1. 世界の果てという名の家
《ネタバレ》 思いっきりネタバレしてしまうと、SFではない、とも言えそうな気が。男の見る世界はVRの世界。現状でも実現出来そうな世界。成長した息子の姿だって徹底的に情報収集すれば、現在の技術でも実現可能なんじゃないかと。要はどこまで主人公についてリサーチ出来るかってことのような気が。息子と触れ合う触覚だって実現出来そう。 とは言え、僅か10分余りの尺でアイディア一発(失礼!)で撮り上げたところは賞賛すべきじゃないかと思います。この物語を長尺化して魅力的に制作出来るかと言うと難しいかも知れませんが、短編作品としては十分楽しめました。 強いて個人的に言えば、イマイチ納得出来ないのは招かねざる客である息子を殺害した犯人への対応。逃げてる場合じゃないでしょ。徹底的に復讐すべきでは?などと思ってしまうのは無粋なだけかなぁ? ラストの男泣きは何だったのでしょう?復讐出来なかった自分の情けなさ?世界の果てと言う名の家への出禁になってしまった、つまりは息子に会えなくなってしまったことへの絶望?うん、やっぱりもう少し尺延ばして語って欲しかったような気もします。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-06-01 18:13:53)《新規》 |
2. 聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
《ネタバレ》 何から何まで胸クソ映画でした。てか、それは決して批判的な意味ばかりではない、と言うか殆ど褒め言葉ですが。 冒頭のブラックアウトしたスクリーンとそれに続く心臓外科カットが長過ぎな感じがして、もうその段階でゾワゾワとイヤな予感が。そして登場する主人公家族の何とも歪でドンヨリした空気。親子関係も夫婦関係も異様。純粋な意味での幸福感は微塵も感じられない家庭。 更に火に油を注ぐかの如く登場する謎の少年。このバリー君、他の出演作品でも振り撒いていた不気味と言うか正体不明というかそんなオーラが出まくりですね。「ロブスター」の時の雰囲気をそのまま持って来たような一触即発イカレオヤジを演じるコリンさんを完全に食ってる感じです。勿論、相変わらず美しく体当たり演技的なニコールさんも食われ気味。怪演と言うか怪優と言うか、存在感は半端ないですね。 二人の子どもたちもこれまた素晴らしい。ともにグリーン系の瞳が美しく、この微妙な役どころをキッチリこなしてくれて「子役」という雰囲気はまるでない存在感です。 そして何より、全編通してカメラワーク、BGM、照明などなど、この監督の非凡さというか胸クソセンスが全開です。見事に惹き込まれました。 当たり前かもしれませんが、現実的に考えてはいけないのでしょう。答えがあってないような寓話。言ってみれば人間の本性というか暗黒面をテーマにしたダークファンタジーですね。個人的には大嫌いだけれど好物という矛盾したジャンル。大嫌いだけれど気に入りました。 ところで、「聖なる鹿」ってシンプルにボブなのかなぁ?オヤジが居ないときは主の如しと言われてもいたし。なんとなく宗教的な色彩を感じないこともなく、それとも長女の書いた作文の題材がモチーフ?タイトルの謎はイマイチ解けず仕舞いです。 [インターネット(字幕)] 7点(2025-05-27 00:26:52) |
3. 聖なる証
《ネタバレ》 ホラーかなと思い観始めたらサスペンス?ミステリー?観応えのある1本でした。 ただし、実はこれ、時代背景を現代に持って来たら全然違う作品になってしまうというか、1860年代のアイルランドがどういう社会だったのか、英国との関係はどうだったのか、恥ずかしながらほぼ何も知らないままに観たので、実は半分も理解出来ないままに観てしまったのかも知れません。 何より、宗教的視点に欠けている自分。母親が何故にそんなことをしてまで娘を尋常ではない状況のもとに生活させたのか。おそらくは(間違いなく)娘より深い愛情を注いでいたであろう失った愛息への思いにオーバーラップする母親の宗教観。否、実のところは彼女の宗教観は自らの感情を封印するための手段に過ぎないのかも。 歪んだ愛情。地域社会の求める宗教観。合理的で科学的な思考に基く倫理観で対峙する看護師。とは言え人間的な弱さに脆さを隠し切れない看護師。そして、何より誰より主人公の少女。純粋に信仰心のみによって事態を受け入れているとは到底思えない辛い過去。登場人物の一人ひとりが丁寧に描かれていきます。 ラスト。純粋なハッピーエンドとは少しばかり、否、大いに違いますね。この3人を待っているのは新天地での幸福に溢れた生活なのか。3人それぞれの思いはこれで全て切り替えられたのか。残された者たちはこれからどんな思いで生きて行くことになるのか。考えさせられました。 [インターネット(字幕)] 8点(2025-01-25 10:29:52) |
4. 戦慄怪奇ワールド コワすぎ!
