1. 卒業(1967)
《ネタバレ》 アメリカンニューシネマの先駆けとなった素晴らしいコメディ。もちろん、単なるコメディではなく、様々な意味合いが含まれているのだろうが、表面上はあくまで笑わせることを優先しているのが良い。お笑いの種類としては相当シュールな部類に入ると思うが、よくできている。親世代、旧体制に対する若者たちの怒りが、このシュールな笑を通してよく描かれていると思う。「あなたたちの作った社会なんて信じない!結局戦場で死ぬのは俺たちなんだ!」もちろんそんなセリフは出てこないが、ベースにあるのはこのような怒りで、それを笑に変換して表現するというのは、実はストレートに怒りを表現するよりもよっぽど難易度の高いことだと思う。年上の女性に誘惑されオドオドするダスティンホフマンの演技は本当に面白くて笑ってしまう。サイモンとガーファンクルの音楽は言わずもがなに素晴らしく、この映画を単なるコメディ以上の作品にするのに何役も買っている。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-11-15 09:04:07) |