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自己紹介 先日(2023/6/10)PCが逝ってしまいました。
長年のデータが全てパーです。登録前のレビュー数十本も全部消えました。
バックアップは大事ですねえ。

皆さんも気を付けてください。

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1.  死霊館のシスター 呪いの秘密 《ネタバレ》 
前作から4年後、正式にシスターになったアイリーンに再びバチカンから要請が。彼女はまたヴァラクと向き合うことになる。 舞台はフランスの女子寄宿学校でゴシックな雰囲気は十分に感じたものの、最恐ヴァラクさんのやることなすことピンとこなかったですね。事あるごとに背後に浮かび上がったりデカい「バァーン!」という効果音とともに眼の前に出てビビらせるばかりで死霊館らしい狡猾な悪魔っぷりが無かったです。神父を空中に浮かべ焼き殺したり女性の首を捻じ折ったり豪快なコトもしてましたが、基本が出来ないのに大技に走るショッパいプロレスラーのようでした。 このシリーズは心理的にネチネチ攻めてくる恐怖を丁寧に巧みに描いてきてましたが(まあ派手なコトもままありましたが)今回は話も含めてだいぶ大雑把な感じ。タイッサ・ファーミガ演じるアイリーンと全ての元凶ヴァラクはキャラも立ってたし、既に憑依されてるモリースや仲の良い母娘といじめっ子など面白く出来そうな要素はあるのに全部薄い描写だけで中途半端なまま進んでいって終わってしまったな、と。もうちょっと創意工夫して見せてもらいたかったですね。リターンマッチで楽しみでしたが残念。
[映画館(字幕)] 4点(2023-10-14 00:00:15)
2.  ジョン・ウィック:コンセクエンス 《ネタバレ》 
生意気だった裁定人のオバちゃんが出なかったのが残念ですが『報い』がテーマなだけに3で指輪と指を奪った首長へのお礼参りは良かったです。冒頭で「いろんな人がいろんな報いを受けるんだろうな」と思わされました。ただ、最終的には首席連合の手の平の中でしたけども。 梅田の電車内はアメリカの地下鉄のようにプラスチックのピカピカの椅子で笑いましたが、真田広之と大阪は普通ならメインになれたなというくらいで前半での退場は残念でしたね。ドニー・イェンは戦闘前に麺をすすってたり愛嬌があり、口も腕も達者でかなり美味しい役回りでしたがちょっと微妙な座頭市だったかな。盲目の達人ならもっと聴覚や嗅覚の鋭さが欲しかった気がします。犬の相棒を連れた殺し屋トラッカーは若く傲慢で冷酷な公爵に忠誠を誓わされますが、狡猾さと能力の高さを見せジョンにビビりだした伯爵を手玉に取るなど良いキャラだった。ジョンが彼を仕留めずピンチな犬を優先するシーンなんかは1から見てる方はグッと来たのではないでしょうか。中ボスみたいな敵も含め全員キャラが立ってましたね。 アクションはもうやり尽くしたんじゃないかってレベルでてんこ盛り。拳銃を使った銃(ガン)・フー、車やバイクの車(カー)・フー、犬と戦う犬(ドッグ)・フー、柔術、柔道など戦術がバリエーション豊富だし、狭い建物内、パーティの雑踏、地下道など多彩なロケーションに応じて見せ方も殺陣も凝っていて楽しめました。カメラワークも良いですがスタントチームは相当な手練ですね。終盤の寺院へ続く階段落ちは『蒲田行進曲』を超えたなと思いましたが一番の見所は凱旋門かな。ただまあ、防弾スーツが強力すぎて接近しての銃乱打から敵仕留める→次の1セット登場!が繰り返されるので飽きもくるかも知れませんね。その飽きが来たんじゃ?ってあたりで、焼夷弾を使ったショットガンで気持ちよくドッカンドッカン撃ちまくり、それを上から俯瞰してワンショットで見せるのは上手い構成だったし、被弾しまくるので脱いだ時に銃弾がバラバラ落ちるのはマメな演出だなと思いましたけど、とにかくアイデア満載なアクションシーンの連続でお腹いっぱいです。
[映画館(字幕)] 7点(2023-09-23 14:38:22)
3.  シン・仮面ライダー 《ネタバレ》 
