1. 青天の霹靂
《ネタバレ》 いわゆるタイムリープもの。 でもタイムリープにありがちな、過去改変による現在への影響などは一切なし。 もちろんパラレルワールドもなし。 主人公の晴夫が自分のルーツを知る旅に終始しています。よってわかりやすいシナリオです。その辺は好印象。 ただ、『劇団ひとり』『大泉洋』『柴咲コウ』ときたらどうしてもコメディを期待してしまうわけで、そのあたりはちょっと期待とは違いました。 多少コメディテイストな部分はありますが、これはもうヒューマンドラマでしょう。 自分を捨てたと思っていた母は、実は命をかけて自分を生んでくれていた。 ろくでもないと思っていた父は、自分のために優しい嘘をついていた。 そのオチそのものは美しく、嫌いではないです。 個人的には、晴夫には過去の世界に逃げ込まず、現在のほうで人生逆転してほしかったものです。それだけの実力はあるわけですから。 もちろんそーゆー趣旨のドラマでないことは重々承知しているんですけど。 変にサクセスストーリーの空気も出すから、期待しちゃうじゃないですか。 現在の世界に戻ってきた晴夫が一念発起してもう一度夢に向かう姿も見てみたかったです。 [ブルーレイ(邦画)] 5点(2024-05-28 01:49:02) |
2. ゼロ・ダーク・サーティ
《ネタバレ》 実話ベースのサスペンス。この映画を見ると、本当にビン・ラディンなる人物がいたのかどうかさえ疑わしくなってきますね。まあいたんでしょうけど・・。最後のマヤの涙の意味がわからなかったのですが、他の方のレビューを見て、ああ、そうゆうことかと。私はなんだか歪んだ解釈をしてしまいまして。もしかしてビン・ラディンの死体じゃなかった、あるいはどちらかわからなかった。けれど、もうこの件に終止符をうちたいマヤ。最後の最後で事実を捻じ曲げて終止符をうってしまった、そのことへの贖罪と後悔の涙なのかと思っちゃいました。これ以降アルカイダのテロって収まったんでしたっけ?う~ん・・・。 あまりにリアルに作ってしまったため、鑑賞者にはやや不親切な仕様になっているかもしれません。 衝撃的なテロシーンを定期的にはさむことで、緊張感が途切れることはありません。ですが物語の大部分を占めるのは会話劇。会話の中だけで重要人物の名が飛び交い、会話の中だけでストーリが進行していくものですから、難解な推理小説を読むときのような集中力を要求されます。けっして気楽に見られるようなエンタメ重視の映画ではないでしょう。 ラストのビンラディン襲撃のシーンは絶賛されている方が多いようですが、暗い画面が苦手な私にはいまいち。だってもう真っ暗なんですもん。建物の中に入ってからはそこまで気にならなくなりましたが。屋外では暗すぎて、正直どーゆー状況なのか、何をしているのかがわかりづらい。まあリアルではありますが・・・。 ビン・ラディンの潜伏先であるパキスタンが最前線。そこで共に働いていたCIAの同僚や上司たちは、ワシントンに戻ったり殉職したりでどんどん現場を離れていきます。伝記的な要素もある作品なので仕方ありませんが、そういったこともあって登場人物に感情移入しづらい部分はありました。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-10-02 14:47:57)(良:1票) |
3. セブンス・サン ~魔使いの弟子~
《ネタバレ》 こーゆーRPGのような世界観の映画はハズレも多く、それがわかっていてもついつい見ちゃうのはドラクエ世代だから。ファイナルファンタジー世代だから。このジャンルには心惹かれてしまいます。それに、『この映画はアタリかも』という期待もあります。 で、今作。数多くある同ジャンルの映画のなかでは、どちらかと言えばアタリだと思います。もちろん、この世界観にそもそも興味がない人にまでウケルような、そんな映画ではございません。 野良ゴーストやボガートなどのクリーチャー。あ、スケルトンナイトみたいなのに襲われるのも良かったですね。まぁなぜそんな物騒なモンスターが家のなかにいるんだとか、そーゆー疑問はすべてスルーされていますが。 