1. シャーロック・ホームズ(2009)
《ネタバレ》 アクションパートは勿論、推理パートまでもオマケになってしまう程ホームズとワトソンのキャラ押し映画。 劇中の推理はほとんどが”時間を巻き戻して解説”パターンで、じっくり謎を解いていく楽しみもないし、そこまで感心したもんではなく、2人のキャラでこの映画の楽しみを7割近く占めちゃってる気がしないでもないんだが、これがとっても魅力的なのでしょうがない。ダウニーJr.のやさぐれキャラはそれだけでも2時間観ていられるほどやっぱりイイ。とにかくイイ。ジュード・ロウもダウニーJr.としっかり張り合っているし、レストレード警部もいい顔している。 また19世紀ロンドンの再現も素晴らしく、おかげでたっぷり世界観に浸れる。 ややセンスばかりが先行しがちなガイ・リッチー演出も今回は抑えめで、古き良き世界観の中にアクセントとして効いている。イメージで予告した後、実践というアクションも格好いい。ただこのアクションは何らかの形でクライマックスに生かせたんじゃないだろうか?殴り合いのシーンじゃなくとも、アイツが動いたらこれを使って、と思ったら予想外の動きに出て・・・みたいにしても面白かったと思う。まぁ同じ手を使っては飽きてしまうから控えたんだろうけれど。 ガイ・リッチー作品の中では作品全体と演出の調子が非常に整った、バランスのいい出来で、弱点はありながらも、物語、美術、世界観、演出、全て「シャーロック・ホームズ(とワトソン)」という人物を楽しもう!といった趣で、その点映画としては勝ちの作品で、しっかり楽しませてもらいました。 [映画館(字幕)] 8点(2010-03-15 02:09:50) |
2. シャッフル(2007)
《ネタバレ》 試写状が届いた時から、「曜日がシャッフルされてる」って、絶対主人公が狂ってるか、『フォーガットン』みたいなトンでもないSForファンタジックなオチしかないだろうなぁ~・・・と、嫌な予感がしていました。やたらと音のでかいホラー演出で何がしたのかなと思っていると、カラスの死体、精神安定剤、精神科医の広告の切れ端等々、小道具のつじつま合わせは割と丁寧にし(と言っても物語上は全くつじつまが合っていないのですが)、予想よりも早い段階で母親は病院送りになったので、「おっ、これはもしや『バニー・レイクは行方不明』のような恐ろしい展開になるのか!?」と思いきや結局旦那はただの事故死、曜日がシャッフルされたことの必然性も全くなく、ラストショットも鼻につく感動演出で気に入らなかった。 旦那の事故もあんな見晴しのいいまっすぐな道路では起こりえない事故に思えて辟易。原題のPremonitionも大した意味をなしていない気がする。 どうせこの手の不条理サスペンスをやるのなら、観客が自分ならこうするのに、と思うようなことをやって欲しかったな。寝たら違う曜日になってしまうので、まんじりともしないで夜を明かしてみる!とか。こんなことするとコメディタッチになりかねませんが。 [試写会(字幕)] 4点(2009-02-07 14:08:17) |
3. シューテム・アップ
《ネタバレ》 素晴らしい!おバカ映画の見事な手本。ニンジンで頭をぶち抜き、電飾看板で挑発し、ガンガン銃をぶっ放しバッタバタと死体の山が積まれていく。バカやるならここまで徹底的にやってくれないと。 そして主演は、そりゃアメリカでも大ヒットなんてしないよ、と思っちゃうオーウェン、ベルッチ、ジアマッティの濃厚な3人。あんな「バッカじゃねーの!?」ってな展開でも全然笑わないトコが実にイイ!それにオーウェンもへたれ役ばかりのジアマッティも銃構えたら様になっていてカッコイイ。やっていることは大バカでも、当人はクソ真面目でなきゃ面白くないもの。かっこよさ、バカバカしさが見事に同居した2008年最高のバカ映画! これからも頑張ってくれ、マイケル・デイビス! [ブルーレイ(字幕)] 8点(2008-12-24 21:43:48) |
4. ジャンパー
《ネタバレ》 一般人が突然ジャンプできるようになったので、デビッドが世界を飛び回ったり、金盗んだり悪事を働くのは人間らしく、その方向性は間違ってないとは思います。しかし、それを反省するような描写が一切無いのは如何なものかと。勝手すぎて感情移入する余地がありません。父親もアル中ではあるけど、言うほど悪そうな父ではなく、「いつでも帰ってこいよ」なんて泣かせるセリフも言ってるし。そんな身勝手ジャンパーを殺そうとするローランドが完全な悪役に・・・。彼女を救出するときもハナからパラディンを殺す気満々のデビッド。削除シーンではローランドにも息子がいた設定で、デビッドが悩むシーンがあったりで、こっちの方が少しは深みができたはずなんだけど、なぜ削除した?テンポを重視したのか?だったら彼女とのダラダラ世界旅行カットせい!監督が何を狙ったのかは分かりませんが、グリフィンを主役にすれば、世界を守ろうとする宗教団パラディンと、能力を持っただけで、理不尽に命を狙われるジャンパーのちょっと善悪のつけ難い戦いにできたんじゃないかなぁと。 SWに続きやんちゃボウズに悩まされるサミュエルが不憫で、「やっちまえ、サミュエル!」てな勢いで観てました。 ジャンプを使った戦闘シーンはそれなりに良かったのに、その他がどうしようもない作品でした。 [DVD(字幕)] 3点(2008-08-21 15:12:39)(良:2票) |
5. ショーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 ダメ人間のショーンとエド。特にエドはマジで救いようが無いくらい・・・。こういったダメキャラって大抵さっさと処理されるか、邪魔ばっかりしていいキャラにならないんですが、この映画は彼らをホントに活かしている。自然と愛着が湧いてきて、いつの間にやらエドは一番死んで欲しくないキャラに・・・。物語はゾンビ映画ファンならたまらないであろう(ロメロが認めてるんだもん!)オマージュを捧げながらも、親を殺し、仲間と生き延びていく事により、少しだけ大人になっていくショーンの成長物語にもなっている。ラストはゾンビたちを生かす、というアイディアも皮肉で可笑しい。エドなんて「豚小屋に住め!」とか言われて本当に住んじゃうし、元の生活とあんまり変わってない。ある意味彼は生き残ったのかも。ショーンとエド、変わってしまったけれど、変わらぬ二人とエンドロールの曲ではちょっと切なく、グッとくるものが・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2008-08-14 11:28:28)(良:1票) |