1. J・エドガー
本国で不評と聞いてあまり期待せず鑑賞したら結構面白かったです。 ただ社会派、同性愛ものと考えると日本人に受けることはないと。 当時のアメリカのバックグラウンドをある程度知らないとついて行けなくなる部分も多少あります。 でもやはり、エドガー・フーバーという男の人物描写に関してはさすがイーストウッドと言わざるを得ません。彼独特の陰影を巧みに使った撮影方で上手くフーバーの裏表、本音と建前を表現していたのが印象的で、レオナルド・ディカプリオの熱演に、より一層の深みを与えていました。あとイーストウッド作品で注目するは彼自身が担当している音楽です。どことなく哀愁漂うメロディは強力な権力を手にしたフーバーの孤独や寂しさといった人間の本質的な部分を表現していたのではないでしょうか?さて主役のディカプリオですが、今回もアカデミー賞受賞とはならず、しかも今回は前評判に反してノミネートすらしてもらえないという屈辱的な展開でした。確かにこの作品は伝記、同性愛、特殊メイクという見え見えのオスカー狙い、更に去年の「英国王のスピーチ」におけるコリン・ファースの役どころと若干被る部分もあって選定側としてはこの役で受賞させたくないという気持ちもあったのかも知れません。でもさすがにガン無視は酷過ぎだと思いましたね。まぁでもディカプリオは若く、年々その演技にも渋みや深みが備わってきて、まだまだ伸び代が沢山ある俳優だと信じています。オスカーが俳優のゴールだと本人もファンも思ってないでしょうが僕は是非彼には一度と言わず、2度も3度もオスカーを手にして欲しいと思っています。 [映画館(字幕)] 8点(2012-02-01 13:41:45) |
2. 白い肌の異常な夜
男女の本質を描いてる映画。男は女を抱く為なら平気で嘘を付く。女は嫉妬するととんでもない行為に出る。とてもじゃないが気持ちのいい映画とはいえない。しかし、その緊張感や恐怖感はこれ以前、以降のイーストウッド作品には感じられないものがあり、評価せざるを得ないだろう。こういった人間の本能的な部分を上手くかけるドン・シーゲルは素晴らしいし、それを受け継いだイーストウッドの現在の監督業には頭が下がる。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-28 13:41:43) |
3. シャッター アイランド
《ネタバレ》 「冒頭のメッセージ」と「舞台が精神病棟」、映画を見慣れてる人ならこれだけでトリックが分かってしまったはずです。作り手側としてはそう思った観客をどうスカすかが腕の見せ所だと思ったんですが、特に何も無く終わってしまって違う意味でスカされてしまいました。なぜ自らあんなハードルを上げたのか?製作側の意図なのか?シャッターアイランドそのものの雰囲気は好きだったんだすけどねぇ。あの島のあのセットを使ってもう一本違う映画を撮って欲しいくらいです。個人的には「冒頭のメッセージ」と「最後の灯台でのネタばらし」はカットにして終了させ、もう後は観客任せにしても良かったんじゃないかと思ったり思わなかったり。 まぁそれじゃ若干デイヴィット・リンチっぽくなるけどね! [映画館(字幕)] 5点(2010-04-12 22:05:01) |
4. シンシナティ・キッド
《ネタバレ》 ラストが良いです。てっきりあのまま突っ走るかと思ってましたけど、やっぱ世の中そんなに上手くできてないんですよね。自信たっぷりだったキッドがザ・マンに敗北し茫然してる所へ現れる少年。彼との勝負にも負け、自分の決め台詞を言われた後に漂う哀愁にこの映画のドラマを感じました。 [DVD(字幕)] 7点(2009-12-24 17:44:37) |
5. シャイニング(1980)
ハリウッドのホラー映画で初めてハリウッド映画らしくないホラー映画を見ました。ホテル内の雰囲気が奇妙過ぎます。僕はこの映画を見て初めて「恐怖」という言葉は「奇妙」という言葉の延長線上にあるんだなと感じました。 ジャック・ニコルソンの徐々に徐々に狂っていく怪演っぷりには脱帽です。彼以外誰もあんな演技はできないでしょうね。それにさることながら奥さんや子役の演技も凄い。一番好きなホラー映画です。 [DVD(字幕)] 10点(2009-07-29 18:37:00) |
6. ショウタイム
悪くはない。エディ・マーフィーらしい映画です。デ・ニーロ目的で見ると少しがっかりするかも?ドキュメンタリー番組を通して事件を追うという斬新さはあったものの、その事件の内容があまりにも単純であっさり終わり過ぎなような気がします。でもまぁ日曜の夜9時に家族で見る娯楽映画としたらそこそこ楽しめるでしょうね。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-29 18:22:18)(良:1票) |