1. 少佐と少女
たしか『恋愛手帖』でも、ジンジャー・ロジャースは少女役を演じていたよーな(笑)。あれから数年、年もさらに重ねたはずなのに、前作よりもさらに若い役を演じてしまう彼女は凄い。DVDで見たんですが、どうも彼女は『教授と美女』のオファーを断ってまで、この少女役を選んだとか。美女より少女…意味はないけれど、笑える。ていうか、自分的にビックリしたのが、エンドロールをみるまで、「えらくジンジャー・ロジャースに似たヒロインだなぁ」と思いながら観ていました。私の目は節穴? なんてどーでもいいんですが、私の感じるこの映画の面白さは、彼女が12歳(正確には来週12歳になる設定)で通用するのか!ってことに尽きます。ええ~!? それでも信じるの~?といった場面であっさり、12歳がまかりとおったりする肩透かし度がよいです。即興でいろんな寸劇(だますためだったり、口裏を合わせるためだったりするのだけれど)がはじまったりして、飽きることのない展開に、充分満足させてもらいました。レイ・ミランドが片目を閉じて(斜視だから)彼女を見ている顔が、とみにおかしい。同じ(ような)ネタが、いやらしくなく散りばめられているのが、ワイルダーテイストですかね?(ちょっと超えたら、ウザクなりそうな、その按配が絶妙です) [DVD(字幕)] 7点(2007-08-15 16:13:16) |
2. 白い恐怖(1945)
結局、グレゴリー・ペックは医者だったのか、医者じゃなかったのか……。バーグマンは「あなたは医者よ!」と決めつけていたけれど、それが気になって気になって……。それから初っぱなに出てきた、男に色目をつかいまくる女性患者。彼女の経緯も気になる……。そう、いろんなことが気になるんだよなぁ。ヒッチコックの映画って……。まっ、そんなことはどーでもいいことですね。これは、カタブツで恋を知らない女性医師のバーグマンがグレゴリー・ペックにメロメロになるお話。女って恋をするとここまで変わるのかぁ、や~ね~(笑)。↓の【なにわ君】さんが書かれていますが、「女性は恋をする前は分析医だが恋をすると患者になる」という格言、私の好きなワイルダー作品っぽいセリフで、ちょっとドキンとしましたです。夢判断の単純さも好き!やっぱり映画は単純じゃなくっちゃね~。ところで、私は精神分析医なんかと恋はしたくないなぁ。見透かされているのもイヤだけれど、知ったかぶりで違った分析されるのもちょっと……。バーグマンがグレゴリー・ペックとの散歩から帰ったとき、同僚の分析医がバーグマンの行動を推理する。手にマスタードがついているから、ランチはどーのとか、ほっといて状態だよなぁ。だから、「おあいにくさま、食べたのはレバー・ソーセージよ」と言ったバーグマンに、ニンマリしてしまった。 7点(2004-06-20 00:58:09) |
3. 情熱の狂想曲(ラプソディ)
《ネタバレ》 音楽映画だけあって、音楽がとてもいいです。ストーリーは、カーク・ダグラスのダメダメちゃんぶりが発揮されています。トランペットは自分のすべてだ!ってわかっているはずなのに、それを理解している、ドリス・デイやスモーク(誰がやったか忘れちまった 苦笑)ではなく、理屈っぽいローレン・バコールなんぞにフラフラいっているものだから、自分の原点を忘れちまって、落ちぶれてしまうんだよなぁ~。なんか哀しくなってしまったよ。結局、カーク・ダグラスの原点は、トランペットの吹き方を教えてくれた、黒人ジャズトランペッターなのに、彼のセッションから遠ざかっていったばかりに宙ぶらりんになってしまった。また、妻であるローレン・バコールは一言でいってしまえば「器用貧乏」なタイプ。いろんなことに手を出しては、どれも大成しない。トランペットのみに力を入れて、最高のトランペッターになったカーク・ダグラスとは対照的な人物で、彼が生きがいを見つけていることに嫉妬して焦るという、子どもっぽさが残っています。両者とも大人じゃなかったんですよね。しかも、大事にしているものが全然違う。訳のわからないローレン・バコールよりも、単純でわかりやすくてお人よしで、そして何よりカーク・ダグラスの音楽を愛しているドリス・デイにしておけば幸せだったんだろうなぁ~と、ついつい思ってしまいます。でも、基本的に男って、ミステリアスなものに惹かれてしまうんでしょうね。 7点(2004-03-26 18:38:20) |
4. ジーグフェルド・フォリーズ
何と言ってもアステアとジーン・ケリーのタップ! この夢のスター共演だけでも観る価値はあります。(他の作品で2人が共演するのは『ザッツ・エンタテインメントPart2』のみ。だが、もうこの時代になると年のせいかくたびれてしまっています←失礼)ストーリーは、ブロードウェイミュージカルの名プロデューサー、ジーグフェルドが、天国でショウの構想を練るといったオムニバス形式。さまざまなダンスナンバー&コントを、豪華なスター陣が演じてくれています。天国のジーグフェルドを演じるのは『巨星ジーグフェルド』でも、ジーグフェルドを演じたウィリアム・パウエル。冒頭で彼が登場したとき、「あっ、ジーグフェルドだ」とつぶやいてしまいました。だって同じ顔なんですもの。『巨星~』ファンとして、これは嬉しい。彼が演出した“ジーグフェルド・フォーリーズ”を回顧する場面は人形劇で進行しますが、芸人たちが『巨星~』と重なって、とても楽しく観ることができます。私はどうしても『巨星~』のイメージでこの作品を観てしまうので、豪華さと徹底した群舞に欠ける部分が目についてしまうのですが、こちらには大スターが目白押しというお得さがあります。でも、それにしては物足りないなぁ~というのも事実。ダンスナンバーの間をコントで繋ぐのではなく、ジーグフェルドが出てきて口上してくれれば、良かったのにと残念に思います。ダンスに比べてコントの方はどれもイマイチなんですが、レッド・スケルトンのTVCMのコントには笑ったなぁ~。それからチャイニーズ系ダンスナンバーではアステアがニコリとも笑わないのに違和感。でも、普段あまり見ないようなシーンがたくさんあるので、楽しめましたよ。もう一度繰り返しますが、アステアとジーン・ケリーのタップが見物です!! [地上波(字幕)] 5点(2003-12-08 21:14:53)(良:1票) |
5. 深夜の告白(1944)
《ネタバレ》 保険調査員のキーズは、この後、自分でマッチを持ち歩かなきゃいけなくなってしまいましたね。そこんところが、とても淋しい……。10年前に流行ったスペイン風邸宅に花の香り、そこにはアンクレットをした人妻がいる。女と金のために保険金殺人を計画してしまった保険勧誘員は、結局どちらも手にすることができなかったけれど、キーズの友情まで裏切ってしまったのがなんとも虚しい。いつも主人公が右手の爪で点けていたマッチを、ラストでキーズが右手の爪で点けてあげる。救急車と警察を呼んだキーズの心がより痛く感じられる。 7点(2003-11-19 10:11:58) |