魔女軍団も、熊や豹や竜に変身したり、4本腕で剣をふるったり、個性あふれるキャラクターたちがなかなか楽しませてくれます。 ヒロインが魔女サイドってのも良い。禁断の恋的な盛りあがり。自分が思春期だったらドキドキしちゃうシチュエーションです。 ヒロイン魔女アリシアを演じるアリシア・ヴィキャンデルさん、とってもキュートで魅力的。主人公のトム・ウォードを演じるベン・バーンズも負けず劣らずのイケメン。まさに美男美女カップル。ラストは二人別れちゃいましたが、アリスがトムの馬に跨って、2人で旅に出るような終わり方でも良かったんじゃないかな。 この映画で難を言うなら、魔使いグループの攻撃のレパートリーの乏しさでしょうか。杖や剣をぶん回すだけ。ときどき投げナイフ。多種多様な魔女軍勢やクリーチャーたちに対し、あまりに貧相。終盤は、ペンダントの力と杖の力がリンクして、杖でつつくだけで魔女の幹部たちが灰になっちゃうチート仕様。せっかく訓練のシーンに尺をとったのに、戦闘面での主人公の成長が感じられないのでカタルシスに欠けます。最後、杖の先からぼっと火が出て、マルキンを焼くシーンはチャッカマンかよって思っちゃいました。 主人公たちにもう少し華のある闘いをさせてほしかったものです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-09-19 14:31:51) |
4. SAFE/セイフ
《ネタバレ》 ジャンル『ステイサムもの』っていうのがあってもいいくらい、ステイサムものです。 今作のステイサムは特に強く、もはやスティーブン・セガールがのりうつっています。 愛する妻が殺されて茫然自失とはいえ、冒頭やられっぱなしになっているのが不自然なほど驚くべき強さです。 ただ前半にフラストレーションをためるだけためさせといて、後半いっきに爆発させるっていうストーリー展開は嫌いじゃないです。 これぞ間違いなくカタルシスを感じる王道パターン。 まさかの四つ巴戦ってのもアツい。チャイニーズマフィア、ロシアンマフィア、悪徳警官ズ、ステイサム(笑)。 ステイサム以外は全員悪党。更には市長、その市長とつながっている刑事、少女に親切にした女性も全員悪党。 いや、きもちいいくらいクズばっかりです。 対するステイサムは一人。仲間、協力者、いません。しかも女の子のお守りつきのハンデマッチ。 にもかかわらず、銃で、素手で、時には皿で、どいつもこいつもかたっぱしから皆殺し。まさに鬼神のごとき活躍ぶり。こーゆー感じのスカッとするアクション映画はスティーブン・セガール以来でしたので、とにかく爽快でした。 不満点を挙げるなら、チャイニーズマフィアのボス、ロシアンマフィアのボス、汚職警官のウルフ警部、市長、この人たちが生き残っているのが気に入らない。せめて妻を殺したロシア野郎くらいはやっちゃって良かったんじゃない?セガールなら有無を言わさず秒殺なのに、ジェイソン・ステイサム演じるヒーローは、妙なところで紳士的なのが玉に瑕だ。 ちなみに市長がウルフ警部に、ルークがいかに凄い人物か説明するシーン。『切り札』みたいなこと言っちゃって。ここ、個人的に胸アツ激アツシーンです。だからてっきり市長はルークの理解者で味方になるかと思いきや、こいつはこいつで悪い奴なのね。残念。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-07-16 20:56:05)(良:1票) |
5. セントラル・インテリジェンス
《ネタバレ》 ドウェイン・ジョンソン好きです。彼が出演している作品も好きなのが多いです。 でもこの作品はいまいちノれません。 高校時代にいじめられていた少年。華麗な転身。いじめっ子たちを見返すサクセスストーリー?全く予備知識なしで見始めたので、最初の印象はこんな感じです。ところがCIAが出てきて命を狙われて、なんか予想と全然違う方向へ物語は進んでいきます。 スパイだとか裏切りだとか。ノリは軽快なアクションコメディなのに、ストーリーはごちゃごちゃしてわかりづらい。CIAの女捜査官が黒幕かと思ったら結局違うみたいだし。 ボブ・ストーンの目的がわからないまま、話がどんどん転がっていくので気持ちがついていきませんでした。 いじめられっ子がCIAの凄腕エージェントになる。これだけでどう料理したってわくわくした展開になりそうなのに、せっかくの題材が全然クローズアップされません。 この映画に足りないのはわくわく感とカタルシスです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2022-04-10 19:53:37) |
