1. シドニー・ポワチエ/ピース・オブ・アクション
悪人の映画なのに、とても温かみのある映画でした。中盤が学園ものなので、改心するのかなー、と思った矢先に、ブラックな展開になったり、飽きませんでした。シドニー・ポワチエは、有名な黒人俳優の中では、最後の人道主義者なのかも。 [DVD(字幕)] 7点(2008-04-02 21:07:15) |
2. 知らなすぎた男
とぼけた役で、かつ厭味がないのは、ビル・マーレーをおいて他にないと再認識しました。全然気がつかないということが、どれほど笑えることなのか、それでいて、それをごく自然に演じるのがどんなに難しいのか、何よりも話の構成が絶妙で面白かったです。だって、脇役や映画を観ているこちら(観客)はハラハラしてるのに、当の主人公本人が全く危険に気がつかないでケラケラ笑ってんだもん(笑)。江原正士さんの吹き替えも軽快で歯切れが良かったです。人が死んでるのに笑えるコメディは、貴重な存在だなぁと思います。 [DVD(吹替)] 8点(2007-10-08 22:47:28) |
3. ジャスト・マリッジ
アシュトン・カッチャーの頭にぶつけられた灰皿の音だけで、5分ちかく笑いころげました。いくら愛し合っていても、紆余曲折を経て、夫婦になる。アルバムの中の笑顔と笑顔をつなぐ時間こそ夫婦にとって大事。とても安心して観ることができるラブコメですが、言ってるテーマは真剣で、とても良かったです。3歳の甥と一緒に観ましたが、ゲラゲラ笑っていたので、やはり面白い映画だと思います。主人公が2人とも真剣にバカやってるし。 [DVD(吹替)] 9点(2007-09-05 18:05:24) |
4. ショーシャンクの空に
この映画だけです。ワタクシがDVDを(鑑賞用と、もしも鑑賞中にDVDデッキが壊れてディスクを取り出せなくなったらどうしましょう用と、永久保存版と)3枚も持ってるのは。絶望の中に希望はある。『頑張って生きる』。素晴らしい(感涙)。 [DVD(吹替)] 10点(2007-01-04 23:29:56) |
5. 死刑台のエレベーター(1958)
《ネタバレ》 どんなに知性がある者でも、第3者の勝手な行動は防ぎようがなく、バカに道具を持たせると非常に危険だ、ということがよーく分かりました。つむいだ、1本の強力なワイヤーが、いろんな事象で徐々に、しかし確実にほつれていく。『完璧が崩れていく』というプロットが完璧すぎる。 [DVD(字幕)] 9点(2006-11-02 17:08:12) |
6. 知りすぎていた男
《ネタバレ》 あの場所で、後ろから頭をたたかれたジェームズ・スチュワートの顔を見て、おなかが痛くなるくらい笑った。 [DVD(字幕)] 8点(2006-10-01 00:22:02)(笑:1票) |
7. シムソンズ
とてもすがすがしい映画でした。試合に勝つことではなく、カーリングを楽しむことにテーマが置いてあり、分かりやすいけど爽やかな感動を与えてくれました。オニオンスープとか、牛舎でのトレーニングとか、くすっと笑ってしまうシーンも多いですが、それがひたむさにつながっており、応援したくなります。やりたいことは今しかできない、高校生らしさをつぶさに描いてありました。カーリングのルールについて、きちんと説明してくれているところも好印象です。地味なスポーツだけど、観ているひともやってみたくなる演出は心地よさがあります。やはり真の主人公は、大泉洋さんが演じるコーチでしょう。最初出てきたときはどうすんだと思ったけど、僕ら社会に出た人間からすれば、一番共感する部分がありました。 [DVD(邦画)] 9点(2006-08-03 11:57:14) |
8. 仁義なき戦い 代理戦争
