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プロフィール
コメント数 210
性別 男性
ホームページ http://mixi.jp/show_friend.pl?id=8512182
年齢 49歳
自己紹介 映画は娯楽である。笑ったり泣いたり学んだり、空想という鑑賞時間を過ごす「芸術作品」である。実際に映画づくりを体験していない人間に、映画批評が出来るとは思えない。プロの批評家でもなく映画を作った経験も無いのだから、作品のシナリオや背景など、基本設定に理屈っぽくケチをつけるようなナンセンスな行為はなるべく止めにしたい。映画好きのハシクレとして、作家が作った作品を、素直に楽しみ、感動できる姿勢を何よりも大事にしたいと思う。

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1.  七人の侍
台詞がやや聞き取りづらい部分はあるものの、やはりこの時代にこれだけのスケールの映画を撮った黒澤監督の才能には驚くばかりだ。この映画をハリウッドが様々なカタチでリメイクしたのも頷ける。・・・・・・映画はまだまだ勉強不足なのだが、この「七人の侍」は、間違いなく映画界のエンターテインメントの新しいジャンルを開拓した作品だろう。勿論、これ以前にもエンターテインメント目的に撮影された映画は世界中に沢山あったのだろうが、誰しもが共感できる「勧善懲悪のストーリー展開」において、この映画のスケールは他の作品とは一線を画する。当時のハリウッドの人々は、この作品を観たときにはさぞ驚いたに違いない。一人の無敵のヒーローではなく、七人の同志が集結して力を合わせ、巨大な悪を迎え撃つアクション映画。スターウォーズ以前のハリウッド映画にはこんな観点の脚本は存在しなかったのではないか。・・・・・・弱きを助け強きを挫く武士道精神、「南総里美八犬伝」など、日本古来の文学にもある日本人の観念だから、こんな大作も生まれたような気がしてならない。この映画に関しては、専門の方々に語らせれば他にも評価すべき部分は山ほどあるのだろうが、この1点だけは勉強不足の私でも理解できる。日本人の観念が世界の映画界に影響を与えた一作として、そして日本人として、この映画を誇らしく思う。
[DVD(邦画)] 8点(2006-07-25 12:58:56)
2.  ジャーヘッド 《ネタバレ》 
国の大義名分は分かっていても、戦争に行くということは人殺しをしに行くに他ならず、行ったはいいが実際は銃撃戦や白兵戦をするような次元の戦争ではなく、「人殺し」という目的を達成できずに欲求不満ばかりがつのっていく。そして武器を手に戦場で戦う海兵隊も、国へ帰れば良き父親であり、ビジネスマンであり、スーパーの店員であり、ただの人間にすぎない。カラッポの頭、ジャーヘッドで軍に統率され、狂気に足を踏み入れる兵士に誰もがなり得ると言う現実が、手抜きをすることなく描かれていて面白かった。‥‥‥国が世界の平和だ、大量破壊兵器だと薄っぺらな大義を振りかざしても、国の大義名分なんか、末端の兵隊には関係ない。ベトナムでもどこでも、生き死にの究極を争う現場では、兵隊は「殺したいから殺す」。そんな獣性を発揮しなければ生き残れないだろうし、そんな獣性を持っている自分自身に気付いて、後になって苦悩する。ベトナムからの帰還兵の人々も、きっと同じ悩みを抱えたことだろう。戦場の中では誰しもが獣になるが、そんな獣になった自分を認めたくはないものだ。‥‥‥ハデな殺戮シーンや、悲惨さを訴えるために陳腐な凄惨シーンを描いたりすることなく、近代戦の中を人間の視点から、妥協せずに描き抜かれているのが面白い。戦地に赴く訓練の過程で、画面を見ながら不覚にもワクワクしてしまったのは、私自身の中にもそんな獣性が存在するからだろう。
[映画館(字幕)] 8点(2006-02-13 12:46:47)
3.  シン・シティ 《ネタバレ》 
