1. ジャッジ・ドレッド(1995)
口をへの字に結んだスタローンの演技はいかにも大げさですが、コミックの実写化に新境地を開いたか?と期待をして観始めました。が、制服を脱げばいつものスタローンになってしまいました。肉体派アクションの好きな方、スタローンファンの方には面白かったと思いますが近未来を舞台にしたという以外にはあまり新鮮味がなかったかも。肉体派=人間らしさのように演出してしまっては似たり寄ったりの映画になりかねません。勧善懲悪ドラマとしては安心して観られますがそこに大衆に支持されるヒーローを重ねてしまいますと、なぜか大国アメリカを色濃く感じてしまいます。たぶん私の中で、スタローン=ロッキー、ランボーのイメージが強いのだと思います。ただ脇役のならず者(?)たちが面白かったのと暇だったので映画館で2回続けて観た記憶があります。 6点(2003-07-14 14:46:14) |
2. ジョニーは戦場へ行った
当時、中学生だった私は映画好きの兄に連れられて観にいきました。映画館に入場する前から「さすがダルトン(当時はドルトンと発音していました)・トランボ!60歳過ぎて初監督作品!」などと興奮していたのを覚えています。もし自分がジョニーだったら・・と考えると悲しく、また恐ろしくなった記憶があります。戦争という狂気により無残な姿となってしまったジョニー。意思表示は頭を僅かに動かすモールス信号だけ。しかも、それが伝わっているのかさえも明確には自覚できないのかもしれない。五感で残っているものは僅かだ。それも不完全な形で。そう、生きているのか死んでいるのかさえ自分ではわからない状態なのかもしれない。30年以上経った今、映画を回想してふと思うのは「ジョニーの気持ちは本当のところ誰もわからない。なった者にしかわからない。つまりはどんな場合でも相手の気持ちは相手にしかわからない。だからこそ相手を尊重しなくてはいけない。すべての人間は、命は尊重されなくてはいけない。ましてや戦争のような狂気に人間が、命が巻き込まれることは許されない」ということです。この30年の間にも戦争はくりかえし起きています。今もジョニーはいるのでしょうか。 8点(2003-05-15 12:35:09) |
3. シティーハンター(1993)
漫画のアニメーション化、実写映画化いずれにしても似て異なもので楽しみ方はそれぞれ違うとは思いますが、ジャッキーチェン主演ということで初めから冴羽りょうとは切り離して観た記憶があります。京劇風の超人的なアクションが観られればと軽い気持ちで映画館に入りましたが何と!ブルースリーが観られただけで、それだけでもう満足でした。予想もしていませんでしたから!。ブルースの新作が観られない事実=他の香港映画では満足できない現実、となっていました。ブルースがきっかけとなった香港映画ですが、私が許容できるのはジャッキー作品のいくつかとジョイウォンくらいでした。あれから10年たった今、覚えているのはブルースのシーンだけです(すみません)。ジャッキーには申し訳ないですが彼の代表作にはならないかも。この映画ならではの斬新な体の動き(アクション)が少なかったかな?それでも点数はすべて彼の頑張りへ。 4点(2003-05-05 17:42:40) |
4. シカゴ(2002)
ミュージカル「シカゴ」の映画化とは知らずに観始めました。勝手にミュージカルスターのドラマなのかなと・・・(無知ですみません)。よく言われますが原作とその映画化が似て異なもの、のようにミュージカルの舞台と映画化も同様なのでしょう。いずれにしてもそれぞれ楽しみ方が違うと思います。ストーリーそのものは正直あまり面白く感じませんでした。が、舞台ではあまり観られない表情のアップや細かい体の動きは映画ならではの面白さ、美しさがあり楽しめました。特にマリオネットを操るようなのようなナンバーは印象的でした。リチャード・ギア、好きな俳優です。女性に囲まれて歌う1曲目とてもシャイでしたね。タップのシーンは気合十分、見事です。暗闇の中、鏡に浮かぶロキシーはまさしくスターそのものでした。また、役柄よりもキャサリン自身が「水を得た魚の如し」で、舞台を観ているような臨場感もありました。歌声もなかなかのものでした。 7点(2003-04-23 15:04:41) |
5. シュリ
劇場公開の終り頃に観たのですが、評判が良いためか結構混んでいました。南北問題は第三者の立場で考えてしまうため、感覚ではわかっていても感情ではリアルに受け止められない分、残念ですが感動が少ないのかもしれません。洋画の影響を受けながらも消化して自分たちの表現にしている勢いは見事です。真似するだけの邦画作品よりは情熱を感じます。自立心、愛国心の強いヒロインは、日本女性と異なり「女性」を武器にせず甘えずに生きているように見えます。が、しかし実は悲しいほどに「女性」の本能を押し殺していた姿は、恋愛ドラマにありがちだとしても涙モノです。俳優もスタッフも、そして映画もまっすぐ過ぎて、ややもすると昔の邦画と比較して低く評価しがちですが、韓国映画の情熱とは私たちが忘れている大切な何かかもしれません。 7点(2003-04-05 19:54:31)(良:1票) |