1. 新幹線大爆破(1975)
面白い。登場人物が活き活きと描かれ、それぞれがそれぞれの人生と職責を背負い、リアルな存在感を醸し出す。犯人と警察、そして鉄道側の攻防による手に汗握るサスペンスの描き方も絶妙。新幹線の爆破を巡るやり取りも興奮必至。犯人側の心情も細かく描き、社会の理不尽さを原動力とするテロリズムには同情もできるか。ただ不満点は、警察側の挙動が逐一バカとしか言いようがなく、もっと緻密な頭脳戦を展開しても良いのではないかと思った。その他にもツッコミどころは多々あるのだが、それらを補って余りある勢いがあり、長時間の上映時間を引っ張るだけの力がある。十分及第点ってことで。 [DVD(邦画)] 7点(2014-06-12 00:11:02) |
2. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 喜怒哀楽、人生の機微がすべて盛り込まれている作品。許されない罪を犯した受刑者たちの話ではあるが、人間の尊厳を維持することの大切さと大変さを考えさせられた。希望を持つことがいかに重要か、そして、希望を待つだけでなく自ら道を切り開こうとする意思の大切さも考えさせられる。アンディは穴を掘ることで、レッドはアンディとの口約束を信じることで、辛うじて人間たることを保てたのだろう。主題は我々の目の前にある社会生活、人生においても当てはまり、学ぶことが多いと思う。ラストシーンは美しく感動的だが、その直前のレッドの言葉「国境を越えられるだろうか...、友に会えるだろうか...、海は青いだろうか...、それが俺の希望だ」で終わった方が好みかな。非常に優良な作品であり、十分に及第点ってことで。 [DVD(吹替)] 9点(2013-04-29 17:39:22) |
3. ジュリエットからの手紙
《ネタバレ》 『ロミオとジュリエット』のジュリエットの銅像とバルコニーがあるイタリアの街を舞台に、50年前の1通の手紙をきっかけに、二人の女性が運命の人に辿り着くまでの物語。かの地の街並みと風景は素敵の一言。一貫して暖かな雰囲気が漂い、予定調和的ではあるが、ハッピーエンドを迎えるラストは感動する。本当の気持ちを伝える(たとえ何年経っても)という小さな勇気は、まさに運命という宝石を掴み取ることだと気付かされる。また、アマンダ・セイフリッドの魅力全開な一編ともなっている。この素敵な演出と脚本とも相まって、久しぶりに巡り合った掘り出しもの映画だと思う。 [DVD(吹替)] 8点(2012-11-28 23:36:04)(良:1票) |
4. シャッター アイランド
《ネタバレ》 謎解きメインであるが、オチは途中で気づいてしまう。既存の妄想・多重人格もので使い古された内容になってしまっており、全体的に物足りない感じ。コンセプト的には陳腐であるが、映像にはパワーがある上、異様な雰囲気を醸しだしており見ごたえ十分。切り立つ崖、打ち寄せる波、激しい雨、舞い散る灰、撒き散らした書類、折り重なる死体など背景の映像が心に残るのも印象的。ラストの解釈はいろいろあるだろうが、自分が犯した許しがたい罪への贖罪という観点からすると、「正気を取り戻し自ら進んで手術を受け入れる」という考え方が一番しっくり来ると思う。いずれの考え方にしても主人公の犯した罪の深さを十二分に表現しているラストである。まあまあ及第点ってことで。 [DVD(吹替)] 6点(2012-05-13 13:08:58) |
5. ジョン・カーター
《ネタバレ》 原作は未読。空間転送が、肉体ごと転送されるのではなく、先方に肉体のコピーが作成されて意識だけが転送されるという設定は良いと思う...のだが、如何せん演出的に色々な設定が活かしきれておらず残念。飛ばされた新天地で主人公は超人となるのだが、ただただ大ジャンプできることばかりが強調されており勿体無さ過ぎ。また、敵方のボスがショボく、すぐに背後に黒幕がいることが分かってしまうため、単なる操り人形に見えて興醒めする。中ボスもラスボスも呆気なく倒されてしまい、カタルシスを感じる暇さえない。とまあ悪口ばかりが挙がってしまうが、ワンコは可愛いかったし、見るからに悪役の腕4本の人たちが以外にいい人で救いとなった。期待が大きかっただけに少々辛口かも。最後に、3Dで鑑賞したが演出的に3Dである意味が全く無く、映画館への高いお布施になっただけ。前売り券使用だと一人500円プラスのくせに2D上映が夜1回しかないとはボッタクリもいいとこ。映画業界の収益増への起爆剤になれそうだった3D映画の芽を摘むことになりかねず、非常に不満に思う。 [映画館(字幕)] 5点(2012-04-16 23:32:13)(良:1票) |
6. ジャガーノート
