1. 海辺のポーリーヌ
《ネタバレ》 「大人の事情」のシワ寄せで、恋愛の苦みを味わったポーリーヌ。将来「私も昔はイタい時代があったよなぁ」と苦笑いできる女性に成長できればいいのですが、まわりの大人がこんなのばかりではねぇ・・・(笑) 大人のズルさ・オトコの身勝手さもさらっと薄味で見せることで重苦しさもなく、多少のすったもんだも海辺のバカンスの能天気さでノープロブレム、まさに「喜劇と格言」という言葉にピッタリの内容でした。 それにしても、出てくる大人はいいトシこいてガキみたいな奴ばかり。コイツらを見てると、日本の若い世代がバカだらけだったバブルの頃を思い出します。「バカンス先でアバンチュールを楽しむのがおしゃれ」とかほざいていた女子大生とそれに群がる下衆男、そんなシチュエーションに憧れて大人の階段を上りたがる小娘たち。こんな風潮も日本は一過性のブームで終わりましたが、フランスの恋愛体質ってこういうもの? 映画としての出来は悪くないと思いますが、描かれる恋愛観と自分の恋愛経験の質とが違い過ぎるようで、いまひとつ好きになれない内容でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-11-04 18:18:26)(良:1票) |
2. 美しき結婚
《ネタバレ》 アホ極まれり、とは、この女のためにあるような言葉ですね(笑) 最初、妻子持ちの彼氏とベッドでお楽しみの最中に、彼の妻&子どもからの電話。その瞬間、別れを切り出し、相手もいないのに結婚宣言。この段階で、相当イタイ女であることがわかります。そして案の定、たわけた言動で周りに迷惑かけまくり、一番災難だったのは弁護士。 この女と彼とでは、人としての格が違うことを見せつけてくれるのが、彼のオフィスに乗り込んだ彼女を上手に振るシーン。女がバカ過ぎて最悪の別れ方になってしまいましたが、アタマのいい人・デキる人は、やっぱり女性の扱いもうまいですねー。この映画で一番の見どころはここかも(笑) もともと、こんな女を人に紹介するクラリスが一番の罪なのですが、でも女性って、こういう結果を招いた原因が自分であっても「あらそう? うまくいくと思ったのに。あはははー」と、あっけらかんと言ってしまう能天気な人、結構多いような気がします(笑) エリック・ロメール監督の映画には、この映画に限らず、かなりイタい女性がよく出てきます。最初、世の中の似たような女に「あなたも近いようなこと、していませんか?」と、遠回しに忠告しているのかと思いましたが、でも困ったことに、こういうタイプの人って、これが自分のことだとは決して気付かないんですよねぇ・・・ [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-10-19 19:35:19) |
3. WEEKEND BLUES ウィークエンド・ブルース
映画の命は脚本であることを再認識させられる、見事な出来栄えでした! 低予算丸出しのチープな映像でも、有名な役者がいなくても、脚本と構成、そしてセンスが一流なら、充分に楽しめる映画を作れる、映画制作を志す人にとってお手本のような良作です。 序盤、アヤしい薬を飲んで記憶を無くし、その間に何があったのかを探るという展開で、もし内田監督の作品と知らずに観たら途中でリタイヤしそうでした。でも話が動き始めたら目が離せなくなり、写真の裏の住所、大金、散らかった部屋、津田沼、牛乳、そしてサムライ等、前半に散りばめられたキーアイテムが次々と後半につながって、加速度のついた面白さで一気にラスト。山本くんの「がんばりましょうよ!」が沁みましたね。 なんてことない話を、見せ方の順番や視点を変えるだけでこんなにも面白くしてしまう、しかもこれがデビュー作という内田監督の才能に、ただただ感心するばかりです。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2020-01-18 21:16:12) |
4. 宇宙人王(ワン)さんとの遭遇
《ネタバレ》 これは、ラストのセリフを聞くためだけの映画だと考えると、ふざけた邦題やDVDのパッケージのコピー、ワンさんの外見、雑な取り調べなど、B級映画まる出しのようなイメージも、すべて計算された仕掛けに見えてきますね。 もし仮に、諸々のツッコミどころをすべて解消して、あんなチープな世界観ではなく、国家最高機密を扱うようなものすごい環境の中で、取調官も世界レベルのキレ者たち、相手はミステリアスな地球外知的生命体・・・のようなハリウッド映画仕立てだったら・・・ストーリーからラストまですべて予想の範囲内、あのラストの衝撃とは比べものにならない、クソつまらない映画になりそうですね(笑) わめきちらし、拷問を繰り返す取調官に対し、紳士的なワンさんの態度に、「ほんとに友好が目的だったらどうするんだ!」と、見る側を女性通訳に感情移入させるような流れですが、これがトラップであることはすぐにわかります。そして「ほんとは侵略が目的だったけど、やさしく接してくれたガイアさんだけは何とかしてあげたい」的な展開になるんでしょ?・・・というお約束を、最後のセリフで見事に叩き壊してくれる、その「うわあ!」の瞬間を味わう映画ってことですね。 とはいえ、「傑作!」と評するほどの出来でもなく、まぁあまり深く考えず、円谷プロの「ウルトラQ」を見るくらいの感覚で鑑賞するのがちょうどいいと思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-06-20 09:23:11) |
5. 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)<TVM>