紙の上に描かれた2次元のマンガが3次元となった、「動く映像たるアメリカンコミック」の本物を、初めて観た思いがする。スパイダーマンやハルクなど、アメコミを「実写化」した映画は、ネタ切れに喘ぐハリウッドには数多いが、この作品はそれらの映画とは一線を画する。モノクロームの世界に異様に光るサイケデリックな原色は、まるで影ベタが多くハードボイルドなアメリカンコミックに、そのまま筆で彩色したかのようだ。いかにもタランティーノが一枚噛んだらしいバイオレンスを、この映像で撮った決断、アイデアは評価に値するのではないか。終始続くナレーションに導かれ、観客は動く映像を観ながら、アメリカンコミックを読んでいるに等しい。実写に加工を加えただけのものではなく、車のシーンなどのカメラワークも巧みだ。キル・ビルのように薄っぺらな血を見せびらかす(それが決して悪いことではない)のではなく、物語にそって要所をカラーで演出し、想像をかき立てることで効果を倍増している。もしカラーだったら途中で席を立ったかもしれないが、お陰で最後まで目を背けることなく観ることが出来た。
[映画館(字幕)] 7点(2005-10-04 00:52:06)(良:1票)
4.  シンデレラマン
恐慌が吹き荒れ、ロクに食べ物もない時代に、職にあぶれ家族も抱えながら、よくも戦ったものだと思う。ボクサーに形容されるハングリー精神とはちょっと違う、家族の人生を背負って戦う姿には素直に感動した。金の為に、家族の為に、あるいは貧民層の人々の為に、彼は最後まで自分の生き方を貫いた。迫力のボクシングシーンも充分で、いつか自分も観客となって声援を送っていた。‥‥‥現在も格闘技ブームであるが、自分より明らかに強い相手と戦わねばならない恐怖は想像を絶する。わずか10キロ違う相手の拳をかいくぐる時、私の様に身体も小さく才能も度胸も無い人間には、相手のグローブはまるで砲弾のように見える。叩き叩かれる痛みの経験がある人間として、ロッキーとはまた違った感想を抱く。自分が同じ状況に置かれ、歳をとり金もなく家族を守らねばならなくなった時、果たして我が身を呈してあのリングに上がることができるだろうか、と。夢で腹が一杯になったと、娘に自分のハムを与えることができるだろうか、と。父親でもなく、守るべきものもなくフラフラと好きに生きている自分が、なんだか恥ずかしくなってくる。この映画は家族の在り方を描いた映画だ。自分も人の父親になる時は、彼のように強い父親になりたい。
[映画館(字幕)] 7点(2005-09-26 00:09:41)
5.  ジェヴォーダンの獣
西洋人なのに、なんで皆様カンフー使い?何もかもがこちらの予想と期待通りだけど、「ハムナプトラ2」の様にバカバカしく何でも欲張ったこんな映画は大好きだ。ヴァンサン・カッセルの奇人演技はカッコよかった。インデイアンの従者は、物語の本筋とはあんまり関係なく一生懸命に戦っているのが健気。頭カラッポで楽しむエンターテインメントとしては一級品!
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-09-24 12:11:04)
6.  シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 
筋書きは予想通りで、ごくごくありふれたものなのだが、あの雪のラストシーンはグッと来るものがあった。「あなた、元気?」「ああ、元気さ」普通なら出会いがしらに言うような台詞を交わすあの別れ際が何とも言えない。互いに憎むことも責めることもなく、自分や相手の過去を肯定した大人の別れ。哀しいけれど、単純に見えるけれど、これこそ良い恋愛で、良い別れではないか。スクリーンを観ながら、思わず「イイねぇ!」と呟いてしまった。古典的な悲恋物語の常道だが、やっぱりこれが古い映画の醍醐味だ。‥‥‥個人的には、ミュージカルとは、「サウンド・オブ・ミュージック」や「マイ・フェア・レディ」のように、物語の筋書きを台詞で追い、その中で高まった感情を歌で表現するのが王道だと考えている。この映画のように全てを歌で表現したら物語の脈絡もつかなくなってしまいそうだが、不思議にこの映画はその違和感を感じない。同じく全ての台詞を歌で表現した「オペラ座の怪人」が受け付けられなかったのはなぜだろう?