《ネタバレ》 豪華客船での船旅はノーテンキな雰囲気を醸し出し、対比的に爆弾テロによる暴力描写が非常に重い物語を生み出している。俳優よりもドラム缶が写っている時間の方が多いのでは?と思わせるほど爆弾処理の描写が淡々と延々と続く。だが面白い。練りに練られた起爆スイッチをひとつひとつ解除していく様を大写ししていくため、自ずと観客が爆弾を解体しているような擬似体験ができ、緊張感が生まれる。演出・演技とも非常に上級な作品だと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-04 00:03:37) |
7. 実験室KR-13
《ネタバレ》 「es」的な実験を題材にしたソリッドシチュエーションスリラーかと思って期待したのだが、大きく期待はずれ。いきなり被験者の一人が射殺されて始まる物語は、面白くなりそうなシチュエーションなのだがね。被験者たちの視線だけで物語を進めれば、何が起こっているのか分からない不安感や緊張感を観客も共有できるのに、ご丁寧にも観察者側の視点もしつこくしつこく挿入するため、すぐネタバレしてしまい、被験者・観察者のどちらにも感情移入できないのが×。また、これといった起伏もなく淡々と物語が進むため、中だるみが激しく途中で眠くなること必至で×。非常に惜しい作品。 [DVD(吹替)] 4点(2010-07-22 23:45:33) |
8. シャーロック・ホームズ(2009)
《ネタバレ》 随分と武闘派なホームズとなっている。つまらなくはないのだが、中だるみアリで期待していたものとはなんか違う感じ。重要な謎解きがさらさらと進んでしまい、どちらかというとアクション重視な内容になっており、力技で「はい、解決ね」。ストーリー展開も、「不二子ちゃん」がいるせいで「ルパン三世」な匂いがする。ラストでいろいろ種明かしをしてくれるし、宿敵のあの教授も出てくるので、売れたら続編あるんだろうなと。原作当時のロンドンの汚さや風俗を感じさてくれる映像は非常に買うが、全体的にもっと面白くなりそうな雰囲気があるので惜しい。 [映画館(字幕)] 6点(2010-03-22 22:52:15)(良:1票) |
9. G.I.ジョー(2009)
《ネタバレ》 ストーリーはまあまあ単純な勧善懲悪もの。全編アクションの連続で退屈する暇なく最後まで魅せる。特に加速スーツで追いかけっこするアクションシーンは今までにないスピード感が出ていて興奮すること間違いなし。科学的に考えると、Gや衝撃で中身の人はぐちゃぐちゃになると思うが、理屈ぬきで楽しんだほうがよい。ただ、例によって日本の風景や生活描写が間違っており、「またかよ」となる。意図的か?忍者は今の(たぶん近未来でも)日本には居ないよ。また、悪者側の指揮系統がなっておらず、誰が首謀者なのか、何がしたいのか、イマイチ判然としないのがマイナス。世界的に迷惑なことをしているのは分かるのだが、そこから彼らにとってどのようなメリットが生まれるのか説明不足。あと、最終的に米国乗っ取りを考えているみたいだが、ナノバイト弾頭でワシントンを攻撃しようとした意図が分からん。大統領も死んじゃうのでは?まあ、シリーズ化しそうな勢いで終了したので、続編に期待してみたい。 [映画館(字幕)] 7点(2009-08-18 09:47:43)(良:1票) |
10. JIGSAW ゲーム・オブ・デス<OV>
《ネタバレ》 一連のソリッドシチュエーションスリラーの形式を取ってはいるが、犯人の行動に説得力がなく、単なる暴力好きな男による快楽殺人の羅列になってしまっている。ゲーム参加者(被害者)たちに生き残る術を残しているように見えて、その実結局死ぬしかなく内容が面白くないので、観る者がその状況に引き込まれないのが致命的。スリラーというよりはスプラッターホラーといった体でドキドキ感がない。また、舞台となる廃工場内のセッティングが穴だらけで、いらいらする。SAWなどのように緻密な計算などしておらず、カメラの位置も丸わかりなので、最後にはカメラを壊されてしまう。全体的にいま3くらいかな。 [DVD(吹替)] 4点(2009-08-13 14:01:09) |
11. 11:14
複数の短編がうまい具合にリンクしており、ラストに向けて「ほほぉ、なるほど」と思わせてくれたところは良い。でも、各話の内容が他愛も無いことである上に狭い1つの町での出来事のせいか、うまくリンクするほどに作品の広がりが無くなっていってしまった気がする。あと、久しぶりに見たパトリック・スウェイジやヘンリー・トーマスの歳のとり方がショックだった。 [DVD(吹替)] 6点(2008-02-04 19:40:23)(良:1票) |