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 > タコ太(ぺいぺい) さん
タコ太(ぺいぺい)さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1497
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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1.  ヴィーガンズ・ハム 《ネタバレ》 
なんとも微妙な味付け。イラン豚は多分こんな味?食べたくはありませんが。  アイディアは決して斬新ではないです。なのでアレンジで魅せて欲しいところ。でも、全体的にコメディ感は薄いですね。ヒューマンドラマ的エッセンスを効かせようとしたところが逆にチグハグな感じになってしまったと言うか。  コメディならコメディでもっと笑わせて欲しかった。このあたりがフレンチコメディらしさなのかも知れませんが、もっと豪快にやらかして欲しかったところです。  キャラ設定にしてもグロさにしても不完全燃焼(いや、別に個人的にはグロさは求めていませんし)。なんとも中途半端にエンディング(そのエンディングにも強制着地感がありますし)。ということで今ひとつ納得いかず4点献上です。  ちなみに、ヴィーガンだからって脂肪感たっぷりなビジュアルの人間じゃ全然美味しそうに見えませんから。
[インターネット(字幕)] 4点(2024-05-24 18:40:01)(良:1票)
2.  ウェザリング 《ネタバレ》 
ヒロインを襲う不気味な影。その正体は?というのが本作のキモな訳ですが、クライマックスのプールのシーンまで自然に引っ張るのには脚本的にも演出的にも難しかったと思います。  結局、襲われている状況は彼女の妄想ということでしょう。かと言って自傷行為を伴った錯乱状態ではなく、負ったはずの顔の傷も実は存在しないということのようです。  丁寧に仕上げられたショートフィルムだと思います。ヒロインの熱演にも好感。ただ、ハッピーエンドで終わるのは良いのですが、あたかも憑き物が落ちたかのように一気に解決してしまうところがあっけないと言うか、短編故の宿命と言うか。S.キングばりの救いようのないエンディングは求めませんが、ちょっとあっけなかったような気がしないでもなく、迷いつつ高めの7点献上させていただきます。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-04 16:24:30)
3.  美しい湖の底 《ネタバレ》 
時間逆行型の手法を用いた作品を鑑賞するのは初めてではありませんが、一度観た限りでは何かしっくりと来ず全体像もボヤけたまま。もう一度見直して漸く了解した感じです。私の理解力が乏しいだけなのか??  一見物語的には見応えのある感がするものの、仮に時間を逆行させずに描いたならば特に意外性がある訳でもなく、一番まともそうな人物が実は一番悪党でしたという一種王道的なミステリー。それを時間を逆行させて種明かしをしていく演出と、随所に挿し込まれるコメディテイストによって観る者を惹き込む作品に仕上げたという点で作り手を称賛すべきかなと思うところです。  ただ、それにしても少々描き込みは足りないように思えます。エドが自らの子と思っていた子どもが実は…という意外な事実を用意しつつ、その子どもがどういう経過で爆発事故に巻き込まれたのか、ステファニーとジークは何故エドが子どもを殺したと言っているのか、また判事の弱みのテープの件もサラっとしすぎているような。  短めの尺の中であれもこれも入れ込むことは、かえって作品の魅力を損なってしまうことになるのかも知れませんが、もう少し丁寧な描き込みが欲しかったと思うところです。  さらっと観るには面白い作品。ミステリーとしての深みが欲しいという方にはお薦めしにくい作品。6点献上します。  ちなみに、保安官の姪・サリー役のイザベル・ダヴという子役さんがとても可愛らしかったです。その後の出演作が見当たらないのが残念。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-05-04 00:01:24)
4.  梅切らぬバカ 《ネタバレ》 