《ネタバレ》 金子信雄が演じる山守組長のウソ泣きには大いにウケた(笑)。ありゃ卑怯だ(笑)。結局は打本の八方美人と槙原の臆病っぷりのせいで、山守と広能の親子ゲンカの構図になってしまったわけだけど、(幹部同士の些細なケンカなのに)日本の黒社会の縮図を感じてしまう。こんなくだらない理由で末端のチンピラが血で血を洗い合うのかと思うとあきれてしまう。これではあまりに猛がかわいそうだと思ってしまう。任侠道を踏み外していないヤクザが広能しかいないのに、絶縁状を受け取ったときの広能の表情たるや、やり切れない気持ちが痛いほど良く分かる。この映画は、実は猛が主人公だと思うんだけど、ラストの母親の涙がこの抗争の無意味さとやるせなさを後押ししている。上の人間のシノギの犠牲はいつも若い命。もしかしてこれは反戦映画だったのか?と思いつつ、カタギの者をも惹きつけるこの映画を撮った深作欣二という監督はスゴイ。極道映画といえど、この仕上がりと緊張感はまさにトップレベル。ヤクザを肯定しないけど、この映画だけは別です。素晴らしい。 [DVD(字幕)] 10点(2006-01-28 20:23:20) |
9. シンデレラマン
傲慢さもなく、ただひたすら、妻と3人の子供を守るために、プライドを捨ててでも働き、リングでも逃げずに、真っ直ぐ立ち向かうジム・ブラドックの生き様に勇気をもらいました。プロボクシングの世界は、一夜にして一攫千金を手にできる。妻のメイは、家族を守ろうとする夫ジムを誇りに思いつつ、死と隣り合わせのボクシングをやめてほしいと願う。家庭をもつことと、それを支えることって、どんな時代でも大変なことだと思う。「男なんて山ほどいるのにね(笑)」なんて言いつつ、でもホントにこの人で良かったと芯では思っている、レネー・ゼルウィガーの静かだが力強い演技もこの映画には欠かせないもの。2人ともお互いを思いやり、愛情をもって子供たちを守っていくこと(金銭の問題だけでは決してできないこと)が、口で言ったり思っているだけよりもどんなに大変かを伝えてくれた。当時の失業者たちにも勇気と希望を与えてくれた、こういう誰も知らないような偉人を映画化してくれたことは、それだけで評価に値する。きっと、次に観るときには10点になってると思う。観て良かった。 [DVD(吹替)] 9点(2006-01-27 12:45:08)(良:1票) |
10. 十二人の怒れる男(1957)
《ネタバレ》 野球のチケットと回らない扇風機だけで、この緊迫した時間と空間を作り上げるなんてスゴイ!僕も会社で終業時間が近づくと(まだかなまだかな)とソワソワするクチです。みんな家に帰りたいばっかの状況の中で1人敢然と11人に立ち向かうのってすごく勇気のいることだと思います。12人だと票が割れちまうじゃないか、と思っていましたが、採決を決める13番目は誰か、言わなくても観ていれば分かることだと思います。よく考えると、皆どこにでもいる普通の人たちなのに、誰もがヘンリー・フォンダのように英雄?になれるから不思議なもんです。ひとり、またひとり、ミカン取りがミカンになるかのように無罪に考えを変えていく様は、論客でなくとも痛快さを感じると思います。おじいちゃん陪審員の癇癪が好転していて面白い。本人は本気で怒ってるんだけどなぜか笑ってしまいます。「ところであんた、名前は?」この一言で僕の開いたままの口がさらに開いてしまいました。日本でも裁判員制度について議論がなされていますが、この映画を観るとさらに賛否が分かれてしまいますね。 [DVD(吹替)] 9点(2005-11-16 15:21:56) |
11. Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?(2004)
