1. 紳士協定
ハリウッドはもともとユダヤ移民が作り上げたアメリカンドリームだから、その啓蒙活動みたいな1本。芸能に秀でていたユダヤ人と、「正論」派の新聞社とは水と油。WSAPのペックを使ってユダヤ人系の主張を映画にして、オスカーをさらったのは、啓蒙活動の「上がり」でした。同年の「殺人狂時代」と見比べるのも一興。 5点(2003-06-22 21:33:20)(良:1票) |
2. 幸福の黄色いハンカチ
山田洋次作品では好きなほうです。でも「知床慕情」のような圧倒的名作を後に作ると、印象が薄れてしまう。夕張の知名度を上げたこと、国際映画祭の舞台になったきっかけだったことなど、高評価に間違いはありません。最後の武田と桃井のキスシーンは不要でした。健さんで終わらなきゃ。やっぱり。 5点(2003-03-23 23:54:52) |
3. 情婦
ビリー・ワイルダーらしい大傑作。階段の昇降機を注射器持って下りてくる看護婦さんと、チャールズ・ロートンのスラップスティックな面白さも最高です。ラストそのものは「シックス・センス」のような「なるほどね」というオチではなく、「何じゃ、そりゃ」的な凄さですが、ぜひ一度ご覧あれ。この邦題なんとかしてほしい。 10点(2003-03-02 22:55:53) |
4. 白い恐怖(1945)
「白い恐怖」とはよくできた邦題ですね。マーニーの時の副題が「赤い恐怖」で、ヒッチも意識したのかもしれません。バーグマンのとんでもない美しさと、記憶喪失にしては爽やかなG・ペックの逃避行が面白い。スキーシーンのどうみても直滑降の滑り方も無茶で、そりゃ落ちるだろう、というスピードですが、あの滑り方をすれば、私も「白」に対して恐怖を覚えたかも。 7点(2003-02-24 00:02:25) |
5. ジェイコブス・ラダー(1990)
こりゃあ怖い。最後に天国へ上がれる明るさも見えるけれど、背筋から来る怖さいっぱい。「スクリーム」だの「ルール」だのがホラーだと思ってる人は、ぜひこれと「マウス・オブ・マッドネス」と「エンゼル・ハート」と「リング」を見なさい。寝る前だと効果的。 5点(2003-02-09 22:35:28) |
6. 十戒(1956)
旧約聖書の説明から始まって、ユダヤの聖地にユダヤ人が帰るお話。ハリウッドの成り立ち、およびデミルの生い立ちを考えると、絶対外せないテーマではあります。これに感化された東宝が「日本誕生」なんか作ったりしてますが、本家の迫力には及ばない。C・ヘストンを目指すシュワもこういう役やらないとオスカーも遠いと思いますが、お父さんがナチスだったので、厳しそう。日本人には分かりにくいテーマですよね。大作だけど5点。 5点(2003-01-04 23:24:07) |
7. 市民ケーン
劇中「東亜日報」なる日本語新聞が画面に出てくるのにちょっとびっくり。多分この作品は100年後も1位にいるんだろうなあと思います。過大評価といえばそうだし、もっと面白い作品は山ほどある。でもこれは、ハーストを敵に回して作り上げたという点で、すでに伝説などでしょう。トーマス・インスを射殺しちゃったという人物ですからね。ハーストは。こういう舞台裏で戦う映画は、時代を経るごとに神格化していくものです。グイグイいく演出は見事なもので、作品としても一級だと思います。 8点(2003-01-03 21:36:28) |