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1.  ゼロ・ダーク・サーティ 《ネタバレ》 
アメリカの報復行為に関して私は断固としてアメリカを支持したい。復讐は意味がない、憎しみは憎しみしか生まないなんてありきたりな言葉で、アメリカを批判するほうがむしろ滑稽だ。拷問シーンを見てもCIAを批判するつもりはない。むしろ、「早く吐きやがれクソ野郎」とCIAを応援していた。法律を無視するテロリストに、法律で対抗するのは限界があるのだ。法律を超越するCIAのような機関が日本にあっても良い。最近は元CIA職員によって、CIAの法律無視ぶりが露見されているが、今回この映画を観てCIAを見直した人も多いだろう。日本を代表して私がCIAをぜんぶ赦す。テロの怖さは姿が見えないことだ。たまたまビンラディンが「ラスボス」という扱いにされたが、実際に彼にそれほどのリーダーシップがあったかどうか疑問を感じる。女性CIAはドラゴンクエストのようにラスボスを倒したら、とたんに敵がいなくなり、世界が平和になると思い込んでいた。しかしラストシーンの彼女の涙の意味、ラスボスを倒しても、「世界」は昨日と変わらないという現実─。喜びがないという悲しさからの涙だった。しかし私自身、それがむなしいとは思わない。ビンラディンを殺害した瞬間、ネイビーシールズを褒めたい気持ちになったし、気分が高揚した。日本人の私ですらそう思うのだから、アメリカ人の場合は特にそうだろう。ビンラディン急襲作戦は批判されるべきではないし、これはアメリカバンザイ映画でもない。またその逆の反戦映画でもない。右の映画でもないし左の映画でもない。アメリカ人の、アメリカ人による、アメリカ人のための映画だと感じました。なお、映画の視点は必ずしも多方向である必要はありません。私は主観的映像を肯定します。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-16 14:32:45)(良:2票)
2.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
アバターのキャッチコピー「観るのではない。そこにいるのだ」←この思想こそが、3D映画の原点だと考えます。3D映画の最大の魅力は、「奥行き」という技術によって、観客にその場にいるように疑似体験させることです。ゼログラは観客に宇宙を疑似体験させることに成功した。そのために物語性を排除し、登場人物を2人に絞り、主観映像にこだわった。そのアイデアを高く評価したい。そしてたった2人の主観的視点から映し出される宇宙映像、その表現力が素晴らしい。まるで美術館で絵画を鑑賞するような感覚でした。宇宙旅行を疑似体験したいならば、なにを差し置いても3Dで観てください。宇宙酔いでゲロを吐いても3Dで観てください。テレビは無論のこと、2Dで観てもまったく意味がありません。なぜならば、3D技術の奥行き効果が、宇宙の深さと恐怖を演出しているからです。そしてこれはストーリーを楽しむための従来型の映画ではありません。その点を見誤ると、不満しか残らず、自己満足な低得点をつけて終わりになってしまいます。最近は自己破産した俳優でも宇宙旅行がいける世の中だ。しかし、さすがに宇宙漂流は体験できない。主観的な視点を通したプチ漂流は、レベルの高い拷問を受けているような恐怖でしたが、貴重な体験でした。まさに観るのではなく、わたしは宇宙にいました。映画館から出て、太陽の光を浴びたら、自分が宇宙から帰還したように感じます。やっぱり地球は素晴らしい。太陽ばんざい。人知れず、映画館を出てから感動しました。
[映画館(吹替)] 9点(2014-01-05 10:53:10)(良:3票)
3.  世界にひとつのプレイブック 《ネタバレ》 
人生は長い。だからいつ、どこで、誰に、心を傷つけられるか分かったものじゃない。主役の男女のことを精神病という偏見で観ると本質が見えなくなる。2人は我々と違う人種ではありません。2人の身に起きたことは誰にでも起こりうることなのです。男は妻を失い、心を傷つけられ、妻は夫を失い、心を傷つけられた。人を本気で愛したことがありますか?傷の浅い人間は、傷の深い人のことを変人と呼んだり、共感できないとほざくのです。今の世の中は健常者のふりをして、傷ついて心が壊れた人間に変人というレッテルを貼って嘲笑する連中があまりにも多すぎる。2人が精神安定剤の話題で盛り上がるシーンは笑えますがこの映画を象徴する印象的なシーンでした。男は自分が傷ついて心が壊れていることに気が付いていなかった。だから女を見て「お前と一緒にしないでくれ」と言った。反対に女は心の傷を自覚していた。だから同じ心に傷を持った男の痛みを理解できた。この世の中は、心が傷ついた人間に対して厳しい。「お前ら弱者なんて理解できない。変人ヤロウ、イライラする!」そう言って0点をつけるそんな世の中だ。しかし心の痛みを持った人間は同じ痛みを持った人間に対してやさしい。女は無意識に男を救おうと考えていた。この時点では愛はなかった。しかし男を救ったことで、女は自分自身を救うことにつながった。男と女が必死に努力した結果は5点だった。それでいいと思う。人生は5点ぐらいがちょうどいい。そう考えたら楽になれる。2人は幸せに生きていけると思います。 しかしこの映画は10点でした。
