1. 続・座頭市物語
《ネタバレ》 昔見たときは、前作があまりに素晴らしかったので、拍子ぬけした記憶がある。そんなにつまらなくないじゃないの。というか、結構楽しんだ。 ただ、相変わらずいまいちだと思ったのは兄弟対決。大映時代の城健三郎(若山富三郎)は、ほんとにどの映画を見ても大根で、この映画も弟の勝新には歴然と差をつけられていて、痛々しい。 一作目でもヒロインだった万里昌代の役どころが少し哀しかったね。市を思いつつ、他の男に嫁いでいく。本当は、もう少し彼女を掘り下げたかったかな。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-17 14:56:51) |
2. その男、凶暴につき
北野映画は、デビュー作から完成されていたのだと実感。とにかくすべてにおいて、すでに完成されていたのだな。後の作品は、すべてこの映画のヴァリエーションとすらいえるかもしれない。いや、もちろん、これは、誉め言葉。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-06-05 23:03:56) |
3. ソナチネ(1993)
《ネタバレ》 私もこの映画が北野映画の中で一番の傑作だと思う。映像として、演技として、そして、あけっぴろげなまでの空虚さにおいて。ピストルが響くたびにドキっとしてしまうのだけど、そのあとにとにかく哀しくなる。とにかく圧倒された。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2007-06-05 22:59:49) |
4. 続・丹下左膳
《ネタバレ》 何なんだろう、このディープでダークな精神世界は。言ってみれば、破滅に向かっての大スペクタクル。『丹下左膳』って、痛快娯楽時代劇じゃなかったの? 戦前、ずっと丹下左膳を撮ってきた伊藤大輔が、何だってこんな暗い世界を脚本にしたててしまったのだろう。【馬鹿王子】さんも言っておられるとおり、確かにこの虚無的世界は机龍之助の世界に入ってしまってる気がする。脚本的にはあまり整理されていなくて、展開がいまいち理解できないのだけれど目が離せない。決して面白いとか痛快だとか言えないけれど、話に置いてけぼりを食らっても、なぜか、しっかり最後まで見てしまった。不思議な作品。しかし、当時のお客さんは、これ、どう受け取ったのだろうか。すごく興味ある。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-03-09 23:16:30) |
5. それから(1985)
そんなに悪くはないかなと思った。比較的長回し気味のカメラの中に、どの俳優もうまく納まっている。ただ、展開が緩やか過ぎた。それも、画像(イメージ)にただ語らせるという時間の流れの緩やかさならともかく、基本的に対話を中心に各場面が展開しているのにこの遅々と進まない感覚には、いささか戸惑った。もう30分短かったらいいのに、と思ったけど、でも30分短かったら、この世界は成立しないかも。 市電の場面の不可解なイメージは大好きです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-17 12:42:40) |