《ネタバレ》 リメイクとしては忠実ですね。日本のオリジナルは人生につきまとう空しさがテーマだったのに対し、アメリカ版は陽気にテンポよく(ちょっと早すぎるけど)進んでいって小気味がよいです。リチャード・ギアだと、キザな演技をしても不快感がないので好感触でした。女性がパワフルでセクシーに描いているのもハリウッドならでは。原日出子が控えめな明治生まれのような貞淑妻ぶりに対し、スーザン・サランドンはパワフルな妻として演じていましたね。同僚の嘲笑を見て、竹中直人がこそっと隠れたのに対し、スタンリー・トゥッチはアクティブに反撃してましたね。日本とアメリカの違いだよなぁ、やっぱ。ダンスの映画というよりも、日米の考え方の違いを探すという点で非常に楽しめる映画でした。あえて言えば、やっぱり日本のオリジナルの方が伝わるものが多いと思いました。 [DVD(吹替)] 7点(2005-10-29 23:00:48) |
12. ジョニーは戦場へ行った
《ネタバレ》 目も耳も口も使えない、完全にシャットアウトされた自分の世界の中で、わずかな意識だけで希望をつかもうとするジョニーが痛々しかった。健康な時はなんとも感じませんけど、いざ病気になると何で自分だけこんな苦しい思いをするんだ、と思うことは僕にもあります。回想シーンの中で自分の存在を幻想化する演出はこの時代にしては、画期的ですごいです。モールス信号でやっと自分の思いを伝えることができた希望と、国家機密の元に葬られる絶望。希望と絶望。この落差がショッキングでした。他の方も観ていて凹んでしまったとおっしゃっているのも当然ですね。体躯を失ったのも人間のせい。希望を絶望に変えるのも人間のせい。反戦映画ですが、一番の糾弾されるべき問題が、人間にある、と訴えかけています。しかし、看護婦さんの存在が救いであり、希望であるとも訴えかけています。こういう映画を観ると映画の古さなんて、関係なく感じました。 [DVD(字幕)] 9点(2005-09-02 18:23:36) |
13. 深呼吸の必要
《ネタバレ》 全員がそれぞれに挫折をいまだに引きずりながら、束の間の仲間たちとのさとうきびの収穫を通して、心の傷を乗り越えていく。誰にも話せなかった胸の内を、さらりと語る一人一人を見ていると、本音で語れる環境に憧れを感じてしまいます。沖縄という楽園が都会での生活から解放してくれる。旅行ではなく、働くことで、あれこれ考えずに何かに没頭できる。淡々としていますが、良い映画でした。派手派手な女の子が、連絡船で帰らずにおにぎりを美味しそうにほうばるシーンが一番好きです。 [DVD(吹替)] 8点(2005-08-09 23:20:49) |
14. 死に花
《ネタバレ》 オーシャンズ11よりもよっぽど面白いよ、これ。よく、テレビの紙おむつのCMで、えっ、あの女優さんが!?というのがありますが、この映画もそんな感じでした。勃起ができない、チョウチョウ結びもできない、といった、リアルな老いとの闘い。しかし、お金をもてあました4人の老人たちが織り成す喜劇的犯罪。青島幸男さんと谷啓さんの2大コメディアンをもってきて、実直な宇津井健さんと一人芝居に味がある山崎努さんが締める。終始ボケ満載なのに、ツッコミができる人間が一人もいない(笑)。よくこの4人を配役したと拍手を送りたい。それぞれの過去に、あの時に死んだも同然だったという背景がありながらも、穴掘りを通して生きがいを見つけていく。和子の目線(若い世代の僕ら)から見れば、何か熱いものにいつまでも打ち込める老人たちに、憧れを感じてしまうのは当然だと思いました。なんだか、こっちも元気をもらっちゃいました(笑)。 [DVD(字幕)] 7点(2005-08-09 12:29:42) |
15. 七人の侍
