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1.  スパイダーマン:スパイダーバース 《ネタバレ》 
凄い。何が凄いって?スパイダーマンが1人だと思っていたら、何人も出て来て、しかも皆んなそれぞれにどうしてスパイダーマンになったのか?というドラマがあって、単なるアメコミ映画、アニメとかよりも一本の映画としての面白さ、これはもう、映画館で観ないと絶対に後悔します。私自身、スパイダーマンも3だったかな?の一つしか観てないぐらいスパイダーマンについては全く知識も無ければ、アメコミ映画もスーパーマンシリーズぐらいしか観てないぐらい、正直言ってさほど興味ないジャンルなのだが、そんな私がこの映画は興奮しっぱなしでした。前評判に釣られ、本当に?まあ、どうせ貯まった無料ポイントでの鑑賞だからつまらなくても良いかぐらいしか思ってなかったのに、とにかく面白い。スパイダーマンに憧れる少年、マイルスが姿を消すことが自分の力では出来ないてのも笑えたり、ピーターとのやり取りも笑える上に感動的だったり、誰でもヒーローになれるんだという強いメッセージをも感じることができるのも素晴らしい。もう、アニメとか実写とかストーリーがどうとかいうあら探し等せずに思い切り楽しもうぜ!そういう映画と言って良い。
[映画館(吹替)] 9点(2019-03-20 22:13:07)
2.  スーパーマンII/冒険篇 《ネタバレ》 
ヒーロー物、SFアクション映画と言えば今では当たり前の様に派手なアクションシーンと特撮の映像により迫力ある大作感を見せる。そしてヒーローとヒロインとの恋等ありと、それもスーパーマンという映画の大ヒット、存在有ればこそである。続篇となると大抵は前作を下回る駄作になるのだがスーパーマンシリーズ第2作目は1昨目に負けないぐらい面白い。始まって直ぐのエッフェル塔でのシーンの緊張感、スーパーマン登場のシーンのかっこよさ、ロイスのピンチにお待たせとばかりにやって来るスーパーマン、悪役3人との対決も見応え十分です。今じゃCGが当たりだったり、顔を隠し、正体を隠そうとするのが当たり前の中で顔を隠さず、人間味溢れるヒーローの姿を見せてくれるスーパーマンのかっこよさ、単なるヒーローとは一味違うスーパーマンが私は好きだ。そしてやはりスーパーマンと言えば絶対にクリストファー・リーブ以外考えられれません。どんな時もヒーローであり続けると共に一人の人間としても紳士的な姿を忘れないヒーロー、スーパーマンの魅力がそこにあるのがこのシリーズの良さです。クリストファー・リーブ亡き後のスーパーマンには無い人間的魅力がクリストファー・ リーブにはある。1作目以上にスリリングなシーン、それもCGだけに頼ることなく楽しませてくれる2作目が私はシリーズの中でも一番好きです。ロイスとの二人のシーン、あの滝をバックにしてのシーンで少年が落ちるシーンでロイスから姿を消し、少年を助けるスーパーマンに対してのロイスの台詞、ウルトラマンシリーズの様な感覚を覚える。色んな意味でスーパーマン映画の楽しさが見られる続篇です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-06-17 17:10:33)(良:1票)
3.  ステラ・ダラス(1937) 《ネタバレ》 
母と娘の美しい愛情、娘を想う母の姿が大きな感動を呼ぶ。バーバラ・スタンウィックの名演技、娘の結婚式を窓越しに見るシーンで見せる涙の美しさ、バーバラ・スタンウィックの出ている映画に駄作無し!この女優の出ている映画は全て観たい。
[DVD(字幕)] 9点(2016-12-14 20:51:48)
4.  素晴らしき休日(2007)
これは、反則です。しかし、僅か3分、私の最も好きな北野武作品、キッズ・リターンの中でも最高のラストをまるで、あの名作映画のシーンを思わせるかの如く見せ方で、もう少し見せてくれてもという不満も、見た後にもう一度見たくなる魔力!これは武からの贈り物だ!こんなにも贅沢な3分て他にあるだろうか?
