1. 空へ ―救いの翼 RESCUE WINGS―
自衛隊の広報映画という側面を持っている作品なので、ストーリーに見るべきところは少ない。役者の演技も揃いも揃って大根だらけでみな固い。まあ新人の役者だらけで登場人物を揃えたためにこうなってしまったのは仕方ないかもしれない。ただ一人、主役の高山侑子の存在感には驚いた。まさか15歳がこの役を演じているとは誰も思わないのではないか。本作が彼女の出世作になれば良いのだが。一方、期待されていた自衛隊全面協力故の実用兵器の大量登場はかなり迫力がある。監督は「戦国自衛隊1549」の手塚昌明が務めているわけだが、あれに比べて遥かに予算が少ないにも関わらず、重厚感溢れる兵器描写を行って予算以上のものを作っているのはすごい。見せ場の救出シーンもなかなか見応えのあるものに仕上がっていた。さすが日本で一番自衛隊を撮っている監督による映像だ。だがそれら兵器の凄さを一般人にもアピールできるようなシーンがもう少し欲しかった。ただそこまでやると、また朝日新聞に色々と叩かれちゃうのかねぇ……?? [DVD(邦画)] 6点(2009-05-20 00:52:42) |
2. 空の大怪獣ラドン
「ゴジラ」と「モスラ」の陰に隠れてどうも地味な本作だが、大変力のある映画である。前半の炭鉱のダークな印象と、後半の雄大な青空を見事に対比させている画作りには驚かされる。そのため、畳み掛けるような後半のラドン大暴れが二倍、三倍に引き立てられているのである。個人的に印象的なのは、後の作品には見られないラドンの飛行機雲の演出だ。「ラドン追撃せよ」と呼ばれる楽曲に乗って、F-86セイバーと激突するラドンの雄姿は美しいと呼べるほど。正直、福岡の攻防戦は若干物足りなかったが、精巧なミニチュアは、当時の写真と比較して見ると尚更その凄さに驚かされると思う。 [DVD(邦画)] 7点(2008-03-31 23:39:52)(良:1票) |
3. そのときは彼によろしく
《ネタバレ》 同じ原作者の「ただ、君を愛してる」で不覚にも泣いてしまったので、これにも大変期待していたのだが、結果は散々。これは世の中の汚いものを徹底的に削ぎ落として描いたファンタジーみたいな作品なのかね?それにしても目覚めた後の長澤まさみが最初と全く同じ外見であるのは幾らなんでも無茶苦茶なんじゃないかい?まー、長澤まさみをとにかく清純に撮ろうという努力が作品全体に随所に見られるので、彼女のファン、というか彼女を見ているだけで幸せという方には良いかもしれないが、無論それ以外の方には何の価値も持たない作品。泣き所もイマイチ分からん。煌びやかな画面作りが唯一の救い。 [DVD(邦画)] 4点(2008-02-25 22:44:26) |
4. それでもボクはやってない
《ネタバレ》 この映画から爽快感を味わうのは難しい。それは本作を鑑賞した誰もが感じることであるように思えるが、それで良いのだ。主人公の金子が結末で無罪になってしまっては、本作が製作された意味が無い。何故ならそれが“現実”だからだ。本作のテーマをあえて“痴漢冤罪”という男性なら誰でも隣り合わせにある身近な題材にしたのも、現在の日本の裁判の問題点を露呈させるためのものであると考えられる。そんな一見すれば堅苦しい題材を、エンターテインメントとして仕上げた周防監督の手腕は特筆に値するであろう。作品を見る限り、細部にあたってかなり調べ上げられていると感じられるし、スキャンダラス的な内容ではあるものの、どちらかにのみ偏った演出をせずに、あくまで客観的に問題点を見下ろしているのが良いと思う(ただ、被害者の側面からの描写がもう少しあればなお良かったのではないかと考えるが)。 色々と大それた事を述べてしまったが、本作が改めて日本国民に冤罪について考える契機を作ったのは紛れもない事実である。ただでさえ、最近は“痴漢に間違われないためにはどうするか”などといった本末転倒の論述が、まかり通っているのだから。 [DVD(邦画)] 10点(2007-08-15 17:34:38)(良:2票) |
5. 続・猿の惑星
確かこれも、最初のヤツと一緒にテレビで見た記憶がある。時期はリメイク版の公開前だったかな。子供ながらに前作と繋がっていて楽しいな、と思った気もするが、前作に比べてパワーダウンしていたのは事実。核兵器を崇め奉っていたのはさすがに引いた。いくら終末感を出そうとしていても、アレは無いだろう。ラストはもう、無理やりな感じ。見終わった後、開いた口が塞がらなかったのを覚えている。 [地上波(吹替)] 4点(2007-05-17 19:19:45) |