[映画館(字幕)] 7点(2005-09-24 12:03:34)(良:1票)
7.  Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?(2004) 《ネタバレ》 
日本版にここまで忠実に作られているとは思わなかった。しかしそれでも代わり映えしないつまらなさは無くて、負けず劣らずユーモラスでハートフルなものに仕上っている。日本版の良さを改めて認識させられる。日本版に比べて浮気的要素がうまいぐあいに抑えられているように思えて、堅苦しいアタマで浮気ネタを本能的に受け付けない私には、日本版よりもむしろ好きかもしれない。‥‥‥自分の存在意義を見い出すとか、そんな難しい話ではなく、何よりも幸せだが平凡な人生をダンスを通じてより豊かなものにしていく人々の様子が観ていて気持ちがいい。エンドロール前に流れるエピローグシーンの演出は、微笑ましくて大好きだ(特に探偵の人が意を決したように入門しているところ)。私も仕事は好きだし、忙しいし充実してるけど、やっぱりそれだけの人生なんて物足りない。この映画のように仕事以外の人々とも何かを共有するような、豊かな人生を築いていきたいと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2005-04-24 12:23:28)
8.  シザーハンズ 《ネタバレ》 
物語の内容だけでなく映像も、まるで絵本をそのまま映画にしたような独特の美しさがある。ティム監督独特のこの映像の美しさには惹かれる人も多いと思うが、この作品に関して言えば、監督自身は映像美だけにこだわっていたわけではあるまい。ファンタジックな映像の随所に、彼の人間社会への痛烈な皮肉が込められている。一見可愛らしいが、よく見ると無気味な程に同じようなパステルトーンの家々、同じような単色の服装。旦那の車での出勤とともに町が目覚め、騒ぎだし、旦那の帰宅とともに皆家に帰る。一様に珍奇な髪型にこだわり、一様に興味の対象を探して彷徨う。これら映像全てが、主人公エドワード以外の人間のヒステリックな集団化を、極めて端的に象徴していると思う。人間のエゴの醜さを表現するために、まるで舞台のように余分な要素を一切省き、象徴的な部分だけをこれだけ見事に美しく映像化した映画も珍しい。友が出来たことを喜び、やがて忌み嫌われ、哀しみと怒りのままに人々のもとから姿を消したエドワード。何かを諦めたようにすたすたとボロ屋敷の階段を上がり、黙々とハサミを振るう彼のラストシーンの後ろ姿がなんとも切ない。愛する人をも傷つけてしまうハサミの手で、きっとあのまま、彼はいつまでも独り、街に雪を降らせ続けるんだろう。やり場のない哀しさと淋しさを創作意欲に変えて、いつまでも孤独に、氷の彫像を作り続けるんだろう。
[映画館(字幕)] 9点(2005-02-27 12:59:16)(良:2票)
9.  シュレック2 《ネタバレ》 
1を観た時は「結局人は見かけの美しさじゃないってこと??」と変に押し付けがましい不自然なハッピーエンドが釈然としなかった。2は真夜中の眠たい時間に観たのだが、1よりも断然良いと思う。たかが子供向きのでアニメあるかと思っていたが筋書きもシッカリしていて、見る側を笑わせるだけのパロディや仕掛けが詰め込み過ぎと思うくらいに随所にある。バー「毒リンゴ」や、都のシンデレラ邸など幼い頃に読んだ様々なお伽噺の登場人物達の「ありえない」大集合が凝って作られており実に面白い。クライマックスの盛り上がりもワクワクするし、観ていて安心して楽しめた。しかしアメリカと日本のアニメの美意識の違いなのか、ヒゲが濃くやたらアゴの角張ったアメコミ調のチャーミング王子や変身中のシュレックは、申し訳ないがどうしてもハンサムに見えない。どうせなら最後は王様も王女様のキスで人間に戻ってハッピーエンドにしてほしかった。
7点(2005-02-12 02:43:38)
10.  ジャッカル