《ネタバレ》 す、すごい! さすが世界のクロサワ! これぞ日本映画史上、最高傑作!「真剣ならば、おぬしは倒れておる」こんなクサイ台詞で登場する久蔵がカッコ良すぎる!おそらく本当は一番強いのにまっさきに死んだ朗らかな性格の薪割りの平八!新米侍として武勲を上げることしか頭になかったが、久蔵に出逢い、憧れ、志乃を守るために一戦に交わりたいという気持に変化していく勝四郎!菊千代の粗野な振る舞いを、暴力的ではなくコミカルに演じ、かつ強烈なインパクトを残してくれた三船敏郎さん!中心的なリーダー・勘兵衛として、野武士に対する憎しみ・高揚感をもった百姓と侍を上手く動かし、人を束ねることの難しさを演じきった志村喬さん!あえてBGMを流さずに殺陣のシーンに引き込む撮影テクニック!不自然なく、かつ豪快なカメラワーク!一番弱かった百姓たちが結局は全員生き残る皮肉ったラスト!この映画が作られたことを日本人として誇りに思います! [DVD(字幕)] 9点(2005-08-01 20:54:18) |
16. ショコラ(2000)
《ネタバレ》 戒律に従った禁欲と禁断の甘い味との葛藤ですね。レノ伯爵のラストの店への襲撃がそれを如実に表しています。神の教えに従順であっても、チョコレートの甘ーい誘惑には勝てない。断食の時期にチョコレートを食し、初めて戒律を破ることで、登場する多くの村人が自分の生き方をも変化させられる。善悪で片付けるのではなく、自然のままに自然の流れに従うのが人間の本質。エピローグでレノ伯爵がヴィアンヌを理解してくれたのが嬉しかったです。 なんだかんだ言って、レノ伯爵が一番チョコをおいしそうに食べていたような(笑)。 [DVD(吹替)] 7点(2005-07-20 16:14:49)(良:1票) |
17. 至福のとき
これは良かった。目が見えない少女をとりまく、周りのおじさん、おばさんたちが温かかった。結婚のために嘘をつき続けていた社長が、途中から少女のために嘘をつき続けるのが辛く、そして哀しかったです。でも、居候先で疎まれていた少女が人の優しさを知り、旅立っていくさまをみて、”嘘も方便”だな、と思います。儒教思想の中国がよくこんな素晴らしい映画を作り上げたと感服しました。 [DVD(吹替)] 7点(2005-06-30 10:25:59)(良:1票) |
18. シベリア超特急
《ネタバレ》 水野晴郎のしてやったりの顔がたまんないよー。 佐伯「閣下、お休みですか?」閣下「バカぁ!ちゃんと起きとる!」 ( ´∀`)σ)∀`) 「あー、いきなり飲んだら、胸につかえちゃった」 '`,、'`,、'`,、'`,、(つ∀`)'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、 おなかが痛いよぅ。 [DVD(字幕)] 0点(2005-06-28 12:32:56)(笑:3票) |
19. 処刑人
《ネタバレ》 悪を制裁する正義は悪なのか?はたまた正義なのか?という、ややこしいことを考えさせられた映画でした。ラスト、刑事であるウィレム・デフォーが見て見ぬふりをしたのが、この映画の真意を伝えています。エンドロールのインタビューも、人間一人一人の深層心理に、悪に対する制裁への深い欲求と宗教上の”汝殺すなかれ”の遵守とのジレンマがあると訴えかけています。ウィレム・デフォーの名推理ぶりが様になってました。「聖霊の御名において」パーンパーン! [DVD(吹替)] 8点(2005-06-12 16:08:47) |
20. 情婦
マレーネ・ディートリッヒの演技力は驚嘆です。あの淡々とした夫人ぶりが後半、あの場面を際立たせていたとは…。さすが伝説の大女優です。予備知識なく観たので完璧に騙されました。真犯人の正体は実は…。無実の人間を助けようとする様が結果、うまく伏線を張っております。あまり書き込むと、今後観る予定の人の楽しみを奪ってしまいますので、ここまでにしておきます。 [DVD(字幕)] 9点(2005-06-07 17:54:40) |