原作はかなり前に読みました。ライダーは昭和以外見ていません。 冒頭のサイクロンに乗った二人を追いかけるダンプみたいな車両の追いかけっこの疾走感の無さを観て「あ、ヤバそう」と思ったままずーっと行った感じ。予算がないにしろ見せ方の工夫はもっと出来たと思うんですけどね。戦闘員を虐殺し、怒りや悲しみなど感情の高ぶりで浮かび上がる顔の手術跡があったり「今回のライダーは違うぞ」と思わせた風でいただけで、その後は忘れたかのようにアクションも殺陣も雑なCGやアップ多用のカット割りで何をしているか把握しづらいし、ライダーキックもクモオーグへの1発目以外は爽快感が感じられなかった(怪人が多すぎるのも難点だった気がする)。終盤のダブルライダーは場面があまりにも暗いしそれらのせいもあって盛り上がりに欠けました。マスク内で喋ってるからセリフはこもって聞き取りづらいし、頻繁にあるマスクの着脱(口元だけCG処理)も野暮ったさが増すだけでスタイリッシュさがなかった。池松壮亮は演技力あると思ってましたがどういう演出意図なのか棒のような喋りが気になったな。陰を感じさせるルリ子に浜辺美波はドハマリして美しかったし、本郷猛と一文字隼人の関係性も悪くなかったんですが、改造人間の悲哀や孤独さは尺の配分の悪さもあってイマイチ薄かった。情報機関の連中だけで処理させたサソリオーグの寒いテンションはハニーの悪夢を思い出しましたがセルフパロの自虐だったんでしょうかね。ロボット刑事が出てきたり石ノ森章太郎テイストも随所にあり「おっ」と思わせる匂わせはあるものの雑な作りでテンションはイマイチ上がらなかったです。ハビダット世界だの魂がどうとか言いだした辺りで「あー、いつも通りか」って思いました。 音楽の使い方もいまいちで、新マスクをかぶって走り去る最後の一文字隼人のところも『レッツゴー!! ライダーキック』を最初にかければグッと来たのになあ、と。まあ『シン・ゴジラ』の遺産は食い潰した感じですし庵野はそろそろアニメに戻った方がいいですね。
[映画館(邦画)] 4点(2023-03-18 15:35:18)(良:1票)
4.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 
平成ウルトラマンと呼ばれるモノや最近の作品は見ていないのでさっぱりわかりません。が、セブン辺りまではさんざん再放送もされていてそれらを見て育ったので記憶に残っていたようで、長い年月見てなくても音楽を聴いただけで「おっ!」、長澤まさみを巨大化させたりオリジナルを彷彿とさせるようなシーンがあると「おっ!」と反応してしまいました。まあ、洗礼を受けてきている中高年の日本男児はそんなもんですよねえ。なので冒頭のウルトラQネタから半分くらいまでは結構面白いなと思いつつ観てました。「怪獣」を「禍威獣」にしていたり「科特隊(科学特捜隊)」を「禍特対(禍威獣特設対策室専従班)」にしていたりネーミングも悪くなかったです。 ただ、ザラブ星人を八つ裂き光輪で倒したのは「おおっ!」と声を出してしましましたが、ウルトラマンの動きは力感もなく足音もなく迫力がなくて微妙でしたね。禍特対がらみの人間パートもキャラに魅力がないし政治絡みはありきたりだし、ところどころ端折り気味でワープしまくるし単調で退屈だった。ここら辺が東日本大震災をモチーフにニッポン対ゴジラで熱量がスゴかった『シン・ゴジラ』には遠く及ばなかったな。 あと、宇宙人ゾーフィネタを拾ったのか知りませんがゼットンの設定含めてどうなんだろと思いましたね。星を破壊し人類を滅亡させるためにあんな兵器を作っている光の国(星)って幻滅レベルですわ。しかも、デザインがダサくて萎えました。山本耕史演じる人間形態時の喋りは大物感があって良かったメフィラスもカッコ悪かったし、イジらないであのまま出せよと思いましたね。 監督は樋口で庵野は企画と脚本。どこからどこまで誰がどうしたのかわかりませんが、庵野が全てを仕切ってたらどうなったんだろうな、とは思いました。
[映画館(邦画)] 5点(2022-05-18 23:31:44)(良:1票)
5.  死霊館 悪魔のせいなら、無罪。 《ネタバレ》 