[DVD(邦画)] 8点(2016-09-16 19:57:53)(良:3票)
5.  ズートピア
うさぎとキツネという可愛い動物を使ってここまでの世の中に対する矛盾、差別化した世界というものをストレートに描き切った事が素晴らしい。単なるアニメとは言えない凄いメッセージを感じずにはいられない程、本当に良く出来た作品です。同じ世界に産まれ、同じ生き物なのに、草食動物と肉食動物ではまるで扱いが違う事に対する怒りの様な物を誰もが親しみを感じる事の出来る動物達を使ってここまで解りやすく描くディズニーの凄さには感心させられずにはいられません。勿論、ディズニー映画らしい美しい映像も見ていて素晴らしいと思うし、そんな美しい映像の中で語られる夢を持つことの大切さ、素晴らしさと諦めない気持ちを持つことの大切さをきちんと描いていて、そういう意味でもこの作品からは色んなメッセージを感じる事が出来る。ディズニーの凄さが沢山、詰まった傑作!
[映画館(吹替)] 9点(2016-04-28 23:10:09)(良:1票)
6.  スパルタンX
前半はやや退屈。しかし、ジャッキー映画の三人集が集まってからの展開は面白く、ラストまでの流れと相変わらずのアクションシーンの凄さに釘付けになる。この映画を見てもやはりジャッキー映画はアクション映画とは何なんのかアクション映画の面白さとは何かを見せてくれる。  
[DVD(字幕)] 7点(2013-04-14 13:10:01)
7.  酔拳2 《ネタバレ》 
ジャッキー映画を見て思うのは生身のアクションによる本物のアクションシーンの凄さ、素晴らしさ、面白さに昨今の映画が見失ってしまってるものを感じずにはいられなくなるほど、とにかくアクションシーンが凄い。終盤のアクションシーンの展開、スピード感は今のアクション映画にはないぐらいである。それにしてもあの母ちゃん面白い。面白過ぎる。麻雀をしてたのは誤魔化したり、どう見ても誰が見ても大根なのを人参と言い張ってみたりと面白い。子供が出来たて話にしてもえっ?本当なのかな?てつい思わせてしまうし、最後は子供が出来た話てのも実は嘘だったなんて最高のオチを期待してしまわずにはいられなかったりと、まあ色んな楽しみ方が出来る。前作も面白かったけど個人的には前作より好きです。  
[DVD(字幕)] 8点(2013-04-13 10:20:48)
8.  スーパーの女 《ネタバレ》 
どこにでもあるスーパーという存在とそんな中で働く者、経営者、更に店に買い物にやって来るお客さんとの立場になって解り易く描かれている。それぞれがエゴ剥き出しでいる。そう、人間の醜い部分を包み隠さずに描いている伊丹十三監督の人間観察の鋭さ、面白さは相変わらずである。昨今、食に関する問題、衛生上の管理、店側と客とのトラブルやそれだけでなく経営者と従業員、従業員同士のぶつかり合い、色んな意味でこの映画には学ぶべき点が沢山ある。正直であればいつかは必ず救われる。その結果が最後の元旦からの大繁盛となって現れ。一方で客を騙して古い肉を如何にも新品のように打ったり、金儲けすることや他の店を潰して自分達だけ良ければというような態度の安売り大魔王が最後は誰も客が来なくなる姿を見て、嘘は良くない。人を騙したり、お金で買収しようとすれば必ず罰が起きる。何とも気持ちの良い場面である。伊丹十三監督の一歩先を見据えての時代を読み取る凄さには頭が下がる。日本映画界は本当に惜しい人を亡くしたと思わずにはいられない。伊丹映画と言えば灰汁が強すぎて敬遠がちな人も多いと思うけどこの映画は他の伊丹映画ほどの灰汁の強さが無いので誰にでも楽しめる作品になっていると思います。
[DVD(邦画)] 8点(2012-01-22 12:06:47)
9.  スタンド・バイ・ミー
あれ?何か変だぞ!初めて見た時には凄く好きだったはずなのに、それが歳を重ねてしまった今、久しぶりに観ると素直に楽しめない。何故だろう?少年達が探し求める者への違和感が残る。どうもスティーブン・キング原作の映画は「ショーシャンクの空に」を除くとそんなには好きにはなれない。ノスタルジックに浸りたい。大人になってしまったらもうあの頃のようにこの映画の少年達のように同じ仲間を求めて何かを探そうなんてことよりも自分のことで精一杯でそれどころではない気持ちが先走ってしまいます。音楽はいつ聞いても本当に良い音楽だと思います。ただ、二度、三度と観ていると観る度にこの映画に対する自分自身の気持ち、評価というものが下がっていく気がしてならない。これ以上この映画に対する評価を下げない為にはここらでもう終わりにしようかと思いました。