6. 世界一キライなあなたに
《ネタバレ》 なんといってもエミリア・クラークが文句なしにかわいい映画。彼女を見るだけでも価値のある映画と言えそう。 ただストーリーがね。映画に夢や希望、爽快感やカタルシス、そういったものを求める人とは相性が悪そうです。 なにせ順風満帆の人生を送っていた好青年が半身不随になっちゃうわけだから、もう最初から希望がありません。しかも某類似作品のように友情メインのサクセスストーリーではなく、自殺を望み、それを周りが容認しちゃう結末。正直見たくなかったです。こんな話と知っていたら、たとえエミリア・クラーク主演と知っていたとしても見ていなかったでしょう。 ただもしかすると、エミリア・クラーク演じるルー目線で見る人にとっては、ある種シンデレラストーリーになる可能性もあります。見る人によって、悲劇にもなるしサクセスストーリーにもなりそうです。 ルーとウィルが少しずつ親密になっていく様子は心温まります。個人的にはどんな未来が待っているにせよ、二人がそのまま結ばれて共に歩んでいく夢を見せてほしかったものです。 ウィルが『自分が何でもできた頃。その頃に行ったパリの思い出を現在の自分で上書きしたくない。』というシーンがあります。それをあえて、ルーと二人でパリを訪れることにより、『更に幸せな思い出で上書きしてくれた』ぐらいの甘々な落とし方だって別に良かったんじゃないだろーか。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-04-03 14:57:25)(良:1票) |
7. セシボン
《ネタバレ》 完全フィクションの作品かと思いきや、セシボンは実在する音楽鑑賞室でした。『ツインフォリオ』も実在した音楽デュオでした。そのメンバーも一部は実在していたみたいでした。いろいろ驚きです。 驚きと言えば、2人の天才シンガーではなく、後から出てくる一般人のオ・グンテがまさかの主役ってのも少々意外。で、こいつがヒロインとくっつくんかーい、というのがこの映画のミソなんでしょう。いや、完全わき役臭漂うこの人が中心人物でしたってのはちょっと斬新かもしれないです。 で、セシボンを結成するまで。そしてヒロインと徐々に親密になっていくまで。この辺りはサクセスストーリーのノリで面白かったのですが、そこから先が少々タルい。ちょっと音楽も恋愛もダラダラしてきたなーってところで、急展開。 いやー、もっと頭からっぽにして見られるタイプの映画と思っていたので、なかなか切ない気分にさせられましたね。ただただ爽やかで甘酸っぱい青春サクセスストーリー、ではないのです。後味苦めです。 韓国映画にはもしかすると多いのかもしれませんが、この映画も過去と現在で役者が入れ替わります。私はこれが苦手で途端に感情移入しづらくなってしまいます。どー見ても同一人物に見えないんです。 それでも真相が明らかになったとき、いつの間にか自分も泣いていました。若干もたつく感じはあるものの、意外と名作かもしれないです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-09-18 02:37:21) |
8. 世界にひとつのロマンティック