所謂「8050問題」に通ずるテーマを描いた作品ですね。もっとも、本作に登場する「忠さん」こと山田忠男は、日々作業所にも通所していますし、結果的には上手くいかなかったもののグループホームでの生活にも適応出来ました。そういう意味では「8050問題」の有する深刻さより一歩引いた状況と言っても良いのかも知れません。  とは言え、珠子にしてみれば近付きつつある「老い」の問題は決して自分だけのことではなく、謂わば運命共同体である忠男の将来に直結するもの。その不安は十分に察することの出来るものです。  隣家に移り住んできた里村家。この一家にも問題がない訳ではありません。夫婦関係は将来に不安を感じさせるものですし、真っ直ぐに成長しつつあると思われる一人息子の将来は、両親の関係性によって容易に影響を受けてしまうでしょう。  要は、どんな家族にでもその家族に固有の問題が少なからずあり、山田家の状況は決して特別なものではないということかなと思うのです。  タイトル「梅切らぬバカ」は、言うまでもなく諺「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」の引用ですね。山田家の梅の木は忠男にとって亡父が残した大切な木。だから剪定して欲しくない。でも、本当は適切に剪定することが梅を梅らしく育てるためには必要。では、忠男は梅の木のような存在なのか?それとも桜の木のように剪定することなく自由に伸ばして行くべき存在なのか。作品は結論は示していません。それぞれに考えて欲しいということなのでしょうね。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-02-02 12:15:56)(良:1票)
5.  ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ 《ネタバレ》 
既に「1」のレビューアーさんが書いていらっしゃいますが、私も幾つかのヒッチコック作品のエッセンスを感じました。勿論、模倣ではなくオマージュとして。  ヒロインを広場恐怖症とすることで古びたアパートメントを極上の閉鎖空間に仕上げ、あたかも舞台劇の如く空間としては限定しながらも奥行と深さを感じさせてくれる演出。色彩感覚を混乱させるようなインテリアの数々と、より一層その効果を高めるカメラアングルや照明。そして何より、総ての出演者が確実に役を演じ切っていることによって惹き込まれる作品世界。ひさびさに上質なスリラーを楽しませていただけました。  強いて残念な点を挙げさせていただくとすれば、物語の展開としては非常にオーソドックスであること。必要以上に奇を衒うことのない展開は寧ろ好ましくもあるのですが、意外性という点では特筆すべきものはないかなと。伏線の数々もある程度想定可能なものが多かったのではないかと。そして、種明かしの核とも言える真犯人であった少年の犯行動機にしても、少々強引と言うか、連続殺人犯の卵とも言うべき人間の心理としては直球過ぎるような。  とは言え十分に見応えのあるスリラー作品であることは間違いなく、迷いつつも8点献上とします。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-13 18:02:33)
6.  ウィジャ・シャーク2 《ネタバレ》 
前作の激しいB級(Z級)感も記憶に新しい「幽霊ザメ」。本作では前作のヒーロー、アンソニーが愛妻クレシーダの「愛の力」によって地獄から蘇り、再び超能力を駆使して「幽霊ザメ」と激闘?!かと思いきや、ビル街で「幽霊ワニ」との肉弾戦!  若干前作よりクオリティが高くなった?と言いたいところですが、むしろパペット鮫はチャーミングになりつつあるようで、対するパペット鰐も決して恐くないです。超能力パワーも前作どおりで特に進歩なし。さりとてコメディとも言い切れず、作り手は低予算に苦しみつつも結構大真面目に作っているようにも思えたりして。  そんな不安定感極まりない印象の際立つ作品なのでまともにレビューも書けず、かと言って○ソ映画と切って捨てることも出来ず、結局振り返ってみれば思いのほか楽しんでいる自分が居た、と言う次第です。  極めて個人的な感想としては、愛すべき「サメ映画」(今回は「サメ映画」とカテゴライズするのもどうかとは思いますが)ですが、少しでも客観的に評価しようとすれば、3点献上が妥当或いは限度かなと思うところです。
[インターネット(字幕)] 3点(2023-12-22 11:30:52)
