1. 梅切らぬバカ
《ネタバレ》 お世話が必要な人がいることで、介護者やその周囲の人がひとつになったり、お世話が必要なひとを中心に社会が回ったりというのはよくあることです。(その人が赤ちゃんだったりすることも考えても)。精神的な支柱になる。■だから珠子が、人に委ねる気になったとき胸が熱くなりました。それでは先がないんだもの。うれしいはずの独り立ちなのに。■もとに戻っちゃってよかったような気がしているのは、ワタシが観客だからでしょうなあ。■そんなお話ではなかったとも思いますけど。■塚地氏はうまいなあ。尺もちょうどいい。良い映画だった。 [DVD(邦画)] 8点(2024-02-23 16:58:15) |
2. 宇宙人のあいつ
《ネタバレ》 うーむ…。よかったですよ。子供向けマンガみたいな話とも思います。しかし、本作は、家族をうまくやっていくには、隠し事はダメで、そのためには、それぞれの打ち明け話を真摯に受け止めること、という話と受け止めました(マジメ過ぎます?)。勇気がないがばっかりに、相手を信じられないからか、「心配かけたくないから」、「よかれと思って」、我々は自分の殻の中に閉じ込めておいたりしますが、ノーガード戦法の勝利です。話すことは、放すこと。長男のキャラクターは今どき、マッチョすぎないかとも思いましたが、ワタシにはかなわないと思いました。【追記】ただ、こんな深刻な告白は、飯を食べている最中はやめて欲しいとも。せめて、食べ終わって、お茶でも飲んでいるときにお願いします。 [インターネット(邦画)] 8点(2023-10-15 18:30:10) |
3. 牛久
《ネタバレ》 この映画を世に問うことでトーマス監督は何らかの刑事罰を受ける恐れ(それを狙っているようにも思えるが)があり、実名で登場する収容者の皆さんも、何らかのペナルティが予想される告発の映画であるにも関わらず。鑑賞したワタシのインパクトほどの波風は、世間にはそんなには立ってなくて。この程度の映画なら、ことさら騒ぐでもなく、なかったように処理できるとでもいいたげな。イヤな世の中になったもんです。おそらくこの映画には、B面があって。入管施設で働く人たちは、こんな収容者処遇のやり方にどれだけ誇りを傷つけられているだろうと思って。見たところ、若い職員もいるじゃないか。どなたか観ていただいて、感想を聞かせてほしいです。 [映画館(字幕)] 10点(2022-08-29 19:39:57) |
4. 美しすぎる議員
《ネタバレ》 「美しすぎる○○」というのは、安いマスコミが使う業界用語で、通常我々の生きる現場(シャバ)では使われない言葉だと思ってました。しかし、本作の最初のころ、「美しすぎる議員」という言葉を同僚議員やらが主人公に語りかけるシーンがあり、それがなんか嘘くさいんだすよ。そしてこの作品は、この絶妙な嘘くささが通奏低音として流れ続ける、コメディかサスペンスか、つまりエンタメ系だと解釈していたのですが。なんと見終わってみれば、アイドルだった経歴をもつ初当選議員の奮闘を描くいたって真面目な社会派ドラマでした。でもなあ。ときどきアレっていう心が騒ぐ展開(女性カップルが実家に会いに行くシーン、シングルマザーが取材を受け入れるシーンなど)もあるんだけど、全体に嘘くさいんだよああ。なんかちぐはぐ。コメディのつもりが、ドラマに仕上がっちゃった印象。 [DVD(邦画)] 3点(2022-06-23 17:09:34) |
5. ウソから始まる恋と仕事の成功術
《ネタバレ》 ジェニファー・ガーナーが、アメリカの「綾瀬はるか」。 [DVD(字幕)] 7点(2021-06-04 13:22:37) |
6. ウィークエンド・シャッフル
《ネタバレ》 これはたしかに、「ウイークエンド・シャッフル」ではあるのだが、面白いのか、面白くないのかよく分からないという困った代物です。そこで、原作を読み直してみました。するとやっぱり、筒井康隆の原作の方が天才的に面白いわけで、本作では要らないこと(追いかけられるヤクザ、逃走するぶたとか)をたくさんやっているのだなあと思うのです。ただ、原作にはない「斑猫家は土足可」、「子どもが誘拐を教唆」、「強盗は兼業でセールスマン」、「強盗の死に際」という部分については、筒井ファンであろう監督か脚本家はこういう風にあの原作を読み砕いたのね、と(いい悪いはともかく)興味深かったりもするのです。特に、「土足可」にするとこんなにいっぺんにヘンテコになるのかと感心しました。そんなこんなで、どうかと思いますが、結論としてはまあまあ面白かったです。 [DVD(邦画)] 6点(2020-10-24 12:29:28) |