[映画館(字幕)] 6点(2012-01-16 22:49:19)
10.  スネーキーモンキー/蛇拳
何となく「酔拳」に似たような雰囲気を思わせる。ここでのジャッキー・チェンは最初は弱いけど最後は強くなる。いつものパターンではあるがだからこそジャッキー・チェンなのだろうし、ジャッキー・チェン映画なのかもしれない。幾つかジャッキー・チェンの映画を見て感じるマンネリ感、日本で言うなら寅さんや釣りバカシリーズに通じるような安心して楽しめる作品になっている。それにしてもあの爺さん、強いんだか弱いんだかよく解らん。
[DVD(字幕)] 7点(2011-12-01 21:16:26)
11.  ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON 《ネタバレ》 
三谷幸喜監督待望の新作は相変わらずの三谷映画的な笑いに満ち溢れている。そして、何よりもここでもまた前作「ザ・マジックアワー」同様に色んな映画に対するオマージュ的な要素を持ち込むことでその映画が大好きな映画ファンの心を掴もうとしているし、そういう気持ちを素直に受け入れて見れば楽しむことも出来るということを教えてくれている。満員の劇場で馬鹿みたいに大笑いする。何て楽しいひと時だ。冒頭からしておや?「刑事コロンボ」の世界か?最初から殺しの場面、本当の犯人を我々に見せる。そして、その犯人をどのようして見破るか?という楽しみと裁判ものという所の面白さ、三谷幸喜監督がビリー・ワイルダー監督が大好きなのが改めてよく解るし「情婦」というあの傑作に同じくフランク・キャプラ監督の「スミス都へ行く」「素晴らしき哉、人生!」が大好きなのも解る。私もこれらの映画は全部好きです。話をこの映画の笑いという点に戻すと裁判における証人が幽霊であるなんてそんな発想、三谷幸喜監督じゃなきゃ思い付かないでしょ!その発想の面白さやら色んな意味で笑えて楽しい映画でした。タクシーの中での深津絵里演じる女弁護士と西田敏行演じる幽霊落ち武者とタクシーの運転手のやりとり、ファミレスでの二人と深田恭子とのやりとり、他にも阿部寛の変なダンスなどはあまりにも下らな過ぎて余計に可笑しかった。全体的にあれもこれもと色んなものを詰め込んだりしすぎていて長い気もしなくもないけど、それでも映画は映画館で観るものである。観に来ている大勢の観客、どこの誰かも全く知らない人達きりの中で声を出して笑うなんてことは映画館だからこそ出来るものだと思うし、三谷幸喜監督は映画は映画館で観るものだと教えてくれている。監督デビュー作「ラジオの時間」は面白かったけどその後の「みんなのいえ」「有頂天ホテル」と自分には合わないものだったけど前作同様、この監督の笑いに対する熱意、映画への愛というものに対する姿勢は十分評価したいと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2011-10-29 22:53:09)(良:1票)
12.  ストリート・オブ・ファイヤー 《ネタバレ》 
ロックの寓話とサブタイトルからしてかっこ良い。文句なしのかっこ良さである。オープニングの音楽の素晴らしいリズム、かっこ良さ、音楽だけでなく全てにおいてこの映画はかっこ良く、男が男に惚れる映画である。1980年代、バンザイ!的な臭さが同じ時代を生きてきた者としては自分の青春時代の1本である。主演のトム・コーディ演じるマイケル・パレ、かつての恋人でありロック歌手であるエレン(ダイアン・レイン)のかっこ良さとセクシーさ、更には男ぽくて女気ゼロのマッコイ(エイミー・マディガン)のかっこ良さもこの映画をよりかっこ良く見せてくれている。そして、忘れてはならない悪役、エレンを誘拐する暴走族グループのリーダー、レイヴェン(ウィレム・デフォー)のかっこ良さ、トムとレイヴェンの二人だの対決の場面、仲間達に絶対に手を出させないで戦う素晴らしさ、この映画はアクション映画だけど誰も死なない。一人も死なない珍しいアクション映画である。そこがまたこの映画の素晴らしさである。全てにおいて何から何までやたらかっこ良くてたまらない映画として、一生忘れることの出来ない映画である。映像、音楽、役者達の文句無しのかっこ良さ、何度も言うようにとにかくかっこ良い。私にとってかっこ良い映画は何か?て聞かれたら真っ先にこの映画のタイトルを挙げます。何度も何度もビテオやDVDで見てはその度に痺れるほど熱くなれる映画をこの度、午前十時の映画祭で劇場で見れたことが何よりも嬉しい。好きで好きでたまらない映画です。
