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プロフィール
コメント数 349
性別 男性
自己紹介 「昔は良かった」という懐古主義ではなく
「良い映画は時代を超越する」事を伝えたく、
 昔の映画を中心にレビューを書いてます。

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1.  過ぎゆく時の中で 《ネタバレ》 
私にとっての「パブロフの犬」(泣きっぱなし)映画であると同時に、 ラストの突き放しに愕然とした想い出の一本。 「ヒーロー・ネヴァー・ダイ(’98)」「ザ・ミッション/非情の掟('00)」 「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を('09)」など、香港ノワールの名匠として名高いジョニー・トー。 若き時の作品には「チョウ・ユンファのゴールデン・ガイ('90)」「ワンダーガールズ/東方三俠(’93)」 などあるけども、個人的には香港のスクリーンで鑑賞したこの作品のインパクトがめちゃ強い。  妻と別れ、シングルファーザーとしてトラック運転手で生計を立てている元オートバイレーサー。 彼が10年ぶりに妻と再会し、息子との生活を改めて見直した上で生きる努力をし始める。 「キッド」「チャンプ」とか「狐の呉れた赤ん坊」だとか「クレイマー・クレイマー」といった作品と 同様の「父と息子の御涙頂戴物語」なんだけど哀愁感漂うチョウ・ユンファと子役ウォン・コンユン、 で妻役シルヴィア・チャンも、香港映画の名脇役ン・マンタッおじさんも皆いい味出しまくってる。 ラスト、再起をかけたレースシーンまでに行く前にNbu2、泣きっぱなし。  で、普通なら良かった良かったで終わるこの話、若き日のジョニー・トーは只者ではなかった。 自身が考案したこのラスト、彼としては「精神(スピリット)の継承なんだ」という意味も含めて あの突き放しだったらしいのだけど、もう唖然茫然。香港人の友達内ではそれもあって 評価真っ二つ。でも監督ジョニー・トーの経歴を確かめる上で、機会があれば是非。  ついでにこの映画を鑑賞し涙で呆然としたNbu2に隣のおっさんが 「日本人(ヤップンヤン)、これ食って元気だせ」と 蛋撻(香港風エッグタルト) を戴いたのは良い想い出だ。エッグタルトはポルトガル風ではなく香港派。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2022-05-05 11:28:09)
2.  ストレンジャー・ザン・パラダイス 《ネタバレ》 
「予定調和を壊す空気・間」を堪能する映画。  1986年4月、今は無き有楽町スバル座での単館ロードショー。 中学3年生の自分が始めて一人でチケットを買い、劇場鑑賞したのがこの作品。 といってもちろんジャームッシュも主演ジョン・ルーリーも、(字幕の)戸田奈津子女史 だって知るわけない、単に親離れして、大人じみた背伸びをしたかっただけの事。  当時の世評としては「映画ファンには大好評、一般的には?」というのが通説。 そりゃあそう、80年代はまだ「脱力系ギャグ」という笑いは認知されてないから。 観客が想像するストーリーをことごとく外していく、ずっこけロードムービー。 ズレというか不調和を楽しむ映画として、私は彼の映画が好きだ。 気付いたら最新作「デッド・ドント・ダイ」までちゃんとスクリーンで追いかけている。  ヴィム・ヴェンダースやニコラス・レイ、そして小津安二郎を知ったのもこの映画だし、 音楽(スクリーミン・J・ホーキンスとかジョン・ルーリー、後にトム・ウェイツ)なんかも 彼から知った気がする。 彼の文化的教養に、自分影響されまくり。  そして齢50代になりつつある私、この度リバイバル上映(ヒューマントラストシネマ有楽町) にて鑑賞。「この映画が人生最初の映画館(おひとりさま)体験で本当に良かった」、 心底思ったよ。   この映画はぜひ、スクリーンで見て欲しい。 特に若い映画ファンに。
[映画館(字幕)] 9点(2021-07-11 19:36:53)(良:1票)
3.  スペンサーの山 《ネタバレ》 
この度TSUTAYAでのレンタル解禁を機に約30年ぶりの鑑賞。雄大なワイオミングの自然を背景に繰り広げられる、大家族の物語なのだが、後に同じようなストーリーラインを踏襲した作品が山の様に出てきている昨今では目新しさも何もないけど、最後まで(悪意/偽善といった負の要素を取り上げる事なく)希望溢れた作品展開にした事が私にとって好印象で+1点。でもって他のレビュアー様も述べておられるが、(実際インテリな役どころを得意としたとは逆に)ブルーカラーなお父さんを演じたヘンリー・フォンダもいいけれど、やはりこの映画を支えているのはモーリン・オハラの存在感。素晴らしい。 昔の廃盤ビデオや未DVD化映画がここに来て鑑賞可能になっていることが多くなっている流れでようやく見る事ができたこの映画、心が洗われますよ、という事で機会があればぜひ。
