにイタくてグロくて「見るに堪えない」系のホラーがお好みだって御仁ならば、全力でオススメ出来る代物ですかね。是非々々。  と、ひとしきり褒めた後でいちおうネガティブ方面の気付きとして、まずはこのシリーズってやっぱ「ワンシチュエーション」が基本構造としてあるので⇒今作もシチュエーションに入ってからは走りっ放しで多少メリハリを欠くきらいがある…というコトですかね(所ドコロで息継ぎは入るのですが、ソレも逆にテンポを損なっている気もしたりしなかったり…)。あともう一つ、過去作と違って今作は主人公がひと家族で子どもが三人居て、でネタバレ的にはその子ども達にもごく容赦が無い方の(空気を読まない)ホラーだった…と⇒ココに関しては、あくまで個人的には、幾らキョウビの(やりたい放題な)スプラッタとは言え、やっていいコトと悪いコトはあると思うよ!(もし最後にキャシーまでズタボロにヌッ殺してたら、多分この点数にはしてないよ!)というコトですかね。とは言え重ねて、パンチの効いたホラーをお好みの方は一見されても好かろうかと。
[DVD(字幕)] 7点(2023-10-21 00:05:44)
26.  しとやかな獣 《ネタバレ》 
120%タイトルのまんま!とゆーか、寧ろ『(大から小まで)悪人選り取り見取り!⇒貴方はドレが好き?』とでもゆーか、確かにブラック・コメディとしては傑作だと思いますケドも、本質的には1ミリも面白い話ではねーのですよね(卦体糞悪い…)。あの税務署員の小悪党が出て来なかったら、マジで0点を付けてた可能性もありますよ。個人的には正直なハナシ、今作に関しては(最早)若尾文子が出てるとか出てないとか、そーいう問題でもねーのですよね⇒外ヅラでナンとかなるよーな・ナニかが根本的に変わるよーなお話ではない、と思うのです。  ただね……ブラック・コメディとしてのみならず、技巧的にも非常にレベルの高い作品だと言わざるを得ない、てのが……(部分的にはまた確実に「アート」の域に在る、と⇒こんなゲテモノなのに……)舞台が終始、集合住宅の一室内に留まる…とかって種々の制約すらもコレだけ「楽しみ」つつ、ソレをこ~んな優れた芸術にマデ仕上げられる映画作家が今の日本にも居ますよ!なぞ、私には到底断言出来ないのですよね(残念乍ら)。例えば、あの「階段」のシーンを撮れる監督が(誰かひとりでも)今今に思い当たるのか…というこの状況で、いくら個人的に嫌いだからとゆーて今作に6点は付けられませんですよ(ソレだとあの『万引き家族』と同じ評価になってしまうのですからね⇒あまりに「格」が違いすぎる…と)。結論、重ねて(非常に)悔しいのですが、この点数としておきます。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-05-03 23:02:33)
27.  死の棘 《ネタバレ》 
コレも大昔に観ていて、その時は正直シックリ来なくて、しかし今回観直したら(意外なマデに)観入ってしまいましたね。この監督も超・寡作な方ですが、同じタイプ…てワケでもねーのですがやはり何処かヴィクトル・エリセはまた確実に思い起こされた…な~んて。でも、何故彼らが寡作かとゆーて、やっぱとにかく「画」にはこだわりまくってますよね。今作も、よく見るとマ~何処も彼処も素晴らしいショットだらけ(とゆーか、ソレしかない)ってな感じで、ソレだけでも2時間観てゆけちゃう(で実際観てゆけちゃった)と言いましょーかね。また暫く後には再見するかと思います。  演技は、かなり特徴的なので端的にクオリティが高い、とゆーのとも異なるとは思いますが、作品と調和しているかと言えば間違いなくそう(=成功してる方)でしょうし、その他諸々主演2人の仕事ってのはごくごく素晴らしいモノだったと思います。一点、物語としては極めて進み方が緩慢(とゆーか、殆ど前進してゆくコトもないし、当然何処かに辿り着いて終わるワケでもない)であるコトについては、個人的には好みとしては(=好きか嫌いかで言えば)私のソレからは外れては居ます。なので一点だけ引いておきます。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-04-14 20:37:09)
28.  シオリノインム 《ネタバレ》 
