1. ステップ・イントゥ・リキッド
世界各地の様々なスタイルで楽しむサーファーの姿を追ったノンフィクションなので、娯楽映画というよりサーフムービーとして捉えたほうが良い。万人ウケする作品とは言い難く、ある特定の、はっきり言ってしまえばサーファーでなければ退屈と感じてしまうかもしれない。兎に角、最初から最後までサーフィン映像一色である。「エンドレスサマー」と同じ監督であることやロブ・マチャド、ケリー・スレーターなど世界的トップサーファーが出演しているところもサーファーにはたまらない映像がてんこもり。毎日サーフィンし続けギネスに載った男、ある時間帯にしか立たない湖の波でロングボードを楽しむ者とそこのローカル、極寒地でサーフする兄弟、パイプラインに挑む者、牽引されながら66フィートの大波に乗る男。すべてが衝撃的で、サーフスピリッツに満ち溢れている。「ブルークラッシュ」では物足りなかったサーファーも、きっと満足できるだろうと思う。これこそ大画面で観るべき映像である。 6点(2004-11-09 15:59:51) |
2. スチームボーイ STEAM BOY
おそらく『AKIRA』的な世界観を求めて観てしまうと肩透かしを喰らうであろう。映像美は申し分ない。大友氏もこだわっただけことはある。特にロンドンやマンチェスターの風景描写には目を瞠るものがあった。しかし気になる点は大いにある。最大のネックはストーリーの破綻、これに尽きるだろう。場面はどこかで観たようなシーンが多くオリジナリティを感じられず、声優にもやや違和感あり。辻褄の合わない箇所も見られ、強引に映像の迫力のみで展開している印象を受ける。人物設定は子供向けにわかりやすくしているのだろうが、逆にチープな印象を植え付けてしまった。多くの方がレビューで宮崎氏の『天空の城ラピュタ』を連想したようだが、私もその一人である。文明進化への警告を隠喩している点や、少年と少女の冒険活劇(風味)といった部分がそう思わせるのだろう。大友氏には世間に媚びたりせずに独特の世界観を今後は貫いていってほしいと願わずにはいられない。 5点(2004-08-02 17:43:09) |
3. スワロウテイル
わかりやすいLoveLetterも良いが私はどちらかというとスワロウテイル派。今作は殺伐とした退廃的な雰囲気の中で懸命に生き抜く不屈のタフネスが描かれている。言葉、人種、国籍について考えさせられる。CHARA、三上、伊藤歩、渡部が役にマッチしており素晴らしく好演している。何度観ても深い感動がある。題材が題材なだけに評価がわかれるのもわかる気がするが、エンターテイメント、アーチスティックという両面を満足させてくれる良作であると私は思う。 10点(2004-02-10 22:01:50) |
4. スタンド・バイ・ミー
ノスタルジー感満載の青春映画。リバーらの好演と、何より音楽が素晴らしい。良い映画は音楽も良いのだと改めて気付くことができる。歳をとればとるほど好きになる不思議な映画。 10点(2004-01-27 15:28:10) |
5. スケバン刑事(1987)
小学生だった当時、スケバン刑事ブームが確かにあった。自分の周りでは特に女子生徒に人気があり、単なる悲劇を背負った特撮ヒーロー物なのだがそれがシンプルでわかりやすかったのだろう。個人的ノスタルジーという意味では10点だが、映画として観るとどうしようもない出来。テレビシリーズ・映画ともに一貫してただの暗い水戸黄門的勧善懲悪。しかし一世風靡したムーブメントの結晶として捉えると、映画として残されたことに奇跡を覚える。 2点(2004-01-27 13:50:19) |