《ネタバレ》 シリーズ未見です。アマプラの「あなたへのおすすめ」に引っかかって尺も手頃なので鑑賞。てか「あなたへのおすすめ」がこの手の作品ばっかってのも反省すべきか…。 いきなりのロケ地にビックリ。誰がどう見たって「カメ止め」じゃん。これはフィルムコミッション?と思ってググったら案の定水戸市のそれでした。そりゃ安くて(タダ?)低予算作品には最適ですね。有名観光資源を抱える自治体の提供となれば「映え」は必至ですしね。監督は「カメ止め」と同じロケ地を敢えて選んだということは否定しているようですがホントかな? で、肝心の中身はと言うと、シリーズ未見なだけに主要人物のキャラ設定には始めのうちはちょっとばかり引きましたが慣れてくれば「味」なのですね。心霊現象と見せかけてパラレルワールドとタイムリープをかき混ぜて、でもキチンと心霊現象も盛り込んで、更にはかなりマジな編集技術で纏め上げるとは。いや期待以上(正直全く期待してませんでしたが)の仕上がりじゃないですか! 正直なところこの手のジャンルは見るは見るけど途中でリタイアして本サイトでレビュー出来ないことが殆ど。でも、この作品に関しては大いに楽しませていただきました。本筋は結構悲劇だったりするので大笑いして観てはいかんかなという道徳観や倫理観が邪魔する?否、全く邪魔されることなく楽しめました。あくまでもおふざけとしての評価で6点献上します。 ちなみに、だからと言ってシリーズ過去作を観るかな?というと多分観ないかも。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-01-12 09:48:44)(良:1票) |
5. 全部ゲームのせい
《ネタバレ》 何だか冒頭から波長が合わないというか…思えばドイツのコメディ作品て観たことがあったっけか?そもそも少なめのドイツ発コメディ作品。ドイツ映画と言うと社会派ドラマであれアクションであれホラーであれ、硬派で重厚な作品ばかりが思い浮かび、「コメディあったの?」と言うぐらいに記憶が曖昧です。多分、ほぼ観ていないと思います。 台詞も仕草も肝心のストーリー展開も、何かこうスッと入って来ないのです。独特の雰囲気と流れがあって、一つひとつのギャグと言うかジョークと言うか、それがどうして可笑しいのか解るには解るんだけれど素直に笑いに結び付かない感じ。これはもう感性に合わないとしか言いようがないです。 当然の如く登場人物に全く感情移入出来ず、観終わってしまえば最新の六角形ラケットを手にした全裸卓球だけが記憶に残っている状況。 決して面白くないのではないと思うのです。ただ、自分には合わない。あ、それって面白くないってことですね。3点献上です。 [インターネット(字幕)] 3点(2024-10-21 22:23:09) |
6. セーヌ川の水面の下に
《ネタバレ》 フランス版サメ映画です。ヒロインを始めとする登場人物の行動には只管「?」ばかりで感情移入は困難ですし、よくよく考えれば非現実的で不合理、科学的に語っているようで非科学的、そんな展開ばかりですが、正直なところエンタメ作品として大いに楽しめました。 サメ映画に求められる?笑える要素は登場しません。只管マジに作られています。アメリカ発の(B級或いはZ級の)サメ映画とは随分違いますね。相当トンデモない話なのに意外なほど緊迫感があって、「んな訳ないだろ!」と笑い飛ばす感じではないです。 どんなジャンルの作品でもお国柄というのを感じることは多々あります。本作ではサメ映画としてそれを感じた次第です。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-06-29 18:52:30) |
7. Z Bull ゼット・ブル
《ネタバレ》 ひさびさに観た荒唐無稽のアメリカンコメディ。好きですね~、こういう作品。あまりにストレートな原題に較べ、ダジャレ的にひとひねりした邦題も良いです。 細かく書き連ねるとキリがないので省略しますが、グロも含めたベタなギャグの連発が楽しい。爆笑シーンは意外と少なめですけれど、微笑・苦笑は中だるみなく続きます。いくら正当防衛?と雖も少々殺し過ぎのような気もしますが…。 ただし、道徳観や倫理観を持ち出すとダメですね。冒頭の企業宣伝カットからして短いけれど結構キツイ。そのまま反戦とか社会風刺的な笑いで攻めて来るのかなと思いきや、そうでもないような?まぁ全編通じてその香りは続くのですが、メインテーマかというよりもあくまでも背景に過ぎないような。兵器産業や銃社会への批判として見ることも出来るのですが、その線で真向勝負しているとも思えず…。 真剣に観る作品ではありませんし、観る人を大いに選ぶ作品ですが、個人的には十分楽しませていただきましたので甘めの7点献上です。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-18 11:11:12) |