《ネタバレ》 こんなに適当なタイトルにはなかなかお目にかかれないっていうくらい邦題が適当。原題の「アクシデンタル・ラブ」はひねりはないが単刀直入でずっと良いです。こーゆー作品があると、毎回原題もチェックせにゃいかんかなと少々うんざりした気分になります。 主人公のアリスはスコット、ハワードという二人の恋人候補がいます。こーゆー場合たいてい一人がダメ人間で本命を引き立てるものですが、今作ではなぜか二人ともダメ人間。スコットもハワードも自分の事しか考えていません。似たり寄ったり。なぜスコットがダメでハワードがOKなのか、説得力のある展開がほしい。こーなってくるとアリス自身も男を見る目がないダメ女に見えてしまって、魅力半減です。ですので、ラブコメとしては正直いまいち。 で、もうひとつのサブストーリー。月面基地計画法案の代わりに医療保険法案を通すというラブコメとは全然関係のないこっちのストーリーがちょっと面白いです。一般市民のアリスが演説を通して人々の心をわしづかみにしていく様子が楽しいです。 ただこちらも最終的には医療保険法案は否決され月面基地計画の法案が通っちゃう。終始クソ女でクソ議員のパムが殺人を犯しているのに野放しのまま。どーにもすっきりしないもやもや展開。ハワードの裏技で結局医療保険法案も通って、最後は無理やりみんなをハッピーエンドにしちゃいましたが、なんか残尿感の残る感じ。 つまらないとは思いませんが、納得いかない展開や無駄なエピソードがあるのは間違いない映画。 ハワードの森の儀式のエピソードなんてまじで不必要でしょ。 [DVD(字幕)] 6点(2021-08-30 13:31:30) |
9. セイフ ヘイヴン
《ネタバレ》 そんなに期待はしていなかったのです。実際中盤あたりはケイティとアレックスの恋愛がちょっと退屈に感じていたくらいです。で、いつの間にかラストの手紙で号泣。良い映画じゃないですか。 ケイティが何か犯罪を犯して逃げ出すオープニング。すでにここからミスリード。何も考えずに見ていたので、二段構えのサプライズに驚嘆。ケイティは暴力夫を殺して逃げてきたもんだとばかり思っていたので、予想もしなかった真相が判明して、俄然面白くなってきます。 で、2つめのサプライズ。これも驚きはしましたが、個人的には無いほうが良かった。せっかく手紙の感動に浸っていたのに、水を差された気分です。ただ、それくらい『手紙の伏線』と『手紙のシーン』が完璧だったわけです。このサプライズはちょっと演出過剰と言いますか、サービスが過ぎた気がしますね。 ただそういった気になる点をふまえても、この映画は良い映画です。 ミステリーに好奇心を刺激され、ふれあいドラマで人の優しさを感じ、サスペンスでハラハラする。最後には大きな感動と幸せな余韻。大変良質なサスペンスドラマに仕上がっています。 [DVD(字幕)] 8点(2020-04-25 14:33:20)(良:1票) |
10. センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島
《ネタバレ》 『ここはどこだ』『何とか脱出しなきゃ』の1作目に比べると、雰囲気やや穏やかめの2作目。違うのは子どものほうが主体で冒険に出ようとするところ。ハンクは完全に保護者状態。行方不明の祖父は超元気だし。だから終始ほのぼのとした雰囲気が漂っています。人数が多いのもピクニック感を増していますね。 よって、『脱出のハラハラドキドキ』はトータルで見れば前作のほうが上。どちらも子供向けではありますが、強いて言うなら前作のほうがスリリングでサスペンスフルかと。 ですが、神秘の島の造形、美しさ、そして生物の多様性、こういった観点からすると今作のほうが見応えがあります。 まずは巨大な竜巻。これが圧巻。 島に着いてからは巨大とかげ。巨大卵。巨大アリ。巨大な蜂。巨大な蜘蛛。巨大な電気ウナギ。直接襲ってくるものは少ないですが、そーゆー生き物達が席巻している世界にいるというだけでわくわくするのです。 アトラクションムービーとしての完成度は高い。間違いなく子供は喜ぶはず。 映画として見ると・・・何しろ前作以上にストーリーがあってないようなものですからね。島にやってきてすぐ島が海底に沈むピンチに遭遇するなんて、相当いい加減なシナリオ。それに、海に沈んだり浮かんだりする島に、これだけ多種多様な生き物が繁栄できるわけがありません。 まあ、まともに考えれば頭がおかしくなるので、あくまで空想ファンタジーアドベンチャーとして、ありえない世界を楽しもうって気持ちが大事だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2020-02-08 04:53:00)(良:1票) |