すっかり死霊館ユニバースになっていますが実在の心霊研究家エドとロレインのウォーレン夫妻がメインの『死霊館』としては三作目。呪われた屋敷が舞台だった前二作を監督したジェームズ・ワンは控えめながらもオカルトのキモを抑えた良作シリーズを構築しましたが、『ラ・ヨローナ』のマイケル・チャベスに託された今作は悪魔憑依を理由に無罪を主張した事件をベースにしていて警察と協力したりスリラー要素もあり過去最高レベルのパワフルさを見せるロレインなど派手な展開もありで新鮮味がありました。ツボは抑えつつも演出面ではだいぶエンタメが強くなった印象もあるのでシリーズを追ってきたファンでも好き嫌いありそうな気がします。 首謀者であり黒魔術で悪魔召喚を謀っていた元神父の娘は細身で黒装束な出立ちの貫禄ある強敵魔女でしたが、生きている狡猾な人間が相手というのは新たなパターンで恐ろしかったです。毎度思いますが実際の事件ではどうなってたんだろうな。 被害者を救おうとする献身さやお互いを気遣い支え合う夫婦愛。薬のくだりも見え見えでしたがジーンと来ました。パトリック・ウィルソンとベラ・ファーミガはハマり役だし、良い感じで年齢を重ねてきて包容力が増してるし安心感がありますね。これからも楽しみなシリーズ。
[映画館(字幕)] 7点(2021-10-03 22:30:58)(良:1票)
6.  シャン・チー/テン・リングスの伝説 《ネタバレ》 
ポスターや予告で「主役が若いキンペーにしか見えないな」と思ってましたが本編を観てもそんな感じでしたね。好青年ぽくはあるものの朴訥としていて表情が乏しくて華がなく、逆に立ち居振る舞いに華まみれのアジアを代表するスターのトニー・レオンに食われまくっていて存在感が薄かったです。トニー・レオンは過去でも現代でも凛々しくてカッコ良かったですね。 ショーンという名前でホテルマンとして普通に暮らすシャン・チー。能力が封印でもされているのかと思ったら冒頭のバス内であっさり戦い出すし素性も語るし、テン・リングスという伝説の武器を使ったアクションも凄いと思うところはなかったな。中国武術はしなやかで流れるように舞い戦うので美しいんですけどね。同じく腕輪を使った『カンフーハッスル』の仕立て屋のおっちゃんの方が殺陣も演出も上手かったし見ごたえがあったなと思ってたら、部屋にポスターが飾ってありましたけど意識してたのかな。 終盤で親父に負けて水中で謎の覚醒をして竜に乗ったとこは『日本昔ばなし』の歌が脳内で流れましたけど、テン・リングスの能力表現がイマイチだし本人もあまり強いとは思えなかったし魅力がなかったなシャン・チー。それを補うためか親友ケイティは喜怒哀楽に愛嬌があって面白かったけど。まあ今後に期待かな。 途中でMCUファンにサービスとばかりにウォンや偽マンダリンが出てきますけど、まさかの偽マンダリンを持ってくるセンスは良かったですね。
[映画館(字幕)] 4点(2021-09-08 22:25:58)
7.  シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 《ネタバレ》 
概ね旧劇場版からさらに踏み込んだ補完版という感じでしたが、こういう落とし方が無難でしたかね。シンは贖罪と救済の内容になっていますが、自らを肯定したシンジと拒絶した理由を語ったミサトや内面を掘り下げたゲンドウとのシーンは何だかんだグッと来ましたね。エヴァの呪縛から解き放たれ大人になったシンジとマリが手を繋いで駆け出して行ったとこでウルウルきましたわ。鬱になったシンジくん(庵野)は「君がどこにいても必ず迎えに行くからね」と言い切る強いマリ(モヨたん)に救済されて立ち直り立派な大人になったなと。宇多田ヒカルの『One Last Kiss』もハマっていて清々しいラストでした。『Beautiful World』の別バージョンもかかりますが全てを見終わって歌詞を考えると一層良く思えましたね。 「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」とシンジが言ってましたがエヴァからの卒業でもあり別れの言葉なんでしょう。震災や鬱がなければどんな物語になったんだろうとも思いますが、庵野の心象風景を描いたシリーズでしたねエヴァ。長い間お疲れさまでした。
[映画館(邦画)] 8点(2021-03-08 23:36:43)
8.  ジョン・ウィック:パラベラム 《ネタバレ》 