[DVD(字幕)] 10点(2013-09-22 12:02:28)(良:2票)
4.  ゼロの焦点(2009) 《ネタバレ》 
そろそろ広末さんの女優としての力量を認めても良い頃だと思いませんか?タイタニック時代のケイト・ウィンスレットも最初は観客から批判されていましたが、今では誰もが認める大女優になった。女優広末の「個性」は、ケイトと非常に似ている。彼女は観客の好奇の眼に晒されながらも、それを呑みこみ、どんどん大きく成長している。本作品の見所は、一流の女優同士の共演にあります。そして実力どおりの、いやそれ以上の力のこもった演技を魅せてくれました。石川県民の1人として深く感謝いたします。広末、中谷、木村、まさにこの3人の名女優たちは日本の財産です。ところで石川には金沢と能登というまったく性質の違う2つの土地があります。金沢は言わずと知れた百万石の聖地ですが、能登は暗いイメージがある。海面から漂う不気味な光は、人を死に誘うと表現した芥川賞作家もいました。日本海は常に不機嫌で、すきさえあれば、人を海の中に引きこもうと、虎視眈々と狙っている。「ゼロの焦点」というタイトルは、光り輝いているのに心の内部に暗さを隠し持った人間の内情を意味しており、そのなかで金沢と能登は光と影の暗示として表現されているのです。そして能登がなにゆえに、日本文学の舞台として、多くの純文学の作家たちから愛されてきたのかといえば、人の暗部を描くとき、能登はメタファーそのものになるからです。断崖を突き抜ける極寒の強風、敵意を持った冷たい日本海、漆黒の闇夜から聞こえてくるさざなみの唄、風光明媚な孤高の漁村。1000の言葉を駆使するよりも、彼らを能登という舞台に立たせ、そして歩かせるだけで、それぞれの登場人物が抱える心の暗部が見えてくる。スバラシイ。単純な娯楽映画には決してみられないこの表現力、この世界観、これぞ純文学、これぞ芸術、これぞ映画の本質、見事としか言いようがない。映画史上稀に見る秀逸な世界観を作り出したことを高く評価したい。私は本作品が世界に向けて発信する日本の代表作品になっても決して驚かない。 
[映画館(邦画)] 9点(2009-12-23 21:31:25)(良:3票)
5.  ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 
起業家というのはエコ運動とは無縁の究極のエゴイストじゃなければ務まらないと思っているので主人公ダニエルがことさら悪人には見えませんでしたし、むしろ大阪商人だったらこの程度は「ふつうじゃん」と言うだろうなと思いながら観ていたのですがしかし人格者と言われている松下幸之助や風雲児と言われている本田宗一郎や天才ビルゲイツのように美化されて偉人化されていないぶんだけ、主人公の人物像に客観性を感じることができて好感が持てました、何よりもこの男は自分の行動のすべてが「目的」にむかっていることに気がつき、気がついたとたんにこういう男が成功するんだよなと考えだすと、そういうことができない自分と比較してブルーになったり尊敬したりしてました、自分の行動のすべてが「目的」に関連づけされていることをコンセプトっていいますがダニエルは子供を拾ったことも、子供を捨てたことも、人を殺したことも、大ッ嫌いな教会で土下座して懺悔したことも、すごくむかつく若造の神父に殴られて半笑いを浮かべてられるのもぜんぶ自分の目指す「目的」のために害があるか有益なのかを判断しての行動であり、こういうのってなにげにすごいと思います。成功する人間は自分の行動のすべてが「目的」の方向にむかっている人だと改めて思いましたしそれは仕事時間だけではなくて食事の時間も睡眠の時間もすべて含まれるわけで、怪我の多いプロ野球選手はこのコンセプト意識が欠如しているから練習と試合の時間帯だけを一生懸命頑張ればあとは銀座で夜遅くまで騒いでいても大丈夫だろうと考えているからだめなわけで逆にイチロー選手のようにもしここで睡眠時間を1時間少なくしたら明日の試合の集中力は5%落ちて怪我をする確率は1%増えるというふうに計算する人が最後には勝者になるのだと思います。ようするに成功する人はどこまで自分の行動を「目的」と関連付けすることができるのか?ということが言いたかったわけですね。「成功」とは偶然の産物ではなくすべて必然なのだと改めて思いました。 
[DVD(字幕)] 7点(2008-10-24 21:51:57)(良:3票)
6.  戦場のアリア 《ネタバレ》 
