1. たつまき奉行
《ネタバレ》 青観あにさん、ども。んー、僕もこの作品はちょっと物足りなかったです。千恵蔵版「遠山の金さん」シリーズはこれしか観てないので何とも言えないのですが、何だか中途半端にサスペンス要素(?)が入ってたのがかえって良くなかったのかなあ。あ、でも途中のセルフパロディみたいなところ(今回は場所が場所だから、いつもの「この桜吹雪が~」ってのが言えねえなあ、と金さんが独りごちる所)と、ラストのワッショイワッショイなどんでん返しは結構マキノな感じでした。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-28 16:41:09) |
2. 旅の重さ
瑞々しい、良い映画だなあ。当時ってこういう若者の貧乏一人旅が流行ってたんですよね(という言い方すると、何だか上から見下ろしてるみたいでイヤなのですが)。これは日本の映画の筈なのに、そこに映し出される日本の風景や人々は何だか「自分の知らない日本」のようで、切ないようなもどかしいような、不思議な感慨にとらわれます。高橋洋子も可愛らしくて、素敵。 [DVD(字幕)] 8点(2005-12-01 18:37:17) |
3. 大統領の理髪師
むむー、ちょっと観る前の期待値が高過ぎたかも。もちょっとメリハリをつけて、笑わせる所は笑わせる、泣かせる所は大いに泣かせるって感じにして欲しかったなー。でも、こういう歴史の描き方ってとっても意欲的だと思うし、それを新人監督に任せてしまう韓国の映画会社の度量も凄い。別に韓国映画を全部手放しで褒めるつもりはないけど、その映画作りに対する姿勢とか心意気は、学ぶ所が一杯あると思う。日本の映画会社も、ブームの上っ面だけを真似るんじゃなくて、そういう所をお手本にしないとさ、ホンットに、滅ぶぞ。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-19 19:13:50) |
4. ダーティファイター(1978)
みんな、イーストウッドの作品に関するパクリ問題と言うと「荒野の用心棒」ばっかし問題にしてるけど、何でこの作品の事ゆわないの?これ、明らかに菅原文太の「トラック野郎」のパクリぢゃん!ってかマジな話、菅原文太とイーストウッドって似てなくない(あの、目を細めた感じとか眉間のしわとか)?ま、パクリかどうかは別としても、ちょっとコメディとしてはテンポその他があんまし良くない気がする。あの中年ネオナチ暴走族(?)は弱すぎるし、主人公を追いかける警官もマヌケだし、伏線のように言及されてた「伝説のストリートファイター」タンク・マードックはただのオッサンだし。ま、この作品の場合、作品そのものを楽しむというより、こんな作品にイーストウッドが(いつものしかめっ面で)出てるって事を面白がるのが良い気がするな。特にイーストウッドとオランウータンとのカラミがおもろいです。 [DVD(字幕)] 6点(2005-06-22 18:09:47) |
5. 太平洋奇跡の作戦 キスカ
うにゃあ~、先にあまみさんのような方にレビューを書いていて頂けると、楽ちんです~。後はただ「面白かったです」だけでもオッケーなんだけど、そぉだなあ…この、針に糸を通すような、或いはピアノ線の上を綱渡りするような作戦を遂行するというドキドキハラハラなドラマ、実に見応えありました。あと、この手の第二次世界大戦を舞台にした戦記映画って何となく右翼っぽいというか、悪い意味での懐古主義みたいなものがあるような気がして敬遠してたのだけれど、ちょっと意識が変わりました。少なくともこの作品は、戦争や戦時中の日本軍を美化しているのではなく、戦時という(殺し合い、奪い合う事が目的の)極限状況の中でも人は生きようとし、そして生かそうとした、というドラマがあったのだ、という「人間賛歌」のひとつの形ではないだろうか、と思われました。・・・ところであの気象官、児玉清が演じてたんですねー・・・なぜ、角を取らない・・・いや、ちょっと言ってみたくなっただけです(笑)。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-06-04 16:07:42)(良:4票) |
6. タイガー&ドラゴン(単発ドラマ版)<TVM>
実は今まで、クドカンのTV作品をちゃんと観た事なかったんですけど、面白かった。ってか西田敏行と桐谷健太が再び共演してたなんて、もぉ~そぉゆう事は早く言ってよ~(脚本上二人の絡みがないのは残念だけど)!しかも「ゲロッパ!」の羽原大介親分が長瀬演じるヤクザにビビってるのがすんげー可笑しい。「笑いがわからないヤクザ」という設定だけど、僕の身近にも、冗談が全ッ然通じなくて尚且つ異常に低レベルなギャグで恐い位に大爆笑する奴がいるので、妙に納得できました。それに以前から落語には多少の興味があったものの、いまいち敷居が高くてちゃんと観たり聴いたりがなかったので(という人は結構多いと思う)、そういう意味でも楽しかったです。 [DVD(字幕)] 7点(2005-05-16 18:20:24) |
7. ダドリーの大冒険