犬や馬を使った連携やあらゆるシチュエーションの銃撃アクションは凄くて見ごたえがあった。違和感バリバリな日本風味を見せながら出てきて「もうちょっと練習しろよ」というレベルの日本語を操る伊武雅刀似の人とその手下の連中は雑踏の人ごみに消える忍者風な演出の見せ方も上手く面白かった。それをジョンもやり返すのも良かったな。 でも、全体的に長すぎてクドく感じるトコもあったしジョンの不死身ぶりが目につく演出も多くなって違和感も残った。打撃を受けて明らかにワンテンポずれて自ら後方へ吹っ飛びまくっていたり致命的っぽいダメージを受けても全く影響がなくバトル続行。最後には落下途中でピンボールのように盛大にぶつかりはじかれまくって地面にも叩きつけられても生きのびているってのはやりすぎ。リアルっぽさが良かったのに残念。主席連合に楯突いたバワリーと一味も粛正され斬られていたのに延命してるし、アレじゃ執行出来ていない裁定人の無能っぷりが際立っただけ。その裁定人も最後にジョンに仕留められるならわからないでもないけどそんなカタルシスもなく、ジョンが生きていると知って急にビビッて逃げていくだけだし、主席連合の精鋭部隊ってのも防弾能力がアップしてるだけで弱いし、色々と演出のさじ加減が出来てなくてもったいなかった。結局、焼き印を入れたり指を詰めて指輪も出し泣きを入れたけど、友人ウィンストンの殺害命令を土壇場で拒否し余計立場が悪くなったというお話。世界観がぐっと広がった代わりに雑になってきたなという印象。
[映画館(字幕)] 6点(2019-10-05 14:14:01)
9.  シャザム! 《ネタバレ》 
見た目はマッチョなヒーローだが中身は子供のまま、というのは大人目線では童心に帰り、子供にしてみれば願望を具現化したかのようなキャラで面白そうではあった。でも、幼い頃から里親の元を転々としていたひねて冷めてる14歳が変身後は妙にはしゃぎまくってヤル事は幼く、「選ばれし者」という割には色々と犯罪行為もしてたし思考が小学生の悪ガキ並になるのは差がありすぎて違和感があった。前任の魔術師も後継者選別でやってる事が横暴かつ雑でなんだかなあとしか思えなかったし、そりゃシヴァナもヴィランにもなるわなと。そのシヴァナは見飽きた系のスキンヘッドだし、人間を誘惑して憑依する七つの大罪という連中は見た目も同じような上に能力が分かりづらかったし敵に魅力が無かった。足が不自由なヒーローオタクのフレディにレクチャーを受けたり、怠けていたら叱咤されて目が覚めるってのは悪くは無い。でも総じて薄っぺらかった。 ラストにテーマ曲に乗りつつ出て来たあのお方は中の人のスケジュール上あの演出になったらしいですがブツ切りでラモーンズ「I DON'T WANT TO GROW UP(大人になんかなるものか)」に突入は大正解でしたね。まあ選曲もエンドロールの画も『スパイダーマン:ホームカミング』と同じようで既視感バリバリでしたけども。 SHAZAMの力を分かち合って6人がスーパーパワーを得ていましたが、ひとつになる時が本領発揮=強敵ってことなんだろうか。ビリー以外の誰かが全部をまとめることも可能なのかな?6人もいると戦隊モノのようで幅も広がりますね。時代なのか人種も性別も満遍なく配置されていたけどみんな演技が上手くて可愛かったな。今後どう展開していくのか知りませんが、育ち盛りの子供達なので計画立ててポンポン進めてもらいたいモノです。
[映画館(字幕)] 5点(2019-04-23 20:58:23)(良:1票)
10.  死霊館のシスター 《ネタバレ》 
死霊館シリーズ5作目にして全ての元凶尼僧の物語。1952年ルーマニアの修道院でシスターが自殺したことを不審に思ったバチカンが調査のために神父と見習いシスターを派遣する。人里離れた森の中にある修道院で何があったのか?というお話。 エンフィールド事件でちょっと出ただけで強烈な印象を残した悪魔の尼僧ヴァラクのルーツを探る話なのかなと思いきや、そこら辺はたいした話では無く思いのほかありがちな普通のホラー映画になっていて拍子抜けしましたね。過去の失敗を心に抱えてる神父と見習いシスターというコンビ設定は悪く無いものの、悪魔のパワーが過去最強クラスにパワーアップしているし(元凶だから当たり前?)、なんだかんだ一番効果があるのは物理攻撃なんじゃ?というようなシーンもあり妙にアクション・アドベンチャーしてましたね。古典的ゴシックホラー風ながらこれまでの死霊館シリーズとはだいぶ趣向が変わった派手さを感じました。最終的に『死霊館』に話が繋がりましたが、96分と短めだし元凶の話にするならもっと丁寧にやって欲しかったかな。 ただまあ第二次大戦後のルーマニアの修道院が舞台で見るからにジメジメした禍々しさがあふれ出ていて雰囲気は抜群だし、顔を隠している尼僧たちは誰がどうで出るのか分からず部屋や森の闇に佇んでいると緊張感はあるし、ネタ振りと回収もそつが無いので悪くは無かったです。