一応、キングレコードの自社レーベルで「エロティカクイーン」という成人映画のシリーズがあって、コレもその一作…てコトなのですね。ゆーて私も観たのはコレが3作目、位な感じなのですケド、現行のOP映画なんかに比べるとドレもいくぶん一般映画寄りとゆーか、話が比較的しっかりしてる・尺も一般映画くらい(⇒今作は実はそーでもない)・で主演がAV女優じゃない、とかって感じではあるのですね。今作とて、まずは監督がしっかりホラー畑の人なのですし、実際にホラー映画の特集企画で上映されてるコトからも分かる様にエロ映画とゆーよりは完全なる(エロ入りの)ホラーという作品ではありますね⇒題材が題材なので結構最初から最後までエロっぽかったりするのではありますケドも。  で、まずはそのホラーとしての感じからして結構良好だな…と思えてました。当然、低予算映画の範疇には在るリーズナブルな質感だとは思うのですケド、ドエロくもまた生々しい恐怖シーンの出来なんかもまずまず冴えてたと思いましたし、その他随所に挿入される工夫された美的な映像表現の数々(+ソレが醸し出す何とも言えない淫靡で陰鬱な雰囲気)とかだって確実にお値段以上なヤツだな、と眺めてましたね。またこの話ってのは要は主人公の女性が(見た目地味なのに)とにかく「性欲が強い」って方で、なんですケドそれ故にトラウマを抱えてしまいソレを抑え込もうとする、が……というヤツだと思うのですよね。で、そのお話の流れも(主演の松川千紘さんの個性+実際の役づくり・演技も含めて)まま無理も無く緻密につくり込めていたと思いますし、何よりこの「エロい必然性の在るエロ映画」にチャンとなってる、という点でもだいぶん好感が持てました(実は今年、ロマンポルノと最近のピンク映画を年中観まくってたのですが、そんな私もまた実のトコロ「エロい必然性の無いエロ映画」とゆーのがとにかく大嫌い…だったりするのですよね)。結論、諸々と意外なマデに完成度が高かったかな、と(⇒率直に結構な掘り出し物だな、と)。  もう一点、またコレでエロシーンの出来自体もワリと全然悪くない…てのが好かったと思うのですよね。松川千紘さんは(前述どおり主役のキャラにごく適合した)地味なルックスをつくり込んでいながら、エロシーンは終始ノリノリ+また結構な巨乳でもあって、序盤に夢の中で実にねちっこく胸を責められてゆく(で次第に躰が反応してゆく)シーンなんかはモ~結構タマランかったすよね(⇒んでハッと目を覚ましたら寝汗ジットリ…てのがま~た絶妙に艶やかでして)。そして何よりオーラスの濡れ場が(女のみならず男の方も)メチャクチャに気合入ってましたですね(結構長尺の本番+でその最中もディープキス塗れ)。もう一つの結論、ピンク映画としてもシンプルに相当質は高いかな、と。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-12-24 16:13:41)
29.  シラノ 《ネタバレ》 
同原作の映画を巡っていて「オペラでも観てみたいな…」と思ってたトコロ、近々でミュージカル映画になってたのでイザ!と飛びつきました(いちおうオペラにもなってるらしいですが)。更に、既に舞台版ミュージカルになっていたヤツを映画化した…てコトらしくて、主役の2人はその舞台版から引き続き、かつ音楽担当がバンド「ザ・ナショナル」のメンバーだってのもまた引き続き…てコトらしいです。その一番肝心な主演がピーター・ディンクレイジ…とゆーコトで、シラノのコンプレックスが「デカ鼻⇒低身長」になってるとゆーのが最大のポイントではありますかね。ココ、全然悪くないコトだとは思うのですが、一つ考えてしまったのが、シラノの場合のデカ鼻とゆーのは(そんなレベルのは)たぶん実在し得ない…という意味ではごく「抽象的」な属性だった…と言えるかとも思うのですが、ソレをディンクレイジにフツーに演らせる…てのはより現実に則した描き方だとも思えて(なにしろ実在するのですから)ともすれば方面によっては批判もあったりなんかしなかったのかな…なんて。ただ、最後まで観ると(だからこそとゆーか)肝心なシラノの「勝利」とゆーのも、またより現実に強力に繋がってくるモノ・真に迫ったモノとして感じられた…ので、その面はたぶん効果的だった・成功だったと言っても好いかな、とも思いました。  でお話の中身としては、かなり素直に原作準拠、加えて映像は現代的なレベルにチャンと引き上げられているので、今作もまた当然の如くに全然面白く観切れましたですね。