8. 譫妄(TVM)
《ネタバレ》 ヒロインの精神科医と容疑者の関係には、ハンニバルシリーズのクラリスとレクターの関係を連想させるものがあります。ただし、こちらの二人はともに精神に脆弱さを抱えていて、いつ崩壊してしまうのだろうかという不安定さを常に伴っています。 尺の短さ故か、カーラのトラウマとなっている幼少期の出来事や、スパンガーの連続犯罪の実態は具体的には描かれていませんが、物語の流れと展開の中で朧気ながら浮かんできます。この辺りは脚本の妙なのかも。 落ち着いた重厚な雰囲気が如何にもドイツ映画(オーストリア合作ですが)という味わいで、これがTVMと思うと我が国のTVMにももっと期待したくなります。 ただ、愛娘を軟禁している経過(地下室の必要性あるのかしら?)や、肝心のオチの部分(それって何かしらの罪に問われるんじゃないかと)など、結構な「?」が残ってしまい、消化不良は否めません。 なので、思わぬ佳作との出逢い、と思いつつも6点献上止まりです。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-12-12 23:39:31) |
9. セミマゲドン
《ネタバレ》 Z級作品もあまりにZ度が過ぎると一周回って良作になってしまう。てな法則があるならば、この作品こそ一周回ってA級作品かも知れません。 物語そのものは、環境汚染が生物の突然変異を生み人間が襲われるというモンスター系パニックホラーの王道を行く内容。汚染されたセミが産卵し、7年後に地上に現れた時には更なる変異を見せる、というあたりはアイディア的には優れているとも思えます。 突然変異はアジアの某国産の超強力合成化学肥料の散布によるもの。パッケージに記された強烈な効果を更に上回る劇毒度。この肥料と言い、主人公の愛車と言い、作品中でアジアは結構な言われようをされてます。いや、具体的には二国だけですが。 他国をコキおろして笑いを取るというやり方はあまり好きではありませんが、作品全体に散りばめられた恐ろしくチープなCG、子どものヤッツケ仕事のようなセミのフィギュア、オヤジギャグどころではないコテコテのギャグなどなど、あまりに強烈なチープ感(良く言えば手作り感)に溢れていて不適切表現など霞んでしまいます。 グロかったり、キモかったりの連続で観る者を相当選びますが、単に低予算だからこその出来栄えではないだろう、つまりはこの出来栄えこそが製作者の意図するところなのかも知れません。そのZ級感を楽しむための作品、と割り切れば意外に楽しめるかも知れません。 とは言え、個人的には甘くしても2点献上が限度かなという作品。でも、超ストレートな原題「セミ!」よりも、ハジケきった邦題「セミマゲドン」を始め、配給元の宣伝文句やら動画の遊び感覚はなかなかのもの、との思いから1点プラスの3点献上です。 [インターネット(字幕)] 3点(2022-09-16 13:21:55) |
10. 世界沈没(TVM)
《ネタバレ》 大西洋の島が海中に没したことで発生した150メートルを超える巨大津波がニューヨークを飲み込み、街を瞬く間に壊滅させる。地球に衝突する軌道にある小惑星に対し人類は核ミサイルによる迎撃を試みるが、小惑星は粉砕して複数の巨大隕石となりベルリンに降り注ぐ。航空機の乗客が持ち込んだ殺人ウィルスが凄まじい勢いで流行し、イギリスで過去に例を見ない多数の犠牲者が発生する。ある企業の先進的実験により地球上にブラックホール状の現象が生じてしまい、やがて全てを飲み込んでしまう。 4つの異なる大災害(少なくともひとつは完全に人災)による人類滅亡の物語が、4つ目の物語に登場する主人公をキーマンとして順番に語られるという構成は、フィクションに寄ったモキュメンタリ―とでも言いましょうか。流石のBBCさん、TVMですが劇場版にひけを取らない迫力とスピーディな展開で、飽きさせることなく一気に語ってくれます。 感染症の大流行や突然の天変地異、予期せぬ戦乱等々。混沌とした今日だからこそ、それぞれの物語が真実味をもって伝わって来ます。ただし、4話目は少々SF色が強めで違和感を感じてしまいますけれど。 本国でのTV放送の際にはもうひとつ火山のエピソードがあったということですが、インターネット配信版(DVD版)ではカットされています。折角制作したのですから全編配信して欲しかったところです。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-07-17 23:40:24) |