[ビデオ(字幕)] 8点(2021-03-11 13:50:09)
4.  スパルタの海 《ネタバレ》 
映画完成直後のスクールにおける死亡事故再発により、作品は上映中止。約30年間この作品は「幻の一本」でした。レンタル解禁を機に、何年かぶりに再見(初見は戸塚氏入所前に開かれた彼の講演会参加時)。戸塚ヨットスクールの日常を描いたルポタージュ的な話を想像していたが、家庭内暴力で入校させられた少年/スクール生の更生に熱心な校長戸塚を中心に描いたホームドラマだったのは正直意外でした。スクールにおいて死亡事故が発生している中で企画されたこの作品、たぶん監督西河やプロデューサー天尾は1. 家庭や教育機関、自治体が扱いきれなかった問題児の「受け皿」にスクールがなっている、という事実。2. スクールが生徒を更生する時に実施する「暴力」の意味=家庭内暴力/世の中には自分の及ばない絶対的な力がある、ということを身体で体感させ我慢することを覚えさせる・不登校児/体罰を与える事で生きてゆく力、「反骨心」を養う事を実践する、ということを示した上で観客にスクールの存在意義・教育のありかたについてこの作品で問題提議をしたかったのではないか、という気がしましたし、ゆとり教育がもたらした成果をニュースで目にしつつ、「体罰=絶対悪」ととらえる事はやはり出来ないのではないか、と考えさせられました。ヨットスクールのその後を描いた東海テレビ制作のドキュメンタリー「平成ジレンマ」と合わせてどうぞ。
[DVD(邦画)] 7点(2013-08-14 21:53:22)
5.  素晴らしき哉、人生!(1946)
人生には何一つ無駄な事はない。あなたがいるだけで、ほっとする。無駄になる努力はあるかもしれない、ただ目標に向かい進み続けろ。人より優れている必要はない、ただ心優しい思いやりがあれば。個人的には「スミス都へ行く」「或る夜の出来事」の方が作家キャプラの凄みを表して好きだけど、人間は性悪説の生き物だからこそ善意や思いやりは人の心に残るもの。この映画は絶対にクリスマスにレビューしようと待ちわびておりました。日本の騒々しいクリスマスにはぜひこの名作を!
[ビデオ(字幕)] 10点(2007-12-24 11:14:21)(良:1票)
6.  スタア誕生(1954)
この映画によってジュディ・ガーランドは「スタア『再』誕生」を果たすはずだった。にも拘らず彼女のパフォーマンスは評価されず。人によって「鑑賞するのに辛い映画」というのがあるだろうが私にとってはまさにこれ。点数はすべて彼女の最後の熱演によるもの。アカデミー賞協会のバカ!(ちなみにこの時の場景を描いた本として心に残るのはサミー・デイヴィス・ジュニアの本「ハリウッドを鞄に詰めて(早川書房)」。本当に切ない)
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-02-25 19:59:30)
7.  スウォーズマン/女神伝説の章 《ネタバレ》 
宝塚から流れる「男装の麗人」という描写に慣れている日本人からすればブリジット・リンの東方不敗はドンピシャなキャスティングでしょう。(個人的には「北京オペラブルース」なのですが)初めて行った香港旅行の最大の思い出はTV「笑傲江湖」を見る機会があり、男優が東方不敗を演じていた事です。後日読んだ原作もそんな感じだったのですが、山城新伍が女装したみたいでビックインパクトでした。そんな思い出。
[映画館(字幕)] 6点(2006-05-06 00:36:47)
8.  スティング
落語好きな私にとって「良い落語」というのはそのオチよりもそこに至るまでのプロセスが楽しめる事、という私なりの基準があるのですがこの映画に関してもそういった事が当てはまる。ワハハよりもクスクス、ニヤニヤの映画。
[DVD(字幕)] 9点(2006-04-29 20:48:19)
9.  スペースバンパイア
落ち着いて拝見するとこれ、トビー・フーパーの映画としては「悪魔のいけにえ」以降の彼の作暦上、良い仕事をしていると思いますが裸でねぇ。ええ、当時中学生の私も行きました。青春の思い出ですね。脚本ダン・オバノン(「バタリアン」)で音楽ヘンリー・マンシーニ(「ムーン・リバー」だよ、あの!)キャストもスタッフも粒ぞろいなのに、作品がこれでは監督の器の問題なのでしょうか。
[映画館(字幕)] 5点(2006-04-16 13:20:00)
10.  洲崎パラダイス 赤信号 《ネタバレ》 
別れた方が良いのは十分わかっている。お互い仕事は見つかったし、自分をちゃんと支えてくれるパートナーも出来そうだ。それに流れ流れた恋の行く末が悲劇となってしまった例をこの眼で見てしまったのだから、、、、でも別れられない二人。本当に忸怩たる思いですなコリャ。それでも赤信号を越え深川の洲崎門を離れていく二人の乗ったバスは素敵な未来へ向かって行くと信じたい! 90分にも満たない小品ですが私も好きです。
[DVD(邦画)] 8点(2006-04-14 21:26:22)(良:3票)
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