7.  WE GO ON 死霊の証明 《ネタバレ》 
「死」ばかりではなく「火」や「水」、「高所」など、生きていく中で隣り合わせになっている様々なものに恐怖を感じでいるマイルズ。何よりも「死」を恐れているのだから死ぬことによって恐怖から逃れることも出来ない。そんな彼が「死後の世界の証拠」を求めるのは無理もない話。そのくせ「死後の世界」に懐疑的でもあるからこその恐怖心なのだから、自ら公募しておきながらその結果に「本物」など期待出来ないでもいる。まさに病んでいますね。でも、精神科への受診は望まない。自らを追い込んでいる悪循環の世界。  ところが、皮肉なことに「死後の世界の証拠」どころかネルソンという死霊そのものからコンタクトされてしまう。それどころか取り憑かれてしまう。この辺りは既視感のある展開かも知れませんね。シチュエーションは違っても、心霊現象を見に行って想像以上の恐怖に遭遇し結果連れ帰ってしまいましたみたいな。心霊モノ十言うか怪談噺の王道と言って良いかも。  そして、これもまた怪談噺の王道かも知れませんが、本作は取り憑いたネルソンが要求してくるのですね。元カノのアリスを見つけ出して欲しいと。実はアリスはネルソンに愛想を尽かして殺していたのですね。そりゃネルソンは成仏できません。そうとも知らずにアリスをあっさり見つけたマイルズは、アリスに返り討ち的に撃たれてしまう。それがある意味功を奏してネルソンの憑依は解け、マイルズは「死」への恐怖を克服するというお話です。ラストシーンからすると、いろいろなものへの恐怖心という呪縛は完全に解けることはなく…というオチですが。  前半と後半では随分とテイストが違うかも。ホラーテイストは後半からが本番。その合間にマイルズの家庭環境や父親の死の真相とか人間ドラマ的な要素も入り、アクティブな母親のシャーロットが良い感じに絡んで来ます。必要以上にオドロオドロしくならず、グロシーンは控え目、オカルト感も抑えめで、良く纏まったホラーだと思います。映画祭で観客賞を受賞したというのも頷けます。  熱烈なホラーファンには物足りないかも知れませんが、個人的にはなかなか楽しめた思わぬ佳作に7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-11-21 11:09:35)
8.  VETERAN ヴェテラン 《ネタバレ》 
近未来SF的なオープニング。世紀末的な状況にあって、近接する酒場では呑気に酒を酌み交わしている。なんだかちぐはぐな雰囲気。そこに逃げ込む一人の少女。彼女を追って雪崩れ込む暴徒。和気あいあいに飲んでいた初老たちが、仲間に切り付け重傷を負わせたからといって、いきなりショットガンで頭を吹っ飛ばしたり、倒れ込んだ暴徒の頭部が原形をなくすほどに踏みつけまくる。この急変・豹変に一瞬引いてしまいました。退役軍人の戦場の記憶を呼び覚ましてはならない、彼らは恐ろしく狂暴になるとでも言っているようで、何だか怒られそうです。  ただ、その後の展開は思いのほか悲壮感に溢れるもので、終わってみればこの戦いとは一体何だったのか?仲間たちの死を伴ってまで行うべきものだったのか?などなどモヤモヤした思いばかりが残り、悪党たちを殺しまくる主人公たちの姿は決して手放しで賞賛すべき雄姿とは受け取れませんでした。殺し方もゾンビ映画でのゾンビ退治的であって、生身の人間相手の行為には到底思えなかったりもして。薬物中毒者たちを戦時の敵兵に準えている?だとしたら反戦テーマ?いやいや、そうとも思えないし。  観終わった後、素直に「面白かった~!」とは言えない後ろめたさのようなものが残り、ラストに綴られる兵士たちへの賛辞・謝辞も言い訳めいて感じられてしまいました。なので少々辛めの5点献上です。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-22 14:05:33)
9.  ヴァスト・オブ・ナイト 《ネタバレ》 