あたたたた・・・久々に当たっちゃった。基本的に善人が主人公のコメディは嫌いじゃないし、ブレンダン・フレイザーも結構好きなのですが、これは痛い。笑えない、クスリとも。監督のヒュー・ウィルソンは、知名度こそそんなに高くないものの「ポリスアカデミー」に始まってなかなか良いコメディーを撮っている人なのに、何なんだ~(泣)。これじゃブレンダン・フレイザーはともかく、サラ・ジェシカ・パーカーがかわいそう過ぎます。一体アメリカ人の笑いのセンスってどうなってるんだ!と思っていたら、この作品1999年度のスティンカーズ賞(ラジー賞みたいなの)を受賞してると知り、ちょっと安心。 [DVD(字幕)] 2点(2005-04-15 18:17:24) |
8. タイムトラベラー/きのうから来た恋人
楽しくて、良い映画です。アダムが初めて空を見た時、海を見た時のあの反応は、まるで「ベルリン・天使の詩」で人間になった天使が初めてコーヒーを飲んだシーンを思い起こさせました。ゲイの人もいい味出してたし。ただ、全体的な作りが、いかにも大味な最近のハリウッド作品っぽいのが、惜しいといえば惜しい。もうちょっと親子の触れ合いとか、或いは六十年代の視点から観た現代批評みたいなところを突っ込んで描いてくれれば良かったのに・・・まさかとは思うけど、この監督はフランク・キャプラの作品観てないのか?まあでも、ブレンダン・フレイザーがキュートだったので、ちょいオマケです。 8点(2004-11-24 16:27:14) |
9. 誰も知らない(2004)
是枝監督という人は、そのドキュメンタリー的手法を用いて、いわゆる「物語」の枠組みからこぼれ落ちてしまうモノ(物・者)たちを画面に捉えようとしている作家だと思う。・・・と何だか偉そーな言い方をしてしまったけど、要は現実ってそんな起承転結とか、或いは良いモンと悪モンとか、分かりやすくなってるわけではないじゃん。それを強引に分かりやすい形で解釈しようとすると見えなくなってしまうものがある、と言いたいのじゃないかな。例えば・・・例えば、第二次世界大戦中のユダヤ人とか、或いはフセイン政権下のイラクの人々とか、そんじゃなかったら今の北朝鮮の人々でもいいんだけど、大体「悲惨」という風に思われてるでしょ。いや、実際悲惨だろうし、ナチやフセインや将軍様を正当化するつもりは毛頭ないよ?んでもさ、だからって人々が四六時中ずぅーっと悲しがってて良い事なんか一つもなかったか?っつったら、それも違うと思うんだよね。きっと悲惨な暮らしの中でも、ささやかな喜びとか幸せとか笑いとかあると思う。人間は弱いようで強いし、誤解を招くような言い方だけど悲惨な状況下にある人々を単に「かわいそうな人」と捉えるのってかえって失礼な気もするんだ。で、話を映画に戻すと、確かに現実に起こった事件も映画の中の出来事も「悲惨」だし、その罪を問われるべき人もいると思う。でも、そういう中でもおそらくあったはずの幸せとか喜び(別の言い方すれば、人としての「尊厳」)が、この映画の中には込められている、と思う。で、カンヌとかは別に関係なく、僕はこの映画、好きです。 8点(2004-10-27 19:57:21)(良:2票) |
10. 大魔神
僕が子供の頃は、よく夏休みとかにガメラやゴジラ、それに「妖怪大戦争」なんていう特撮モノの作品がTVで放映されてました。今はそんなことないのだろうけど、昔はスタッフ・キャストの所を無理矢理テレビサイズに収めるために横長になってたんですよねえ。何かエライ横長のガメラとか、印象に残ってます。ところで最近この「大魔神」がDVDで出てたので久々に観たのですが、うーん、子供騙しじゃなくてきちんと作っているのが良いですね。大魔神が単なる正義のヒーローではなく、何というか人智を超えた自然そのものって感じでした。基本的に僕は無神論者だけど、やっぱ人間は自然とか色んなものに対して謙虚じゃなくちゃイカンと思うぞ。 7点(2004-10-15 18:25:38) |
11. タンク・ガール
うーん、主役のタンク・ガールとジェット・ガールがキュートで良かったけど、あまりにマンガチック(元々コミックの映画化だからしょうがないけど)だし、悪い意味でMTVの影響を受けすぎかな。低予算でも「ターミネーター」みたいにしっかりした作りの映画はあるのに、ちょっともったいない気もしましたねえ。 6点(2004-09-20 20:22:00) |
12. たそがれ清兵衛
山田洋次監督に対しては、かつて深夜に放送されていた彼の代表作をちょっとだけ観て「あんまし好きじゃないかも」という印象を持っていて、本作も敢えて手に取る気持ちがなかったのですが、今回のアカデミーノミネートの報に触れ、ついレンタルしてしまいました。最初の内は「時代考証を綿密にやったって事だけど言葉遣いとか、微妙にヘンだぞ?」とか「なんだかありがちなパターンかも。いかにも『古き良き日本人像』を演出してるのがアザトいぞう」とか「うーん、悪いけど真田広之以外はちょっとミスキャストかも」とか色々ツッコみながら観ていたのですが、後半清兵衛に求婚された朋江が他の縁談を受けてしまった事を告白するシーンあたりから一気に引き込まれてしまいました。ラストもちょっと泣けてしまったし。正直山田洋次に対しての先入観は完全に払拭されてはいないけど、真田広之の殺陣も含めた演技はすばらしかったと思います・・・・・・っていうか僕の場合、子役の女の子が可愛い作品は大体気に入ってしまうという弱点があるのですけどね。とりあえず「雨あがる」よりは良かったと思います。 8点(2004-02-03 17:04:26) |
