1. スターリングラード(2001)
《ネタバレ》 引き金を引く。これほど単純且つ重みのある作業はないのではないだろうか。引き金を一回引くたびに、何年も何十年もかけて紡がれてきたストーリーが一つずつ消えていく。だがそれでも自分が生き延び、自国の勝利の為に主人公・ヴァシリはライフルの引き金を引き続ける……。コマーシャルを見た際、勝手に僕は「こんなストーリーなんだろうな」と想像してしまいました。そして実際本編を見てみると……少し期待はずれ。まぁ確かに面白い部分はあるし、リアルさも感じられる。しかし「プライベート・ライアン」を見た後にこの作品を見ると、何か物足りなさを感じてしまいます。スナイパーが主役の割には、「引き金を引く」という行為に関する「重み」が、同じスナイパーである「プライベート・ライアン」のジャクソン二等兵より「軽い」様な気がしてならないのです。後、不自然に感じたのは言語。なぜドイツ兵もソ連兵も英語を話すのだろう?何だか細かい点で不自然なところの多い作品でした。しかし、エド・ハリスは良かった。ラストのシーンで、スナイパーライフルをまるで恋人を抱きしめるかのように抱えたまま死んでいく演技は、ハリス扮するケーニッヒ少佐(ドイツのスナイパー)の誇りや想いが良く伝わってくる演技だった。正直、この作品ではヴァシリよりケーニッヒ少佐の方が僕は好きです。 7点(2003-11-10 16:54:49) |