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プロフィール
コメント数 418
性別 男性
ホームページ http://onomichi.exblog.jp/
年齢 55歳
自己紹介 作品を観ることは個人的な体験ですが、それをレビューし、文章にすることには普遍さを求めようと思っています。但し、作品を悪し様にすることはしません。作品に対しては、その恣意性の中から多様性を汲み取るようにし、常に中立であり、素直でありたいと思っています。

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1.  ソウルの春 《ネタバレ》 
韓国の現代史を描く超大作。1979年12.12粛軍クーデターの詳細を描ききっており、とにかく引き込まれた。ファン・ジョンミンとチョン・ウソンの電話や拡声器でのやり取りは演出も有るだろうが、殆どクーデターの駆動と抑制がこの2人に掛かっていたように進むドラマはフィクションとしても見応えがあった。  キム・ソンス監督『アシュラ』と同じく、ファン・ジョンミン vs チョン・ウソンが物語の軸となるが、今回は舞台が国家レベルとなる。ファン・ジョンミンが粛軍クーデターの首謀者、全斗煥(役名はチョン・ドゥグァン)、チョン・ウソンが反クーデター側の中心人物となる張泰玩(役名はイ・テシン)。そして、パク・ヘジュンが盧泰愚(役名はノ・テゴン)、イ・ソンミンがクーデターで逮捕される参謀総長鄭昇和(役名はチョン・サンホ)。イ・ソンミンは『KCIA 南山の部長たち』で朴正煕を演じていて、今度はその影を引きずりつつ、朴正煕暗殺共謀で逮捕される役となる。イ・ソンミン、政治家や実業家の超大物をやらせたら右に出る者なしというところか。  ファン・ジョンミン、とにかく私の好きな役者。『新しき世界』『工作』『ベテラン』『ただ悪より救いたまえ』、そして『ナルコの神』。ファン・ジョンミンは悪も正義も違和感なく演じられる。  チョン・ウソンといえば、『アシュラ』『ザ・キング』『鋼鉄の雨』。カッコ良くて、すごく痺れる役者です。2枚目なだけじゃない、声がすごくいい。今回の正義感役も声に迫力があって、ばっちりと嵌っている。  『息もできない』のチョン・マンシク、『夫婦の世界』のパク・ヘジュン。その他、韓国ドラマ・オールスターズの面々。『サバイバー』のソウル市長アン・ネサン、『ムービング』の怪力お父さんキム・ソンギュン、『梨泰院クラス』の秘書室長ホン・ソジュン、『サム、マイウェイ』のおでん屋台コーチのキム・ソンオ、『相続者たち』の財閥会長お父さんチョン・ドンファン、『W』の漫画家お父さんキム・ウィソン、『知ってるワイフ』の融資課チーム長パク・ウォンサン、『再婚ゲーム』の元カレのパク・フン、『秘密の森』の龍山警察署署長チェ・ビョンモ、同じく『秘密の森』のドンジェことイ・ジュニョク、『SKYキャッスル』の元神経外科長ユ・ソンジュ、『二十五、二十一』のペク・イジン叔父さんパク・ジョンピョ、そして、チョン・へイン。揃いも揃ったり、それも曲者ぞろいの名バイプレーヤーたち。韓国ドラマ好きには堪らない。それぞれにいい味を出している。  映画について。私達はプロットとなる粛軍クーデターの顛末、事件の結末を知っている。知っていても、最後の最後まで画面から目が離せなかった。行くも退くも自らを犠牲にする覚悟を決めた軍人チョン・ウソンの決意と涙に心を打たれた。自然と涙が溢れた。その後の彼(モデルとなった張泰玩)自身と家族の不幸を思うと本当にやるせない。つらい。  作品の描き方から、ファン・ジョンミンが悪、チョン・ウソンが善。今の視点ではどちらが正義か分りやすい作りとなっているが、当時、中堅層の軍人たちはクーデターの中で、どちらの側に付くか、1日の攻防の中で揺れに揺れたはず。