1. セルラー
《ネタバレ》 以前このサイトで投稿者の数に比べて平均点の高い作品をラインナップしておいたリストから、これと「シビル・アクション」をレンタルしてみました。「シビル・・」は途中で飽きてしまったんですけど、これは抜群に面白かった。意外な掘り出し物。小道具の生かし方のうまさ、これでもかという小ネタのかわいらしさ、面白さ。昔「ダイハード」を初めて見てワワクしたときのような爽快感がありました。前半では「見終わったら見たことを忘れちゃいそうなくらい軽いなあ」と思っていたのですが、どうしてどうして、終盤のオチのつけどころもよかったですね。それに、見逃した小ネタあるかもしれないと思うと、また見ちゃいそう。 [DVD(字幕)] 8点(2012-05-23 23:23:37) |
2. 接続 ザ・コンタクト
「8月のクリスマス」でハン・ソッキュが気になりだした頃、立て続けに見たうちの1本。何かよくわからないけど、才人ぽい監督だなあ、と思ったことを覚えています。かーすけさんが書いてるように、ネットを通じての関わりを10年も前に題材にした、その進取性は今思うと、すごいですね。しかも、見た当時は気づきませんでしたが、同時期に見た「カル」と同じ監督だったのね。チャン・ドンゴンの「恋風恋歌」も同じ監督ですか、そうですか。見てみようかな。韓国ドラマは嫌いと言いつつ(あの画面のテラテラ感はほんと苦手)、ほんとに韓国映画には才人が多いと思うわ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-03-11 13:47:35) |
3. 青春の蹉跌
黄金コンビであった二人は、原作から換骨奪胎して、まったく新しい青春映画をつくりあげたと思います。パチパチパチ~。ところで、なるせ君、みでじゃ君なら、ア●ゾンとかいう遠い密林のような名前のところへ行っちゃったから、もうたぶんここには帰ってこないと思うよ。もし会いたかったら、自分からア●ゾンに探しに行ってみたら? 8点(2004-07-05 01:10:58) |
4. セントラル・ステーション
明らかに「グロリア」をパクっている。しかし、同じ映画からのパクリでも「レオン」が圧倒的に支持されているのと比べたら、やや嫌われてますねえ。なぜなんだろ。主人公の変人ぶりはいい勝負だと思うけどなあ。まあ「レ」はアクション映画で、こちらは人間ドラマ。監督は、より現実的な「グロリア」を作ってみたかったのかもしれない。「グ」も「レ」もいわば「ファンタジー」だからね。本作は、感動系映画として期待するのではなく、都会で屈折してしまった初老の女性が人間性を回復していくロードムービー、と見たほうがいいかも。人間てやり直しはきくもんだよ、というメッセージを感じました。 7点(2004-04-04 12:54:24) |
5. 戦場のピアニスト
ピアニストは何もできずに逃げ回っていただけじゃないか、という批判は、当たらない。 彼が「逃げ回る人」であること、直接的に世の中に役に立つ職業というわけではないけれど、私たちにとりなくてはならない「芸術家」であること。この2つは密接にからまりあって彼というキャラクターをさらに強化し、強いメッセージを発しているのだと思います。命の大切さ、と一言で言いきってしまったら陳腐ですが、でもやっぱりそういうことかと。死というものは何も生み出しません。その事実が誰かに何かを訴えるとしても、受け止める側は、常に「いま生きている」側。この映画は、見る人自身の死生観によって、受け止めが極端にかわってくるのでしょう。私にはとても共感できる作品でした。そうそう、配給会社のつける邦題にはひどいものが多いけど、これもその一つ。日本でも、原題「The Pianist」で公開してほしかったと、切に思います。 [ビデオ(字幕)] 9点(2004-03-09 01:05:17)(良:1票) |
6. 戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河
太平洋戦争のさなか、反戦活動につき進んでいく若者と、その恋人である資産家令嬢を、山本圭と吉永小百合が演じていて、まあかなりはっきり覚えている場面といったら、それっきりないんですがね(アセアセ)。そもそも、社会正義に燃える若者に寄せる乙女の純情、はいいとしても、なんでそこに「身分違いの恋」という、わざとらしいダブルのハンディキャップを設定しなけりゃならんのだ、という感じも、今から思えばするのですが、まあ歴史ロマンの趣きを演出するには、このくらいのクサさは、目をつぶるしかないかもね。戦後の左翼活動などとは一線を画す、当時の彼らの立場や、特高、と言われた警察の取り締まり担当者との攻防、なんていうのは、私ら昭和20年代生まれは、それでも言葉としてけっこう読んだり聞いたりしたものでした。事実として、監獄での拷問で亡くなった活動家、後遺症でからだがおかしくなった人についての記録は、残されています。そういう出来事の参考資料として、こういう映画は残っていってほしいなと思ったりします。先日、満州事変前に、中国に渡っていった、というエピソードの出てくる映画を観ていて、そのことが意味することを若い人はなかなか気づきにくいようだな、なんて思ったもんでね・・。ところで、この第2部と1部は確実に観た記憶があるものの、第3部完結篇を観た記憶がどうもありません。あらすじを某サイトでチェックしたら、山本圭が演じた反戦活動家は、それでも軍隊に入り、しかし戦地でさえも、己の意思を貫いた、という記述が(まるで先日のTV「さとうきび畑・・」のさんまさんみたい!?)。いやはや、ということは、やっぱり間違いなく見なかったようです。完結篇を観てないとは何でやねん、と自分につっこんでも仕方ありません。どなたか、3部を観た方がいらしたら、レビューしていただきたく、何卒宜しくお願い致します。 7点(2004-01-15 18:04:11) |