良い意味を込めて、極めてオーソドックスな宇宙人襲来モノですね。古き良き時代のアメリカを舞台に、エリア51等で知られる政府の陰謀説やエイリアン・アブダクションといった定番のエッセンスが盛り込まれ、昔懐かしいSF小説やSF映画へのリスペクト感に溢れています。  フェイの好奇心旺盛で如何にも当時のイケてない女子高生風キャラと、エベレットの多弁で如何にも自己中心的でオレ様感漲るキャラに最初は少々引いてしまいましたが、話が進み二人の感情や行動が次第に変化していく中で、いつの間にか感情移入していました。  UFOとかエイリアンについての情報や知識が現在とは大いに異なっていたであろうあの時代、誰もがと言う訳ではないでしょうけれど、こんな状況に置かれた人は、同様の行動に走ってしまったとしても不思議ではないと思うところです。  超シンプルで幾度となく耳にして来たエピソードであり恐らくはバッドエンドではありますが、観終えてみれば思いのほか温かみを感じるような印象深い1本でした。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-10-02 11:15:32)
10.  ヴィレッジ(2023) 《ネタバレ》 
ひとことで言えば、恐れることなく社会の闇に光を当てた脚本、出演者の迫真の演技、優れたカメラワーク等々、ハイレベルな社会派サスペンスだと思います。120分、緊張感をもって鑑賞することが出来ました。  ただ、どうなんでしょう「ヴィレッジ」というタイトルは。先行する同タイトルの作品の記憶と、本作の予告編の構成、それらが相まって「これはホラー?」という先入観が生まれてしまうような?実際殆ど予備知識なしで観始めたので、途中までホラーテイストを期待してしまいました。  寒村の閉そく感、幽玄な薪能、能面を被り練り歩く人々、処分場の色彩の抜けたような光景等々、ホラー作品に繋がるようなファクターは多々ありながらもホラーには向かわないという展開に、勝手に肩透かし感を受けてしまった感じです。何だか種蒔きはしたものの伏線回収はしないままみたいな。  村長の息子の事件については、ある意味現実的と言うか脇の甘さが際立ってますね。処分場に遺棄という短絡的な行動、散々写メ撮りまくられてたケータイの放置など、行き当たりばったりの犯行故の致し方なしさではあるのでしょうけれど、尺の関係もあって一気に事件が収束する仕掛けのようにも思えてしまいました。  エンドロール後に描かれる弟の離村カット。この村に居ても未来はない。唯一の希望であった優は堕ちてしまった。優が断念し姉が失敗した離村という選択肢。最早ほかの選択肢はないのだという決心。解るのですが必要だったのでしょうか?  一方、犯罪者の親族に対するいわれなき誹謗中傷、職業差別とも解されかねない廃棄物処理業者の描き方、社会派作品としての鋭い視線を大いに感じました。  そして、優の心理に呼応するような能面の微妙な表情の変化や、全てを知っていて沈黙を守り自らの運命を受け入れる老婆の存在など、作品の魅力をしっかりと支えるなくてはならない映像表現も多々ありました。  改めてひとことで言うならば、チグハグさがあるがための残念な作品という印象でした。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-07-05 10:41:19)
11.  ヴェロキラプトル 《ネタバレ》 
微妙にコメディタッチなモンスターパニックもの。原題の「Craw」(カギ爪)の方が良いですね。ここで登場する恐竜は「ジュラシックパーク」シリーズで登場したヴェロキラプトル。本来のヴェロキラプトルとはだいぶ違うようですが。  物語的には特に斬新と言うこともなく、さりとて面白くないとバッサリ切り捨てる程でもなく、無難にアルアル要素で固められてます。ただ、説明不足に過ぎるという部分は多々あります。  恐竜はどうやって再生したのか?そもそも何でゴーストタウンで再生実験をしているのか?研究施設やそこに住むマッドサイエンティストを古くからの住人であるだろうレイが知らないのは何故か?猛獣用?の麻酔銃で2回も撃たれたのにジュリアは大丈夫なのか?1年後が描かれてますが街で暴れた恐竜はどうやって退治されたのか?などなど。  コメディ要素を挿し込んだがために本題の補足要素が抜けてしまったのでしょうか?それとも最初っからそのあたりは「ありき」で済ます予定だったのか?  不気味な街に立ち寄ったら不気味な住人が居て更には怪物が出ちゃいました、というシンプルな構成ですね。無難に4点といったところでしょうか。  ちなみに物語とは関係ないのですが、印象に残ったのはジュリアの悲鳴。ひさびさに映画の中で所謂「金切り声」を聞いた気がします。超ハイトーンの悲鳴って、60年代とか70年代ぐらいまでのスリラーやサスペンスでよく耳にした覚えがありますが、最近はあまり記憶にないので逆に新鮮で印象的でした。
