3. 市民ケーン
《ネタバレ》 すべてを手に入れ、そして失った新聞王が、(失ったことを)いちばん惜しんだものが最後でわかる展開。人間どう生きるべきか、をそれとなく教えてくれる作品。「謎が解けるのはいまか、いまか」とハラハラさせる展開もすごいけど、ジャーナリズムへの勇気ある批判も素晴らしい。(主人公の)最期の言葉をネタにしてセンセーショナルな記事を書こうとする記者に、「人間の人生はジグソーパズル。最期の一言だけで彼の一生を表現するなんてムリだ」と諭すシーン・・・。イェロージャーナリズム批判と、独自の人生論を同時に展開してのけるという、オーソンウェルズの技量の高さがわかる。好きになるかはともかく、傑作であることは間違いない。 [映画館(字幕)] 10点(2003-12-25 23:16:41)(良:1票) |