プロの殺し屋と言う割に仕事が目立つし粗い気がするが、悪役のウィリスが格好よくて個人的には好きだ。家の中でSPを次々と殺して行く場面でバックに流れるBGM(曲名)をしらないけれど)が印象に残っている。「ジャッカルの日」という映画を観たことはないけれど、これより出来の良い作品なら観てみようと思う。 マチルダ・メイ演じるイザベラの、凛とした美しさが良かった。
6点(2005-01-17 00:34:36)
11.  ジュラシック・パーク
遊ぶ金の無かった大学生の頃に公開され、当時映画館で観れなかったことを残念に思う。恐竜を再現すると言う人類の大きな夢に、遺伝子工学という視点から踏み込んでおり、極めて分かりやすくリアルな作品に仕上っていると思う。特に(物語の本筋ではないが)、冒頭のミュージアムで登場人物達が、蚊の化石に残された恐竜の遺伝子から恐竜を復活させる工程の説明は、小学校で流しても良いくらいに分かりやすく脱帽した。レックスからラプトルまで、当時は本物と見まがうばかりのCGが話題になったが、ラプトルの狩りの生態など裏付けとなるものがよく研究されているため映像のリアルさも倍増するのだろう。自分で研究して作っといておまけに死人まで出しといて、「やっぱりやめた」とさっさと逃げるあのお爺さんには釈然としなかったが、SFの中ではとても完成度が高い映画だと思う。
7点(2004-12-09 13:13:08)
12.  白い嵐 《ネタバレ》 
「希望を持ってすすめ」‥‥‥それぞれの家庭環境から脱し、様々な事情をかかえた少年達が次第にお互いを理解しあい、助け合い、成長を遂げてゆくその姿は見ていて清々しい。子供達への教育という視点から見ても、とても良くできたドラマではないか。だからこそ、あの悲劇はやるせない気持ちにさせる。しかしなぜだろうか、あの悲劇以後の物語はそれほど印象に残っていない。私にとってあの映画のクライマックスは、映画のタイトルである悲しい「白い嵐」のシーンではなく、そこに至るまでの心躍る物語なのだ。鮮烈に印象に残っているのは、無人島の尾根を元気一杯に駆ける少年達と、勉強を皆の協力で克服して及第点を取り、答案用紙を日暮れの海に丸めて放る少年達の姿。言わば物語の折り返し、楽しい旅の最高潮に達するシーンだ。しかしそれが過ぎた時、これから旅が終わりに向かってゆくという何とも言えない寂しさの予感がする。確か少年の一人が「この旅から帰りたくない」という言葉を口にしたと思うが、映画を観ながらきっと私も同じ気持ちだったのだと思う。私にとってのこの映画の印象的なクライマックスも感動も、この言葉で終わりを告げた。うまく言葉にできないが、だからこの映画のエンディングはそれほど印象に残っていないのだと思う。私は「旅の帰り道」が嫌だったのだ。リドリー・スコット監督らしくダイナミックな映像も大変美しい。大きな帆船で友と大洋を巡る‥‥‥私もたった一度でもいい、少年時代にあんな航海にでてみたかったなぁ。 あー、でも船酔いには滅法弱いからやっぱりムリかなぁ‥‥‥。
7点(2004-10-23 02:17:50)(良:1票)
13.  真珠の耳飾りの少女
「心まで描くの?」絵を描いていく過程で、フェルメールとグリートが互いに持っている官能的な想像が、開いた唇からクライマックスの真珠の耳飾りに至るまで極めて的確に描かれている。エロスの表現を近頃流行りの安っぽいセックスシーンではなく、その「匂い」で、直接描くよりもよほど官能的に感じさせてゆくのが凄い。フェルメールがグリートに抱いていたのは単なる肉欲ではなく、それに限りなく近い「画家としての清純な美しさの探求」であった。「汚らわしい」「なぜ、私じゃないの」という妻の絶叫。彼女にとっては、夫に他の女と肉体的な関係を持たれるよりも、遥かに屈辱的な思いだったに違いない。画家としての夫に一番評価されるべき部分の矛先が、自分ではなく雇い人に向いたのは、自分の女性としての、妻としての存在意義を踏みにじられたものと同じだからだ。モデルになるという体験を通して、かつて純朴で清純なだけの少女であったグリートは、ひとりの強い大人の女性として物語を終える。