1. 裏切りのサーカス
《ネタバレ》 予めあらすじ把握してからの鑑賞推奨。凝ったストーリーは映画だけでは無理だ。映画は映像と音のためだと割り切れ。 映画では「イギリス人らしさ」を強調する小道具としてのロンドン文化が端々に登場する。 しかしフィッシュアンドチップスとかいう下賤な食物は登場しない。薄切りでカリッと焼いたトーストを「親ロンドン」を強調するロシアスパイがブダペストで食べ、イギリスのスパイ部門トップがロンドンで食べる。 ロンドン市内にある自然池でMI6の面々は水泳を日常的に楽しむ。 まあそういったロンドンらしさを散りばめた描写を楽しむべきか。 しかしラストシーンは「ラメール」というフランス懐メロが飾る。しかもフリオイグレシアスのライブ録音を使っている。 ラメールというのは海を描写した歌だが、時の流れにより朽ちる海小屋(スパイとの闘いで散った人々かな)や永遠に変わらない海の美しさや偉大さを(イギリス、MI6)を敬う哲学的な内容を含む歌であり、監督がこの物語をどう捉えて描いたかが伝わってくる選曲である。 [インターネット(字幕)] 9点(2022-02-28 07:29:55)(良:1票) |