《ネタバレ》 最近、アニメ版が公開されたためか、CSで何度も放送していたので、ひさしぶりに見直しました。初めて観た時の、心の奥の方にしまってあった、忘れかけてた大事なものがキラキラと蘇ってくる感覚、それがまったく変わっていなくて、むしろ歳を重ねた分、輝きの質が増したように思えました。特にあの音楽、流れる旋律も、挿入するタイミングも、バツグンのセンスですね! 思春期に差し掛かった子供時代、夏休み、女子・・・。この3つが合わさった思い出のある人(特に男性)には、たまらない作品ですよね^^ 「もしもプールで足をぶつけなかったら」というifの部分を変に強調することもなく、シンプル&ストレートに表現しているからこそ、響いてくるものがあるんでしょう。ウケそうな材料を何でもかんでもブチこんでこねくり回したような、ごった煮ドラマを作っている人に見習ってほしいです。 ひさしぶりに見直して、今回新たに自分のツボにハマったシーンがありました。 夕方の安曇医院の待合室、夕陽が射して他に患者もいなくて静かな感じ、「あー、子供の頃の夏の夕方って、こういう印象だったわー」と、何ともいえない懐かしさを覚えました。 子供の時、夏って、朝も昼も夜もワクワク感に満ちあふれていた印象で大好きでしたが、唯一、夕陽が沈みかけるあの時間帯の、まるで一瞬時間が止まったような、世の中のすべての音が遠くでかすかに鳴ってるような、妙な物悲しいムードが嫌いでした。 しかし最近、夏の夕方にそういうことを感じなくなったせいか、夕方の安曇医院の雰囲気、とても懐かしく感じました♪ このイメージを崩されたくないので、アニメ版はきっと観ないと思います。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-07-23 00:22:46)(良:1票) |
6. ウォーターボーイズ
これ、公開当時に見れば面白く感じることができたんでしょうか?ラストのシンクロシーンが見せ場のようですが、そこに至るまでの話が薄っぺらくて、なんとなくのノリやギャグ、工夫のない青春ごっこ等、とても退屈でした。社員旅行とかのバスの中で、みんなのヒマつぶしのために流しておくにはちょうどいいくらいの映画かなと・・・。今はまだいいでしょうが、30年後くらいには「昔の日本って、こんなクソ映画が流行ってたんだよなぁ・・・」って言われそうなクオリティでした。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2013-05-05 21:21:16) |
7. ウタヒメ 彼女たちのスモーク・オン・ザ・ウォーター
《ネタバレ》 家庭や人生に悩みを持ったアラフォー女性たちが、ロックバンドを結成して演奏しよう!という、ありがちなストーリー。まぁだいたい話の展開は予想できますが、それにしても脚本・演出があまりにもひどくて、最後まで観るのがかなり苦痛でした・・・。コメディ要素とシリアス要素の匙加減を大きく間違えたようですね。メンバーそれぞれが抱えている悩み・苦しみの表現が浅過ぎるというか、表面的過ぎてリアリティが感じられず、まるで共感できません。それを、バンド活動を通じて解決していく的な展開を狙っているようですが、肝心の音楽活動シーンの描写がテキトー過ぎて、これまた話になりません!もう、最後のライヴシーンなどは最悪!ステージから逃げた新子さんが、舞台袖で泣いてるとかならともかく、自宅に帰ってるって・・・(爆)これ、同年代の女性が見たら共感できるんでしょうか?また、芸人としてのしずちゃんは好きなのですが、この映画に限らず、役者としてのしずちゃんの演技はどうかと・・・。ヴォーカリストのヨメは「ライヴの衣装デザインだけは参考になった」そうです(笑)。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2013-04-08 17:39:44) |
8. 運命じゃない人
とても面白かったです!最初のうちは面白味はまったくありませんが、「このシーン、実はこういうことでした」という種明かし、しかもそれがひとつではなく、幾重にも折り重なっていたというところが素晴らしいです。ただ、全体的に漂うチープな雰囲気が残念でした。 [DVD(邦画)] 9点(2012-10-21 23:08:26) |
9. ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~
松たか子、がんばっていたけどいまひとつという印象でした。観たのはつい最近なのに、ほとんど内容を忘れてしまいました。つまり、あまり面白くなかったということですね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-12-28 11:44:19)(良:1票) |
10. 美しい人(2005)
《ネタバレ》 バラバラに見えて、ところどころ話がつながっているところがあるので、最後にはひとつにまとまるのかと思ったら、そうではありませんでした。すべてワンカットで撮られていましたが、無理やりっぽいところもあり、見苦しく思える点もありました。おそらく、この映画が面白くないのではなくて、自分がこの映画の面白さを理解する感性が欠如していた、ということらしいです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-08-18 19:08:43) |
11. うなぎ
《ネタバレ》 ディレクターズカット完全版を見ました。最初観た方の作品の疑問を解決するシーンも多く盛り込まれていましたが、逆に作品そのものが安っぽい感じなってしまったような気がします。特に役所広司のイメージが変わってしまうような編集はやめてもらいたかったです。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-07-10 00:20:55) |
12. 裏窓(1954)
《ネタバレ》 ヒッチコックの本領発揮といった見事な作品でした。自分の部屋と、窓から見たアパートの様子だけで映画を作ってしまうなんて、こんな映画はもう2度と出てこないと思います。グレース・ケリーの美しさが際立っていました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2011-07-09 00:01:10) |
13. ウェールズの山
《ネタバレ》 楽しい映画でした。 脚本はもちろん、セリフを翻訳した人のユーモアのセンスもいいですね。 タラ・フィッツジェラルドは、「ブラス!」の方が魅力的かも。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-05 00:43:23) |