[映画館(字幕)] 10点(2011-06-19 22:34:36)(良:3票)
13.  スノーマン<TVM> 《ネタバレ》 
泣いた。泣いた。不覚にもわたくし、この歳、もう30過ぎてるのに、今頃になって恥ずかしながら初めて見た。ここでの皆さんの評価の高さが気になってどうしても観たくて観たくて、近所のレンタル屋さん、片っ端から探したけどどこにもない。我慢出来ずにDVD購入!こんな凄いアニメとは知らなかった。30分にも満たない時間の中で少年の無邪気さとスノーマンの無邪気さ、そして、自分は少年とは別の生きもの、雪であるが為に、最後は消えてしまう運命という哀しさ、少年とスノーマンが楽しそうに遊ぶ場面はどれもが観ていて楽しい。スノーマンが果物を顔に当てる場面のあの時のスノーマンの顔の面白さ、スノーマン自身も思い切り楽しんでるのがよく解る。だからこそラスト、マフラーだけとなってしまう場面は泣けてくる。特典映像の中でデヴッド・ボウイが語っている子供の頃にゆきだるまを作った話、スノーマンがくれたマフラー、彼は本当にいたんです。そう!この台詞に夢なんかではない。いや、実際は夢でも、それが宝物であるように例え、夢であっても信じることの素晴らしさ、いつまでも子供心を忘れないという素晴らしさ、人間、年齢と共に夢なんて信じない。そう思ったり、段々と疑い深くなってしまうものです。でも、この作品を観ると夢って良いなあ!純粋な子供の気持ちに帰れる映画として、良いものを見せてもらった気がする。こういう作品こそ全ての子供達に見せてあげたい。
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2010-12-29 22:05:44)(良:1票)
14.  スイート・チャリティ 《ネタバレ》 
フェリーニの原作とは思えないほど何だか同じものが題材とは、いやはや、あのどうしようもない悲劇的な「カビリアの夜」をミュージカル仕立てにするとこうも印象が変わるものなのか?あの映画は勿論、フェリーニらしいという意味では見所もあるけど、やっぱり私はこっちの作品の方が好きです。何といってもシャーリー・マクレーンの魅力でどんなに悲劇的でも歌がある。歌さえあればそれで幸せであるとばかりにとにかく歌って踊って、また歌って、そして、踊るのオンパレード!シャーリー・マクレーンの笑ってる時と泣いている時の表情の違い。その表情の素晴らしさ、好きになってしまう相手の男には好きになってもらえず、それでも一生懸命なシャーリー・マクレーンの何たるいじらしさ、微笑ましいこと!あの都会の町並みのど真ん中でくねくね踊る後ろ姿が何だか妙に可笑しくて、またあの変な衣裳も面白い。そうそう、この映画のあのラストに関してはハッピーエンドじゃないけど、だからこそ引き立つ女の健気さと哀しさ、だけど、それでも必ず彼女はいつか幸せになれる。そう願いたくなるような終わりにこの映画の持つ要素が凝縮されているように思えます。それにしてもシャーリー・マクレーンて不思議な女優さんだ。けして、美人だとは思えないのに見ているうちにどんどんと美人に思えてくる。そして、可愛く思えてくる。こういう女に男は弱いものである。この映画を見てシャーリー・マクレーンの魅力を改めて感じることが出来た。
[DVD(字幕)] 8点(2010-11-16 22:41:45)(良:1票)
15.  スーパーガール
何となく昔、テレビで放送していたのを覚えてはいるし、観たような気もする。でも、全くもって内容覚えてない。どんな映画だっけ?何だか久しぶりに見たくなって借りてきた。スーパーマンに対抗してのスーパーガールなんだろうなあ?てのはよく解るし、男ならやはり可愛い女の子が短いスカートで空を飛ぶのを観るのは良いものである。あくまでもこの映画はスーパーガールであることが大きい。もしも、あれと全く同じかっこをむさ苦しい野郎ども、男がしたらとてもじゃないけど見ちゃおれん。スーパーマンはクリストファー・リーブだからかっこ良いようにスーパーガールも女の子だから良いのであって、女の子であるということが重要なのである。別にスーパーウーマンでも良いんだけど、でもやっぱりガールであることの方が良いし、嬉しいものだ!内容なんて大してないし、中身のある映画でもない。それでも良いのだ。全てを許せてしまうのは私が男であるからである。それにてもう~ん?やはり短い。短すぎるぞ!
