3. そして父になる
《ネタバレ》 去年の6月にテレビで見たらしいがCMが多くて変なCM入りだったとあるので地上波かな。 プロットは割と単純で、出生時に取り違えになった男の子ふたり。 父親二人は、片方(福山)はエリートで多忙で嫌味、もう片方(リリー)は貧乏で奔放で暇。 ちょうどエリートのほうは、なんで自分の子供なのにこんなにできないんだ?と思っていたところ、という。 ここまではまあまあよくある話なんだが、ここからの味付けで本当に才能に差が出るなぁと。 まぁ、ただ、嫌味に見ればこれは逆算の映画かな、と。 最初にたぶん福山ありきで持ち掛けられた話じゃないかなと。 そこで監督は思いつくわけだ、そうだ、福山を嫌な役にしようと。 福山といえば大体いい役だから、そういう「役職」の「いやな性格」に、 その逆といえばで意表を突いたと言えるのがリリーだろう。 以降リリー=貧乏父さんというイメージが付いて回るわけだが。 なんにせよこの話の気持ち悪いところは、誰にでも共感できるところだろう。 子供を自分の子供じゃないと思うのは男親だけかもしれないが 子供がこの親本当に自分の親なのだろうかと考えるのは人生に一度くらいはあるだろう。 親がよく冗談で言う「(元から)うちの子じゃない」「橋の下から拾ってきた」の延長とも。 それにしても元々俳優である福山の演技はお世辞にもうまいとは言えないのが 元々漫画家だった演技のうまいリリーとの対比で、福山の演技も許せるかなぁと。 この見せ方も明らかに監督の計算だろうのは言うまでもないのでやはりうまい。 そして何よりこのタイトル、これは明らかに福山が演じる父親に100%かかっている。 リリーの演じるほうではない、というところだろう。 [地上波(邦画)] 8点(2019-08-21 03:42:27)(良:1票) |