11. センター・オブ・ジ・アース(ブレンダン・フレイザー主演)
《ネタバレ》 まさにジェットコースタームービー。いや、アトラクションムービーか。 ストーリーは単純明快。地球の中へレッツゴー。地底探検?そして脱出。ただそんだけ。 ショーンの父であり、トレバーの兄であるマックスの存在。それが多少のドラマ性をもたせているものの、やはり添え物程度の扱い。メインストーリーは地底に行ってからで、そっから先はひたすら『間欠泉に乗って地上へ』を合言葉にひたすら突き進むのみ。地底の温度がほっとくと活火山の影響で90℃を超えてしまうので、蒸し焼きになる前に脱出するというタイムリミットつき。ですがこの時間制限も添え物程度の設定で、効果的とは言えません。 やはりこの作品の見所は『ありえない地下世界』。これにつきます。『地底の海』『巨大磁石の浮かぶ岩』『凶暴な魚』『巨大水棲生物』『巨大食虫植物』『恐竜』これを子供の頃に戻って純粋な気持ちで楽しむ。これはそーゆー映画です。そして私はこーゆー演出、映像が大好き。なのでトロッコに乗ってからエンディングまで、もうこの世界感にどっぷりと浸るのでした。 この年代の作品にしては映像がチープで作り物感満載なのも逆に味があります。 無駄なエピソードを一切省き、子供が飽きないように作られているテンポの良さが実に良い。 ただ、最初の感想に戻りますが、これは『映画』というよりは『アトラクション』でしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2020-01-27 12:20:23)(良:1票) |
12. セブンデイズ
《ネタバレ》 ちょっと豪華な火曜サスペンス劇場といった雰囲気。吹替えで見ちゃったのでなおさら。 『誘拐された敏腕弁護士の娘ユニョン』『犯人の要求はある人物を無罪にすること』で、その人物は連続強姦魔。前科ありで、しかも強姦した相手を殺しちゃってる鬼畜。こいつがどう見てもクロ。そしてクズ。この人物を僅かな日数でどうやって無罪にするのか。娘はどこなのか。二つの事件、調査を同時進行で行うので、サスペンス要素はてんこ盛り。それなりにハラハラできます。 ところが途中でちょっと中だるみ。なぜでしょう。次々出てくる容疑者との追いかけっこに、ちょっと疲れちゃったのかもしれません。また、『娘を誘拐した犯人』と『連続強姦魔を無罪にしてほしいその動機』が途中で読めちゃったので、中盤以降は答え合わせをするような気持ちで見たのも緊張感を削いだ一因かも。 『どうせ娘は殺されない』とタカをくくっていたので、トランクケースに入れられていたのにはビックリ。 最後まで見て、ユニョンを誘拐した犯人に同情する気持ちもなくはないです。ですが殺された女性にも『ドラッグ』『私生活の乱れ』などの落ち度があり、そんな子供に育てたのは親の責任。にも関わらず完全な被害者づら。で、無関係な人間の幼い娘を誘拐。あまりにも身勝手で、やはり同調はできないですね。 [DVD(吹替)] 6点(2019-09-12 10:29:16) |
13. セブンティーン・アゲイン
《ネタバレ》 『17歳の頃に戻って人生をやり直す』、タイムスリップ、もしくはバタフライエフェクト的映画かと思っていたのですが、体だけ17歳に戻るという設定。つまり、周りは何も変わらないわけです。だから、『自分の人生やり直す』とか、『未来を作り変える』とか、そーいった話ではない。 いじめられっ子の息子を助ける。息子の才能を伸ばす。娘とクズヤローとの交際をやめさせる。奥さんとの関係をやり直す。『人生失敗した』と思っていた男が、『実は失敗なんかしていなかった。大切なものを手に入れていた。』と気付くまでの物語。 体裁はコメディタッチでポップで楽しく。でもその中身は、真面目で道徳的なホームドラマ。 