7. ヴェノム
《ネタバレ》 そもそもアメコミってよく知らないからだと思いますが、その実写化を、「漫画の映画化」ってあんまり思っていませんでした。いや、原作は漫画でも、そこに大人のコクを加味するのがアメリカ映画(バットマンにしろ、スパイダーマンにしろ)のやり方なのだと思っていました。が、しかし。本作については、アメリカで人気のコミックをそのまま実写化したんだなってそういう雰囲気がありました。アメリカの子供もいってるんじゃないでしょうか?エディのイメージが違ったとか、ヴェノムはあんな声じゃないとか。 [DVD(字幕)] 4点(2019-06-03 23:04:19) |
8. 美しい星
《ネタバレ》 コメディのシナリオを、悲劇の演出で仕上げたような一作。製作サイドは、そんなアンバランスなところがいいでしょうとでも言いたげだが、これは観ていてアイタタな作品。リリー・フランキー、仕事選べよ。 [DVD(邦画)] 2点(2018-07-04 22:07:49) |
9. 埋もれる<TVM>
《ネタバレ》 最後はスーツケースを開けない方がよかったのではないか。まあまあな正義漢の北見が、ここでヒヨった、苦いモノを黙って死ぬまで飲み込み続けることにしたって感じのバッドエンドが好みです。 [インターネット(邦画)] 6点(2017-09-09 08:58:20) |
10. 海よりもまだ深く
《ネタバレ》 「海よりもまだ深く 空よりもまだ青く」。本作のタイトルのもとはテレサテンの「別れの予感」です。人をそこまでに愛することは不可能なのかもしれないが、みんなそんなふうに愛し合っているのかもしれない。他人のワタシには冷凍ヤケしてんじゃないかと心配しちゃう食材を使ったカレーうどんをおかわりしながら食べる家族は、海よりも深く愛し合っているのではないか。父親がしてくれたように、台風の中公園の遊具にもぐって息子といっしょにおやつを食べるのは空よりも青く愛しているからではないか。淑子はいつかこの世を去り、真悟を通じてかろうじてつながっている良多と響子がよりを戻すことはまずない。真悟もいずれは自分の世界に旅立っていく。そこはかとなく別れの予感が漂う中に、それでもぎこちなく愛し合う家族を描いた良作だと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2016-06-05 07:54:11)(良:4票) |
11. 海街diary
《ネタバレ》 原作未読。「かもめ食堂」、ドラマ「すいか」、漫画「かしましハウス」と、女の人の共同生活を題材にした作品はハズレがないなあ。変わった生物の生態観察みたいなものかもしれない(失礼?)。バスに走れば間に合うシーン、良かったです。きっと、もっと感情の高ぶるシーンや誰かがここから抜けていくくだりがあるんだろうと思いましたがありませんでした。でも、それがいいみたい。ひとつオヤッと思ったところは、堤真一氏のキャスト。優しくってダメな人として登場したんだろうけど、ダメ感が弱い。そうとう悪い奴なんですけどね。だから別れのシーンは親切な友達が去って行くみたいで。往年の小日向文世さんみたいな人を持ってくるってもんだったんじゃないでしょうか。 [DVD(邦画)] 8点(2016-01-09 10:40:56) |
12. WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~
《ネタバレ》 「さよなら」のシーンがとてもいい。駅で見送る人たちも、バイクで駆けつける人も。名残惜しい気持ちは山ほどあるのだけれど、言葉は少ない。ワタシ日頃、「じゃ、いずれまた」とか「遊びに来いよ」とか何か付け足して、当てにならない再会の布石を置くようにしてお別れしてしまうのですが。しかし、「さようなら」。とてもすがすがしい日本語だったのですね。 [DVD(邦画)] 8点(2015-02-14 08:35:44)(良:2票) |
13. ウルフ・オブ・ウォールストリート
《ネタバレ》 漫画ゴラク的な雑誌に掲載されているような金融マンガ的なモノを元ネタにしつつも、レオナルド・ディカプリオを主役に据えたという無茶苦茶な作品とワタシはみた。「ウォール街の狼」って、「ミ○ミの帝王」(読んでませんし、観てませんが)と同じようなセンスでつけられたタイトルだと思いませんか? さしずめレオ様は、アメリカ版の竹内力。しかし、それが面白いんだから大したもんだ。 [DVD(字幕)] 8点(2014-06-08 00:24:55)(良:1票) |