ただ一点、コレは完全に個人的趣向の範疇ではありますが、音楽に関しては私自身はちょっとしっくり来なかった…と言いますか。前述どおり音楽担当がロック・バンドの面々で、だから楽曲も全然フツーに現代的でポップなヤツで揃ってるのですよ。マジで、洋画の現代劇の(ちょっとシャレオツな)ドラマ作品でいつでも流れてるよーなヤツがこの歴史もののミュージカルでも流れてくる…てのにどーにも違和感が拭えなかったのでありますね。でも、ディンクレイジもヘイリー・ベネットも実際に歌も歌ってるのですがそのクオリティ自体は正直思った以上ではありました(特にベネットは全然フツーに巧いな~と思って聴いてました⇒見映えの方も超・フワフワな雰囲気でとても魅力的でしたし)。重ねて、面白い映画だったとは自信を持って言えます。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-11-22 12:47:06)
30.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 
『シン・ゴジラ』を受けてのモノなのだから、今作も映画的なコンセプトとゆーのは非常に明確で、コレもやはり一種の「現代訳(モダナイゼーション或いはオトナ化、ソコに加えての”庵野化”とでもゆーか)」が求められているトコロだと。でも、ゴジラは元々も映画作品で(背景となる世界観自体はまましっかりとつくり込まれたモノであったにせよ)お話としても非常にシンプルに「ゴジラを倒せば好い」ヤツだった、と。翻って、ウルトラマンてのは全部で40話近いテレビコンテンツなのだから、コッチは当然シン・ゴジラでやった作業に加えて高度に取捨選択・省略・整理整頓が必要になるワケだ…と。で基本、映画てのは内容がタップリなモノを(涙を呑んで)削ってつくった方が面白いモノにはなり易い、だから本作も(全然フツーに)面白く観れるのは間違い無いと思うのですよ。でもだから、個人的に観終わって一番強く感じたのは、結局ただただ「色々ともっとチャンと観たいな~(2時間の単発映画には勿体無いな~ or 1クールの1時間ドラマでおんなじ様なコト出来たりしねーのかな~)」というコトだったのですよね。重ねて、今作に用いられたオリジナル題材の取り合わせ・物語の(超・テキパキとした)運び方自体・或いはその「現代訳」にあたって新たに持ち込まれた種々のアイデアのクオリティ、に関してはほぼほぼ不満などは無いのです(=2時間の映画としては非常に好く出来ていたな、と)。ただコレも重ねて、もう少しボリューミーな別のコンテンツとして(クオリティそのままに)出てきてくれた方が個人的には当然に嬉しかっただろーな…というコトなだけであって(実現可能性は度外視するとしても)。  再度、フツーにかなり面白い映画だったとは明言しておきます、が、とは言え二点ほど、前半はともかく後半はほぼ(ウルトラマン本人も含めた)「外星人」絡みの話ばっかになってしまっていて、コレはむしろ『セブン』の方に空気感としては近いんじゃねーか?とも思いましたかね(=もう少しだけ単純な怪獣バトルの方も観たかったかな、と)。あとは純粋に映画として、個人的にココまで「間」とか「余韻」の少ないヤツはやや苦手なのですよね。そこら辺を含めてこの評価で。
[映画館(邦画)] 7点(2022-05-15 00:47:34)
31.  女子高生に殺されたい 《ネタバレ》 
能動的な「殺したい」はまだともかく、やはり受動的に「殺されたい」てのは多分おそらく「愛されたい」すらより極めて高度に困難ですよね(その行為がまるで「一般的」なモノでない以上は)。しかも、今作の「オートアサシノフィリア」とかゆう御仁てのは、それこそ「誰」に殺されたいだとか殺す「方法」だとかにも選り好みがあって、かつその殺人行為自体も「完全犯罪」でなければならんのじゃ!てな具合に注文がエラく多いので、尚更こりゃ~無理っぽいな…とも(最初は)思ってたのですよ。ところが、多少は無茶や無理筋(+ファンタジックや偶然の要素)も含まれるものの、こーいうごく突拍子も無いエキセントリックな企てとしては思いのほか「筋道」はチャンとしてるのでして、結果まずまず上手くいきそうな感じに(かつ実際にもごく着実に)下拵えを済ませてゆくのですよね。