[映画館(字幕)] 6点(2018-09-22 21:45:24)(良:1票)
11.  シェイプ・オブ・ウォーター 《ネタバレ》 
ギレルモ流の美女と野獣。大人向けなシーンが多数あるので聾者の女性と半魚人のラブストーリーと思って来た人は冒頭でいきなり面食らいそうな気がする。 舞台は1962年の米ソ冷戦時代。人種差別、LGBTなど今でも議論になっている社会問題を折り込み、独りぼっちの異形の者と寂しい独り身で障害のある女性と社会的弱者でマイノリティたちの話で、さらに映画愛に溢れているときたらハリウッドが反応するのも分かるかな。アカデミー賞を取ったらコレ系を観ない人が大勢来ると思うけどそこまで高尚でもないし観る人を選ぶタイプの映画だと思いますね。 口の聞けないイライザと半魚人が手話や音楽で心を通い合わせていく流れは悪くなく映像と音楽は美しく素晴らしかったです。
[映画館(字幕)] 6点(2018-03-01 22:33:51)
12.  ジャスティス・リーグ(2017) 《ネタバレ》 
ワーナーの指示なのか知りませんが新キャラ3人登場しての120分なので駆け足気味で尺がかなり短く感じます。ザック・スナイダーが私的な事情で監督を降りてジョス・ウェドンが代わりに就任して編集でぶった切りまくったらしいけど、本来の長さであればもうちょっとフラッシュ、サイボーグ、アクアマンを掘り下げられたのかな?とは思いますね。せっかくのお披露目大集合映画なんだからもうちょっと深く観たかった。 新たなる敵の襲来に備えヒーローをかき集めるも戦力が足りずスーパーマンを復活させる。まあそこは予想通りだったけどあまりにもアッサリ風味だったし、あんな変なモンで生き返ってもなんかなあと思っちゃいましたね。全てを超越したアノお方は自力で生き返るものとばかり思ってましたわ。あと終盤に駆けつけるトコで盛大に「スーパーマンのテーマ」がかかったら半端なく盛り上がったと思う(ほんの軽くかかりましたけど気が付かなかった人も多いんじゃないかな)。ただまあ圧倒的な能力を垣間見ることが出来たし笑顔の明るいスーパーマンになっていたのは良かったですね。ようやく無駄に暗かった闇を払拭出来た感じ。それも仲間が出来たおかげかな。エンドロール後にレックス・ルーサーが出てきて悪巧みをしてましたが、それを観るコトが出来るのは何年後なんですかね。次作「アクアマン」は来年末だしマーベルのような計画性の無さを感じますね、DCエクステンデッド・ユニバース。魅力的なキャラが揃ってきたのにそういうのが残念。
[映画館(字幕)] 6点(2017-11-24 00:50:28)
13.  ジグソウ:ソウ・レガシー 《ネタバレ》 
「レガシー(遺産)」「発見されていないゲーム」「ジグソウ信奉者」ってワードがあれば、もはや何でもありだなと。ゲームで生還したりジグソウ本人に接触した事がなくても感化された信者が質の悪いゲームをしていたりする可能性もあり、何人もジグソウがいる可能性もあるワケだ。ジグソウを教祖として世界中でチーム化されてそうな勢いですね。 今回のジグソウもどきのローガンは本人に接触してるケースですが、「ソウ ファイナル」に出てきた豚マスク二人組の片割れだったんでしょうかね。ジグソウ後継者であった医師であるゴードンと今回の検視官ローガンならなんでも出来ますな。現にジグソウのDNAや音声で捜査(客もか)を混乱させてたしね。 結果としてゲームが10年前に行われていたのは良いとしてトラップが大雑把で面白くないんですよね。現代パートでは歴代の装置や道具が出てきてニヤッとさせてくれますけど、ゲームが面白みにかけるので大して緊張感もなかったな。