[インターネット(字幕)] 4点(2022-11-22 01:00:45)
12.  ウィジャ・シャーク/霊界サメ大戦 《ネタバレ》 
低予算映画の悲しさか、それともそれを楽しんで製作しているのか、手作り感十分なサメが合成感に溢れる映像の中で暴れ?ます。  登場人物はヒロイン以下全員が果たして役者さんなのかどうか疑ってしまう雰囲気。そして、ヒロイン以下登場する女性が概ねボリューミーなのは監督の好みなのか?(占い師だけが例外?)  ヒロインの父親は、困惑する愛娘に「我が家はオカルトの家系」と言い放ち、オカルト一家ならではの戦いをしろと突き放す。それどころか占い師から水晶玉を奪った挙句幽霊ザメを呼び寄せて食われてしまう。そして、霊となって空高く舞い上がった彼は、幽霊ザメが口から放つエネルギーボール?をオカルト戦法ではじき返してサメ粉砕。この段階で完全にコメディと化した感があります。  ヒロインは襲い来る幽霊ザメを撃退すべく結界に使っていた筈のウィジャボードをショットガンで破壊。最初からやれよ!と突っ込みたくなります。あれ?ちなみに幽霊ザメは何匹いるの?  挙句の果てに、ウィジャボードの元の持ち主ことアメリカ政府のエージェント?は他にもボードを所有していて、大統領から直接指示を受け兵器として幽霊ザメを開発しているという結末。なるほど最初から複数匹いるわけですね。  終わってみれば何とも壮大なお話。なんと言っていいのやら。しかも続編が公開予定だとか。なんだかんだ言いつつ、配信されたら観てしまいそうだなぁ…
[インターネット(字幕)] 3点(2022-11-01 11:09:59)
13.  牛首村 《ネタバレ》 
恐怖の村シリーズも第3弾。シリーズ物は得てして段々とトーンダウンしがちですが、このシリーズはやや持ち直した感じがします。  とは言え、それは全体的なストーリーがしっかりしていて解り易いということであり、兎にも角にも恐くない。徹底的に恐くない。ホラー作品である本作にとって、それは致命的とも言えるのではないでしょうか?ストーリーがきちんとしていることが逆にホラー性を損なってしまったと言うか。  背後に忍び寄る霊だとかガラスに映る霊だとかの恐怖演出がほぼ予想通りに展開されてしまう、つまりは意外性に欠けることも恐くないことの大きな要因だと思います。  過去の忌まわしい因習だとか呪われた穴蔵だとか、ジャパニーズホラー作品を彩るに相応しい魅力的なファクターを数多く取り揃えているだけに何とも勿体ない。  第4弾があるかどうかは知らないのですが、もし計画があるのであれば次回作に期待を先送りしたいと思います。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-10-14 22:32:46)
14.  ウィリーズ・ワンダーランド 《ネタバレ》 
予備知識なしで鑑賞。オープニングロールから一瞬目を離した隙に「主演ニコラス・ケイジ」を見落としてしまい、結構物語が進むまで「よく似た俳優を起用したもんだ」的に理解してしまいました。サングラスに髭面、台詞はほぼ皆無。なかなか御本人だということに確信が持てなかった訳で、ニコラスファンの皆様御免なさい。  で、肝心の作品内容ですが、賛否両論があるのも解るような気がします。そもそもホラーなのかコメディなのか、カテゴリだけでも意見が分かれそうです。  冒頭からニコラスさん演じる謎のドライバー(ツーリスト?)がパークに閉じ込められるまでは悪魔系ホラーかなと思えるのですが、彼の極めて真面目に極めて丁寧に清掃をする姿で何となく可笑しみが感じられ始め、呪われたアニマルロボットをあっさりぶっ壊すキレっぷりに笑いが漏れ、彼が大量に所持するエナジードリンクを定時に飲み干す姿で大笑い。その段階で、これってコメディ?と思うに至ります。  そして、その段階でこの作品がニコラスさんありきの作品なんだなと、改めて知る訳で、彼がクールに謎めいて登場すれば何やら不穏な雰囲気、カードやATMが使えないことに文句ひとつ言わず清掃を請け負うところで何者?という疑問、ロボットをタコ殴りして破壊しつつ規則正しく栄養ドリンク飲みながらピンボールに熱中するイカレっぷりに妙に納得。  死亡フラグを掲げて登場する若者たちはともかくとして、惨事からの生き残りの少女リヴや強面の女性保安官ルンドなど、曲者系の脇役などお構いなしにニコラス劇場が展開します。  という訳で、理屈抜きにハマってしまいました。面白いです。個人的に大いにツボだったので8点献上します。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-07-25 12:09:02)(良:1票)