一見はふざけたタイトルからシュールコメディかなんかだと思って観に行ったのですが、中々どーして精密に組み立てられたまま上質なサスペンスでした。映画としての展開運びも、前半がその「標的が誰なのか」と「どうやって殺させるのか」というトリック部分のタネ明かし、そして後半が本番当日の顛末、とゆーことでどちらもかなり面白くワクワクと観てゆくコトが出来ました。率直に、意外なホドに面白かったです(+大衆的でありながら実に奇抜なアイデアの有る非常にユニークな作品だ、ともやはり思いますし)。   ※以下、シンプルに思いっ切りネタバレしてますのでご注意ください。   なので映画全体としては全然フツーに楽しかったよ…というコトなのですが、一点だけ、コレだけ綿密に事を運んでいながら、肝心なメインのミッションはまたエラ~くアッサリと失敗したな…とゆーのが正直なトコロでもあるのですよね。クライマックスの展開自体は特に河合優実ちゃんの頑張りが素晴らしくて(てか優実ちゃんはルックス・演技もろもろ今作では非常に好かったと思いますね)そこからの全体的な締め方を含めても決して嫌いな方ではないのですが、重ねて肝心の部分がちょっと呆気無い…という感じでもあって。  とは言え、観終わっての感じも前述どおり確実に好かった方の作品だったとは思ってます。実はコレ、映画版の方が原作よりも少しボリューミーでキャラも追加されてるらしいのですが、それら追加キャラの効果もキチっと出せてるし無駄やダブつきも無かったですし、そして個々の演技も総じてどれも悪くなかったと思いますし(お蔭でカワイイ女の子が沢山出て来るのでその意味でも楽しいですし、言うまでも無く主演・田中圭の「密やかな変態性」という部分のクオリティもそこそこ悪くなかったと思いますし)。たぶん、原作も読むと思います(実は、既に買っちゃいました)。
[映画館(邦画)] 7点(2022-04-19 21:29:54)(良:1票)
32.  女性上位時代 《ネタバレ》 
まろやかですね~典型的なセックス・コメディ(イタリア式コメディ)ですが、冒頭に提示されるテーマからすれば思いの他とてもマイルドに仕上がっているとも思います(最近ワタシがこっそりロマンポルノばっか観てる、とゆーのが大いに影響してるという気もしますケド)。スパーク嬢はデビュー当時からすれば少し年齢を重ね(当り前)、またややふっくらしたかとも思いますが、それでも後半のシーンで晒される全身のプロポーションは中々見事なモノをキープしてましたかね。ぶっちゃけ今作、前述どおりエロもコメディもごく微笑ましいというレベルの作品だとも感じますが、スパーク嬢の平場のルックス面のつくり込みの凝り様と(出てくる度に違う衣装着て髪型も変わってる)、後はヌードシーンでもワリと躰を張りまくってる(時代を考えれば)とゆーのは今もってなお実に素晴らしい映画的アドヴァンテージになっていると思いますね(ヌードシーンは最初は手控えてると思いましたが、トランティニャンが出てきてからはなんか加速しましたね)。個人的には全然観る価値十分だったかと。オススメ。
[DVD(字幕)] 7点(2021-10-09 02:28:10)
33.  ジャングル・クルーズ 《ネタバレ》 
乗り物映画(船)というコトで、4Dで鑑賞しました(4Dですけど2Dでしたが)。今回は4DXを選択したのですが(実はお初)、ミストの有無を選択できるのとか、天井からも水が降ってくるのとか、火のシーンで首元に温風が来るのとかはMX4Dとは相違点としてありましたね。他方、椅子の動き自体はMX4Dの方が激しいでしょーか(アッチはたまに落っこちそうになるくらい傾くのですよね)。結論、エフェクトの多さは4DX、アトラクション感・乗り物感はMX4D、というトコロでしょーか。  で、1000円追加して4Dで鑑賞した甲斐もあって、アトラクション映画としては十分に楽しめましたですよ。ストーリー・設定も分かり易くて単純ですし、率直に言えばやはり完全な子供・ファミリー向けの映画だと言えるでしょう。映像自体はなんか他でも観たことあるよーなのも多いですが(特に『パイレーツ・オブ・カリビアン』あたりで)、クオリティはそんなに悪くもないし、非常に手堅い娯楽作だと思いました。  ただまあ大人が観たのであれば、お話の「お手軽さ」をレビューに残しておくのも無駄ではないでしょう。