副題が「レガシー」だし、5人の男女のゲームで起きなかったヤツもいたし、途中で「あー、コレは過去でアイツが関わってんだな」とは思いましたが、ジグソウが姿を現したトコで「犯人検視官じゃん」と思った人も多いんではないでしょうか。単純だったな。 で、現代のゲーム対象が実は悪徳刑事のハロランだったわけですがキャラも立ってないし描写も薄いせいで、フラッシュバックでネタばらしも短かったし標的としてはなんだかなって感じ。締めの曲「Hello Zepp」が酷いアレンジで冒頭からかかりまくりだし「GAME OVER!」のお決め台詞もないし物足りない感じ。そこら辺のツボは抑えとかないと駄目でしょ。雰囲気だけSAWシリーズってお話でしたね。
[映画館(字幕)] 4点(2017-11-11 18:36:30)
14.  ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 《ネタバレ》 
原作既読。TVアニメ版も見ました。日本が舞台の四部とはいえまさかジョジョまで実写化とは思いませんでしたね。ビジュアルや予告を見てゲンナリした原作ファンが多かったことでしょう。私もその一人ですが観ないことには何も言えないなというコトで行きました。 で、今回の第一章は尺の関係かところどころ改変(ジョジョのあだ名エピ、康一と由花子のくだり、肉の芽カット、形兆の能力に変な設定、虹村父の経緯など多数)しているモノの映像化にあたりアニメ版というお手本もあってか悪くはないですね。ただ見どころでもあるスタンドの「オラオラ」「ドラララ」はもうちょっと迫力が欲しいかな。 賛否両論のある役者陣。まず違和感の抜けなかった人から言うと承太郎の伊勢谷友介は細すぎるわオッサンすぎるわでちょっとキツかったが、個人的に一番ヤバいなコレと思ったのは広瀬康一役の神木隆之介なのが意外だった。他のキャラは浮世離れした連中揃いだしそういう異形な連中を撮るのが上手い三池なのでどうとでもなるけど普通の高校生な康一には見た目や演技を含めて痛々しく見え合っていなかった。背格好が仗助に近いのも仗助のマイナス要因になってしまってる気がする。 その主役の東方仗助役の貧弱にしか見えなかった山崎賢人はもっとタイトな服にすればいいのになと思ったが優しさと強さを兼ね備え良い面構えをしていてそれなりにモノになってた。アンジェロの山田孝之はさすがの役作りで雰囲気の格が違う。広瀬康一に接近する山岸由花子の怪しい雰囲気に「渇き。」で強烈な印象を残した小松菜奈はピッタリだったし次作以降への振りもまずまず効いている。爪アピールをしてたので後々吉良に絡める気なんだろうな。 そんな中、虹村形兆の岡田将生、弟億泰の新田真剣佑は1番ハマっていて第一章のボス格に持ってきたのは大正解だったと思う。その結末に出るはずの音石明(レッド・ホット・チリ・ペッパー)をカットしてその役割を吉良吉影(シアーハートアタック)にしたのも悪くないので全三部作くらいでまとめるにはちょうど良い。まあ原作ファンは思い入れもイメージもあるんでしょうけど、続編ありきの第一章という余裕もあってかまずまず無難な作りなので観てから判断してみては?という出来だったとは思えますね。次があるのかは知りませんけど。
[映画館(邦画)] 6点(2017-08-05 20:45:27)
15.  ジョン・ウィック:チャプター2 《ネタバレ》 
「あの男についての話はどれも控えめに語られている」と恐れられているけど前作も今回も隙だらけだよなあと思いながら観てましたが、キアヌ自身もスタント無しでこなしているシーンが多く格闘術とガンアクションが大幅にパワーアップしてて迫力がありますね。至近距離すぎる銃撃戦やご都合すぎる展開も多々ありますが「ジョン・ウィックだから」で流すべきかな。早くもチャック・ノリス級か。 キレまくって荒ぶるキアヌはカッコ良かったです。前作と同じ裏社会の人御用達で殺傷沙汰はご法度のコンチネンタルホテル、誓印をはじめとした裏社会の構成や厳格なルール、被弾対策万全なオーダーメイドの仕立て屋などを出してきて世界観が大きく広がったのでなかなか面白かった。最後は1時間後に解除される追放猶予カウントダウンの中をダッシュで逃げていくけど、周囲に睨みを利かせ畏怖して気圧される殺し屋の中を余裕ぶって歩いて欲しかった気がするな。まあ次もヤル気満々のようなので楽しみにしてます。