連続ビンタのシーンでは笑いを誘い、手紙を読み上げるシーンやクライマックスでは感動の涙を誘う。笑いと感動のバランスがとても良いですね。 ただ、あまりに毒がなさすぎで、パンチに欠けます。その分、カタルシスも弱い。弱いものいじめのスタンが、結局懲らしめられないまま放置ってのも、消化不良の一助となってしまっています。 決して悪くはない作品。でも、『何か惜しい。何か足りない。もう一押し。』って感じが残ります。 後味はすっきり爽やか。良い感じです。 でも営業トップの職場をやめて、高校バスケのコーチ就任だと収入は激減なんじゃ・・・と、余計な心配をしちゃいますね。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-07-10 14:12:34)(良:1票) |
14. セレニティー
《ネタバレ》 全くの予備知識ナシで鑑賞。もうスターウォーズのパクリかと思うくらいテイストがそっくり。それとも『スペースオペラ』というジャンルは似るものなんでしょうか。SWと違うのはカンフーの達人が出ることくらい。 リバーのよくわからない超能力は『フォース』みたいだし、同盟軍のリーダーはダースベーダー的立ち位置。マルコムはまんまハン・ソロだしね。 まあ、面白ければパクリでも何でも構わないのですが、最初の1時間がとにかくワケがわかりません。こーゆー世界観を0から構築するような映画は、もう少しわかりやすくしてほしいものです。 テレビドラマシリーズの完結版とは存じませんでしたが、だとしても、最初の30分くらいで『どんな世界で』『どんな人たちで』『どういうパワーバランス』なのかをわかるようにしたほうがいいです。 リーヴァーズだかリーバイスだか知らないけど、このアーマードゾンビみたいなクリーチャーは結構良かったですね。ホラーとSFは意外と相性が良いです。そんで、『ミランダの秘密』ってのが、まさに『イベント・ホライゾン』と同じ演出。でも好きな演出なのでOK。 なので、なんだかんだ言っても、序盤はともかく中盤以降、飽きはしませんでしたね。終盤はSFの高揚感と、サスペンスホラーの緊張感を立て続けに堪能できるので、特に良い。 ただ映画として最初から最後まで面白かったかと言えば、それはどうでしょう。マルコムの元カノらしき人は、その存在価値を疑うほど中途半端な役割だし、ウォッシュの死は後味の悪さを残します。ドクターは死んだかと思えば生きているし、ジェインは後半見せ場なし。 個性的なクルーをたくさん用意したのはいいが、それぞれの魅力を十分に引き出せていない感じがします。 リバーは『フィフスエレメント』を彷彿とさせるキャラ設定。もう終盤は『全世界への中継』なんてどーでも良くて、リバーがいつ無双モードになって、アーマードゾンビたちを蹴散らしてくれるのか、それだけを楽しみに見ていました。 結果、無双モード、ご馳走様でした。なかなか良かったです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-05-11 03:09:54) |
15. 世界最速のインディアン
《ネタバレ》 う~ん、長い、長いですよ。どう考えても要らないシーンやエピソードが多すぎるよ。こんなに尺が必要だったのか、はなはだ疑問です。 『レース会場へ行き、レースに参加することがいかに大変だったか。』それが伝わってくるから、ラストも感動する。それはそうかもしれません。ですが、その大変さは演出で見せてほしいものです。ただ尺を長くし、無用なエピソードを詰め込むだけでは、さすがに芸が無い。私は前半で疲れちゃいました。 ただ淡々と続く『出来事の羅列』。進まないストーリー。人と人との触れ合いは表面的。もう言っちゃなんだけど退屈。 ラスト盛り上がるのですが、『やっと着いた。早くレースやってくんないかな。』って思いに心が支配されちゃってて、今いち感動には至らず。やっぱ『テンポ』『リズム』『スピード』『バランス』は大事だと思います。 良かった点は、出会う人が皆親切で、心がほっこりすること。 ただしラブホに案内したタクシー運転手と花を10ドルで押し付けた女は意地悪でしたね。 アンソニー・ホプキンス演じるバート・マンローのいたって自然体な人柄も抜群に良かったです。 『人間の魅力』は満喫できる作品ですが、ストーリーはつまんない映画です。 実話ベースだって、映画にする以上、人に楽しんでもらうための工夫は必要ですよ。 [DVD(字幕)] 6点(2017-06-11 11:53:29)(良:1票) |
