1. スラムドッグ$ミリオネア
近所の劇場で上映していたので観賞してきました。御伽噺と言ってもいいくらい,悪い表現ではうまく纏めすぎとも言えそうなほどの物語でした。主人公の幼少期から青年期までの人生を,クイズというメディアを用いて炙り出すという発想の良さや,純愛一辺倒にならずインドのスラムの悲惨さという社会風刺を込めた部分が,私はとても気に入りました。最新デジタル一眼レフカメラの動画撮影機能を駆使して撮られたともいわれるバイタリティに満ちた映像を見ても,本作が平凡な人生活劇に収まることなく世界的な評価を獲得したことに納得がいきます。個人的にはラティカの哀愁を帯びた大人びた風貌よりも,青年ジャマールの純粋さやひた向きさ,また彼の表情が持つあいくるしさのようなものにすっかり心を奪われてしまいました。最後のダンスもこの映画のもつ後味の良さを増幅させてくれたような気がするので,とても好きです。 [映画館(字幕)] 7点(2009-07-20 03:03:57) |
2. 素晴らしき哉、人生!(1946)
素晴らしい作品ですね。ベタすぎるほどの展開なので、この21世紀に作られていたら色々と賛否両論を呼んでいたのでしょうが、戦後間もないこの時代に作られていたことがよかったです。前半は確かに長かったですが(正直休憩を挟んだりもしましたが)、どうにもこの映画には必要な部分なのでしょうがないのでしょうか…それにしてももう少しコンパクトに描いてほしかったような気もします。しかしその前半部分の借りを一気にプラス無限大まで返してしまう後半の力には驚きでした。今まで積み上げてきたもの、失ってきたもの、周りの人や家族や、自分が生きてきたことすべてが愛しくなるような作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2007-02-15 02:02:32) |
3. スリーピー・ホロウ
現実世界とは完全に違った世界を提供してくれるのがティム・バートン監督の魅力の一つだと思います。この作品でもその魅力が充分に発揮されているのではないでしょうか。ジョニー・デップの小心者っぷりも面白いですが、謎解きなどということを考えずに見たのが尚よかった気がしました。ホラーというよりはファンタジー要素たっぷりで、エンターテインメントとして評価できる作品です。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-01-30 17:29:30) |
4. スウィート・ノベンバー
前半ですっかりありがち且つ強引なラブロマンスの像を印象づけられたせいで、いきなり後半から展開が変わったのでびっくりしました。全く予備知識なしで見たため、全部うまくいって終わるのだろうと思っていたので、思いもよらないラストがやけに心に沁みました。。こんなB級映画にやられてしまうとは…とも思いましたが感動したのが本音なので7点。エンヤの音楽も、音楽の方があまりに有名なために映画とマッチングしているかが微妙でしたが素晴らしかったです。 [映画館(字幕)] 6点(2007-01-26 07:20:31) |
5. スピード2
テレビの吹替で充分な作品でした。DVDのレンタル料金さえも惜しくなるような一作です。いくらキアヌに断られたと言っても、ここまで主役をレベルダウンさせてしまってはなるものもならなくなってしまうと思います。広いハリウッドなら他に誰か出演を受けてくれる人はいなかったのかという感じです。前作のような困難の連続がなく、やけに事態の解決にマイペースな印象を受けました。また前作を見ていても思いましたが、強引に止める方法しかヤン・デ・ボンは思いつかないのでしょうか。白い船が青い空と海の間に浮かんだリゾート的な映像の綺麗さだけが頼りです。前作と比較し過ぎてごめんなさいといった感じです。 [地上波(吹替)] 3点(2007-01-21 04:04:10) |
6. スピード(1994)
《ネタバレ》 スピード感溢れる映像と、緊迫感の滲み出るような演出のお陰でアクション映画の一級品として成り立っていると思います。私は割と地下鉄のシーンも嫌いではありませんが、働き盛りのSWAT隊員と初老を過ぎた爆弾魔の直接対決ならそりゃ勝敗は明らかだろとも思いました(その割にはデニスも大健闘)。あとはバスが途切れた道を飛び越えるシーンですが、あれはあれでありなんでしょうか。。ちょっと無茶しすぎな気がします。この映画を観て以来キアヌのファンです。ヤン・デ・ボンのように一発屋にならなくてよかったです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-01-21 03:46:08) |
7. スタンド・バイ・ミー
大人が束の間子供心を取り戻せる作品ですね。あのくらいの年頃はやけに年齢の上下関係などに縛られ、それでもやけに背伸びをしたい気持ちでいっぱいだった気がします。ひとつひとつのエピソードが子供らしさをいい意味で象徴していますが、反面やはりスティーブン・キング原作の薫りが随所に感じられ、しかも名作と名高い前評判のもと拝見したせいもあり映画としてあまり後味がよくなかったです。しかし画面全体からありのままの少年たちを写し出したキラキラする何かが存分に感じられ、音楽も素晴らしかったのは確かでした。 [ビデオ(字幕)] 4点(2007-01-15 01:55:09) |