[映画館(字幕)] 7点(2017-07-09 20:20:05)
16.  少女(2016) 《ネタバレ》 
原作未読。転入生の「死体って見たことある?」という言葉をきっかけに死の瞬間を見たいと思うようになる二人の女子高生の物語。「見たい。人が死ぬとこ。」と、いう宣伝文句と学園サスペンス風な予告編だったので同じ湊かなえ原作の「告白」のような話かと思いましたが印象とはだいぶ違いました。心に闇を抱えている二人の少女なものの、人が死ぬ瞬間を見たいだけで殺してまでたいわけじゃないんですね。本田翼が演じていた由紀は感情の起伏が少なく人を殺しそうな面構えをしている割に土壇場になると狼狽えてしまったり、おっとりしててイジメられていて不安症で頼りなさげな山本美月演じる敦子が逆に芯が強い子だったってのはベタだったけど表裏一体でハマっていた感じ。怖く闇を感じる部分もありつつ爽やかで綺麗な場面も見せながら、関係なさそうな登場人物たちが絡みつつ因果応報を受け収束していく様は面白かったかな。危うい年代二人の青春映画でしたね。
[映画館(邦画)] 7点(2016-10-19 22:27:58)
17.  ジェイソン・ボーン 《ネタバレ》 
アクション映画史に革命を起こしたといって過言ではないボーン三部作。あまりにも綺麗に終わったのでボーンはもう終わりでも良かった気がしますが、復活のボーンはグリーングラス監督お得意のカット割りの速さと編集の巧みさ、ジョン・パウエルの聴き慣れた音楽、主演マット・デイモンなのでボーン三部作のファンならスッと入っていけると思います。今回は国家の安全保障問題や簡単に情報が手に入るネット社会となった今の時代を反映させていて見応えありますね。エシュロンだのプリズムだの色々とありますが、世界中の人間のPCの内容や通信情報を知ろうとするシステムってのは怖いです。ただ、その世界の情報を牛耳ろうとしているCIA長官は色々と雑だったし、新進気鋭の若手局員にしても長官射殺は行き過ぎだと思った。まぁそれよりも裏方仕事をこなしてきてくれたニッキーの最後はボーン・ファンとしては非常に残念。シリーズ定番の「エクストリーム・ウェイズ」はタイミングもいまいちでカッコ悪いリミックスだった。まぁ「ボーン・アルティメイタム」のその後のボーンとしてはそこそこだったかな。
[映画館(字幕)] 7点(2016-10-10 22:45:05)
18.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 
考えてみたら庵野秀明という人は特撮大好きで、その特撮のミニチュア感やディテールの細かさをアニメでもやって見応えのある良作を作ってきた。その彼がゴジラで「好きなようにお願いします」と言われたのか知らないが、持ってる力を存分に発揮したなという作品になっている。色々とオマージュや遊び心もあり、ストーリーも「ニッポン対ゴジラ」というゴジラの原点回帰にしている目の付け所や変態するゴジラなど構成のセンスはさすがとしか言いようがない。小難しい名称のついた政治家、官僚、自衛隊、有識者、米軍関係者などが多くの登場人物が描かれ、何か起きるたびに召集、会議、承認、会見を繰り返す。東日本大震災で繰り返されたかのようなそのリアルな会議で膨大な情報量の会話も中だるみせず見せる編集は相変わらず巧かった。ただ、その会議シーンでエヴァの曲「DECISIVE BATTLE」を使いまくるのはいただけないな。1度目は「おっ!」と思わせるけど何度もかけたのはクドくて飽きた。せっかく盟友と言える鷲巣を使ってるんだから予告編みたいな曲をもっと作って使っても良かったのでは?と思う。あとゴジラの背ビレや尻尾からビーム(熱線)を放つゴジラってのはかなり微妙な気がするし、もはやゴジラではなく異形の使徒という感じだったのでそこら辺は萎えた。 3・11の行政のようなダメっぷりを描きつつ、ゴジラという国難に全員が全力で立ち向かっていく流れは一体感があって良かったな。日本へのエールの詰まった良い作品だった。
[映画館(邦画)] 8点(2016-07-30 21:15:29)(良:1票)