16. 11'09''01/セプテンバー11
《ネタバレ》 【イラン】・・・子供達にとって見たことがない出来事は無いものと同じ。彼らにとっての『世界』は周りの日常のみ。そしてその日常の中にも等しく『死』が存在することを表現できている。映画としてのパワーは足りない。5点。 【フランス】・・・聴覚障害の女性とそのラブストーリー、その世界とテレビで起きている出来事の対比が凄まじい。7点。 【エジプト】・・・最も多角的な視点で物事を捉えている。『民主主義の国は国民にも責任がある』というのは正論だが、その正論をもってテロを肯定することはできない。6点。 【ボスニア】・・・ちょっとよく状況がつかめない。予備知識が必要。3点 【ブルキナファソ】・・・貧しい国では、遠い国で起こるテロより、喫緊で切実な課題が山ほどある。そんな国では、テロの首謀者ですら、子供達の夢や希望をかなえるための対象となってしまう。6点 【イギリス】・・・予備知識が必要。2001年9月11日のテロでは被害者であるアメリカも、1973年9月11日では加害者で、他国民の命を大勢奪っているという痛烈なアメリカ批判。ただ、それをこのタイミングでするのはどうかと思う。表現方法も、映画というより説明不足なニュースのよう。4点 【メキシコ】・・・断片的に切り取った映像、ニュース、被害者達の声を媒介に、圧倒的な臨場感と存在感を生み出すことに成功している。改めて同時多発テロの凄まじさを感じる。8点。 【イスラエル】・・・マスコミ批判?ちょっと何が言いたいのか最後までつかめなかったが、タイプ的にはイランに似ているのかも。説明不足。5点 【インド】・・・アメリカ在住のイスラム教徒が半年にわたって受けた迫害の物語。実話であり、わかりやすく、テロのまた別の側面を知ることが出来る。8点 【アメリカ】・・・言葉が出ない完成度。涙が出てくる。20点。 【日本】・・・異色作。ラインナップに入っているのが日本として恥ずかしい。ラスト、『聖戦ナンテアリハシナイ』って言っちゃった。言っちゃったらダメじゃない?2点。 [DVD(字幕)] 7点(2016-04-15 00:06:34) |
17. セイブ・ザ・ラストダンス
《ネタバレ》 ジュリア・スタイルズってキルスティン・ダンストに似ています。この手の容姿って、日本人からすると決して美人には見えないのですが、向こうのほうでは美人のカテゴリーにちゃんと入るみたいですね。 ただジュリア・スタイルズは『声』が大変魅力的なので、役柄と合うとかなりはまります。そういった意味ではこの作品の『サラ』は完全にはまり役。弱さと強さを併せ持つ繊細なキャラクターを見事に演じきっていたように思います。 ストーリーは、不幸な事故から母と夢を一度に失ってしまった少女の再生の物語。特筆すべきものはありませんが、だからこそ心に染み入るストーリーになっていて、落ち着いた味わいのある映画に仕上がっています。 また主人公を支える父親、恋人のデレク、デレクの姉シェニール、脇を固める人物が大変暖かく、好演、好印象です。 トラブルメーカーのマラカイや、いかにもな恋敵のニッキーなんかはちょっとつくりものっぽいキャラ設定ではありますが、この二人がいなければ平坦で味気ない作品になっていたかもしれません。 最終的にはマラカイを救うことはできません。『あなたたちは周囲の人間を傷つけていることに無頓着すぎる。』という姉の発言から始まる問題提起も、根本的な解決を見るわけではありません。 ただそれでもデレクは医学部に、サラはジュリアードにそれぞれ進学を決め、サクセスストーリーに大切な充足感で満たされることができます。傑作とまでは言い難いですが、爽やかな余韻を残す良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2016-01-19 13:51:39) |
