1. ソロモンの偽証 後篇・裁判
《ネタバレ》 原作未読。総じて、この映画は何をやりたかったのか、よく分かりませんでした。中学生の純粋な正義感か、逆転相次ぐ法廷ミステリーか、大人の欺瞞を暴くことか、若者の群像ドラマか…残念ながら後篇を見た限り、いずれの方向性も中途半端に見えました。法廷ものの醍醐味というのは、新たな証拠・証言・証人の登場によって、それまでの推論が二転三転していくことの面白さにあると思うのですが、この作品の場合、裁判前日までの会話で、観客にはほぼ真相が分かってしまうため、法廷シーンそのものには「大人の裁判劇を中学生がリアルに真似してる」以上の感想がありません。ではそれ以外の要素が重要なのかというと、肝心の神原君の正義感がどうにも後付け過ぎて理解できません。これだけの人数の生徒や大人を振り回して、自分の悔恨を滔々と述べ、ひたすら被虐を望む…その場で断片情報だけ得ていた傍聴者ならともかく、事件を一部始終を見ていた観客としては、中学生男子の自己満足につきあわされた疲労感が残りました。 [映画館(邦画)] 4点(2015-04-18 16:34:38) |