11. ZMフォース ゾンビ虐殺部隊
《ネタバレ》 ストーリーの背景はゲームを原作にしたあの大ヒット作品に類似。ただし、こちらはかなり雑。何故ルーマニアの田舎町なのか?何故都合よくそこに原発があるのか?米軍は秘密裏に町全体の抹殺を図るべく精鋭部隊を送り込むのだが、精鋭たちはあっさり軍に騙されて利用されただけ。主人公を始めとして人物描写は結構頑張ってるけれど、百戦錬磨の精鋭の割にショボい。そのうち一人はどう見ても日本人じゃないお姉さんが日本人という謎の設定。挙句の果てに終盤に合流する民間人が大活躍。時間設定もかなり雑。タイムリミットが意味をなしていない。そして、ラスボス登場は予定調和か?とは言え、そこそこ見入ってしまったので3点献上。決して極端につまらないわけではないのだけれど、兎にも角にも雑な一本でした。あ、お子さんと一緒に視聴する際には、残虐シーン以外にもエンディングのサービスカットにご注意を! [CS・衛星(字幕)] 3点(2019-01-14 02:20:24) |
12. セッションズ
《ネタバレ》 少ないレビュー数ながら、ほぼ語り尽くされてる感じなので余計なことは書きません。 人間と愛について、これほどまでに等身大に描ききった作品に久しぶりに出逢いました。「18禁」になってますが、観終わった後、清々しくもあり心を洗われるような感動があります。 シェリルと夫との関係やマークとスーザンの生活、ヴェラのマークへの感情などなど、もう少し語って欲しかった部分は多々ありますが、そのあたりは観る者の感性に委ねて正解かも。 障がい者と性と言う切り口で、実話ベースとは言えある意味レアケースを題材に、各方面の批判も恐れず創り上げたスタッフに賛辞を献上します。 追記。エンドロールに「Cat Terry」と猫の名前が。そんな小技にも和みますね。 [DVD(字幕)] 9点(2015-03-01 15:08:25) |
13. セール・オブ・ザ・デッド
傑作かと思いきや、イマイチ感が付きまとい、かといって少なからず満足感の伴う不思議な作品。突っ込みどころはいろいろありそうだけれど、妙に納得感があって自然に楽しめてしまいました。18世紀を舞台に選んだのは正解ですね。現代劇だったとしたら、多分ダメです。 この緩~い時間の流れは一瞬イギリス映画を思わせますが、これってアメリカ映画なんですね。のんびりと過ごすひとときには良いかも。 [DVD(字幕)] 6点(2014-06-07 21:13:31) |
14. SAFE/セイフ
《ネタバレ》 あいかわらずカッコいいの一言に尽きるジェイソン君。落ちぶれて場末のファイターとしてこき使われていたって全然カッコ悪くない。自殺企図で地下鉄の駅に突っ立ってたって、飛ぶ込むなんて思えないぐらいに生命力が溢れ出てる。 そこに現れる天才中国人少女。始めのうちは全然カワイク思えないけれど、徐々に輝きを増してくる。地味ながらなかなかの存在感を放つ子役です。 なんとなく「レオン」っぽく戦い抜く男と少女。ワンパターンになりそうなジェイソン・アクションですけれど、今回もカッコいい! [DVD(字幕)] 8点(2013-11-09 19:05:55)(良:1票) |
15. 世界侵略:ロサンゼルス決戦
《ネタバレ》 ひさびさに全編興奮状態維持で観ることが出来たアクション巨編。これは観る者を選びますね。皆さんのレビューがそれを物語ってます。嫌いな人は徹底的に嫌い。好きな人は徹底的に好き。両極端です。SF作品や戦争映画では珍しいパターンかも知れません。 でもって私は後者。これは面白い。そもそも理屈も何もあったもんじゃない設定。殺るか殺られるか。銃弾が降り注いでいても走らなきゃならない時は必死で走る。突っ込まなきゃならない時はひたすら突撃。振り返らなきゃならない時は全力で引き返す。このシンプルさが寧ろリアリティを引き出しているわけで、シューティングゲームを1時間50分見せられているのとはちょっとばかり違う。