1. ストレンジャー・ザン・パラダイス
この映画を一言でいえば沈黙の美学。この作品はとにかく沈黙が多い、エヴァが出ていった後のウィリーとエディ、そしてエヴァの彼と3人で映画を見るシーン(かなり笑える)は特に沈黙が長い。もしそれを退屈に感じたのなら、残念ながら今作はあなたに向いていない。例えば、意味もなくテレビを見るウィリーとエヴァのシーン。話のかみ合わない二人はブラウン管から流れる異星人がどうのといったくだらない番組を意味もなく見る。そして生まれる沈黙の空間。なぜか無駄がない完璧なシーンに思え引き込まれる。それは人間のさり気ないしぐさ、ディテールまでこだわるジム・ジャームッシュ だからこそなし得た結果なのだ。仲がとりわけていいわけでもない、価値観も違う、すれ違いばかりの3人。人によっては、ラストに物足りなさを感じるかもしれない、それは結果ばかり求めて過程を楽しんでいない証拠だ。楽しいのではなく、楽しめるかどうかが問われている。個人的には何度も見たいと思わせる作品。 10点(2003-03-25 09:05:03)(良:3票) |
2. ステラ
ホームドラマ調な雰囲気が個人的に合わない。それとレビューがこれだけ「泣ける」のオンパレードなのも驚き。視聴者の涙腺を試す映画なのか。たしかに最後の場面はうるっときたけど、内容がどうのというより、シチュエーションにだから。泣けなかった者としてはこの点数が精一杯。 4点(2003-03-23 22:29:52) |
3. 素晴らしき哉、人生!(1946)
最近の入り組んだ映画になれてしまうと、かえって古典アメリカ映画が胸にぐっとくる時がある。この年代の作品を見ると、映画なんてシンプルな方が感動できて、共感できるんだなぁとしみじみ思う。こういう映画はあら探しをやめて、素直に見ましょう。 7点(2003-03-13 21:25:24) |
4. ストーリー・オブ・ラブ
一部の夫婦間がうまくいってない人のための映画?ラストのミシェル・ファイファーの涙ながら訴えるシーンに4点。 4点(2003-02-23 18:08:47) |
5. スケアクロウ
ロードムービーの場合、旅をしている者に感情移入できないと面白くもない。自由気ままに生きるわけだから、そこに理想像がないと入り込めない。そういった点で男ふたりには共感出来る部分、理想とする部分がなく、置いてけぼりくらった感じで鑑賞。個人的にはヴィム・ヴェンダースの作品群のほうが好み。 5点(2003-02-09 17:39:35) |
6. スモーク(1995)
オーギー役のハーベイ・カイテルに尽きる。毎日、同じ場所、同じ時間に写真を撮ると言ったエピソードも素晴らしいが、タバコ屋主人が適役!ストーリも5つの嘘を絡めたエピソードを軸に、最後の絶品クリスマスストーリーへと続く展開が素晴らしい。 10点(2003-02-08 11:31:55) |
7. ストーカー(1979)
未知なる世界ゾーンを中心とした個性豊かな3人の人間劇は、糸がピンと張ったような緊張感が漂う。願望と本質の違いに翻弄される者達。かつてこれほど、人間の内面をさらけ出した映画があっただろうか。映像、ストーリ、メッセージ性、申し分のない大傑作。感覚に直接訴えかける映像、単純な話でありながら深いテーマをもつ。私に映像美たるものを教えてくれた記念的作品。未だ、これを越える衝撃を味わえないでいる。 10点(2002-11-16 08:30:21) |