13. ダイ・ハード2
この手の映画をあんまり観ていない(=スレてない)ためか、割と素直に楽しめました。プロットの妙は前作よりアップしてるんじゃないでしょうか?あのどんでん返しは結構驚かされたし。ただ、娯楽作であんなに人を死なせちゃったり(見せしめに落とされた旅客機のことです)、いくら悪ーいテロリストだからって殺した後に歓喜のガッツポーズ→感動の抱擁→ハッピーなエンディングっていうのはちょっと違和感あり。あと、あのアナウンサー、馬鹿過ぎ。 8点(2004-01-28 21:52:25) |
14. 太陽は、ぼくの瞳
非常に感覚(視覚・聴覚・触覚)に訴えてくる作品です。冒頭の、主人公の少年が小鳥の雛を助けるシーン(ここで彼の性格や、どのように世界を捉えているかがわかる)や、色鮮やかな農村の風景、また時折強調される鳥の声に加え、父親に海へ連れてこられた少年が足の裏で波にさらわれる砂を感じる所なんか、かなり良かったです。出演者はほぼ素人ばかりということですが、父親にせよ、祖母にせよ、皆味わいがあります(特に主人公の姉妹が可愛い!丘陵を駆けて行く所なんか、ちょっと「ミツバチのささやき」を彷彿とさせました)。それと、イランにあんなに美しい農村があったというのが驚きでした。恥ずかしながら、「中東=砂漠」という先入観があったもので・・・。行ってみたいなあ、イラン。 8点(2004-01-28 21:39:51) |
15. 大学は出たけれど(1929)
これも、同じ頃の他の小津映画同様、一部しかフィルムが残ってないらしいです。ちなみにアメリカの州の名前が入っている壁掛けみたいなのは「学生ロマンス・若き日」にも出てたような気がします。 6点(2004-01-07 20:13:28) |
16. ダイ・ハード
別に映画スノッブを気取るわけではないのですが、僕の場合アクション・CGばりばりモノ・サスペンス・おしゃれなラブコメ・・・といった、つまりは最近のハリウッドが得意とするジャンルは、嫌いではないのですが積極的に手に取る方でもないので、この大ヒット作もずっと未見だったのですが、エージェント・スミスさんの影響かなんとなく借りてしまいました(っていうか、クリスマスの話ってのも知らなかった)。何しろ見慣れていないジャンルなんで新鮮で楽しかったです。それにしてもスネイプ先生、こんな役もやってたんですね・・・って普通逆?あたしったら、天然ボケ? 8点(2003-12-29 19:25:58) |
17. 台風クラブ
実はそれ程好みじゃないのですが、何だか凄い作品。相米慎二ってアイドル青春映画の人と思われているけど、その作品には必ず「狂気」が潜んでいる。この作品ではその「狂気」が全開してます。 6点(2003-12-19 17:42:14) |
18. ただいま
仮出所の主人公が刑務所から自宅に戻るところは、一種のロードムービーのようでした。17年という刑期(逆算すると1981年~98年位か?)の間に様変わりした街の様子に重みを感じました。しかし、やっぱり最後の家族の邂逅のシーンがいかにも唐突で、しかも悪い意味で古臭い感じがしました(お母さんがお父さんに向かって「馬か牛に生まれかわってあなたに仕えます」というところとか)。あと、付き添っている主任さんがかわい過ぎるんですよねえ。ちょっとキャスティングに難があった気がしました。 2点(2003-11-19 18:24:26) |
19. TAMALA 2010 a punk cat in space
一言で言うと「エヴァンゲリオン+マトリックス+佐々木マキ(昔「ガロ」という雑誌で前衛的なマンガを書いていた人)」って感じかな・・・って全然説明になってないけど。シュールな話だし、音楽が豪華なんである種「ラン・ローラ・ラン」みたいなミュージッククリップっぽい感じなのかなーと思ったら、後半ちゃんと物語が構築されていくのでちょっと意外でした。とにかく話がどう転がるか分かんないんで、そういう意味で面白かったです。 7点(2003-11-16 20:27:53) |
20. タクシードライバー(1976)
《ネタバレ》 がびーん、と来る作品でした(・・・なんか今日は連続投稿してるから、だんだん文章が、頭悪くなってきた)。トラヴィスの抱いている「正義」の歪み方が、当時の(今もか?)アメリカのゆがみを象徴してるようでとても不気味です。そんな異常なトラヴィスの「正義」が本当に「正義」として受け入れられてしまう異常な社会、という皮肉なラストが余韻を残します。よい~ん(・・・今日は、もう、駄目だ・・・)。 8点(2003-11-14 19:41:05)(笑:1票) |