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1.  ウディ・アレンの重罪と軽罪 《ネタバレ》 
シリアス路線ウディ・アレン映画のひとつですね。主人公が神の不在やニヒリズムに悩まされるのはいつもの事としても、それと戯れて笑いにしてしまうことなく、「神の不在」に関しては正面から取り組んでいる印象です。このテーマからは、有神論と無神論、信仰と懐疑、道徳と欲望・・・様々な対立が生まれ、現在では後者の無神論、懐疑、欲望が優勢を占めているんでしょうね。映画でもジュダは殺人をしても普通に生きる一方、道徳の象徴のような司祭は失明し光を失い、愛と道徳を説くレヴィ教授は自殺してしまう。普段のアレン映画なら「人生は楽しまなきゃ損だ、神の不在やニヒリズムに悩まされるより楽しもう」といった主人公の転換点があるけれど、この映画で一番人生を楽しんでいるのは、おそらく不倫相手殺害を依頼しても何も変わらず生きていくジュダという皮肉。これだど、いつもみたいに「楽しまなきゃ損だ」という方向に持っていけず、普段の自分の主張に非難を浴びせるようなことをするあたりは、シニカルというか自虐的というか、何ともアレンらしい気がします。一方のクリフはと言うと、教授には自殺され、彼女は奪われ、人生の悲哀に暮れるしかない。この映画に予定調和的なものは全く無く、そんなものを期待するのはジュダが言うように「映画の観すぎ」なのかもしれない。ウディ・アレンのシニカルな部分を強調した映画で、かなり苦味が効いているが、このほろ苦さが極上というのがアレン映画でしょう。
[DVD(字幕)] 9点(2005-11-30 01:38:40)
2.  海の上のピアニスト
この映画は評価が高いので、この採点はちょっと気が引けますが。陸の世界を知らないのに、それを恐れて踏み出せない、踏み出す勇気のない主人公には共感できたし、感動する流れではあるけど、あまりにも非現実的で物語にのめり込めなかったので、結局感動出来ませんでした。むしろ、主人公を救えないことに無力感を感じるトランペットを吹く友人に胸が痛くなりました。いろいろ言ってますけど音楽は最高ですね。
4点(2002-07-15 00:59:12)
3.  海と毒薬
人としての良心はどこにあるのか、しかし極限の状態になるとそういうことも考えられなくなるみたい、人間て怖い…。そして成田三喜夫は不気味かつ怖すぎ、彼の存在がこの映画を一段と暗い雰囲気にしてます。これ以後ちょっとネタばれ。映像面では「ガーゼ!」「ガーゼ!」と連呼する手術シーンは、かなりリアルです。これは映像ならではの迫力で、原作はここまでではなっかたです。
9点(2002-05-02 00:17:53)
4.  うなぎ
純粋な気持は常に正しい行動に結びつくわけではなく、恐るべき凶器(狂気?)にもなる。しかし、それは同時に人を引き付け、本人もそれによって救われることもある。「純粋な気持」を正しいとは言えないが正しいと信じたい、そんなことを感じさせてくれる映画でした。それにしても妻を殺害するシーンは怖かった…
7点(2002-04-20 20:40:09)
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