キャンバスに描かれた彼女の姿は、少女から大人の女性へと変化を遂げた、儚い一瞬の姿だ。物語の最後、屋敷を後にした彼女は、もうあの作品の中の「真珠の耳飾りの少女」ではなくなっている。また映像も構図も大変美しい。当時の画家達を虜にし狂わせたラピスラズリの青を中心に、シーンの一つひとつが本物の油彩のようだ。多くの謎の残る画家と、今も人々を惹き付けてやまぬ一枚の絵。そしてその絵の裏に描かれ、絵を観た誰もが感じるであろうミステリアスな官能美。これに見事に描き、この絵を知る観る側の期待に応えきった作品だ。
6点(2004-09-13 00:55:26)(良:3票)
14.  シルミド/SILMIDO 《ネタバレ》 
犯した罪は決して消えるものでもなく、シルミドに行く前に彼らがやったことは肯定できるものではない。それでも反乱の直後に一人が口走った「自分の墓標に、自分の名前を書けないってことだろ!?」という言葉が彼らの気持ちを象徴している。許されない罪で刑務所送りになった犯罪者達、そんな彼らでも自分の存在した証を残し、自分は自分として生き、死にたかったのだ。最初は刑を免れるための行動であったが、それがやがて、彼ら自身の存在の意味そのものになっていく。北の首領を暗殺して栄光を手に入れる、そんなことよりも、刑の執行により一度は存在を消されかけた彼らはこの任務の遂行に自分達の存在の証という悲願を立てた。共産ゲリラのレッテルを貼られようとも、バスの中に血染めの名前を残した彼らの行動からは、自分の存在意義を確認し、かの国に生きていた証を残したいという、悲惨なまでに切ない気持ちが伝わって来た。犯した罪は、犯した罪。しかしたとえ罪人としてであれ、彼らの存在が世に公的に認められることを願ってやまない。……蛇足だが、音楽が「ザ・ロック」にとても似ていた気が…。
8点(2004-06-13 03:44:31)
15.  シカゴ(2002)
仕事で疲れて憂鬱になっていた気分が、レイトショーで一発で吹き飛んだ。歌は上手いんだかわからないが、それでも音楽にも大迫力のダンスにも大満足。あらゆるミュージカルの歌は出演者の言葉をより心象的に表現するものだが、この作品では舞台を映画にしたという利点をよく活かしていると思う。舞台ミュージカルと違い、場面によっては一瞬にして背景まるごと心象表現に切り替え、その相乗効果で歌やダンスが更に見事な表現手段となっている。特に新聞記者たちが文字どおりの「操り人形」になる場面は傑作。実際の舞台も見てみたい。 当時のシカゴに関する知識があったら、確かにもっと楽しめたかもしれない。あと、この出演交渉を蹴って後悔していたトラボルタがもしリチャードに変わって出演していたら、どんなものになっていたか大変興味深い。
8点(2003-11-08 23:57:43)
16.  ショーシャンクの空に
希望を生み出すために必要な「強さ」、そして希望とは人間の強さそのものであることを思い知らされる映画。絶望するのにあまりに十分な19年の時間、現実から逃げず、ヒステリックに嘆くこともなく淡々と行動を重ね、自分を曲げずに環境に常に対応し、ついにドンデン返しの奇跡を成し遂げる。これこそ人間の強さの真骨頂。屋根の上でビールを退ける主人公のなんとも言えない表情、フィガロに心を解放され天を仰ぐ囚人達、この2つのシーンが大好きでいつも熱いものが込み上げて来る。刑務所の中という無機質な背景の中だからこそ、美しいものが引き立って見えるのだろうか。物語は余りに完成されすぎた結末を迎えるが、やりすぎの感は無く、腹の底からスッキリとした爽快感を覚える。ここ数年で唯一観て涙し、それから10年、随分色んな作品を観たが、いまだにこの映画の感動を上回る作品に出会うことができない。これからもずっと出会えないような気がしてならないのだ。
10点(2003-11-07 00:26:57)(良:4票)
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