18. 洗脳
《ネタバレ》 いつの間にかクラスメートや友人が、一人また一人と別人のようになっていくのって、凄く不安な気持ちになります。この不安な気持ちって、ちょっとゾンビ映画に近いかも。自我を手術や施術で人工的に奪ってしまうっていうのは、手法が違うだけでゾンビにされちゃうのと同じようなもんだと思います。そういった意味では、今作はエンタメ作品として水準を超えるレベルの面白い作品に仕上がっています。 ただ完全なるB級作品ですので、過剰な期待は禁物です。もちろん、つっこみなんか入れ始めたらきっと止まらなくなっちゃうので、つっこみもご法度。いろんな謎を残したまま終わるのですが、気にしたら負けですね。一般的なホラー映画の例にもれず、『とりあえず、脱出したらクリア!』っていうノリでご鑑賞いただくのが正解なんでしょう。 個人的には、得体の知れない不安感、次第に迫ってくる恐怖感を楽しめる今作はアリです。 [DVD(字幕)] 7点(2015-04-23 13:32:55) |
19. 絶体×絶命
《ネタバレ》 大変面白い。スピード感のあるサスペンスアクション。ほぼ一日内の出来事で構成されているのが、臨場感を生んでいて良いです。 ストーリー、脚本の面白さもさることながら、脇役も含めて登場人物の設定が非常に良い。『マッケイブ・・・狂気ときまぐれな優しさを併せ持つカリスマ的犯罪者。』 『フランク・・・本当の親バカ。いや、バカ親。』『息子・・・病気でもう長くはないけど、元気に走り回る。』 『ホーキンス医師、警部、ネイクなど・・・第三者的視点だけど、なんだかんだ言ってフランクを応援する善意の第三者。』 特に脇役のみなさんが、名も無き人たちまで含めて、きっちりストーリーに絡んできてくれるのが嬉しいです。それぞれが、映画の中で必要な役割を担い、きっちり仕事をしているのが、作品の質を全体的に底上げしていると思います。 マッケイブは理想的なダークヒーローですね。不必要な殺しはしないのですが、必要であれば躊躇しない。警察関係者だけはきっちり殺そうとする。そのはっきりしたアンチ・ヒーロー像は、はっきり言ってかっちょいいっすね。ラストのオチもこれ以上ないくらい最高です。 不満点を挙げるとすれば、2点。まず一つ目は、カメラ割りのためか、アクションのスピードが速すぎるためかわかりませんが、一瞬何が起こったのかわかりにくいシーンがいくつかあります。 二つ目は、フランクの行為。病院内での息子優先の行為はまだ許せる範囲でした。ですがラストのカーチェイスはさすがにアウト。死人が出てもおかしくないです。息子のために他人の命を軽視する。ドラマ仕立てのアクション映画ではよくあることですが、興醒めしちゃいます。 [DVD(字幕)] 8点(2015-04-15 14:13:35)(良:1票) |
20. セイント
《ネタバレ》 ラストはもの凄くあっさりなB級サスペンス。主人公の変装はいろんな人にすぐばれちゃって、とても凄腕の怪盗には見えないところが逆に良い味を出しています。 エンターテイメントに徹しているのも好印象です。わかりやすい演出、わかりやすいキャラ設定、誰が見ても普通に楽しい時間を過ごせそうです。ただそれが長所でありデメリットであるのも間違いありません。この『ノリ、軽さ』は『物足りなさ』に通じてしまう可能性大です。 もちろん根っこはシリアスなストーリーなんですが、そのシリアスさは控えめです。重く、真面目になりすぎないように配慮されている気がします。 アクション映画としては物足りなく、サスペンスとしては軽い。ラブコメはスパイス程度。とゆーわけで、複数のジャンルを軽くブレンドしているため、中途半端に感じてしまう人がいるというのもよくわかります。ただ、それぞれのジャンルが絶妙にマッチしているのも本作の魅力の一つかもしれません。 つっこみ所満載な割りに、バランスはとても良い作品ですので、個人的にはこーゆーの好きです。 [DVD(字幕)] 7点(2014-11-01 02:27:09) |