[DVD(字幕)] 6点(2010-08-26 22:14:16)(笑:2票)
16.  素晴らしき日曜日
黒澤明監督と言うとどこまでも男臭い映画、そういうイメージが常に付きまとう。この映画では後の黒澤映画とは違うそういう男臭さとエネルギー、ギラギラしたものは無い。しかし、そんな黒澤映画においてもやはり黒澤明監督は他の黒澤映画の中でも常に言いつづけてきた「生きる」ことの意味、人生は辛いことも多い。いや、辛いことの方が楽しいことよりも多いけど、それでも何かに希望を託して生きて行こうではないか!この映画の主人公、二人のカップルの姿を通して生きることの素晴らしさを問う。この映画では確かに黒澤映画=男の力強さ、漲るパワーやら派手なアクションなど無縁であるが故にそこに流れる全体を包んで離さない空気、例えば戦後の東京の焼け跡の風景におけるリアル感などは戦争を経験している人間だからこそ出せるものが感じられると当時に戦争経験の無い私のような世代の者にも、なるほどね。と納得させられるものを映像の力で見せる所などはやはり黒澤明監督は単なるアクションだけの監督なんかではないという事の証明であり、そういうものをきちんと描ける監督であることが解る。主演の二人のカップル、この映画のヒロインの中北千枝子に関しても成瀬映画での彼女とは違う別の魅力が観られる。どんなに時代は変われども後ろを振り返ってばかりいるよりも前を見て生きて行こうとする彼女の姿は時代を超えて共感出来るし、色んな意味でこれまた黒澤明監督からのメッセージを感じさせれる映画として評価したい。
[DVD(邦画)] 8点(2010-07-11 21:59:45)(良:1票)
17.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
作品の狙いとしての面白さや、企画ものしとて見たらそれなりに楽しめたし、悪い映画でもないと思う。しかし、だからって、何もこの映画がこの年のアメリカ映画の一番の映画であると評価され、アカデミー賞作品賞まで獲得するほどのものかという疑問が残る。上手くまとめて大金も手に出来たし、恋人も手にすることが出来たし、それはそれで良いとしてもあのラストの踊りは何?て言いたくなってしまう。劇中で生放送中にテレフォンをかける場面を見て、アカデミー賞とテレフォンは私自身、何の役にも立たない。アカデミー賞を獲得したから、それが必ずしもその年の私にとっての最高の映画という評価を与えるということも出来ない。けして、つまならなくもなければ、普通に楽しめた。でも、やはりこの点数が限度です。それにしても人が一人、死んでいるにも関わらず、大金と女の両方を獲得出来たからって踊る主人公、何を考えているのか?色んな意味で突っ込み所満載のそれもまたある意味、この映画の面白さなのかもしれないが、なにわともあれ、このぐらいの出来でそれがこの年のアメリカ映画の代表だとすると、それだけ今のアメリカ映画全体のレベルの低さというものを覚えずにはいられなくなる。
[DVD(字幕)] 6点(2010-03-24 21:48:42)(笑:1票)
18.  ストレイト・ストーリー 《ネタバレ》 
美しい映画である。田舎町の風景の美しさ、音楽の美しさ、更に人間愛としての美しさなど、この映画はとにかく美しい。十年前に喧嘩したまま別れたままの兄が病気で倒れたと知らされ、このままでは二度と会えないかもしれない。弟の兄への気持ち、それを見事に表現してみせたリチャード・ファーンズワースの名演技がこの映画を単なるヒューマンドラマではない人生の厳しさ、老いていく者の厳しさをあの台詞「若い頃のことを覚えていることは老いていることの短所である」というこの何とも痛烈で心の痛む台詞であって、老いた者にしか解らない。老いた者だからこそ言える台詞である。兄との再会をただ目指してゆっくりとトラクターに乗って走る。物語にこれといった凄いアクションがあるわけでもない。そこがこの映画の最大の長所である。兄との再会を果した時のあの弟の表情と兄の表情が何とも嬉しそうで見ていて良かったね。このまま二度と会えないまま終わらずに本当に良かったね。と言わざるを得ないぐらいこの兄弟の嬉しそうな顔付きはいつまでも心に残りそうです。