なんかよく分からん不老長寿の妙薬をジャングルに探しに行く、というシンプル極まりない話ですが、そもそもキーアイテムの「鏃」はなぜ当初ロンドンに在ったのでしょう?(ロック様はずっとコレを現地で探してたのではないのですかね?)ロック様に関してはキャラ設定が少しだけややっこしいですが、そこの背景ストーリーはイマイチしっくり来ない箇所もありますし(長老はアギーレを呪うのはいーのですが、何故についでにロック様まで呪いに掛けちゃったのですかね?)。ラストで目的のブツを手に入れた後、ロック様+ブラント姐さんがどーなったのかも随分と適当に流しちゃってて、総じてストーリーはどーでもイイというレベルの気の入れ方だとも思いましたですね。  とは言え、気楽に楽しむ分には全くもって十分なクオリティです。完全にロック様とブラント姐さんの2人の映画でありますが、2人とも出来はかなり上々でしたし、彼らのファンなら必見でしょう。かなり迷いましたが鑑賞環境の力も加えて、1点高めに付けておきます。
[映画館(字幕)] 7点(2021-08-01 15:48:42)
34.  親密さ 《ネタバレ》 
一年前、サンクス・シアターという所で映画が観れるとゆーことになったので、濱口竜介監督作品を片っ端から鑑賞していたのである。短編・長編問わず優れた作品も数多く観ることが出来たのだが、惜しむらくはどれもマトモにソフト化もされていない様な代物ばかりで、そーいった作品を本サイトで登録するのは少し気が引けるので、比較的鑑賞チャンスが今後も多いだろうと思われる今作についてのみここで言及させていただき、それら作品の魅力を少しでも伝えられれば、と思う。    ENBUゼミナールの卒業制作として製作された本作は、劇中舞台劇『親密さ』の実際の公演風景を収めた後半と、その舞台劇を演出家の男女2人(この2人は恋人同士でもある)を中心としたメンバーがつくり込んでゆく様子を収めた前半から構成されている。劇中劇のテーマも、その劇をつくってゆく過程で主なトピックスとなるのも、それは自分と他人との関係性をどのように考える・突き詰めてゆくか、或いはその際に最も重要となるであろう「言葉」の可能性と限界をどのように捉えるか、といった比較的シンプルなものである。劇中劇について言えば、その点に関する作者の価値観は主に詩、または手紙の朗読という形で表現される。その意味では(これは前半も含めても)全体として非常に文学的な雰囲気を纏った作品だと言えるし、それはある種、伝えたいものを伝える手段として「演劇」を選択した彼らが、言葉の可能性に対する問いかけを常に抱き続けつつ、それに決して絶望はしていない、ということを意味する様にも思われる。  世の中の諸々を陰陽二元論よろしく2つに分けるとある観点として、「理想の追求」と「現実の処理」というのがあるかと思っている。端的な表現で言えば、「狭く深く」と「広く浅く」という2つの方向性、ということにもなるのかと思うし、より実際的に言えば、深めることをどの時点で諦めるか、ということだとも思っている。それは人間関係も、或いは演劇というものの価値のつくり込みに関しても、ある部分で同じことだろうかと思っている。  若い時というのは、どちらかと言えば「現実」よりも「理想」の方が幾らか早く「見えて」きがちなこともあってか、より深める・極める方への衝動の方が強いのではないかとも感じている。年齢を重ねるに連れて、諦め・或いは妥協という手段に格段に流れがちになった自分を省みて、彼らの純粋でどこか不器用な様子から感じられるのは、私には一重に爽やかな郷愁であった。この映画からは、やはり「若さ」が強く感じられる。そしてそれは、彼らが自らの秘める若い「可能性」をこのとき確かに信じていたことの証でもある様に、私には思われたのだ。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-28 00:38:42)
35.  ジェイコブス・ラダー(1990) 《ネタバレ》 
