1. スクリーム2
《ネタバレ》 つまらなくはありません。 でも「面白いか?」と問われたら、悩む所です。 シリーズの続編作品が一作目と比較されてしまうのは常ですが、スクリーム・シリーズの場合、 1の完成度も満足度も高かっただけに、尚更そのハードルは上がってしまうのでしょう。 単純に『犯人探し』の点においては、前作に引き続き最後まで飽きさせる事はありません。 (共犯説は薄々感づいてはいましたが) 犯人の動機も、「浅はかでだがサイコ的」と「古典的」の両方が使われていて、バランスは良いです。 では、本作と前作の決定的な違いは何か? それは『主人公のシンディの行動』の違いだと、私は思いました。 1作目のシンディは、様々な意味で「被害者」でした。 実母がレイプされ殺されたり、何故か自分が狙われたり、その所為で多くの友人を亡くしたり、 果てには彼氏がサイコ殺人犯だったなんて、これは悲劇以外の何物でもありません。 元凶はシンディの母なんですけどね。 だから、娘であるシンディは完全にとばっちりを喰った訳で、直接的に彼女が要因で人が死んだ訳ではありません。 しかし、本作ではシンディ自身の行動に依って犠牲者が出てしまいます。 親友の殺害シーンなどは、まさにそれではないでしょうか? せっかく二人で逃げおおせる事が出来たのに、シンディの軽率な行動で親友は死んでしまいます。 彼氏に関しては、シンディの過去を鑑みると、判断が難しかったと思います。 これは彼女を責められません。 ですが、1作目と比べても、彼女が『被害者である割合』が本作では圧倒的に落ちているように感じました。 その辺りが、2作目におけるパンチの弱さだったのではないかな?と思います。 ただ、それを許せてしまうのは、ゲイルとデューフィーの恋の行方の功績でしょう。 本来ならシンディの負のオーラで重苦しい雰囲気になってしまう本作も、彼ら二人のお陰で心に安らぎをもたらしてくれます。 その意味で言うと、本作はホラー要素以上に恋愛要素・人間模様にスポットを当てていたのかもしれません。 ホラー映画としては物足りなくもありますが、続編と認識した上でストーリーやキャラクターを楽しむのであれば、 十分に満足の行く仕上がりになっているのではないかな?と思います。 [DVD(字幕)] 6点(2010-12-08 17:06:06) |