1. シックス・センス
《ネタバレ》 もう何回も観ているのに、BSでやってたのでまた観てしまい、そしてまた号泣させられた。作中に仕掛けられたトリックばかりが注目されるが、実際にはこれは心を通わせることによって魂を救済する物語だ。終盤、自分の使命に気づき、受け入れ、一回り成長したオスメント君は、クラスの演劇で見事に主役を張る。それまで常に眉間にしわを寄せて不安な表情だったオスメント君が、初めて子供らしい無邪気な笑顔を見せる感動の場面だが、客席に母親の姿は無い。ラストの車内のシーンで、母親はハンドルを握りながら、オスメント君の顔も見ないで、「発表見に行けなくてわるかったわね、忙しくてね」などと素っ気なく言う。一見冷たそうに見えるが、ここまで映画を見てきたぼくらは、この母親は、実は、とっても良い母親だとわかっている。このシーンの母親の演技、演出はすごいと思う。オスメント君もそんな母親のことが分かっていて、自分の秘密を告白しようと決心する。この世に思いを残して亡くなった者が、救いを求めてオスメント君に取り憑くわけだが、おばあちゃんがオスメント君に取り憑いた理由は、娘(つまりオスメント君のお母さん)と心を通じ合わせることができなかったから。最後、オスメント君から、自分がおばあちゃんからどんなに愛されていたかを知った母親が、無防備な子供のような表情になるシーン、あそこで必ず号泣させられてしまうのだけど、あの場面では、お母さん、おばあちゃん、オスメント君、それぞれの魂が同時に救済される、映画史上屈指の感動的なシーンだと思う。。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2024-06-18 17:24:16) |
2. シンドラーのリスト
素晴らしい作品だと思いました。特にシンドラーを俗っぽい人物として描いているところに深みを感じさせられた。しかしながら、これはスピルバーグの良いところでもあるのだけど、作為的というか映画的というか、演出上とても作り込まれた絵面がリアリティを損なっていて、作品にのめり込む妨げになってしまったのが残念だった。例えば、カメラをゆっくりパンしていくと、パンした先に違う役者がスタンバっていて、次のシーンにスムーズに切り替わっていくみたいな。作為に気付かされると、ついつい演出の作法を鑑賞するモードになってしまうというか。リアリズムに徹すると、見るのが本当にツラい映画になってしまうのだろうけど。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-16 22:37:33) |
3. シン・ゴジラ
《ネタバレ》 劇場で観ればよかったと後悔。これは傑作じゃないですか!前半の情報の洪水が快感。一番感心したのは、ゴジラが途轍もなく強いのだが、それを倒すため、訳のわからん超兵器みたいのを出すんじゃなくて、自衛隊とか民間企業とか外交とか鉄道などのインフラとか、オールジャパンの総力戦で打ち克つところ。あと伊福部昭のテーマの素晴らしさ。あー、キタキタ!みたいな。ゴジラの口に注水するポンプ車を見て、福島原発で注水する様子を思い出さない人はいないでしょう。ゴジラ(=原発)はとりあえず停止したけど、またいつ暴れだすかわからない。その不安とともに私たちは生きていかなければならない。メッセージ性が極めてわかりやすいところも良い。 [地上波(邦画)] 9点(2017-11-30 21:19:20) |
4. しあわせのパン
現実感の希薄な一種のファンタジー映画。嫌いじゃないんだけど、映画の点数としては高くつけづらいというか。原田知世ファンとしては、彼女の可愛い姿が存分に観られるのでかなーり満足しました。 [地上波(邦画)] 5点(2014-11-15 14:00:24) |
5. シャネル&ストラヴィンスキー
クラシックファンです。「春の祭典」目当てで見に行きました。とにかく冒頭の「春の祭典」の演奏シーンは素晴らしかった! 圧巻です。このシーンのためだけにDVDを買ってもいいと思ったくらいです。しかしその後の人間ドラマは薄っぺらく思えました。全編を彩る衣装や映像美、ストラヴィンスキーの音楽は素晴らしかったのですが…。あとシャネル役の女優さんが意外に若いのに驚きました。 [映画館(字幕)] 6点(2010-05-25 09:57:48) |
6. 女王蜂(1978)
ヒロインのキャスティングが悔やまれる惜しい作品。石坂金田一シリーズの中ではちょっと格が落ちる。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-12-29 12:30:00) |