1. 戦場のピアニスト
★十数年前に「アンネの日記」を見たとき、その内容がそれまで抱いていたイメージと全然違っていて、えらく拍子抜けしたのを覚えている。実際に見るまで僕は、屋根裏で一人、息を潜めて隠れている少女の話だと思っていたのだ。しかしそれは僕の勝手な思いこみで、彼女には家族もいるし、恋だってする。不幸ではあったが、けっして孤独な少女の話ではなかったのだ。さて、この映画は言わば「シュピルマンの日記」。とくに後半はまさに彼が一人で隠れている話。これはかつて僕がアンネに抱いていた思いこみそのものだった。誠に勝手ながらこの映画によって、かつて粉砕された先入観に対して、リベンジを果たした気分になった。 ★アウシュビッツは出てこないし、派手なドンパチも無い。それでも人は理不尽に殺されてゆく。戦争ではなく、占領後の日常風景として。この歴史的事実はもちろん以前から知っているし、いろいろな映画で見てきたけれど、それでも見るたびに切なくなる。 8点(2004-12-18 16:47:52) |
2. 世界残酷物語
★見た理由:テーマ曲の「モア」が好きだったから。 ★流血シーンが苦手な私にとって、イタリアの血まみれ祭は見るのが辛かったが、キツいシーンはここだけ。お薦めは「女だけの水難救助退会」。世界のいろいろな生活習慣が紹介されているので、社会科の教材としてお薦めです。(嘘) 5点(2004-11-30 17:15:36)(笑:1票) |
3. 戦艦ポチョムキン
「オデッサの階段」ッ!このシーンに尽きます。息をするのも忘れて見入ってしまう。 またこのような虐殺を乗り越えて新しい体制が出来た後も、その新しい政権によって同じような虐殺が繰り返さていくという現実を、僕ら後世の人間は知っている。そのことがなんともやりきれない。 9点(2004-04-17 21:57:16) |
4. 1999年の夏休み
なんとも透明な世界の映画です。彼らの仕草やものの考え方、傷つき方はどうみても少年のそれではありません。少年だとしたら失笑してしまう場面が多々あります。ですから僕から見た彼らは女の子なのです。しかしそれでも100パーセント女の子だと言い切れない部分があり、それがなんとも不思議な世界を作り上げています。 とても好きな映画なのですが気に入らない点が一つ。それは初老の男の声です。不思議な世界から一気に現実に戻された上に、「あぁ~、このコたちも何時かはオヤジになってしまうんだな」と思い知らされるのはとても辛いです。 ところで「トーマの心臓」はこの映画の原作ではありませんし、原案でもないと思います。あくまでインスパイアされて作った映画という位置づけで見るのをお薦めします。 10点(2004-04-17 21:38:26) |