主人公の抱える心の重荷についてのエピソードも、他の登場人物たちの描き方も、全てに程好く加減されてて好感が持てます。 アメリカ万歳的であっても、主人公は死なない的であっても、これはこれでいいのです。もし、このシチュエーションでもっと理にかなった作品にしようとして、登場人物の描き方や宇宙人の描き方なんかを理詰めで組み立てようとしたら、ものすごく重苦しい作品になってしまうでしょうね。私はこっちの方がはるかに映画的に正解だと思うなぁ。 ま、強いて言わせてもらえば、この邦題はないでしょう。こりゃチープ過ぎ! [DVD(字幕)] 9点(2012-05-01 01:30:13)(良:2票) |
16. 戦場カメラマン 真実の証明
《ネタバレ》 一人の戦場カメラマンの苦悩を表すと同時に、戦火の中で究極の決断を迫られる医師の苦悩も表されていて、リアルな戦争映画として重いテーマ性を感じさせられます。 親友が帰国しないあたりでは、もしかしてありがちなアレ系(本人は気づいてない系)の作品?と思いましたけれども、決して単純に気付いていない、気付きたくない、みたいなことではなく、恐怖あるいは苦痛が限界を超えた時に、人の心は一体どのように耐えていくのか?どのように振舞わなければ壊れてしまうのか?PTSDには様々なパターンがあるのでしょうけれど、ひとつの典型を見せつけられた思いです。佳作ですね。 ただ、邦題はどうなのかなぁ?原題の方が作品のテーマに相応しいような気がします。 [DVD(字幕)] 8点(2012-01-08 19:17:39) |
17. 戦場でワルツを
《ネタバレ》 ラストの実写がどうにも納得出来ないです。曖昧な記憶部分をアニメで、完璧に取り戻したクリアな記憶は実写で、という住み分けなのかもしれませんが、アニメとしての表現が出色のものと思えるだけに、最後を実写に頼った(?)ことが只管残念。なので6点献上に留めます。 ただ、ここで語られている体験は非常に説得力あるものと感じます。ストーリーと展開は決して斬新ではありませんが、アニメならではの表現力で力強く訴えてきます。 この戦争体験の語り口、狂気の捉え方は、評価の分かれるところでしょう。そもそも戦争への考え方自体、十人十色、千差万別。万人に受け入れられる主張などあり得ません。だから、主張そのものよりもテーマとして評価するのが妥当なのかもしれないです。 そんな訳で、「戦場でワルツを」踊る心理がどうこうと言うよりも、「戦場でワルツを」踊ってしまう現実が悲しいと思いました。 [DVD(字幕)] 6点(2011-04-30 17:51:12) |
18. 正義のゆくえ/I.C.E.特別捜査官
《ネタバレ》 日本人である私には、我が身のことととして理解することは十分に出来ないながら、現代においても、いや現代だからこそ起きている不法入国、不法就労の現実を考えさせてくれる良作です。 ただ、予告編を観ている限りではオムニバス的な作品とは思えず、観始めてから少しばかり違和感と言うか消化不良感を感じました。ハリソン・フォードの存在感をもう少し前面に押し出しても良かったかな?それとも、主演をもう少し地味な役者さんにするとか?邦題にも少しばかりズレがあるような…。 [DVD(字幕)] 7点(2011-04-10 13:23:26) |
19. セブンデイズ
スピード感のある展開。事件の意外な結末。良くまとまった作品ですね。 法廷シーンや登場人物の処遇に少々非現実的かな?という部分がなきにしもあらず。韓国だとそれってあり?みたいな感じがしないでもありませんが、あくまでもエンターテインメントと割り切って観れば許容範囲かな? [DVD(字幕)] 7点(2010-11-10 02:12:49) |
20. センター・オブ・ジ・アース(ブレンダン・フレイザー主演)
《ネタバレ》 幼き日に鑑賞した旧作の「地底探検」。そして、その感動を胸にハヤカワSF文庫で読んだヴェルヌの名作。今ほど情報過多でなかった時代には、「地底には別世界がある」という設定は、海中や宇宙と同様、子ども心にとって実にロマンでした。 で、これは別物。皆さんご指摘のとおり、内容云々ではなくてテーマパークの3Dアトラクションそのもの。映画としてはプロトタイプって感じですかね。 なので得点の付けようもなく、かといって小学校低学年ぐらいなら大喜びしそうなので最低レベルとも言えず、5点献上です。 [地上波(吹替)] 5点(2010-07-11 12:25:27) |