個人的に、いわゆる「実は幻覚でした」系というのがとにかく苦手(『シックス・センス』とかも本質的にはかなり苦手)なのだけど、今作は「場面の中の一部分が幻覚」という訳ではなくて、最初と最後だけが現実であとは全部幻覚(というか夢)という点では中々に大胆な作品だと思う。全部夢なので(なんかサスペンス的な話?な感じも多分に醸しつつも)真ん中の部分では整合性を気にすることなく奇怪・不可解な描写をやりたい放題に入れることが出来ており、何がどーなってるのか分からないという心地の悪さと同時にホラー・スリラーとしての描写自体の見応えもそこそこ十分で、そのジャンルの作品としては単純に出来が相当に好い方だと思う。一点だけ指摘するとすれば、結局サスペンス的な話は「ブラフ」でしかない、その割にその部分の尺自体がちょっと長くて、全体としても部分的に少しだけタルいのが玉に瑕かとも思う(もっとハイテンポに訳の分からなさが突っ走ってゆくという構成の方が、単なるホラー・スリラーに徹するのであれば好かったカモ?とも思う)。  まあでも、これも今回再見して思いましたが、今作は単なるスリラーとしてつくられた映画ではない、と感じるのですよね。オチもそのものとしては単純で明快だけど、テーマ自体はもう少し深いというか、もっとヒトの人生・生と死に関わる何か含蓄のあるモノを描こうとしてる様に見える、というか。個人的に、この(ホラー的な話の流れからすればやや唐突な)ラストはそれでも非常に美しいと思いましたし、ティム・ロビンスの演技自体も(ホラー的な部分以外が特に)素晴らしかった、という側面に、そういった製作側の意図が表れている、という様にも思われます。
[DVD(字幕)] 7点(2021-03-03 22:40:54)
36.  ジョゼと虎と魚たち(2020/日本) 《ネタバレ》 
実写版というのは色々とかなり「変わりダネ」な恋愛映画だったと思うが、このアニメ版は話としては全く異なる内容で、逆に色々と王道を征く映画である(つまりは少しばかり在り来り)。特に中盤、祖母との別れ~想定外の事故が発生する辺りの流れはかなり「見たことある」感が強いし(ババアが突然死んじゃうのは実写版でもそーだけど)、言ってしまえばオーラスなんかももはや見飽きた感すらある様な、というか。私実写版大好きなので、そこはもう少し空気感とかをそっちに寄せて欲しかったかな~とも思う。  ただ、今作では王道青春恋愛ものと並ぶもうひとつの王道、「夢を諦めない」という第二のテーマの方もシンプルながらとても好い出来だったのですよね。手作りの絵本のシーンが実に好かったですね~今年の映画では一番ボロ泣きしてしまいましたよ(この場面は「画」自体の質・芸術性というのもかなり手が込んでいてこれも好かった様に思います)。前述どおり、全体としてだいぶん「子供も観ることを意識した」という質感になってはいるものの、だからこその爽やかさは十二分につくり込めていると思いますし、誰にでも気軽にオススメできる作品になっているとも思います。ジョゼちゃんもシンプルにカワイイですし(実写版ではこれもクセのある魅力、という感じだったですケド)。
[映画館(邦画)] 7点(2020-12-29 17:27:39)
37.  四月の永い夢 《ネタバレ》 
主人公に踏ん切りのつかない「過去」があるのだが、それが結局どういうことだったのかは詳細には明らかにならない(ある程度想像はつくものの)。その意味では通常の劇映画とはやや様相を異にする作品だが、とは言え本作はシンプルな「止まっていた時間が動き出す」映画である(一言で言えば再生、というか)。  人生とは失うこと、というのは、ある点では確かに正鵠を射た言葉であろう。私としてはむしろ、人生において失うコトと得るコトは表裏一体なのだ、と思っている。失うことを恐れてはいけない。例え失ったとしても、その分得たものを慈しみ、明日への糧にしてゆけばよいのだ、と。ある種、逆説的に前向きな言葉だとも思う。それも含めて、人生とは本質的に「変化」していくことだと思う。止まった時間が夢の如くに安らかであったとしても、人は必ず、いずれ時と共に変わってゆかなければならないのだ、と。  主演の朝倉あきという人は、非常に魅力的なキャラクター・個性を持っている女優だと率直に感じたが、本作ではそれを活かした実際の役づくりの中に、ほのかに、だがしっかりと、この役に求められる「厄介さ」を的確に表現しており、中々優れた仕事だったと思う。  ※どーでもいいことですが、部屋を間違えた場面、出てきたガラの悪いオッサンがその後何故か妙に頼りになったというシーンが、これも何故だか妙に印象に残っています。ああいう大人に、ワタシはなりたい。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-12-06 12:01:38)