15.  ウィッチサマー 《ネタバレ》 
人を食らい永くに渡って生き続けて来た魔女がテーマの作品とのことですが、全体的にそのあたりの説明が殆どなくスッキリとしない展開。1時間半ほどの作品ですが、4分の3ぐらいは核心部分がはっきりしないまま進んでいきます。特に冒頭からしばらくは、場面ごとの繋がりが見えにくく非常に流れが掴みにくかったという印象です。  クライマックスに来て一気に事の真相が判明するのですが、魔女が住み着く古家と森の中に忽然と現れる老木との関係がいまひとつ解りにくいとか、寄生している人間から這い出す魔女がありがちな造形のクリーチャーだったりとか、ラストシーンで死んだはずの魔女がちゃっかり触れてもいないマルに憑りついてたり、全てが終わってからもやっぱりスッキリしない印象ばかりが残りました。  冒頭の車中シーンで隣席の老婦人がベンに向かって「小さいのに上手ね」と話しかけるのに違和感を感じましたが、そこは唯一の伏線だったのですね。  マルに憑りついた魔女が、そのまんまだと近くの花を枯らしてしまって存在がバレちゃうからって、事務所の花を造花に変えてカモフラージュしてますが、千年とか生きて来て今までその知恵なかったんかいっ!と突っ込みたくなりました。  だいたいからして、魔女は憑りついたり寄生したり生の人間食ったりしないんじゃなかったっけかと?てか、本当に魔女なの?悪魔とか悪霊化した木の精とか宇宙から来た寄生体とかじゃないの?などと、やっぱりスッキリしない作品でした。
[インターネット(字幕)] 4点(2022-06-15 10:20:18)
16.  熟れた快楽 《ネタバレ》 
信仰に疑念を抱き人生に悩み苦しむ熟年の主婦、妻の苦しみを自らの事として受け入れることはせず只管に妻を所有したがるだけの夫、性犯罪者の心理を追求するうちに倒錯した性の虜になってしまった脳科学者。物語はこの三人だけによって展開していくという舞台劇的な作品です。 邦題は大いに的外れ。メインテーマは「愛」もしくは「心の解放」そして原題どおり「新たなる至福」と受け止めました。ですから、手段としての性行為やポルノといったパーツは散りばめられてはいますが、R指定であることはあまり意識せずに鑑賞出来る奥深い作品だと思います。 悩み苦しんでいたヒロインが、第三者に救われていくのではなく自らの強さで新たな世界に踏み出して行く。その結果として、少なからず問題を抱えた二人の男が救われていく。(夫の方は救われていないかも知れませんが)彼女は、信仰によってでも科学によってでもなく、彼女自身の生きる強さによってこそ救われたということなのでしょうね。 思いがけず出逢えた佳作に7点献上です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-02-11 13:49:25)
17.  ウソから始まる恋と仕事の成功術 《ネタバレ》 
いきなりの下ネタ連発で、人間は正直になると下ネタ中心に生きている、というテーマの作品かと思ってしまいました。ということではなく、嘘をつかないだけでなく、思ったことを口に出さずにはいられない世界なんですね。確かに、誰だって言いたくて仕方ないことは常時脳裏に浮かぶものでしょうし、それって本音なんだと思います。本音がウソだらけの人なんて余りいないでしょうし。この場合、美女が目の前にいれば下ネタが脳内に渦巻くのも仕方ないのかも。彼女の方の本音はちょっと違いますが(笑) ということで、テーマとしては、世の中はウソがあってこそ平和で円滑に事が進んでいくもの。ウソがなければ外見や履歴といった本質とは限らない部分ばかりが取り上げられて、ただ善良だというだけの者は理不尽に埋もれて行って仕舞うことさえある。だからウソは社会や個人の幸福にとって必要不可欠なのだ、ということでしょうか。 主人公のウソが余りに順風満帆にラストのハッピーエンドまで行ってしまう展開には多少もの足りなさも感じてしまいますし、空の上の人については熱心に信仰されている方々からのお叱りが心配になったりもしますが、善良極まりない作品として安心して観終えることが出来ました。 全体的に60年代や70年代の古き良きアメリカ的な色調で演出されていて、出演者のメイクや衣装もそんな感じ。かつてTVでいろいろと放映されていたアメリカンコメディのような雰囲気で楽しませていただきました。細かな演出も効いているし、意外な俳優さんがカメオ的に出演されているのを見つけるのも楽しみですね。 ちなみに、邦題はちょっと具体的過ぎるかな。原題直訳の「ウソの発明」でもいいのではないかと思えます。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-01-21 23:34:16)(良:1票)