結局は、政治における軍部の立ち位置や民主化の在り方という点ではなく、ハナか、非ハナか、派閥の勢力争い、出世争い、保身、韓国社会の人間関係の力学によって、勝敗は決したと言える。勝った方が正義であり、負けたらゼロに落ちる。どちらが強いか? 強さを化身した存在、ファン・ジョンミンのセリフにもあったが、そのアピールこそが粛軍クーデター成功のカギだった。  その後、新軍部の戒厳令下で軍が民間人を大量虐殺した光州事件があり、1980年9月、全斗煥は韓国大統領まで上り詰める。全斗煥政権下では、多くの民主活動家や学生の拷問、不審死が1987年の民主化宣言まで続く。しかし、政権は盧泰愚に引き継がれ、粛軍クーデター組織による政権支配が終わるのは盧泰愚失脚後の1993年になる。韓国初の文民政府である金泳三政権により組織が解体され軍から排除されるまで待たなければならなかった。彼らの韓国支配、強権政治は実質10年以上続いた。近年の韓国映画によって、私達はそれらの事実を漸くと知ることになる。  2017年、朴正煕の娘、朴槿恵が失脚して、堰を切ったように『タクシー運転手』や『1987、ある闘いの真実』が公開された。韓国現代史、軍事政権による様々な事件、その黒い霧は、映画によって明らかにされ、人々に共有されて、歴史地図がパズルのピースのように繋げられていると感じる。『ソウルの春』もこの流れ、韓国の民主化の不可逆的な流れの中に確実に位置付けられる。そう考えれば、この映画の大ヒットも韓国にとって歴史的必然だったのだろう。
[映画館(字幕)] 10点(2024-09-16 23:57:21)(良:1票)
2.  続・男はつらいよ 《ネタバレ》 
マドンナは佐藤オリエ。  彼女で金八先生を思い浮かべるのは僕らの世代。寅さんの学生時代の先生、東野英治郎(黄門様)も味がある演技だった。茶の間騒動、マドンナに振られて終わるパターンも本作で確立したって感じ。元気いっぱいで喜怒哀楽の表情と動きが豊かな寅さんは見ていて清々しい。
[DVD(邦画)] 10点(2012-04-28 22:49:48)
3.  それでもボクはやってない 《ネタバレ》 
いい映画だと思う。映画というのはそもそも主観的で恣意的なもの。中立である必要性は全くないし、そうあるべき意味もない。 この作品を一方的な見方で糾弾することは簡単だけど、これってそんな簡単な作品なのかな? ものごとを単純化してしまうと本来そこにあるはずの多様性を感じることができないと思う。中立であるべきなのは僕らであって、必ずしも作品の方ではない。 僕は多少首をかしげるところもあったけど、概ね作品の流れには感心した。主人公は痴漢をしたのか、していないのか、それを真実と言うのならば、結局のところそれは主人公以外に分からない、ということが最後に分かったのである。判決はあくまで有罪であり、それが事実の結果なのだから。ラストの宙吊り感は作品に深みを与えていると思う。 
[映画館(邦画)] 8点(2008-03-06 02:01:08)(良:2票)
4.  ソフィーの選択
この世の中にこれほどの絶望の生があろうか。彼女には狂気という逃げ場さえも奪われているのだ。生きるということを決定的に引き裂かれ、それでも生きていかなければならない、それほどの地獄があるということに、僕らはただ息をのみ、言葉を失うしかない。 彼女はそれでも「不在」の神に祈りを捧げるのだろうか。「不在」の神とは、常に「沈黙」する神。「カラマーゾフの兄弟」でイワンが切々と訴える「永久調和の世界が将来達成されたとしても、それが何であるかを理解しえずに涙を流したまま死んでいった子供がいる以上、到底承認することができない」神でもある。もし、祈り続けられる勇気があったのなら、本当に狂気から目をそらさずにいられるのだろうか。
9点(2003-10-18 22:55:45)(良:1票)
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