1. シェルタリング・スカイ
二人が虚空の砂漠の中で抱き合い、とどまらない痛切な孤独感を知る。利己から無限なる恐怖を駆り立たせられた時、深く共鳴できる人は存在するのだろうか。チフス病の昏睡から目が覚めて「お前にもあの恐怖はわかるだろう」というシーンがある。モノローグからダイヤローグへと相互関係が生まれ、彼の終焉のカタルシスとなった。彼女を隣に彼は何処へ意識を向けていたのだろうか。 「シェルタリング・スカイ」の原作本が絶版されていて、とても残念でしょうがない。 8点(2004-01-13 19:16:09) |