1. 空の大怪獣ラドン
「ゴジラ」の有無を言わさぬ激烈なキャラクター、「モスラ」のファンタジー色豊かで平和の象徴とも言える異色性。確かなメッセージ性に裏打ちされた前2作に挟まれ本作は、これといった特徴もなく印象度は高いとは言えない。精巧なミニチュアワークを取り入れた特撮という技術がウリなだけに、改めて見直すと悲しいかな時代を感じさせてしまう。しかも、ただ怪獣が出ましたやっつけましたでは如何ともしがたく、度重なる核実験による放射能汚染が出現の要因というのも今回は取って付けたみたいだし…。しかしそんな中にあっても、伊福部昭の荘厳で哀感溢れる音楽は時代を超え素晴らしいものがあります。作品全体を格調高く押し上げており、とくにラスト、人間社会の前に姿を現した巨大生物の悲劇を描き切ることに多大に貢献していた。まぁなんだかんだ言いましたが、邦画史上記録されるべき特撮怪獣映画の名作には違いありませんね。 8点(2004-07-08 11:05:22) |
2. 続・猿の惑星
強烈な文明批判に支えられたSF映画の名作である前作に比べると、映像、着想、内容ともどもカクーンと落ちる。コバルト爆弾を神と崇めるミュータントの登場にそのルックス、「テーラー! ! 」としゃがれ声を出すノヴァのビックリさせるシーン、苦しまぎれのヤケクソのようなラストなどなど、低予算も手伝い見事なまでの少年向きB級SF映画に仕上がっている。と言うものの、この一連のシリーズけっこう気に入っているんですよ。「クサい演出だなー、B級丸出し」とブツクサ言いながらもシリーズ一通り見たクチ。ロディ・マクドウォール演じるコーネリアスとジーラの魅力的なキャラにハマった。もちろんテレビ、ビデオで十分ですが。 6点(2004-05-08 11:11:39) |
3. 続・兵隊やくざ
シリーズ第2弾。勝新太郎演じる大宮の、軍隊という規律の厳しい縦社会で炸裂する破天荒振り。蹴散らせ、ブッ飛ばせチンピラ曹長。悪玉上官、張り倒せ! ! 直情型で人間くさい勝新の魅力全開。「け、毛をください! !」はウケたゾ! ! 庶民の視点から見たヒューマニズムを感じさせ、好きですこのシリーズ。 7点(2003-12-15 12:25:11) |
4. 双生児
江戸川乱歩の原作を塚本ワールドで染め捲った映画らしいが、奇妙キテレツなカルトものって感じ。舞台劇のような描写、眉毛を消した登場人物、ケバいパンクファッション? 、摩訶不思議な踊りなどなど。うーん、どう評価すればいいんだろう…。作家性は感じ取れたので、とりあえず5点ね。 5点(2003-12-03 15:58:06) |
5. 卒業(1967)
この映画は、ある意味で「よくぞやってくれた! !」みたいな代表的な例で、当時のアメリカの若者達に熱狂的に支持されたのが良く分かる。やはり圧巻は、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」と共に浮き彫りにされる、“花嫁略奪”というド肝を抜くラスト。この有名なラストシーンがあるからこそ、感動の青春喜劇?の傑作となり得たのではないだろうか。まぁ、それくらいインパクトのあるラストシーンであったわけです。しかしこの映画の最大の立て役者は、ダスティン・ホフマンでもなければアン・バンクロフトでもない。そう、間違いなくサイモン&ガーファンクルの甘く切ないメロディーだと、個人的には思う。 8点(2003-05-31 13:10:50) |