7. 戦争と人間 第一部 運命の序曲
『人間の條件』が有名な五味川純平原作で、社会派監督の山本薩夫、主な出演者は旧・日活のスターたち、という、今思うと、少し変てこな取り合わせの映画ですが、学校の授業では常にカケアシになってしまう現代史、特に太平洋戦争に突入する頃の旧満州での出来事について、少しは人並みの知識や感心が出来たのは、この映画のおかげかも。満州での利権拡大をもくろむ伍代家という実業家一家の人々を中心に、色々な人がうごめく群像劇であります。何か、今じゃありえないような、当時のオールスターキャスト、という感じで、石原裕次郎も出ていたようです(実は失礼ながら、さっぱり記憶になかったのだけど)。後で、総チェックしていただいて、主な出演者を追加していただいたら、それだけでものすごいスペースをとることになるんじゃないかしら。浅丘ルリ子が気性の強い長女役だったです、確か。この頃はお人形のような彼女が好きじゃなかったのですが、最近はその魅力を再認識しているところです。若い人にもファンが増えているとか。また観たいのですが、ソフトが市販化されてないようだし、観るチャンスがなかなかなさそうなのが、残念。 7点(2004-01-15 17:45:04) |
8. セックスと嘘とビデオテープ
一定以上の歳になった大人なら、誰もが何らかの心当たりを持ちそうな、そういう作品。でも人と一緒に見るのは、気まずい。ビデオはともかく、映画館には、一人で行く人よりカップルや友人と行く人のほうが圧倒的に多いと思うのだけど、皆さんはこういうのを誰かと一緒に観られるのかしら? 「アメリカン・ビューティー」でも思ったことだけれど、不思議で仕方ないです。私には絶対無理なんで。 7点(2004-01-08 19:17:43) |
9. セレンディピティ
《ネタバレ》 途中までガハハハと笑えてたのに、最後にふつうの恋愛映画になっちゃって、つまらん。男がいたのかー、エロ女だったのかーとガックリしてたくせに、再会したら、何も聞かずにただニッコリ抱き合う、って変だよー。どうせなら、「あの男は何だったんだよー」とすねさせて、あと一ひねりさせたらいいのに。こういう「ありえない」系は、最後まで「ありえない」ことからくるオモロサを徹底してほしいもんです。 [映画館(字幕)] 5点(2003-11-19 17:07:02) |
10. 青春デンデケデケデケ
うーん、いまいち。キャストはよかったと思うけど。50年代生れに言わせていただくと、微妙に60年代らしくないんですよ。髪型とか。風景もやけに今っぽかったし。演奏もねえ、シロウトなりのかわいい演奏、というんでもないと感じてしまいました。中途半端。高校生たちのバンドものの邦画といったら、「ロックよ、静かに流れよ」という名作があります。あれと比べちゃうとねー。あっちのほうが、くっさいんだけど、何か熱いのよ。こっちは熱が感じられない。 [ビデオ(邦画)] 6点(2003-09-25 19:32:25) |
11. 青春の殺人者
親殺しの描写が実に凄惨だったけど、何か切実感にあふれていた印象もあって、今の時代にこそぜひ見直したい映画の一つだと思います。後半、うろ覚えだから違っているかもしれないけれど、水谷豊と原田美枝子の逃避行のようなシーンも、わるくなかった気がする。原田の胸がすごく大きかったので、同性だけどちょっとドキドキしながら見た覚えもあります。<追記:このレビューを書いたあとでビデオを発見し見てみました。逃避行シーン、ありましたね。その部分の映像は凄惨なシーンとは裏腹に、とても幻想的で、きれいでした。ラストもよかった!という記憶でしたが、今回もまたそう思いました。親を殺した青年に共感する、というのも、何か説明のつかない感情なのですが、やっぱり私は好きですねえ、この映画。若い頃見た印象そのままで、古さを私自身は感じなかったし、あまり精神的に成長してない?自分も感じることとなりました。もちろん殺人、それも親殺しが肯定できるはずはないけど、(映画の)経過の中で彼がもつ感情に、圧倒的に寄り添える自分がいるのです。多くの人の心の中にもあるであろう、親に対する「勝手に産んだくせに・・」という感情があるからかもしれません。但しとことん厭世的なニュアンスではなく、妙にすがすがしいというかフシギな魅力があります。私は読んではいないのですが、中上健次が書いた原作の持っている力によるところが大きいのかもしれません。> 8点(2003-03-21 04:53:09) |