19.  死霊館 エンフィールド事件 《ネタバレ》 
ジェームズ・ワン監督による実話を基にしたシリーズ。今回はもっとも有名なポルターガイスト事件と言われるモノにウォーレン夫妻が挑みます。この事件は多くの写真や音声、関係者の証言が残されていて有名ですね。子供のころ本で読んだ記憶があります。 いつもより派手な部分もありましたが、相変わらず丁寧で絶妙なバランス感覚で撮られているオカルト演出は緩急のつけ方やカメラワークが巧みで怖いです。悪魔のターゲットになったジャネット役の子をはじめとした子供たちの演技も上手く、70年代当時を思わせるセットや美術も相まってとてもリアルに感じられ見応えがありました。134分とこの手のモノとしては異例といえる長さですが全く飽きさせず緊張感を保ったままなのはワン監督の手腕でしょうね。エドがエルヴィス・プレスリーの有名なバラード「好きにならずにいられない」を歌って家族を鼓舞し一致団結し、ロレインとの強い絆を感じさせる辺りはグッときました。こういうのを持ってくるセンスも抜群だなワン。 最後はアレだけ凶悪っぽかったマリリン・マンソン似の悪魔があっさり祓われた気もしますけど、ウォーレン夫妻を襲う大きな試練と愛が描かれ申し分のない出来で大団円な終わりでした。実際の事件は急に何も起こらなくなったそうですけどね。 全編にわたりワン監督のウォーレン夫妻へ敬意の念も感じられましたが次はあるのか気になります。
[映画館(字幕)] 8点(2016-07-12 20:38:31)
20.  シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 《ネタバレ》 
今回はヒーローvs敵ではなく、様々な危機を救うも各地に甚大な被害をもたらしているという難しくも現実的なヒーロー映画の先といえるお話。チームへ資金を出し管理運営をしつつ各国との調整や補償など政治面でも大きくバックアップして矢面に立ってきたであろうトニー。ポッツも失い精神的にも拠り所も無く、前作「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」で大きな失敗をしたため疲弊しきっている彼が政府のヒーロー管理案に乗るのも分かる。それに異を唱え自らの行動は自らが責任を取るべきと考える、正義に関して強い信念を持った高潔なキャップの意見も一理ある。「キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー」での味方組織に裏切られ全て敵になるという体験も加味されているんだろう。そこにヒドラに洗脳され暗殺者として活動してきたキャップの旧友バッキーが絡んでチームの亀裂がどんどん大きくなっていく流れ。図式期には型にハメようとするトニー(親父)vs自由でいたいキャップ(子供)だけど単純に解決させないのがさすがマーベルという感じだった。厳しく辛い話で悲壮感に苛まされそうになると合間に挟まれるユーモアのあるシーンで緊張が解けたかな。アクションやドラマのバランス感覚が良く緩急が上手く出来ている。トニーは様々な思いがあるだろうけど最後のキャップの手紙で救われたかな。 「マーベル・シネマティック・ユニバース」は長い時間をかけ丹念に作り上げてきただけに他の追随を許さないレベルに仕上がってきている。今回新登場のスパイダーマンやブラック・パンサーも違和感なく溶け込んでいていて単独映画や集合映画がますます楽しみになった。アクションやギミックは言うまでもないが、数多くのヒーローが出ているものの誰一人埋没することなくスポットを当て描き切れているのは、ネタ振り効果とキャラクターの心情も丁寧にしている脚本や演出の上手さなんだろう。ただ、トニーの悲壮感を増そうと思ったのか分からないけど妙にキャップとバッキーは強すぎたな。アイアンマン・スーツをなんなく握り潰して壊したりしてるのは力量的にヤリ過ぎ。多くの映画でもそうだけど明らかに能力差があっても簡単に吹っ飛んだりするワンパターンな描写は控えた方がいいと思う。マーベルなら出来るはず。
[映画館(字幕)] 9点(2016-04-30 21:15:10)(良:1票)
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