[DVD(字幕)] 9点(2010-01-11 11:23:38)(良:2票)
19.  スリ(1959)
近所のレンタル屋さんに置いてある数少ないブレッソン監督の映画で、これまたあの手の動きの凄いこと!まるで手に何か付いてるんじゃねえのか?て感じさせる動き、手にカメラが付いているようです。映像の美しさもこの映画を一つの芸術のようなものに思わせる。感じずにはいられなくなるものがある。サスペンス映画というよりは芸術映画の雰囲気を漂わせるこの監督の映画作りの前には映画って、派手な演出なんて全く要らないということが改めて解る作品でもあり、この映画は扱っている題材がタイトル通りの「スリ」だから派手さは全くないので最近のハリウッド映画ばかり見ている人には物足りないと感じることでしょうし、地味ではある。そして、サスペンス映画としてはやや物足りない。それはあまりにも簡単にスリが実行され過ぎるという物足りなさ、しかし、そこに行き着くまでの展開にはやはりハリウッドの大作には味わえないものがある。この監督さんの映画を観るのは私自身、これがまだ二つ目であり、最初に観た「抵抗」に比べると面白さという点で劣るので取りあえず7点ではあるが、まだまだ他のこの監督の映画も観たい。頼むから全部バラでDVDとして発売して欲しい。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-11-13 21:21:50)
20.  助太刀屋助六 《ネタバレ》 
真田広之主演による時代劇と言えばおそらく世の多くの映画ファンは「たそがれ清兵衛」かもしれないが、私は違う。「たそがれ清兵衛」より早く作られ、公開した年は同じ2002年である。「たそがれ清兵衛」がやたら高評で多くの賞を獲得した中であまり取り上げられることもなく、その年のキネマ旬報でも無視されているような結果になっていたが、映画としの面白さ、時代劇としての面白さで完全にこっちのが上だと私は思う。何しろ主演の真田広之が活き活きとしていて演じている本人が物凄く楽しそうであるのが良い。やはり役者、特に主役が楽しそうに演じている映画はそれだけで観ていても気持ち良くなれるので私は好きです。冒頭のあの砂煙りの中、一人刀を振り回しまるで子供のように楽しそうにしている姿、そして、そこに現れる大勢の子供達、このシーンだけでも真田広之同様、監督である岡本喜八監督もこれから面白いものを見せてあげようではないかという心意気が伝わってくる。脇を固める俳優陣にしても芸達者な顔ぶれが揃い、その中で伸び伸びとしている真田広之、そんな真田広之が仇討に乗り込む時に言う台詞「これから二人ほど斬るが他の人は邪魔になってはならない」とか「ここら辺でお開きにしよう」とか何だか寅さんみたいで笑ってしまう。ラスト、馬に乗って去っていく真田広之と鈴木京香のツーショットなどは岡本喜八監督が西部劇ファンであることの証であり、遺作にして最後まで娯楽映画に徹しようとして遊び心を忘れなかったこの岡本喜八監督という監督の素晴らしさ、多くの映画監督は晩年、特に遺作ともなると娯楽よりも芸術志向に走るものだが、最後まで娯楽に徹して楽しませようと言う監督の心意気を私は評価したいと思います。最後にあのジャズの音楽も時代劇とよくマッチしていて良い雰囲気を醸し出していることを言わせてもらいこの映画についてのコメントを終えたいと思います。
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-08-23 10:08:28)(良:3票)
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