14. 宇宙兄弟
漫画の映画化っていったら、もうそれだけで負け戦確定だと思うワタシです。しかし、本作についてはそうじゃなかったような気がします。特に物語前半においては、シーンの間に起きているはずのエピソードが容易に汲み取れるというか、ものすごく上手い寄木細工をみたような感じでした。志の高い人が作ったのではないかと思います。なお、原作は未読です。もちろん読みたくなりました。 [地上波(邦画)] 7点(2014-03-16 21:51:51) |
15. 運命のボタン
《ネタバレ》 鑑賞後、なにかものすごく大切なシーンを見逃しちゃったんじゃないだろうか、と疑心暗鬼になりながら、このサイトを開いたモノです。みなさんのレビューを拝見して安心しました。なんだ、ただのこけおどしだったのですね。シンプルな設定に無理矢理な説明付けのヤボ。最初の状況がもったいない、というのも皆さんと同じ感想です。なんだこれ、と言わせてもらおう。【追記】原作は20万ドルだったみたいですね。リアリティのある金額です。そこを変えてしまったのもなんだかなぁ。 [DVD(字幕)] 1点(2013-03-31 06:38:54) |
16. 宇宙人ポール
《ネタバレ》 ファースト・コンタクトのときの犬の名前を自分に付けているなんて、最初から気安い方だったんですね。全身タイツ服のようなものを身にまとっている思ったら、ハダカだったんだ。ワタシらと同じようなモンを食べるし、放屁もする。車に鳥がぶつかれば、心底ビックリする。見慣れた彼の知られざる生態を覗いた感じです。ワタシは、そんな楽しみ方をしてました。 [DVD(字幕)] 7点(2013-01-20 11:36:52) |
17. 裏窓(1954)
《ネタバレ》 うーん。これは残念。ワタシは、サラリーマン氏以外の窓の扱いが雑だったと思っています。作曲家の卵、夜ベランダで寝る人、新婚夫婦など、それぞれの隣人に興味深いエピソードや「主人公の妄想」があり、その一つに「サラリーマン氏の殺人疑惑」があるのなら、オチにも納得できたかもしれません。 [DVD(字幕)] 2点(2012-07-29 12:41:38) |
18. 宇宙で1番ワガママな星
《ネタバレ》 いかにも、ワタシ好きするDVDジャケ。ドラマ「深夜食堂」に携わっている及川拓郎氏の脚本ということで、さらに期待が高まる。マイケル富岡の自虐ネタには笑わされましたが、ちっとも悲しい感じがしないのは、マイコーの底力ですね。ただ、エンドロール後まで引っ張る話運びをするのなら、力強く宇宙へ飛び立つ姿を見せて欲しかったです。【追記】画面に出てくると、全部彼主演の映画のように見せてしまう大泉洋氏はすごい。 [DVD(邦画)] 6点(2012-01-29 20:34:52) |
19. 麗しのサブリナ
《ネタバレ》 うーん、嫌いじゃない。嫌いじゃないんだけど、なんか違うような感じがします。ものすごい豪華なキャストが、あだになっているような気がしてなりません。ヘプバーンは、キュートで、凛としていて、いいとこのお嬢さんにしかに見えない(サブリナには、パーフェクトなスフレを作って欲しかった)。ボギーは「カサブランカ」のイメージが手伝ってか、ワタシには22歳の娘に惹かれて、すべて投げ打つようには見えない。もっとドタバタをやりたかったに違いないビリーワイルダー。なんか、全体にかみ合ってない感じがします。ラストは、兄は弟を、弟は兄をおもんぱかり、それぞれをパリ行きの船に乗せようとするが、すべてを了解したサブリナ一人旅立ってしまう、という感じの方が良かったのではないでしょうか。そして、ララビー家の生活は、元にさやに収まっていく。コメディタッチながらも、悲しい恋は、悲しい恋のまま終わる、ってとこでどすか。 [DVD(吹替)] 6点(2011-10-30 00:47:42) |
20. 運動靴と赤い金魚
《ネタバレ》 とにかく2人の兄妹のいたいけな感じが、ハンパない。冒頭、ザーラの靴が持っていかれたシーンから、とにかく映画が終わるまで、この2人にこれ以上悪いことがありませんように願い続けた本作でした。何も起こらないことを祈り続けた映画なんて初めてです。お父さんに買ってもらった靴を履いてうれしそうにしているシーンを、エンドクレジットでも良いから観たかったけれども。でも。やっぱりよかった。ちょっと、迷ったけど10点です。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2011-07-11 21:50:20) |