18.  宇宙人王(ワン)さんとの遭遇 《ネタバレ》 
制作費の殆どがイカじゃないかと思われるほどのチープな作品なのに、見事に惹き込まれました。 おそらくは正統派の社会派ヒューマンドラマなのではないかと信じ、真面目にコメントさせていただくのなら、「言語や文化や外見が異なっても心は通じ合える」ことへの警鐘を鳴らすふりをして、その実、やはり「愛」を唱えた作品と言いたいところですが、やはり信じてはいけないようで、そのまんまストレートに、風刺をたっぷり詰め込んだ某国批判誹謗中傷作品なのかなぁ… 政府関係者の興奮ぶりや拷問シーンなどから、「王さん」の言葉を信じないことへの確証があるやに思え、どうせ純粋な美人通訳が最後に裏切られると、若干斜に構えて観ていたら、案の定その通り。されど、意外性はイマイチなのに思いの外エンディングにがっくりさせられたのは、懸命な美人通訳にまんまと感情移入させられてしまった証。インディーズ作品とのことながら、各国の映画関係者等の注目を集めた作品だけのことはありますね。個人的にかなりハマったので1点おまけの8点献上です。  それにしても、エビ型宇宙人やらイカ型宇宙人やら、異星人に異形を求めたがる風潮は昔から変わりませんね。この流れを創り出した古のSF作家の皆さんの想像力に敬服。ま、人間型だとむやみやたらに攻撃しにくいってのもあるんでしょうけれどね。人間同士だと平気で攻撃し合ってるくせにね。
[DVD(字幕)] 8点(2013-10-27 01:54:59)(良:1票)
19.  宇宙人ポール
皆さん既に大いに語ってくださってるので余計なコメントは省略。とにかく楽しい。レンタルDVDで鑑賞した直後にアマゾンで発注。持っていたくなる一本です。思えば「ショーン~」も「ホット~」も購入してました。イギリスのコメディ、てかサイモン・ペッグとニック・フロストのコンビの感性には脱帽です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-03-30 22:08:26)
20.  運命のボタン 《ネタバレ》 
最大の失敗は邦題かな?これは「運命」ではないですよ。選択することがテーマなのだから「運命」ではないと思うなぁ…。まぁ、かと言って原題が最適かどうかも怪しく、なんかもう少し気の利いた題名だったら、作品のイメージ違ったかも。  ま、その辺は脇に置いといて、原作未読なので何とも言えないところなんですけれどね、これは短編向きですよ。オーソドックスにSFチックに、地球や人類を創造した宇宙人が久しぶりに地球に寄ったら、環境破壊は起こすは、いつまでも戦争してるはで、僕たちはそんなことをさせるために君たちを創造したんじゃないんだからね!みたいな宇宙人の嘆きの物語にするのもいいけれど、その辺の背景的な部分は一切描かず、ただ淡々と、ボタンの存在によって炙り出される人間のあさはかさや愚かさをテーマにした方が良かったんじゃないかと思います。ちょっと欲張り過ぎたかも。 火星の話、稲妻の話、政府の秘密機関による陰謀の話… 果てはヒロインの失業と一家の経済的困窮とか、妹の結婚式とその「リハーサル」(?)とか、いろんな仕掛けを埋め込んであるのは解るんだけれど、その辺りは長編化のためのオマケみたいなもんに感じてしまうなぁ…。 謎の男の容貌のおどろおどろしさとか、中途半端にホラー仕立てだったりとか、このテーマをどの様に料理していくのかを十分に吟味することなく制作に臨んだ、ってのが凄く感じられ、非常に欲求不満なので高評価はできません。登場人物に感情移入も出来ない。残念と言うか何と言うか、原作の持つ方向性を著しく損ねた感じがしてならない作品。
[DVD(字幕)] 4点(2011-05-01 23:01:32)
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