38.  ジュリアン(2017) 《ネタバレ》 
なんか勝手にヒューマンなヤツかと思って観に行ったら、完全にスリラーだった作品(残り15分で話が全然片付いてない辺りでアレ?と気付いた)。ただ、いったんスリラーだと解釈してしまえば実は全編通して素晴らしく不穏な緊迫感がモリモリで、率直にそこそこ優れた見応えがあった様にも思われる。とは言え、ヒューマンなヤツだと思って観てしまうと話が非常に単純で深みも無いのでイマイチかも。が重ねて、スリラーとしては中々に優秀かもと。アテが外れたワリには、意外と印象は悪くない。  そもそも、邦題や宣伝の感じほど息子のアレコレが主題な映画ではないのだよね(むしろ父ちゃんの悪い意味で抜群な存在感の方が、映画的なテーマには近いかもと)。個人的に、これも中々センスの感じられないクソ邦題だと思う(と思ったら英題も『JURIAN』なのね…原題は『Jusqu'a la garde(親権)』だけれども)。
[映画館(字幕)] 7点(2020-10-24 00:14:21)
39.  情炎の女サロメ 《ネタバレ》 
映画全体のつくりがそこまで重厚長大というワケではないが、個々のシーンのつくり自体は非常にソリッドな史劇映画。とは言え、スペクタクルな場面が見せ場というワケでもなく、見どころは俳優陣の演技合戦というトコロ。  ヘロデ王&ヘロディア王妃には名優チャールズ・ロートン&ジュディス・アンダーソン。いずれも重厚で奥行きのある演技で、好色・狡猾・尊大・憎悪と恐怖、といった負の人間性を味わい深く醸し出す。洗礼者ヨハネ役のアラン・バデルは思ったよりも実は若造だが、民衆をアジる煽動者としての熱量のある演技はこれも中々(ただ、キリスト教の預言者としては若干ながら胡散臭い&存在感が重々しくない感じもする…カモ)。  そして肝心のリタ・ヘイワースだが、今作時点で35歳、と本来のサロメのキャラ的にはもう少し若い方が望ましい…のではないかとも思われるが、纏う色気はその分また抜群である。ただ、そもそもリタ嬢は別に若い頃からセクシー全開だったのだから、彼女だけに着目するなら10年前に撮っても好かった作品にも思われる(とは言えお蔭でカラー作品になっているのであり、色付きリタ嬢を楽しめるという意味ではこれも重畳ではある)。相手役スチュワート・グレンジャーも、それに十分値する爽やかイケメンでこれもグッド。  話も結構面白いですよ。見事に妖艶な「七つのヴェールの踊り」をクライマックスとするラストの盛り上がりも、率直に素晴らしい。
[DVD(字幕)] 7点(2020-10-09 07:05:18)(良:1票)
40.  シンプル・シモン 《ネタバレ》 
思ったよりずっと厳しい映画であった。安易なゴールなど用意されず、問題は殆ど解決することもなく、それは疎か、少なくとも「前進」しているのかというのもほんの、ほんの少し、といった程だ。ただ、こういう切実で(ある意味)深刻な問題を題材にとる以上、一番重要なのはその部分のバランス感覚だと思うし、その意味ではある点ではシリアスに、またある点では十分にコミカルにハートフルに仕上げられた本作は、率直に非常に適切な仕事であると感じている。  中でも一番に感じられたのはやはり、周囲の人々の優しさというか。障害を「障害」にしてしまうのは世界であり、人々の意識だというのは本作でもひとつの大きなメッセージになっていると思う(自分で自分を「変えられる」くらいならそもそも問題にはならないのだから)。しかし、シモンの(方向性は間違っているとは言え)彼なりの「愛」のまっすぐさを本作から感じ取ることこそ、我々が正しくその「意識」を変える第一歩に確実に繋がってゆくものだと思っている。重ねて、安易なラストを用意しない本作には、志の高さ・問題認識の適切さを感じた。良作。
[DVD(字幕)] 7点(2020-05-23 12:57:33)
040.24%
1120.73%
2191.15%
3915.52%
420612.50%
528717.42%
638323.24%
733020.02%
823914.50%
9704.25%
1070.42%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS