1. 空の青さを知る人よ
《ネタバレ》 なかなかの良作。後付けのように“秩父三部作”の締めくくりとされた作品で、「長井監督+岡田脚本+田中キャラデザで『君の名は。』作りましょう」と言われた感じがアリアリなんだけど、前作「心が叫びたがってるんだ」よりも好き。ある程度のSFが盛り込まれていることは予告編で分かるけれど、それが受け入れられる人にはお勧めできると思う。【ネタバレ注意】同一人物の過去と現在が存在する、というだけじゃなく、予告編では空を飛んでいる。夢の中の描写なんだろうかとも思ったが、そうではなかった。そこは、ちょっとやりすぎな感じはあるけれど、“悪人”が出てこなくて、しっかりしたドラマがあるストーリーなのがいい。収まるところに収まる結末なのも好感。 [映画館(邦画)] 7点(2019-12-01 15:56:53) |
2. 空飛ぶペンギン
凡作。ジム・キャリーの作品は好きだから見たけど、ビデオスルーとなったのも分かる感じ。つまらなくはないが、取り立てて意外な展開とか心に残るものがあるわけではない。 [インターネット(字幕)] 5点(2019-10-20 22:38:55) |
3. ソーシャル・ネットワーク
《ネタバレ》 佳作。“実話系”の映画にありがちな煮え切らなさはあるが、全体的には面白い映画だった。【ネタバレ注意】知らない業界の話ではなく、IT業界で進んでいた話であり、その種のメディアで報道されていた話でもある。そのため、どうしても「どこまでが実話なのか」を疑問に感じながら見てしまうのだが、“起こった事”以外は創作なのだろう。映画としては冒頭の会話も、交渉シーンの挿入もうまいのだが、締めくくり方があっけない(しかたがないが)。ただ、ジェシー・アイゼンバーグの演技は大変よかった。 [映画館(字幕)] 7点(2011-01-19 21:24:33)(良:1票) |
4. ソウ ザ・ファイナル 3D
《ネタバレ》 佳作。だが、3Dである必要はまったくない。いまどき“手前に飛んでくるモノ”のために3Dを使うな。映画館の問題もあり全体的に映像が暗く、2Dで見たかったと思う。これでマイナス1点。脚本は、いかにも“ザ・ファイナル”らしいまとめ方であると思う。【ネタバレ注意】冒頭の公開された場所でのトラップというのは、いままでにないシーンでその後の展開を期待させた。ただ、このトラップは「ソウ」のアマンダと同じ程度にやさしい(他人を犠牲にするだけで済む)。ボビーの役割は新しい。だが、彼が本物なら渦中の犯罪に巻き込まれたわけで、警察やマスコミの追及を長期にわたって誤魔化し続けられたとはとうてい考えられない。しかも、犯人が捕まっておらず、事件が止まったわけでもないのだから、身の危険は想定の範囲内であるはずだ。トラップには誰も成功しないが(助かる人数が決まっている場合を除く)、トラップに成功したら虐殺シーンにつながらないので(ガレージのシーンなど)、失敗を予測させてしまう。旧作のように、意外な方法でトラップを抜ける(以前のストラム刑事)、過酷なトラップをやり遂げるという展開が欲しかったところだ。とくに声を挙げなければ助かったであろう秘書のトラップは、胃の中に痛点はないのだから(気持ちは悪くても)声を抑えられないほどの激痛があったのかは疑問が残る。また、ここからの場面は、「ひとりでも助けていたら複数で行動することになっていた」ことが想定されていなかったと思う。秘書を助けていれば二人目はずっと容易に助けられただろう。また、誰か一人でも同行できていたら歯を抜かずに灯りの近くで歯に書かれた番号を見てもらうことができたはずだ。そしてボビーの最後のトラップ、そうするしかないんだろうが、着てるものを使えば、もっと楽に、かつ安全に昇れたのではないか。ところで、ゴードン医師は、元々足を切ってでも会いたい家族がいたはずだが、どうしたのか。ジグソーに心酔するようになったとしても、あの集会に出てくるほど表舞台に顔を出すなら家族にも会い、警察の聴取を受けたのではないか。そのときに最初の犯行現場を隠し通したのか。隠すなら「抜け出した人」として登場すべきではないだろうし、隠していないなら続編で同じ現場を犯行の舞台にできなかったはずだ。とまあ、突っ込みどころは山ほどあれど、なんとかファイナルとしてまとめられていたと思う。 [映画館(字幕)] 5点(2010-11-21 04:00:02)(良:3票) |
5. ソウ6
《ネタバレ》 前作でかなりガッカリしていたこともあるが意外によかった。連続ドラマのように過去の作品から続く伏線が回収されていくのだが、とくに4作目あたりからは設定を先々まで考えていたのだろう。逆に、単独の映画として見ると、説明っぽさがくどくてストーリーがわかりにくいかもしれない。ところで、日本だけのサービスなのかどうかもしれないが、冒頭でこれまでのシリーズを振り返る総集編(SAW集編)が流される。たしかに、これほど過去の作品がストーリーに影響している映画はないような気はするのだが、あれを見ても、たいして役に立たないのではないだろうか。【ネタバレ注意】今回は、“犠牲を払えば生きられる”という選択があまりなかった。とくに、最後にたどりついて、あの形で生死が決まるなら、"Make Your Choice" じゃないじゃないか。あと、今回に限らないが、熱風とか色々“着てるもので覆って避ける”ということをなぜ考えないのかと思う。【さらにネタバレ注意】別にだからどうというわけではないけれど、最初に切った腕って肘より下じゃなかった? 回転台のところって、ちゃんと6発発射してた? 最後って、反対向いてたら避けられたかもしれないような気がする。 【追記】DVDで再視聴。左記の腕と回転台はとくに問題なかった。でも、あの終わり方はやはりいただけない。 [映画館(吹替)] 7点(2009-11-20 23:04:58)(良:1票) |
6. ソウ5
《ネタバレ》 シリーズでは最低。ストーリーが破たんしているわけではないが、過去のエピソードに頼りすぎた上に展開が単調。もっとも、過去のシリーズを観てない人は観ないかもしれない。トラップはよく考えられてはいるが、そもそも「ソウ」はトラップを楽しみにする(だけの)映画ではなかったはずだ。 【超ネタバレ】意図的に事前の情報収集をしていなかったのだが、なんだとー、まだ続くのか。トビン・ベルとの契約の噂(5作目まで)とか、ドメイン名(saw5.com までは取得済みで saw6.com は第三者名義で売り出し中)を考えても、これで完結すると思っていたのに。あの箱の中身は何なんだ。メモを置いたのも、結局ストラム捜査官だったのか? 思わせぶりな展開は何だったんだ。ストラム捜査官だって、ジグソウの“ルール”はわかっているのだから、もっと自分の領域で対決すべきだろうし、そうでなくてもルールに従わずに墓穴を掘るな。被験者と回想を除けば、刑事と捜査官しかプレーヤーがおらず、その対決でしかなかったわけで、なんじゃそりゃ。あと、あんなに急激に血液流れ出したら、助かりそうな気がしないよ。それで次もトビン・ベルが出てくるわけ?時が進まないねぇ。追加【ネタバレ突っ込み】最後のトラップ、前の部屋に戻った時点で死体を運びこめばだいぶ改善された気がするな。というか、あのバスタブの水を着衣にでも染み込ませておけば……。 [映画館(字幕)] 5点(2008-12-11 21:18:47) |
7. ゾディアック(2007)
《ネタバレ》 ああ、実話をもとにしているんだった。しかも未解決事件。たいていの事実は小説より奇ではないので、盛り上がりの足りなさや締りの悪さは、できるだけ事実に沿って作ろうとしたことの裏返しだと思うことにしよう。そういう意味では、色々な犯人像を推察させようとする“努力”が垣間見える。ただし、そのせいで見せたい部分が発散してしまっているような気もするのだが。どうせ解決しないのなら、もっと人間関係を見せる方に力を注いでもよかったと思う。謎解きが、まったく素材になっていないのも残念。 [DVD(字幕)] 6点(2008-10-02 01:58:27) |
8. それでもボクはやってない
《ネタバレ》 これ以上の点をつけないのは、そもそものテーマからして「これこそが一番の映画」という印象になりえないからである。そうした地味なテーマではあるが、優れた映画であることに違いはない。以下、ネタバレしてしまうが、何しろタイトルからして大いに「ネタバレ」しているではないか。それにもかかわらず、検証ビデオや女性の証人など、被告人に有利な展開もあり、どのように決着させていくのかについてハラハラさせられる。親身に活動してくれる友人、別れた女性、不信を抱きつつ引き受ける女性弁護士、そして主任弁護士など、“良い人”たちであふれている映画でもあり、彼らの努力が報われないことが最初からわかってしまっている。また、冒頭で主人公の手から繊維を採取しようとしなかったことや、必要なく袖を引っ張っていたという伏線も見事に回収されている。一方で、数をこなさねばならない裁判官の立場や問題点にも触れ、問題提起はするものの一方的な責任問題としていないところも好感がもてる。何より「痴漢を疑われてもしかたがなさそうな」主人公のキャスティングは(失礼ながら)絶妙である。気になる点があるとすれば、勇気を振り絞って訴え出た女子中学生の“勘違い”が、そのまま悪者にされかねない点だろうか。「この中学生の勇気に応えるのは、主人公を有罪にすることではなく、真犯人を見つけることだ」といった展開に少し期待したが、そうした配慮はなかった。また、田口浩正演じる証人(←彼は真犯人なのか?)は、女性の証人の冒頭の発言に対して嘘に近いことを言っていたわけであり、この点が突っ込まれていなかった。ただし、実際の裁判もその程度という理解の上で、意図的にこのように構成したのかもしれない。裁判費用(弁護士費用)も気になるところだが、保釈金が高額だという以外、どのように費用を工面しているかということも表現されていなかった。しかし、そのような点まで描こうとすると冗長になってしまうという判断があったのかもしれない。重ねて優れた映画であると思う。 [DVD(邦画)] 8点(2008-09-21 00:55:37) |
9. ソウ3
《ネタバレ》 痛々しい場面が増えましたね。脚本は相変わらずよくできているので、そこまでしない方がよいような気がします。とくに女医が不倫相手に言われる "divorce"(離婚だ)というセリフは、ものすごく巧妙です。最後に救いがないというのも相変わらずですが、やはりジグソウを死なせたのは凄いです。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-22 03:15:04) |
10. ソウ4
《ネタバレ》 ちょっと複雑になりすぎましたかね。また時間ずらしだったのは「やられた」というところなんですが、ジグソウのいる部屋に刑事を閉じ込めたように見えたのは何だったのでしょう(解剖のためにジグソウを搬出したのはいつ?)。4作目にしては、理由づけと伏線づくりの両方とも、よくやっていると思うのですが、あまりグロテスクじゃなくてもよい気がします。3代目の理由は次回で明かされるのでしょうか。 [映画館(字幕)] 7点(2007-12-22 01:52:58)(良:1票) |
11. ソウ2
評価の高い映画の続編で、これほどのものを作るというのは凄い。あらためて1を見直したけれど、1が目新しかったという点を考えれば、映画としては1を超えたのではないだろうか。トリックをあくまで盛り上げ役と位置づけ、それだけに頼らないストーリーができているところがすばらしい。1の効果的な絡め方も、伏線の張り方も申し分ない。そして、何よりジョン役のトビン・ベル。1での登場は、ほんの少しだったのに、この迫力は見事。「ここ数年で1番か」というと、少し悩むので満点にはしないけれど、ホラーが苦手でないならオススメ。 [DVD(字幕)] 9点(2006-03-29 04:07:19)(良:1票) |