今日は特別の日だから殺し合いはやめて一緒にお酒でも飲みませんか? しかし明日になったら殺し合いを再開しましょう。 この話は本当に美談なのか? 戦争には決められたルールがあります。人質に暴行してはいけません、奇襲攻撃をしていけません、など。しかしルールどおりに割り切って行えないのが戦争だ。なぜなら戦争はスポーツではないからです。それがクリスマスの日だけ戦争をやめようと提案して、休戦できてしまう事実に私は感動するよりも、空恐ろしさを感じた。 スポーツ競技のようにフェアに戦争を休止できるならば、戦争もサッカーのように前半と後半にわけて戦えば良いのだ。こいつらのように戦争をゲーム化している感覚が恐いのです。クリスマスの日に戦争がしたくないなら、バレンタインデーも戦争をやるな。睡眠不足になるから夜8時過ぎも休戦しろ。クリスマスという言葉の美しさに誤魔化されがちですが、もし私が司令官でも、こんな感傷的な休戦をしている偽善を見せられたら、懲罰をしてやりたくなる。そもそも戦争という名目で、大量虐殺を一生懸命やっている連中が、アーメン、なんて祈って、泣きながらオペラなど聴いてどうする。
[DVD(字幕)] 3点(2006-11-25 18:39:38)
7.  セイブ・ザ・ラストダンス 《ネタバレ》 
たしかにストーリーは巧いと感じたけど、映画というよりはレベルの高いTVドラマという印象を受けた。 娘が母親を失ってハーレムという未知の世界に乗り込むという興味深い設定なのだからもっと「ハーレム」という世界を中心に見せて欲しかった。 娘のほうも、踊りはうまいのだけど自分の父親に対する思いを見せて欲しかった。 ただ黒人ばかりのハーレムの学校の雰囲気が少し分かっただけでも良かった。黒人と白人の恋愛の難しさばかりではなく、バレエとヒップホップというまったく違う価値観を持った男女が結ばれるというストーリーはやはり新鮮だった。 もう少し面白くできたような気がするだけに学園ものとして終わってしまったのが残念。
7点(2004-11-19 20:30:26)
8.  戦場のピアニスト
主人公が泣いたり、わめいたり、キレたりせずに、淡々とこの状況を乗り切っていくところがリアリティがあった。 極限状態の人間は、無感情になるのだと思う。 涙が出るうちはまだ人間は絶望していない、人間が本当に絶望したら涙も出なくなり無気力・無感情になる。  ドイツはこれからもアカデミー賞にネタを提供し続けるだろう。(シンドラーのリスト、ライフ・イズ・ビューティフルなどもこの悲劇を映画化して受賞している)   ナチスの行った行為は、永遠の人間ドラマとして語り継がれるはずだと思う。
9点(2003-12-14 00:11:31)
9.  セブン 《ネタバレ》 
げっ!あの犯人がケビンスペイシーだったのか。今気づいた。ケビンに興味を持ったのは最近だし、この当時は、この映画はブラピしか見えなかったからなぁ
5点(2003-10-15 03:55:03)
10.  セント・オブ・ウーマン/夢の香り 《ネタバレ》 
この盲目のオヤジは、確かにガンコで救いがたい愚か者です。しかしこの人は最後の最後まで、ずっと女を求めていました。 それがとても嬉しかったです。タンゴのシーンは、踊りの素晴らしさよりも、アルパチーノの顔の表情が実に感動的でした。 「俺は女が、むちゃくちゃ大好きなんだよ!」というオーラが漂ってきます。 顔だけで「生きている」ことの素晴らしさを見事に表現しています。 私だったら、いくら女性と踊るのが好きだと自覚していても、「好き」という気持ちを押し隠そうとするかもしれません。羞恥心のために。 これほど自分の感情をオープンにできる人を羨ましく思います。「人間は欲がなくなったらオシマイだ」と言わますが、「女が好きでどうしようもない」という感情は本当はすごく素晴らしいことだと思います。 それだけでも「生きる原動力」になりえます。 それが男だと思います。 最近の世の中は、自意識過剰になっている人が増えてきて、愛するよりも、どうやったら愛されるだろうか?なんて姑息に計算をたてて考える人が多いような気がします。  この映画を観て、目からうろこが落ちました。私は映画史上まれにみる偉大なスケベオヤジをアルパチーノが演じたと思っております。 このアルパチーノ演じる盲目の男は常に女を愛し、人を求めていました。 この映画の邦題は「夢の香り」になっていますが、直訳は「女の香り」です。 目が見えなくても、女の香りだけは、無くなったりはしません!彼は自分の境遇に絶望はしても、最後まで「人を求める気持ち」を失わなかったのです! 人間が、つらい人生を生きていけるのは、他人を愛せるからです! 私もいっぱい人を求めたい。そしてその嬉しさを感情に表現したい。愛したい。フーアー!
[映画館(字幕)] 10点(2003-10-15 03:50:58)(良:1票)
11.  セブン・イヤーズ・イン・チベット
チベットは秘境みたいで楽しそうだ。こういう風景を物語を通して感じることに映画の素晴らしさを感じる。
8点(2003-10-15 03:47:06)
12.  セイント
変装ねぇ・・。あの大使館に逃げ込む場面がなんか緊迫感があって良かったな。
5点(2003-10-15 03:45:24)
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